15. earth 2011/12/04(日) 20:08:06
  憂鬱IFネタ
  津波が本編よりもやや弱くてワシントンDCまで到達せず、さらにアメリカ風邪が発生しなかった場合です。


  西暦1943年1月20日、ホワイトハウスの大統領執務室は暗然たる雰囲気が漂っていた。

「敗北しただと……」
「はい。ハワイ沖海戦は太平洋艦隊の敗北で終りました。戦艦9隻、空母3隻が沈没。キンメル提督は戦死されました」
「……」

  アメリカ合衆国大統領ヒューイ・ロングは崩れ落ちそうになる自分を必死に奮い立たせようとする。

「ジャップに与えた被害は?」
「砲撃戦で戦艦フソウを沈め、ナガトやイセに深手を負わせたようですが……」
「殆ど完敗ではないか!  太平洋艦隊は壊滅!  ハワイの航空戦力もすり潰された!  これでは戦いようがないではないか!!」

  ロングは狂気をにおわせる表情で、海軍関係者を睨みつける。

「東海岸は去年の津波で多大な被害を受けた。造船所は水浸し。ニューヨークに至ってはまだ都市機能が回復していない。
  この情勢で太平洋艦隊が敗北となれば戦争を継続できるかも怪しい!」

  1942年8月16日に起きた津波はアメリカ東部沿岸に多大な被害を与えていた。
  東部沿岸の都市は一様に都市機能を停止した。さらに大西洋岸の軍施設も大打撃を受けており、建造中だった艦船は軒並み
使い物にならない。時間を掛ければ何とかなるかも知れないが、都市機能の回復と戦争の継続を両立させるのは難しかった。

「こうなればBC兵器の使用も考えなければならない」
「閣下、それは……」
「この偉大な合衆国を敗北させるわけにはいかん!  ましてあのような猿共にだ!!」

  かくして米軍では禁断とされるBC兵器の準備がされる。
  だがその動きはイギリスを通じて日本に齎される。この動きを知った日本政府、いや夢幻会は星一号作戦の強行を決定。

「BC兵器を使えば、自分達も道連れだということを思い知らせなければならない!!」

  かくして日本海軍はハワイ沖で失った戦力の補填もそこそこに、星一号作戦を強行する。
  
「皇国の興廃、この一戦にあり!」

  アラスカ攻略艦隊総旗艦『大鳳』にZ旗が掲げられる。
  これを迎え撃つは猛将ハルゼー率いる米海軍残存艦隊。  

「ジャップ共を土足で北米大陸に上げさせるわけにはいかん!  いいか、俺達の国は俺達で守るんだ!!」

  かくして極寒のアラスカ沖で、二大海洋国家の命運を賭けた決戦が始まる。
16. earth 2011/12/04(日) 20:10:54
あとがき
或る意味、こちらの展開は王道とも言えるかも(爆)。
でもロングはこのあと、弾道弾や富嶽の恐怖を嫌と言うほど思い知るでしょう。
津波に飲まれたほうが幸せだった位に(邪笑)。

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最終更新:2012年01月01日 19:40