320 :デン:2012/03/16(金) 12:00:01
!警告!

この話は憂鬱日本の異世界転移SSです。
私、「デン」はあまり文章力や会話はうまくはありません。
この異世界転移はその話から必ずご都合主義があります。
この話から推測するのはいいですが、あまり縛らないでくれるようお願いいたします。
自分はSSを書くときのテンションが恐ろしく変わる為、投げたあと放置の可能性もあります。
なおこの話は第4話です。第1話目からお読みになられることを推奨します。

このSSをwikiに載せるのを許可します。
このSSを軸にした新たなSSを作ることも許可します。

これらの警告を読んだ上でお読みになられるとうれしい限りです。





      • 「憂鬱日本転移伝」---

「第4話 追われる亜人」

1945年4月15日 午前5時45分

その時、大日本帝国は転移した。友邦や、さらに未来でその勢力に入る国やその勢力圏の国も少々遅れつつも連れて…。



4月15日 午前10時21分 小笠原諸島沖合

亜人にとってフェリノア島でのあの魔衝撃波は幸運であった。
自分達は人間以上に体が丈夫であり、少々きついがあのレベルでは耐えることができた。

亜人は基本的に人類と魔物のハーフか人型になることを望み、人の因子を神から貰った2つの種類に分けられている。後者はファルジア王国やその他人間主義者の宗教の活発な所でも神からの証明書を提示すれば受け入れられ、人と同等の扱いをされる。極端だが王族と結婚でも偏見はあるだろうが受け入れられるのだ。

しかし、前者はそうはいかない。
魔物は古くから宗教でも人間の深層的な心理でも忌み嫌われており、魔物によって国が滅亡したり、多くの人間が殺されたのは少なくないのだ。

ちなみに魔物は進化の過程で魔力を自分に取り込んだ自然魔動物と人間や動物から発生した感情に帯びた魔力がそこらの無機物と構成されてできる感情性発生魔物、魔力に取り込まれたり強烈な魔力を浴びて変質した生き物を変質性発生魔物とされる。

前者はともかく、魔物被害が極端に多いのは後者の感情性発生魔物と変質性発生魔物とされ、亜人の後者が自然魔動物がルーツ、亜人の前者を感情性発生魔物と変質性発生魔物がルーツとしているというのが間違いだが一般的に認知されている。

だから亜人の前者が 自分達を苦しめてきた感情性発生魔物と変質性発生魔物の遺伝子を持っている=宗教でも悪認定されている魔物の血が含まれている=人間の形をした化け物 とされて、迫害されるのはある意味仕方がないことであろう。

もちろんすべてが悪ではない。益をもたらす魔物もいないわけではなく、そういったのは免罪符がでたりするが。

321 :デン:2012/03/16(金) 12:00:53
そんなわけで亜人の前者が全面的に迫害されているわけだが亜人の後者もまったく安全ではなく神の証明書がなければ前者と同様に扱われる危険がある。これは亜人の前者と後者が似ているということからで、対策で紙ではなく、体に紋章を焼き付けたりするが同様に迫害を逃れようとして偽物の紋章をつけたりして、実際に神殿でチェックして貰わないといけないことが多く、それを利用して罠に嵌められて神殿に着く前にレッテルを貼られて迫害される事も多いのだ。

そして4隻の木造船には合計で92名の亜人と1名のファルジア軍兵と1匹の風竜が乗っていた。ちなみに詳しく言うと獣人系40名、エルフ系4名、ダークエルフ系12名、ドワーフ系15名、翼人系21名である。男女比は1:5くらいで老人が5名、成人が43名、あとは子供である。中には罠にはめられて迫害された後者の亜人が20名もいる。

「ファルジア王国を裏切って大丈夫なんですか?家族とかは…」
「ははは…後悔はしていませんよ。それに自分には家族はいませんし、失うものは残ってないですし」
一応苦笑い?をしているのはファルジア王国海軍第一艦隊風竜機動部隊所属のエルバード・オリバー(36)である。だが、その歳では考えられない程若く、18歳にも見えた。

彼は幼少期に村を盗賊に襲われて運良く助かり亜人に保護され1年は過ごしたのだが、ファルジア王国軍により襲撃された際、助かるようにわざと檻に閉じ込め、攫われた子供にさせたおかげでファルジア王国軍に保護され、風魔法適正値が高く将来にエリートの座まで行ける可能性があることから亜人差別を練りこんだ厳しい教育・訓練をされたが、1年間の亜人の村での生活での幸せから内面的に洗脳ができなかったのである。
そしてインカーダ地方に風竜搭乗員として配属されたが、亜人を見つからないようにうまく逃がしていたのだが疑いをかけられて逃がすことが困難な海の方へ配属されたのだが、今回の聖戦において耐え切れずに裏切ったのだろう…若さ故の間違いでもあるかもしれない。

