354 :earth:2011/12/07(水) 21:33:45
 勢いでやってしまいました。
 ひゅうがさんのTSネタに刺激された結果がコレだよ!


 提督たちの憂鬱IFネタ 『元帥閣下は女子高生!?』

 嶋田は、いやかつて嶋田繁太郎だった人物は緊張していた。
 彼は元々『帝国の元老』、『大宰相』、『20世紀最強の独裁者』と色々な二つ名で呼ばれるほど、色々な経験を積み成功を重ねてきた
男であったが、さすがにこの状況は想定していない。むしろ想定するわけがない。
 若返らされ、そのうえ女性化され、おまけにセーラー服をまとって某高校に転入させられるなど……というかそんなことを考えたら
間違いなく変態さん、晴れて夢幻会の『あの』面々の仲間入りだ。 
 しかし残念ながらそれが現実だった。

「撫子たん……」
「おい、あれって……」
「あれが元男、それも元帥なんて……」

 自己紹介のために教壇の横に立っている『彼女』の耳にもはっきりと聞こえてくるクラスメートの声。
 そのどれもが『彼女』のSAN値を引き下げるには十分だった。

(いっそ殺せ……)

 羞恥のためか耳元まで真っ赤になっていることを自覚した。

(戦争が終って何十年もたって漸く引退できたと思った矢先にこれか……ハードすぎるだろう、俺の人生)

 彼女が、いや嶋田がこんなことになったのは、ある式典であった白人至上主義者による暗殺未遂事件のせいだ。
 この事件で嶋田は暗殺者が放った毒薬入りの銃弾を浴びた。だがその毒薬が摩訶不思議な作用をしたせいで搬送先の病院で
彼は今の姿、セイバーの色違い(黒髪Ver)になった。おまけにこの情報が漏洩したせいで大混乱がおこるというオマケ付き。 
 国民は「美少女元帥誕生!」と叫び、夢幻会のMMJの面々が舞い上がり、あの辻ですら彼女を正面から見れず言いよどんだ
のだからどれだけの混乱か判る。
 勿論、怒り狂った『彼女』は、回復するや否や一時的に現役に復帰。小さくなった体のサイズにあわせて作った軍服を着て
暗殺事件に関わったテロ組織を壊滅させる作戦の指揮を取った。
 このとき、夢幻会の一部が「セ○バー、はぁはぁ」とか「最強系TS主人公、乙」などと言っていたが勿論、無視し、彼女は
あらゆる手段を使って関連組織を叩き潰し毒薬に関する情報を手に入れたのだが……解毒薬は未だに完成していなかった。
 これに苛々する『彼女』に辻は気分転換や一般社会の視察もかねて高校への転入を進めてきた。

「お断りだ」

 勿論、一言で却下した『彼女』だったが、それで諦める辻とMMJではなく、あらゆる手を使ってこの転入を実現させてしまう。

(あの行動力をもっと国のためにいかしてくれ、頼むから……)

 そんな思考を遮るように、横にいる男性教師がおずおずと声を掛ける。

「あ、す、すいません。元帥閣下、あの自己紹介をお願いしたいのですが」

 何しろ隣に居るのは中身90越えの爺。それも超大国である帝国の政界の黒幕であり、帝国政府、軍に隠然たる影響力を持つ
VIPだった。その気になれば自分どころか高校ごと潰せる位の力はある。絶対に怒らせてはならない相手だった。

「……海軍では『閣下』は不要ですよ。それに私は貴方の生徒です。敬語は必要ありません」
「は、はい」

 そういうと『彼女』は生徒達に顔を向け、自身の今の名前を告げる。

「嶋田茉莉です。肉体の年齢は17歳。皆さん、宜しくお願いします」

 かくして波乱万丈の彼女の高校生活が始まる。

461 :earth:2011/12/08(木) 20:42:46
 TSネタ続きです。というか舞台裏か……。


 嶋田繁太郎元帥が暗殺者の凶弾で倒れたという特報は全世界に駆け巡った。
 軍人時代には先進的な軍事力の整備を推進。日米戦争では強大無比(笑)な強権をもって完全勝利を収めた上で戦後秩序を構築し
日本の地位を不動のものにした大宰相。さらにいまや数少ない帝国の元老である彼が凶弾によって倒れたとの情報はそれほどまでに
インパクトが強かった。
 そして同時に帝国政府がその威信にかけて報復するであろうことを予期して、各国では大々的に犯人探しが始まった。何しろ
自国の馬鹿が関わっていたら巻き添えは確定なのだ。

「徹底的に調査しろ!」
「抵抗する奴は容赦するな! 射殺しても構わん!!」

 暗殺者が元カリフォルニア人で、現オーストラリア人であったことからオーストラリア政府は血相を変えて調査を開始した。
 日本政府は白豪主義については国内問題として強く言わないが、白人至上主義者がそんな凶行を行ったとなれば、このあとどんな
報復が行われるか判ったものではない。
 ちなみに英連邦諸国ということで、英国政府も顔面蒼白だ。曲がりなりにも嶋田元帥は対英、対欧州協調派であるのだ。その彼が
英連邦の人間の手で死んだとなったら折角修復しつつある関係に亀裂が入る。

「馬鹿共が、何てことをしてくれるんだ……」

 イギリス政府関係者は顔面蒼白のまま頭を抱えた。
 カリフォルニアでは白人至上主義者の元自国人の犯行ということで、犯人と以前関係があったとされる白人至上主義者の組織への
捜査が行われた。

「飛び火したら大変なことになる!」

 彼らが脳裏に浮かべたのは日本を本気で怒らせて消滅を余儀なくされた某半島国家だった。
 勿論、欧州枢軸も英やカリフォルニアの狂奔振りを高みの見物というわけにはいかなかった。  
 ちなみに手を叩いて喜んだのは大陸の一部の住人だった。勿論、その行為は報道されてさらに日本人の怒りと不信感を助長させる
ことになる。
 尤も、その狂騒も嶋田が意識を取り戻したという報道で少しは落ち着く。 

「そうか、意識を」
「毒物の影響で面会はまだ出来ませんが、命には問題ないと」
「そうか……」

 時のイギリス首相はそう言って安堵した。だが、すぐに険しい表情で命じる。

「オーストラリアに圧力をかけて捜査を急がせろ」
「はい」

 『嶋田元帥が意識を取り戻した』との情報を受けて多くの国の偉い人達は安堵した。
 だが後に、変わり果てた姿(女性化&若返り)で現れた嶋田を見て、誰もが茶(又は酒や水)を吹き出すことになる。

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最終更新:2012年01月04日 09:00