27. ham 2009/03/25(水) 14:26:26
作者  攻龍


ビスマルク級戦艦と欧州対抗戦艦群の開発秘話?なものです。
文才がないので、基本的に文章はスペックの説明と思ってください。
間違えても上の先生たちと比較しないでね(泣)

1928年、ドイツ海軍が『装甲艦(ポケット戦艦)』の建造を発表したことから欧州海軍のドタバタ劇が幕を開けることとなった。
ただちにフランス海軍はこれを補足、撃破可能な艦の設計に着手した…。

「「戦艦より高速、かつ巡洋艦より強力な火力」か…また厄介なものを造りおって…。」
「何暢気なことを!  今ある艦(準ド級・ド級・超ド級)では対抗できないんですよ!!」
もともと陸軍国なのであまり海軍は省みられてはいなかった。前大戦では何もできなかったから特に扱いが悪かったのだ。
色々なぼやきとともに1930年に第1案がまとまり、さらに変更を加えて一応まとまったものが「ダンケルク」級である。

『ダンケルク』級戦艦    1931年起工
基準:31,000トン
全長 209.0m
全幅 31.5m
機関 4軸  112,000hp
最大速力 30ノット
主砲 34cm  4連装砲2基、
副砲以下は省略
装甲 舷側装甲:225+16mm(水線面、傾斜付)
甲板装甲:125mm+15mm(水平機関部+上甲板)
補足、史実とは主砲(33→34)が異なるが、これは「プロヴァンス」級の改良とすることで予算削減を図ったものである。後は基本的に同じである。

ドイツ海軍はフランス海軍のこの動きに対抗すべく、対抗艦の設計に入ったが…ご存知の通り、実現はしなかった。理由?んなもの貧乏が悪いんだよ!!  

イタリア海軍は…もともと予算がないので新戦艦の建造には消極的であった。
しかし1932年になると自国を取り巻く環境が一変していることにあわてることとなる。ドイツの装甲艦、フランスの新戦艦計画の発表である。
1933年に計画された343mm×8戦艦計画をもとに発展、成立したものが『リットリオ・ヴェネト』級戦艦である。

『リットリオ・ヴェネト』級戦艦    1934年起工
基準:40,000トン
全長 237.8m
全幅 32.4m
機関 4軸  130,000hp
最大速力 30ノット
主砲 38.1cm  3連装砲3基、
副砲以下は省略
装甲 舷側装甲:350mm(水線面、傾斜付)
甲板装甲:150mm+12mm(水平機関部+上甲板)
補足、史実のリットリオ・ヴェネトと変更はない

何で変更がないのか…主砲は自国で製造できる限界が381mmだから。
また、並の406mmを上回る打撃力を持つため、変更の必要を感じなかったこともある。
なお、史実の中型改装戦艦は・・・さぁ?

再びフランス海軍では、次期新戦艦の建造の議論が始まっていた。
対抗国のイタリアおよびドイツで始まった新戦艦計画のために、先の『ダンケルク』級では対抗困難と判断されたためである。
しかし主砲選定で問題が発生。
「406mmでは自慢の4連装だと重すぎる」のである。再設計は…「時間と予算がかかりすぎる」
「しょうがない、『ダンケルク』改良型で逝くぞ」「あの…字が違います」このような議論の末設計がまとまった。
また380mmでも並みの406mmに対抗可能との回答が得られたこともこれを後押しした

『リシュリュー』級戦艦    1935年起工
基準:40,000トン
全長 242.0m
全幅 33.1m
機関 4軸  150,000hp
最大速力 30ノット
主砲 38.0cm  4連装砲2基、
副砲以下は省略
装甲 舷側装甲:330mm(水線面、傾斜付)
甲板装甲:150mm+40mm(水平機関部+上甲板)
補足、史実のリシュリューと変更はない
28. ham 2009/03/25(水) 14:27:20
本命のドイツ海軍だが、以上のような列強の動きを黙ってみているしかなかった。
しかし、髭総統の「強力な戦艦がほしい…」この一言がすべてを変えた。

