696: 第三帝国 :2017/10/09(月) 19:08:30


銀河連合日本×神崎島ネタSS――—— 信任状捧呈式」前2


「今回の合同信任状捧呈式について改めて説明する」

神崎は長卓に座る官僚、参謀、艦娘を見渡す。
加えてこの場には柏木政府特務交渉官・・・もとい突撃馬鹿。
そしてその突撃馬鹿に突貫したフェルが日本とティ連合代表として参加していた。

「通常、信任状捧呈式とは合同で行うものではない。
 しかし、盛んとなる『ガーグ』の跳梁跋扈を抑えるために島とティ連合、日本の繋がりの強さを示す。
 この政治的な目的を達成するためにこの度はティ連合と神崎島が同日共に陛下に対して信任状を捧呈することとなった」

「しかし、提督よ。
 その信任状捧呈式を阻止せんとするアホウがうじゃうじゃいるそうじゃが?
 青葉から聞きかじった所だと何でも普段沖縄で活動している『プロ』が大挙東京へ終結しつつあると言うらしいが?」

「それは間違っていない、利根。
 悪意を以て信任状捧呈式を阻止しようとする団体は大勢いる。
 だからこそ、万難を排して無事陛下に対して信任状を捧呈しなくてはならない」

「日本政府を代表してあらゆる努力を惜しまず、必ず成功させることを約束します」

「この合同信任状捧呈式を提案した私の責任。
 そしてティエルクマスカ連合の代表者として最後まで協力するのデス」

柏木とフェルがそれぞれの立場を代表して協力を惜しまないことをキッパリと断言する。

「式典は宮城(きゅうじょう)・・・もとい皇居にて行われるため外部から干渉される可能性は低い。
 よって『ガーグ』に最も狙われるであろう標的は大使を乗せた儀装馬車と、皇居までの道中に集まった日本国民である」

「大使を負傷、あるいは殺害すれば日本、ティ連合、鎮守府の面子を潰せるし、
 当日儀装馬車を見学しようとする人間は大勢いるだろうから爆弾でも爆発させて混乱状態を誘発させればこれも面子が潰れて万々歳って所かしら?」

697: 第三帝国 :2017/10/09(月) 19:09:08

そう自分で言いつつ不愉快を覚えた加賀の眉は歪んでいる。

「その通りだ、加賀。
 ゆえに我が鎮守府からも大使警備に人員を派遣。
 これに先日、日本、ヤルバーンとの間で合意に至った。
 天龍、改めて警備担当の艦娘の代表としてよろしく頼む」

「おう、任せてくれ!」

勢いがある掛け声とともに天龍が応じる。

「そして当日の警備概要についてだが、
 これについて提案者であるヤーマ・ナァカァラ局長から説明する」

「ハイ、皆さん。
 よろしくお願いしますデス」

フェルが手元の端末を操作する。
ポンッ、と音を立てて立体映像が突然現れ、鎮守府の面々を中心に場がどよめく。
柏木あたりはこの超科学の産物に慣れつつあるが、神崎島の人間にとっては未だ驚愕の代物である。

始めはそんなSFチックな映像に興奮した空気が流れていたが、
フェルの説明が進むにつれて徐々に表情は困惑を含んだものとなっていった。


「こ、これを本当にするのか・・・?」

驚愕の声を漏らす初月。
警備当日に天龍指揮下で空中目標の排除。
具体的にはドローンやら何やらによるテロを防ぐことである。

「うひゃー。 
 ウチらも大概やけど、
 ティさんは相変わらずぶっ飛んでるなぁ・・・」

関西弁の独自のイントネーションと共に心情を述べる。

「・・・歴史に残る一大事業に参加できることに、
 この菊月、誇りに思うと共に全力で任務を完遂する!」

与えられた任務の重大を再認識して高揚する菊月。

「この通り、
 当日の警備においてヤルバーンも全力で協力する構えだ。
 しかし、だからといって油断せずにこの任務に従事してほしい。
 この信任状捧呈式を契機に我が島は日本だけでなく遥か5千万年光年先の国とも隣国になるのだから」

神崎の言葉に全員が頷く。
彼が言わんとしている事実の重大性について重々承知しているからだ。
周囲はやる気に満たされており、暑い空気が流れていた。

「ねえ司令官、この警備について作戦名は決めているの?」

ふと皐月が神崎に質問を投げつける。



「ああ、決めてある。
 当初は『おもてなし作戦』が候補に挙がっていたが、
 それは使用済みというわけで作戦名は―――――『かぐや姫の来訪』だ」






おわり

698: 第三帝国 :2017/10/09(月) 19:16:26

以上です。
なおかぐや姫の存在を知ったティ連合側が原作より一足早く動揺した模様。

そして194様への感想。
夜戦カッコガチですか・・・・
向こうのネットでアグネス連呼祭りになりそう(小並感)

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最終更新:2017年10月11日 13:33