23. ham 2009/03/21(土) 17:26:30
作者  New

1939年12月
「そうそう当たるものではない。」  都井睦雄はそう言ってI-15の後ろに回り込んで12.7mm弾を撃ち込んだ。I-15は翼をもがれ、錐揉み状態でヘルシンキ郊外へと墜落していった。
「よし!これで5機撃墜だ。」この世界の日本では5機撃墜でエースと呼ばれるようになる。
ようやくエースの仲間入りになったと嬉しい反面、どこか自分の数奇な運命に複雑になってしまうのであった。

〜支援SS  バトル・オブ・フィンランド  都井睦雄の憂鬱〜

この都井睦雄という人物は史実では八●墓村のモデルである津山事件で三〇人を殺した人である。それがなぜこんな所にいるかというと彼も逆行者だからだ。
逆行者は主に史実で散々な評価を持っている軍人・経済人が多いが、まれに倉崎社長のように史実では見慣れない人や大事件を起こした人も混じってる。
阿部定などが後者に入ってる。彼女は史実と違い、安産で生まれ特にヒステリーにならず今では美人の少女漫画家兼夢幻会の数少ない女子メンバーとして活躍している。
(正統派漫画家なので辻たちMMJの萌えを認めず、常に萌えの論戦を繰り広げている。)
さて都井はというと史実と違い一年遅く生を受けた。一歳、二歳の時父母を亡くしたのは史実どおりだが本人は史実と違っていたって健康であり徴兵も甲種合格であった。
(そのため彼との関係を望む女性が後を絶たず、逆夜這いされかけた事もあったらしい。)そして成長するにつれ彼はここが違う歴史であるという認識と自分が誰であるかということに
絶句した。まさか大学のレポートで調べた三〇人を殺した殺人鬼が自分であるとは思いもよらなかったのである。
一応殺人・自殺フラグをなくすため本人は海軍の航空兵を志願した。理由を友達に聞かれると「やっぱラバウル航空隊でしょ。」という意味不明な返答をされたという。
そして夢幻会メンバーに加わった。とは言っても町会的な乗りだったのでさしてメリットは最初はなかった。
しかしその後厭味ったらしい源田実が窓際になったり、九六式に乗ろうと思ったら零戦だったりと改めて夢幻会のチートに感謝と恐ろしさを感じた。
そしてフィンランドへ陸海航空隊が派遣される事になりそのメンバーに加わることになった。実際、都井の空戦技術はかなり高かった。
敵機より高い位置からの編隊での一撃離脱を得意とし視力も良かったのである。(本人は仕事せずに山でエアガン使ってサバイバルゲームしてた賜物と言っていたが。)
そして現在ヘルシンキを空襲してくるソ連機の迎撃をしている最中である。ちなみにこの世界の日本では編隊での撃墜数でなく個人での撃墜記録をとったりガンカメラを設置している。
これにより撃墜数の重複や誤認を防ぐ効果と後輩の育成、空戦技術の開発に役立つらしい。
迎撃が終了し都井は基地に帰還した。ここはフィンランド空軍の基地だが間借りさせてもらっている。着陸してしばらくすると整備員がやってきて機体の整備にあたる。
「都井、5機撃墜おめでとう。」そう言われて振り返ると笹井醇一少尉が近寄って来た。「ありがとうございます。でもまだ笹井さんには敵いませんよ。」そう言いながら
都井は冷や汗をかいていた。一年遅く生まれたので彼は撃墜王と同期になってしまったのだ。「やっぱあの支柱のせいか?」そういいながら笹井は機体を指差した。
風防の後ろにあるアンテナ支柱。それが都井機は紅く塗られ、先端がくの字に曲がってるのだ。都井は苦笑いしながら
「あれはフィンランドに行く前に先輩に”こうしとけば強くなる!”とか言われてつけられたんですよ。」シャ●ザクの角を見て不機嫌そうに彼は答えた。
それは夢幻会メンバーの1人シャア信仰者に気に入られてつけられたものだったのだ。すると笹井はしげしげと見て「俺もつけていいか?」と言ってきた。
都井は唖然としたが別にいいやと思って笹井に「いいよ。」と言った。後に遣芬航空隊全員がこのシャア角をつけることになり撃墜王はこの角をつけるという伝統が誕生した。
そんなことになるとは知らない都井は今日も空を飛び、撃墜数を増やしていく「こちらレントン、下方にI-16の編隊見ゆ。突っ込むぞ!」
そして彼が一撃をするときこの声を叫んでたという。「カット・●ック・ドロップ・ターン!!」

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最終更新:2011年12月29日 19:50