ようやく始まった新戦艦プロジェクト。

しかし前途は多難であった。空白の期間が痛かった。他国ができていた基礎開発から出遅れたのである。
設計の下敷きは『バイエルン』とならざるをえなかった。
それだけでなく、設計陣にとって悪夢のような一言「ドイツ流を基本とせよ」
「ジェットランド(スカゲラック)会戦の勝利」が戦艦設計の足枷となったのである。

設計が進むとともに次の問題がでた。キール運河と各港の喫水制限10m、建造ドックからくる250×38mの絶対制限であった。
これは基準排水量にして42000tという制限となった。

設計陣は苦労の結果、第1案を纏め上げた(史実の『ビスマルク』である)が、再び髭総統からの一言が更なる苦労を招いた。
すなわち「『長門』級に対抗できる戦艦を建造せよ」である…。
これを聞いた設計陣は「まじかよ−」とぼやいたそうである。幸い髭の耳には入らなかったそうな。

「主砲を406mm47口径でいこう」「ヴォタン鋼が使える。垂直装甲を削れ。300mmに落とせば2000t程度稼げる」「飛行機も下ろせ」
「航続距離はあきらめろ」「…、…」…など喧々諤々の議論の結果、ようやくまとまった第2案。

ビスマルク(第?案)
基準:42,000トン
全長 250.0m
全幅 36.0m
機関 3軸  138,000hp(標準蒸気圧時出力)、150,170hp (高加圧時出力)
最大速力 29ノット
兵装 40.6cm(47口径)  連装砲4基、15cm(55口径)連装砲6基、高角砲以下は省略
装甲 舷側装甲:300mm(水線面上部)、145mm(第一甲板舷側部)、170mm(水線面下部)
甲板装甲:100mm (傾斜部)、80mm+50mm(水平機関部+上甲板)
補足、主砲はドイツ流の軽量高初速主砲である。

以上が第2案であり設計陣は自信を持って提出したが、三度髭総統の横槍…「42cm主砲を積め」
これを聞いた設計陣は「嘘だろ…冗談じゃねーぞ!  やってらんねーよ!」と叫んだそうだ。幸い髭の耳には入らなかったそうな。

「主砲はどうする?」「重量制限でこれ以上重いのは無理だ!!」「おい…406mmをボーリングするぞ」「もつのかよ…」「0.5inはどうにかなる!」
「だがまともには…」「やりたくないが、カタログ用だ! 普段は弱装薬で落とせ!!」「それしかないか…」「砲弾はどうする?」「軽量弾を使え」
「威力が落ちるぞ…」「どうせ決戦距離は近距離だ! 遠距離は406mm程度にはなるだろう」「まだ重い! どこか削れ!」「垂直補助装甲を削れ!」
「なんとかなったな…」「なんです?この妥協しまくりの艦…」「他言無用だぞ! 絶対だぞ!! ばれたら…」
このようなやり取りのもとに纏め上げたのが、第?案である。

ビスマルク(第?案)
基準:42,000トン
全長 250.0m
全幅 36.0m
機関 3軸  138,000hp(標準蒸気圧時出力)、150,170hp (高加圧時出力)
最大速力 29ノット
兵装 42.0cm(※※口径)  連装砲4基、15cm(55口径)連装砲6基、高角砲以下は省略
装甲 舷側装甲:300mm(水線面上部)、130mm(第一甲板舷側部)、150mm(水線面下部)
甲板装甲:100mm (傾斜部)、80mm+50mm(水平機関部+上甲板)
補足、ドイツ流の軽量高初速主砲にみえるが、実際は減装薬により初速を落として使用する。副作用として主砲命数が伸びる、遠距離打撃力が向上する
        ただし近距離では強装薬にしないと貫通力が低下することとなった。

