432 :四〇艦隊の人:2013/12/16(月) 01:25:54

ハワイ沖海戦

ハワイ沖海戦とは、一九四三年一二月二五日から同年同月三〇日にかけて行われた日米間の戦闘である。
世界の五大海戦の一つであり、史上初めて空母機動部隊同士が正面から激突した海戦である。
また、この海戦と密接に関係するハワイ攻防戦についてもあわせて記載する。

・参加兵力

日本海軍
・第一艦隊
第一戦隊 上総 下総 越後
第二戦隊 紀伊 尾張
第三戦隊 加賀 長門
第一五戦隊 鳥海 摩耶 浅間
第一六戦隊 妙高 足柄 那智 羽黒
第三水雷戦隊 熊野 三隈 駆逐艦一六隻
第五水雷戦隊 神通 那珂 駆逐艦一六隻

・第二艦隊
第一一戦隊 天城 赤城 高雄 愛宕
第一二戦隊 有珠 湯殿 磐梯 雲仙
第一水雷戦隊 高瀬 筑後 駆逐艦一六隻
第二水雷戦隊 筑摩 利根 駆逐艦一六隻

・第一航空艦隊
第一機動戦隊 大鳳 早池峰 白根 五十鈴 駆逐艦一六
第二機動戦隊 蒼龍 翔鷹 瑞鳳 長良 駆逐艦一六
第一三戦隊 霧島 筑波
第一防空戦隊 能代 矢矧 酒匂 阿賀野 駆逐艦一六隻
第三防空戦隊 安治 糸井 奥入瀬 宇治 駆逐艦二〇隻

・第二航空艦隊
第三機動戦隊 翔鶴 瑞鶴 白鷹 夕張 駆逐艦一六隻
第四機動戦隊 白鶴 瑞鷹 飛鷹 石狩 駆逐艦一六隻
第一四戦隊 六甲 阿蘇
第二防空戦隊 荒川 墨田 斐伊 生田 駆逐艦一六隻
第四防空戦隊 柴木 遠賀 狩野 賀茂 駆逐艦一六隻

・第一揚陸艦隊
各種輸送艦五九隻 各種護衛艦七八隻

・第一三航空艦隊(ミッドウェー)
第七三七航空隊
第二二六航空隊

日本陸軍
・第四軍
第九師団
第一五師団
第三機甲師団

アメリカ合衆国海軍
・第33任務部隊
航空母艦 アメリカ エンタープライズ ヨークタウン ホーネット レンジャー カサブランカ 
戦艦 ニュージャージー ミズーリ
巡洋戦艦 サラトガ
重巡洋艦 ノーザンプトン ルイビル シカゴ ヒューストン
軽巡洋艦 アトランタ ジュノー サンディエゴ サンファン フィラデルフィア サバンナ ナッシュビル フェニックス
駆逐艦三四隻

・第34任務部隊
航空母艦 エセックス イントレピッド フランクリン バンカー・ヒル
戦艦 アイオワ ウィスコンシン
重巡洋艦 ピッツバーグ セントポール オーガスタ
軽巡洋艦 クリーブランド コロンビア モントピリア デンバー サンタフェ
駆逐艦二五隻

・第41任務部隊
戦艦 ノースカロライナ ワシントン キアサージ コネチカット バーモンド テネシー カリフォルニア ニューメキシコ ミシシッピ アイダホ
重巡洋艦 ポートランド インディアナポリス クインシー ウィチタ ボルチモア ボストン
軽巡洋艦 サバンナ ボイシ ホノルル モービル ヴィンセンス パサデナ
駆逐艦二四隻

