267 :四〇艦隊の人:2013/12/01(日) 14:30:56

トラック沖海戦

トラック沖海戦とは一九四二年一二月二一日から同二五日にかけて行われた日米間の海戦である。
以後一九四五年八月一五日まで続く太平洋戦争の緒戦であり、以降の戦争の趨勢と、航空主兵主義の誤りを世界に証明した海戦である。

・参加兵力

日本海軍
・第一艦隊
第一戦隊上総 紀伊 尾張
第二戦隊加賀 土佐 
第三戦隊長門 陸奥
第四戦隊伊勢 日向
第五戦隊金剛 霧島
第十五戦隊   鳥海 摩耶 蓼科 浅間
第三水雷戦隊 最上 三隈 駆逐艦十六隻
第五水雷戦隊 川内 那珂 駆逐艦十六隻

・第二艦隊
第一一戦隊  天城 赤城 高雄 愛宕
第十二戦隊  有珠 湯殿 磐梯 雲仙
第二水雷戦隊 筑摩 利根 駆逐艦十六隻

・第一航空艦隊
第一機動戦隊 早池峰 白根 翔鳳 五十鈴 駆逐艦十二
第二機動戦隊 蒼龍 飛龍 瑞鳳 長良 駆逐艦十二
第一三戦隊  阿蘇 二荒
第十四戦隊  筑波 六甲
第一防空戦隊 能代 矢矧 酒匂 阿賀野 駆逐艦十六隻
第二防空戦隊 荒川 墨田 斐伊 生田 駆逐艦十六隻

・第一一航空艦隊
トラック防空飛行隊 戦闘機一二五機
第三四三航空隊 戦闘機五六機

日本陸軍
・第十二軍
トラック防空戦闘機隊 戦闘機七六機

アメリカ合衆国海軍
・第三三任務部隊
航空母艦 ユナイテッド・ステーツ アメリカ エンタープライズ ヨークタウン ホーネット レンジャー カサブランカ エセックス
戦艦  ミズーリ、ニュージャージー
重巡洋艦 ノーザンプトン ルイビル シカゴ ヒューストン オーガスタ
軽巡洋艦 アトランタ ジュノー サンディエゴ サンファン フィラデルフィア サバンナ ナッシュビル フェニックス
駆逐艦四八隻

・第五一任務部隊
戦艦  モンタナ オハイオ アイオワ ウィスコンシン サウスダコタ アラバマ インディアナ マサチューセッツ
巡洋戦艦 レキシントン サラトガ コンステーション
重巡洋艦 ポートランド インディアナポリス ニューオーリンズ アストリア ミネアポリス タスカルーサ サンフランシスコ クインシー ヴィンセンス
軽巡洋艦 ブルックリン フィラデルフィア サバンナ ナッシュビル フェニックス ボイシ ホノルル
駆逐艦四三隻

268 :四〇艦隊の人:2013/12/01(日) 14:33:57
・前史
一九四〇年に勃発した第二次世界大戦は日英独蘭西伊が中心の反共連合の優勢で進んでいた。
フランスは開戦後わずか三か月で英独西の連合軍に蹂躙され、パリをはじめとした主要都市の殆どに連合各国の軍旗が翻った。そしてアンリ=ジロー大将率いる反共派によるクーデターが発生。フランス国内の共産主義勢力はブルターニュ半島に追い詰められ、最終的に二万人弱がアメリカへの脱出に成功、残りは半数が根切りにされ、残る半数はポーランドのヴィスワ川防衛陣地に裸同然の装備で配置され、フランスは連合国の占領下に置かれることとなる。
一方東部ではソビエト連邦がポーランドへ侵攻。数と火力に任せた平押しで一ヵ月半でワルシャワを占領したが、時の駐日ポーランド大使が日本の総理官邸の前で文字通りの土下座外交を敢行、日本の国民世論を親波に傾けることに成功し、すぐ隣がソ連になるのを嫌がったドイツ、共産主義勢力の拡大を望まないイギリスもこれに同調し連合軍はポーランド西部に進駐。ヴィスワ川を挟んでソ連側とのにらみ合いに突入し、また極東では東ロシア王国(通称東露もしくは白露)が「もし仮にソ連がうかつな行動をとるならば、我々はすぐにでもモスクワ解放の軍を出そう」と発表。日本もこの発表を支持し、欧州に居る陸軍部隊にソ連への直接侵攻を行う構えを取らせた。
そしてソ連が当時の全世界から睨み付けられて身動きが取れなくなっていたとき、アメリカは焦っていた。世界恐慌による国内の不況には軍拡という劇薬で何とか歯止めがかかったが、中国大陸での植民地経営は思ったほどの利益が出ていない。欧州市場に食い込もうにも、三〇年代から欧州は英独を中心にブロック経済に移行しており、そこから追い出されたフランス一国では到底需要を満たすことはできない。そこで彼らは日本に目をつけた。大きな経済力を持つ日本を屈服させることができれば、この不況も一気に収束に向かうだろう。そして後の世に米国を滅ぼした原因と言われる悪名高き「ロングの対日十ヶ条要求」が行われることとなる。

