65 :パトラッシュ:2013/12/21(土) 09:13:54

earth様作『嗚呼、我ら地球防衛軍』と某作品のクロスオーバーのネタSSの勝手な続編PART36

中国共産党中央政治局会議SIDE

「それでは同志国家安全部長、現在『地球連邦』の統治下にある世界は、大半が無人の荒野なのは間違いないのだね」
「は、同志国務院総理。少しずつ洩れてきた情報を総合した結果ほぼ確実かと。あちら側の人口はガミラス戦役前には宇宙植民地を含め二百億人に達しておりましたが、現在は数億人程度との話です。環境は人が住めるまでに回復したものの地表の大半は住む者もなく放置されており、わが中国の領域もほとんど同様の状態らしく」
「何とも凄まじい戦争を戦ったようだな……しかし惜しい、実に惜しいとは思わないかね同志諸君」
「同感です、同志国防部長。その広大な土地にわが人民を数億人ほど移民させれば、どれほど世界の発展に役立つか知れません」
「しかも彼らは宇宙にまで支配域を広げ、地球を首都とする太陽系国家を形成しつつあるとか。向こう側に中国人移民を送り込めたなら、すべてが中国のものになるわけです」

「偉大な中華が宇宙を支配する、か。素晴らしい未来図だが、問題は実現する手段がまったくないことだな」
「残念だが同志総書記の言う通りだ。現状どの国も次元回廊への到達方法を持たず、地球連邦に外交使節や留学生も派遣できず、彼らの先端技術を奪取するすべもない。日本にある彼らの代表部には潜入できないのかね?」
「無論、開設当初から様々な方法を試みていますが、地球連邦も用心してか代表部の人員は筋金入りばかりで、現在まで成果はありません。加えて、あの場所は各国情報機関の厳重な監視下にあり、強引なやり方をごまかせるとは思えないので」
「知られているだけでワープ航法、遊星爆弾、超大型ビーム砲に恒星間航行用大型宇宙船だからな。どれかひとつでも手に入れた国が世界を制覇するのは間違いない。地球連邦が技術開示を拒んでいるからこそ、ISの優位性がかろうじて保たれているのが現状だ」

「同志総参謀長、IS学園に留学した凰鈴音候補生はどうなっている? 彼女は織斑一夏の幼馴染なのに、何の情報も得られていないのかね」
「同志副主席、初歩の諜報訓練も受けていない十五歳の少女に多くは期待できません。むしろ日本政府の対応に注目すべきかと」
「日本だと? 地球連邦政府が日本を優遇しているのか?」
「逆です。日本が地球連邦への積極的優遇策をとっていると在日武官から報告がありました。代表部員に外交特権を与え、駐在代表を天皇に公式謁見させるなど大使と同格に扱い、代表部周辺の国有地に自由利用権を認め、外貨を持たない代表部に対して日本製品購買のためクレジットを設定するなどしています。地球連邦側や美国(アメリカ)の要請などではなく、日本側が一方的に」
「ふん、あの国にはプライドのかけらもないな。まるで飼い犬か属国の振る舞いだぞ」
「その通りですが同志常務副総理、名より実を取るために有効な策なのも確かです。織斑大尉の留学で日本に代表部が置かれたのを好機に恩を売ることで、少しでも利権や政治的成果を得られたらと。いわば弱者の戦略ですか」
「わが国のような大国には決して取れない外交政策だな……地球連邦に軍事的圧力をかけられず、外交官や諜報員も送り込めない以上、現実問題として弱者の戦略もありか」
「同志外交部長、わが国と友好関係にある途上国を操って同じ政策を取らせては? 地球連邦は長年の戦争で経済的に疲弊しているだろうから、食料品を輸出したいとの口実で接近できるかもしれない」
「わかりました、検討してみましょう……あとソウルからの報告によると韓国が幾つかの国に対し、人道上の建前を口実に同じ国や民族の状況を知らせるよう地球連邦に共同要求しようと持ちかけているとか。もっとも誘っているのは中南米やアフリカなどの小国ばかりで、ISコア確保に失敗して国際的地位の低下に焦る韓国がその代表として国際社会で大きな顔をしたい魂胆が見え透いていますが……」

※第三弾です。中国の故周恩来首相は「外交に小事なし」と語ったそうですが、現在の大国意識丸出しの対外政策は「外交は小事なり」と云わんばかりで、本当に矮小な国になったという感があります。Wiki掲載は自由です。

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最終更新:2014年01月12日 13:37