アメリカ合衆国陸軍
第24歩兵師団
第25歩兵師団
在ハワイ陸軍航空隊

433 :四〇艦隊の人:2013/12/16(月) 01:27:01

・前史
一九四二年に勃発した太平洋戦争は、当初の予想に反して静かに推移していた。
開戦直後のトラック沖海戦が原因である。
トラック沖海戦では、両国の主力艦隊が全力で殴りあった結果、わずか四日の戦闘で双方に戦前の想定を絶する大損害が発生し、一時期主力艦隊が行動不能に陥ってしまったのである。
特に日本側は喪失こそ米側に比べて少なかったが大中破した艦艇が多く修理と戦力の再編成に一年近い時間を要した。
対する米側は、戦艦はほぼ全滅、空母もその打撃力の根幹となる艦載機部隊の壊滅で戦力を喪失しており、こちらもまた形だけでもの再編に一年を要した。
この双方の主力が身動きできない間を縫って各地で暴れまわったのは潜水艦隊と重巡洋艦を中心とする巡洋艦隊だがこれは本筋に関係ないので割愛する。
一九四三年一一月二日ようやく戦力の再編が完了した日本海軍は太平洋における米海軍の策源地である真珠湾と、その前哨基地に当たるミッドウェーを攻略し西海岸への突破口とする「白一号作戦」、俗に言う太平洋打通作戦を発動した。
米側はこれを阻止するべく、空母部隊とトラック沖に出撃しなかった旧式戦艦部隊を中心に艦隊を編成、迎撃を行った。

・日本潜水艦隊の活躍
「白一号作戦」に先駆けて、日本海軍軍令部は太平洋に展開している潜水艦の一部に対し米主力艦への積極攻撃を発令した。
太平洋戦争開戦以降、日本海軍は潜水艦に対して敵主力艦に対する攻撃を原則禁止していた。
これはトラック沖海戦における追撃戦で潜水艦が米空母に対して襲撃を行ったが、護衛艦に阻まれ空母に目立った損害を与えることができなかったという戦訓から、
護衛が厳重でかつ耐久力の高い大型艦船に対して潜水艦が攻撃を行うより、より軟らかい輸送船に対して攻撃を行わせたほうが米国の世論に対してダメージが大きいと判断されたためである。
しかし「白一号作戦」の実施にあたって、短期的に米主力艦が減ることが求められた結果、潜水艦隊に対主力艦攻撃命令が発せられた。
この作戦は一定の効果を挙げ、約六週間の攻撃で重巡洋艦一、軽巡洋艦二、駆逐艦四を撃沈、航空母艦ユナイテッド・ステーツを中破航行不能、戦艦ノースカロライナを小破させる等の戦果を挙げた。

434 :四〇艦隊の人:2013/12/16(月) 01:28:02

・第一次戦闘
一九四三年一二月二五日〇五五〇時、哨戒中のB-17が日本海軍第一航空艦隊を発見、米第33任務部隊が攻撃隊を発進、同日〇六三〇時、日本海軍第二航空艦隊から発進した偵察機が米第33任務部隊を発見、攻撃隊を発進させた。
この海戦において日本海軍は空母艦載機の定数の五〇%を戦闘機とし、また改秋月型防空駆逐艦(三五〇〇t、三五ノット、一二.七cm連装速射砲四基、三〇mm多銃身機関砲八基他)の大量建造により、その艦隊防空能力は鉄壁の域に達していた。
対する米海軍は新開発の1000ポンド対艦ロケットを使用して艦隊外周の護衛艦を沈黙させ、しかる後に日本空母に雷爆同時攻撃をを叩き込むという戦法を取っていた。
二五日早朝から二六日の一六〇〇時頃までにかけて日米双方が攻撃隊を飛ばしあい、最終的に日本側は翔鷹、白鷹、瑞鳳を喪失、白根、翔鶴、白鶴が発着艦不能、瑞鶴が艦載機喪失により戦力外、艦載機損失率三九%、米側はレンジャー、カサブランカ、ヨークタウン、ホーネット、エセックスを喪失、エンタープライズ、イントレピッド、フランクリンが発着艦不能、艦載機損失率六八%の損害を受けた。
また、この航空戦で戦艦アイオワが日本艦載機の攻撃によって沈没しており、これが史上初となる航空機による戦艦撃沈である。
この結果第33、34任務部隊はハワイの防衛を断念して西海岸に向け後退を開始、その撤退を援護するべく第41任務部隊が突出し、日本海軍第一、第二艦隊との交戦に望むこととなる。後に「パイ提督の捨て奸」と呼ばれる海戦である。