・要求
「ロングの対日十ヶ条要求」は大まかに言うと以下のような条件からなるものだった。
・天皇制の破棄
・日英同盟及び六カ国反共連合からの脱退
・欧州、中国大陸からの撤退
・東ロシア王国の非承認
・米国製品に対する関税の撤廃
・米国産農作物輸入の義務化
・義務教育の場での日本語教育の制限
・戦艦紀伊、尾張、天城、赤城、高尾、愛宕の廃艦
・アラスカ、沖縄、トラック諸島の割譲
・外交、軍事用暗号の公開
・太平洋における漁業制限
……まともな教育を受けた人間ならばこれを言い出したのは狂人である、と断言するであろう内容である。
これに関しては諸説あるが、当時のロング政権はその判断すらできない状況だったという意見が一般的である。これは当時のアメリカは共産主義思想の浸透により各省庁の高官にまで共産シンパが居て、ソ連の指示により彼らが大統領に日本の実力を過小に評価した文書を上げて日本と開戦させたという説である。これは当時の国際情勢から考えて高い支持を受けている説であるがいくつかの点で疑問も残る。しかし本筋から外れるのでここまでにしておく。

・決裂
「…………すまないがもう一度言ってくれないか?私は自分の聴覚に深刻な異常が起きたのではないかと疑っているのだ」
byドイツ帝国宰相アドルフ=ヒトラー~この報告を受けて

「あの植民地人どもは最低限の礼儀というものも知らなかったらしい」
byウィンストン=チャーチル~戦後回顧録にて

この交渉は日本側により世界に公表され、大きな反響を巻き起こした。連合各国はこの要求を痛烈に批判。わずかに残っていたフランス市場も英独に押さえられ、日本はトラックに艦隊を集結、ハワイを狙う行動の準備に取り掛かった。
国内でも大きな反発があり、マッカーサー大将が辞任してフィリピンに脱出。またパットン少将はホワイトハウスの門に辞表を打ち付けて家族と共に東ロシアに脱出、そこで東露陸軍の客将になってしまう。
追い詰められたアメリカは一九四二年一二月一八日、南太平洋での輸送船沈没事件を日本潜水艦の仕業と断定、謝罪と十ヶ条の即時受け入れを要求したが日本側はそれを拒否。
これに対しアメリカ合衆国は二一日、「世界の平和と安定を乱す無法な国に対し制裁を加える」として大日本帝国に宣戦布告。その一時間後にトラック泊地を奇襲攻撃した。


269 :四〇艦隊の人:2013/12/01(日) 14:34:45

・第一次海戦
一九四二年一二月二一日〇九四〇時、米空母から発進した約三五〇機の第一次航空隊はトラック環礁に向かう途中で日本第一機動艦隊と遭遇、攻撃目標をこれに変更した。第一航空艦隊はレーダーによる警戒でこれを捉え迎撃機の緊急発進を行ったが、上空の直援機の機数が五七機と不十分な状態で空襲を受けて、翔鳳が沈没、飛龍が大破大炎上、蒼龍着艦不能、続く第二次攻撃隊の来襲時には直援機一四三機が迎え撃ったが飛龍沈没、白根中破発艦不能、蒼龍大破、瑞鳳舵機損傷、男体轟沈の他駆逐艦六隻が沈没等の大損害を受けてしまう。しかし来襲した米艦載機の内艦攻、艦爆の九割近くを撃墜し、米空母部隊の戦闘力を事実上奪うことに成功した。

