440. New ◆QTlJyklQpI 2010/08/27(金) 00:57:05
提督たちの憂鬱  支援SS  とある軍需産業経営者たちの会議1942

米国のとあるビルの最上階でその会議は行われていた。窓はカーテンで覆われ部屋も”掃除”され盗聴器一つないそこで米国の軍需産業を
担ういわゆるエスタ・ブリティッシュメントたちが集まっていた。
「諸君、嬉しい報告がある。ついに大統領が日本との戦争を行うことを決定した」議長役
周りの出席者たちはほくそ笑む。彼らにとって戦争はいい稼ぎ時であり自分らは飽くまで需要に答えて武器を売るだけなのでなんら罪悪感も
湧かないのだ。
「いよいよですな。ドイツとの戦争では軍艦が沈まないのでヒヤヒヤしてました」
大型軍艦建造関係者が苦笑しながら言う。
「それにBOBこそ激しくなりましたがかの国が既に国力が疲弊してたのは分かり切ってましたからね。あのままだとドイツは航空機も陸戦兵器も枯渇
して我々の望む需要が大幅に減ってたでしょうに」
「正にその通り。ソ連と戦うのもフィンランドを見れば役不足にすぎる。ま、あの後懲りて軍備を整えてるらしいがまだ収穫時ではないね」
「我々は今すぐ市場が必要なのだよ。このままだと我々はおろか合衆国さえ破産宣告を出すところだったのだから」
「それもこれもあの極東の猿どものせいではないか。恐慌で毟り取り、ヨーロッパや中国では兵器市場まで毟り取ろうとしおって」
日本は恐慌の時それこそベニスの商人の如く富を毟り取っていき、30年代から米英に匹敵する兵器を輸出し始めた事は
ここにいる関係者たちには重大な問題だったのだ。
「もっと早く日本を叩いておれば良かったものを」
「無茶を言うな。ロシア帝国の皇族もいるし、英国とも密接に協力していた。我々も新たな中国市場の開拓に忙しかったではないか」
「しかしそのせいで繊維産業は放逐され商船の数々も取られて日本の商船団が跋扈するようになってしまった」
「それもまもなく終わる。いくら猿どもに優秀な組織があろうが物量には適うまい」
「だが、彼らの配備している兵器は我々の物より性能が高いぞ。勝てるのか?」
「勝てるさ。敵が我々の2倍強ければ2倍の、3倍なら3倍の兵器を供給すればいい!国民も猿の帝国に大被害を受けたら講和も申すまい」
「より多くの航空機がより多くの軍艦が、より多くの戦車が壊れ、作られる。軍部の情報局には日本製兵器の情報をかなり低くして伝えているせいぜい初戦は苦戦して欲しいものだ」
「ふ、例え破れても攻められないほどの領土と距離があり、豊かな資源と成り立ちから常に戦争を求める大国。まことにこの国に居てよかったですな」
「全くだ。猿どもとはいえ同情するよ」
心にもない事をと笑いが渦巻く会議室。だが、その後彼らはこの戦争を仕向けた事を大いに後悔することとなる。

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最終更新:2011年12月31日 19:53