・第二次戦闘
二六日二三四五時頃日本海軍第一艦隊が米第四一任務部隊と遭遇、交戦に突入した。
二七日〇〇三〇時頃、戦艦上総の夜戦艦橋で指揮をとっていた第一艦隊司令長官古賀峯一中将が、上総の夜戦艦橋を直撃した砲弾により戦死。
この為日本艦隊の指揮統制が一時麻痺したのを見たパイ中将は戦艦隊に左四五度の一斉回頭を発令。日本艦隊との近距離乱打戦に突入した。
この決断は一定の戦果を得たが、日本艦隊が統制を回復すると次第に個々の艦の性能差が顕著に現れ始め、〇一〇〇時にキアサージ、その五分後にコネチカット、バーモンドが相次いで爆沈すると大勢が決した。
また、〇二一五時に日本海軍第二艦隊が米第41任務部隊を後方から襲撃したため第41任務部隊は壊乱、最終的に投入した戦艦の全てを失うこととなる。

・ハワイ攻防戦
一九四三年一二月二九日残存する戦艦、航空母艦による猛烈な艦砲射撃でハワイを守る航空基地、防御陣地が吹き飛ばされたことを確認して日本陸軍第九師団が上陸、橋頭堡を確保した。
その後、第九師団は後続の第一五師団、第三機甲師団の上陸を待って真珠湾方面に進撃。米陸軍の抵抗を洋上からの艦砲射撃と爆撃で排除しつつ一九四四年一月四日、真珠湾を占領。
このとき入渠中のまま身動きが取れなくなっていた米空母ユナイテッド・ステーツを米海軍が爆破しようとしたが、爆破用の導線が日本側の砲弾により寸断され失敗。
ユナイテッド・ステーツは破損した舵機以外がほぼ無傷のまま日本軍に鹵獲されることとなる。
一月七日、日本軍ホノルルを占領。ハワイの米陸軍司令部が降伏。米陸軍に対し停戦命令が出されるが、混乱の中、多くの部隊にこの知らせが届かず、一月一一日まで大規模な戦闘が続くこととなる。
一月一一日ハワイの米陸軍第24、25歩兵師団の残存部隊が降伏。ハワイは日本軍の占領下となった。

435 :四〇艦隊の人:2013/12/16(月) 01:29:07

・戦闘の結果と勝敗判定
最終的な損害は次の通り。

喪失
日本海軍
・航空母艦 翔鷹 白鷹 瑞鳳
・重巡洋艦 足柄
・軽巡洋艦 熊野 高瀬 安治 糸井
・駆逐艦計二七隻

米海軍
・戦艦 アイオワ ノースカロライナ ワシントン キアサージ コネチカット バーモンド テネシー カリフォルニア ニューメキシコ ミシシッピ アイダホ
・航空母艦 レンジャー カサブランカ ヨークタウン ホーネット エセックス
・重巡洋艦 シカゴ インディアナポリス クインシー ウィチタ ボルチモア ボストン セントポール
・軽巡洋艦 ジュノー サンディエゴ フィラデルフィア コロンビア モントピリア
・駆逐艦計三五隻

大破
日本海軍
・戦艦 上総
・航空母艦 白根 翔鶴
・重巡洋艦 磐梯 湯殿
・軽巡洋艦 最上 墨田 斐伊 三隈 筑摩
・駆逐艦計一七隻

米海軍
・航空母艦 エンタープライズ イントレピッド フランクリン
・重巡洋艦 ポートランド
・軽巡洋艦 ホノルル アトランタ デンバー サンタフェ
・駆逐艦計一二隻

以上喪失艦艇から見ても、作戦目的の完遂という点から見ても日本側の勝利である。

・戦局への影響
ハワイの失陥により、米海軍は太平洋における戦略拠点を喪失。また太平洋艦隊再建のために大西洋艦隊から艦艇を引き抜いた結果、大西洋における軍事プレゼンスが大幅に低下。第二次欧州大戦にかかわる余裕を事実上失った。
日本側は、米潜水艦及び重巡を中心とした通商破壊艦隊の策源地を破壊したことにより新須賀への大規模補給を再開。
以降新須賀は米本土に猛爆撃を行う富岳、連山部隊の拠点となった。


436 :四〇艦隊の人:2013/12/16(月) 01:30:57

以上ここまで。
例によって突っ込み所は無数にあるがとりあえずロマンが満たされたので満足。
言い訳は明日にでも。
ではおやすみなさい。


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最終更新:2014年05月27日 00:37