・第二次戦闘
日本機動部隊が主力空母の被弾による戦力喪失で、米機動部隊が艦載機の攻撃力喪失で、それぞれ戦場を去った同日一四三〇時、押っ取り刀でトラック環礁を出撃した日本海軍第一艦隊と、トラック環礁内への突入と艦砲射撃を狙う米海軍第五一任務部隊が激突、第二次戦闘の幕が開いた。戦艦同士の砲戦は米軍側の優勢で始まり、日本側は一五四五時時点で伊勢、日向、金剛を喪失、陸奥、土佐が中破炎上中であった。また一五〇〇時頃、分離して進撃していた日本海軍第一一、第一二戦隊、第二水雷戦隊で構成される第一艦隊が米巡洋戦艦隊を捕捉、これと交戦を開始した。一六〇〇時頃天城型四隻と阿蘇型四隻の数の暴力によってレキシントン、コンステーションを爆沈させ、サラトガを避退に追い込んだ第二艦隊が第五一任務部隊を背後から強襲、一八〇〇時頃第五一任務部隊は作戦を中止し撤退を開始、日本側はこれを追撃し、米海軍は最終的にモンタナ、オハイオ、サウスダコタ、インディアナ、マサチューセッツ、アラバマを喪失した。

・追撃戦
第二次戦闘終了後から二五日までにかけて日本海軍水雷戦隊と潜水艦隊による追撃戦が行われたが輸送艦二隻を撃沈できたのみで、大きな戦果をあげることはできなかった。


270 :四〇艦隊の人:2013/12/01(日) 14:35:34

・戦闘の結果と勝敗判定
最終的な損害はこうなった。

喪失
日本海軍
・戦艦 土佐 陸奥 伊勢 日向 金剛
・航空母艦 飛龍 翔鳳
・重巡洋艦 二荒 蓼科
・軽巡洋艦 川内
・駆逐艦計一九隻

米海軍
・戦艦 モンタナ オハイオ サウスダコタ インディアナ マサチューセッツ アラバマ レキシントン コンステーション
・重巡洋艦 ニューオーリンズ アストリア ミネアポリス タスカルーサ サンフランシスコ ヴィンセンス
・軽巡洋艦 ブルックリン フィラデルフィア ナッシュビル フェニックス
・駆逐艦計二六隻

大破
日本海軍
・戦艦 加賀
・航空母艦 白根 蒼龍 瑞鳳
・軽巡洋艦 最上 那珂
・駆逐艦計九隻

米海軍
・戦艦 サラトガ
・重巡洋艦 クインシー インディアナポリス
・軽巡洋艦 ホノルル
・駆逐艦計三隻

以上主力艦損失、作戦目的から見て日本側の判定勝ちという意見が一般的である。

・航空主兵主義との関係
この海戦は航空機による対艦攻撃は損害が大きすぎるという点で「航空主兵主義の誤りを証明した」といわれるが正確に言うと双方の数がほぼ同一であったことと日本側艦載機の性能に対する誤算が全ての原因である。
この結果日米両国で戦艦の怪物的進化が発生し、一九四五年四月の西海岸沖海戦では排水量一〇〇〇〇〇トンを超える超々弩級戦艦同士が激突することになる。

・戦局への影響
米海軍の大損害によってアメリカの対日戦争計画は根元から崩壊。以降この敗北から立ち直ることができずハワイを失陥、西海岸沖での戦闘を余儀なくされることとなる。
また日本側は戦艦五隻の喪失により建艦計画に大幅な狂いが発生、大鳳型二番艦白鳳、上総型四番艦安芸の建造が遅れ、ハワイ沖開戦後になった。


271 :四〇艦隊の人:2013/12/01(日) 14:36:54

とりあえずここまで。
なんか最後のほうはもうグダグダ……。
これからちょっと出かけなければならないので、言い訳は後ほど。

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最終更新:2014年05月27日 00:34