「それにしても何故北西へ行ってるのですか?あそこはアレスの海域なはず…」
「あの時、フェリノア島の魔衝撃波が襲った直後にアレス方面の魔力が急に弱くしか感じられなくなりましてね…それと同時に妙な魔力をを感じますし、もう後がないのでそれにかけることにしたのですよ」
「確かに…アレス方面の魔力が弱く感じるし、何やら妙な魔力も感じますね…それに…」
(なにか…なにかとてつもない事が起きそうな気がする…)
オリバーはこれから何かとてつもない出来事が起きるのではないかと考えていた。
「…それに?」
「いや、何でもないですよ。それよりもフリート号から逃げる術は…」
フリート号は奇襲されてからしばらくしたあとにブーストを全開にしてきていた。機関が損傷、ブーストもかなり壊れていてもなお稼働できる状態で、その状態でもそれなりな速度を出している。あいかわらずの速度チート艦である。
ちなみに彼自身も風魔法ですべての木造船の補助をしている。エリートの中でもエリートしか乗ることが許されない風竜の搭乗員だから話をしながらすべての木造船に風魔法を使用するのはきついけれど難しいことではないのである。
だがフェリノア島での爆撃による疲労や海面から浮かんでいない木造船では限界があり、確実に追いつかれていった。

322 :デン:2012/03/16(金) 12:01:29
「このままでは追いつかれる…」

誰もがそんな事を思い浮かべた時であった。

「!!!前方に船が!」
自分達の前方に小さく船が見えた。
「まさかファルジアの船か!?」
「いや…ファルジア特有の浮かんでいる船ではないようです」
前方の小さく見える船を遠視の魔法と識別魔法で見るのは翼人系鷲種の獣人である。
「オーラントやネルキアの船じゃないのか?」
「…違いますね特徴的な国旗や船体の識別魔法のラインが見えません」
「それに今向かっているのは誰もが恐れるアレス海域です。アレスから船が来るのはそもそもおかしい…」
「なら何か特徴のあるのはないか?」
「よく見ると銀色…灰色の船体からすると鉄鋼船の可能性があります」
「上げていると思われるのは国旗…か?白の布の真ん中に赤い丸があってそこから放射線状に赤い線が出ていますね」
「鉄鋼船…だとすると軍か?赤い丸から放射線状赤い線の国旗の国なんて見たことないぞ」

鉄鋼船は列強の軍関係とごく一部の民間で使用されている。というのも鉄は重く高い費用が付き、軽くて丈夫な木材の船に強化魔法や魔方陣をかけた方が安上がりというとても単純な理由で、鉄鋼船=軍船という認識があった。

「フリート号が引き返し始めました!」
フリート号も謎の船を認識したようでしばらくは追いかけていたが、やがて速度を落とすとゆっくりと来た道にターンしてまたブーストをしながら戻っていった。

「ファルジアの連中が引き返していく…助かったのか!?」
「つ…つかれたぁ~」
このままでは殺されると思っていた亜人達はほっと安心していたが…
「いや、まだだ。前方をよく見ろ」
そういって船の進む方向に目をやると追いかけていたファルジアの船よりは小さいが今まで見たこともない船が迫っていた。
「…如何するんだ?」
「如何するも何も逃げるしかないんだが…」
だが先ほどの逃走でだいぶ疲労していた亜人にもう一回逃げれる力はすでに無かった。
「さっき遠視の魔法で見ていたやつがこの大陸の船じゃないとか言っていたそうだ」
「この大陸じゃない船…?異国の船か?」
「分からん。今ほかの船と連絡したが白旗を揚げるそうだ」
「白旗…って降伏ですか!?得体のしれない国に降伏なんて…」
「現状、ファルジアの連中を追い返したのはあの船だ。それにこの大陸の船じゃないとすれば他の大陸の船…もしかすると知らないうちに領海内に入ったのかも知れん」
「下手に刺激すればすぐにこちらがやられる可能性が高い。もしこっちに探索にきた船ならば我々が持つ情報が欲しいだろう。確か、他の大陸を発見したとか他の大陸の船に接触したという文献はなかったはずだ…。契約の魔法で情報と引き換えに命の保証ができればいい方だろう」
「…もしファルジアと同じな国だったら?」
「その時はその時だ。今はファルジアのような国ではなく、理解できる国であることを祈ろう」

こうして逃れた亜人達は見たこともない国と接触する…


次回に続く

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最終更新:2012年03月17日 17:31