以上が第?案であり設計陣は前回と違い渋々これを持って提出した。結果は採用。髭から「よくやった」とのお褒めの言葉つきであったそうだが…
設計陣はこの夜、自棄酒をあおったそうだ。この艦に乗せられる不幸な将兵のために…。
29. ham 2009/03/25(水) 14:28:14
これらの流れを斜めの視線で見ていたのが「紳士という名の変態」の国イギリス。
ロンドン条約の期限明けを目前にし、356mm戦艦の設計&製作準備を進めていた。
というのも1937年起工に間に合わせる必要があったのと、第2次ロンドン条約で356mmが条約制限に盛り込まれていたためである。
まぁ本音としては381mm搭載艦を造りたかったがしょうがない。
だが大陸本土では381mmを主砲とした戦艦が続々建造されていた。これに対抗するのには356mmではちと辛い。
ましてやスパイにより明らかになったドイツ戦艦の380→420mm搭載の動き。
これに対抗すべく、イギリス海軍は一大決断を下した。
すなわち、現在建造中の356mm×10のKGVを2隻で打ち切り、ある程度建造の進んでいた1隻の381mm搭載艦への変更、以降の建造艦を406mmに改設計することである。

「381mmへの変更って、どこから主砲もってくるんだ?」「倉庫の中に埃かぶったのがあったろ?」「でもあれ…連装砲だぞ」「アメリカに改設計の前例がある」
「381mmMk-1じゃ威力不足でないか」「SHS(超重量砲弾)化すれば総合で何とかなるだろ」「難しいがなんとかなるな…」
こうして、3番艦は史実の『ヴァンガード』もどきとなった。

「406mmだが…Mk-1使うか」「でもあれ…軽量高初速砲だぞ…使い物になるか?」「でも財務担当からこれ以上カネは出せないといわれたぞ」
「SHSでごまかすか」「しょうがないか」「だな」などといった消極的な意見のもと、設計が仕上がっていった。
これが、4番艦以降の『ライオン』級の出来損ないとなることとなる。

またスパイからの報告により、420mmの実戦闘力が並みの406mmと大して変わらないこともこの改設計を後押しさせた。

『KGV』級戦艦  1.2番艦    1937年起工
基準:38,000トン
全長 225.6m
全幅 31.5m
機関 4軸  100,000hp
最大速力 28ノット
主砲 35.6cm  4連装砲2基、連装砲1基
副砲以下は省略
装甲 舷側装甲:374mm(水線面、傾斜なし)
甲板装甲:149mm(水平機関部)

『KGV』級戦艦  3番艦    
基準:39,500トン
全長 225.6m
全幅 31.5m
機関 4軸  100,000hp
最大速力 28ノット
主砲 38.1cm  連装砲4基
副砲以下は省略
装甲 舷側装甲:374mm(水線面、傾斜なし)
甲板装甲:149mm(水平機関部)

『KGV』級戦艦  4番艦以降    
基準:40,000トン
全長 241.7m
全幅 32.9m
機関 4軸  100,000hp
最大速力 27ノット
主砲 40.6cm  3連装砲3基
副砲以下は省略
装甲 舷側装甲:374mm(水線面、傾斜なし)
甲板装甲:149mm(水平機関部)

以上のようなゴチャゴチャした組み合わせとなった。
なお、「『ビスマルク』に対抗することができるのか」という質問に対し、海軍当局者は次のように答えたといわれる。
「カタログ性能では確かに引けを取っています。しかし、『KGV』級は栄えある英国海軍の戦艦です。その乗組員もまたしかりです。
  必ず女王陛下と国民の期待にこたえてくれます。それに、軍艦の性能の違いが戦力の決定的差ではないということを教えてやる!」
先の発言を聞いた夢幻会の面々は、「なぜあのセリフを…」と衝撃が走ったそうな。

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最終更新:2011年12月29日 20:12