――シャルル・ジ・ブリタニア。
他者の記憶を書き換えるギアスを持つ神聖ブリタニア帝国第98代皇帝。

普段は「黄昏の間」と呼ばれる空間に存在する、思考エレベーター(アーカーシャの剣)にその身を置いている。
志を同じにしたマリアンヌとV.V.のみを信頼し「嘘のない世界」を作る事を目的し、最終的に「神を殺す、ラグナレクの接続」を最終目的にし、たくさんの行動を続けた。
そして、ラグナレクの接続を成し遂げようとしたが、シャルルらの理想を拒否したルルーシュが集合無意識にギアスをかけ、思考エレベーターが崩壊、最期はマリアンヌとともに消滅。

それが世界を変えようとした男の最後であった。

―――――

「どうなっている?……パラレルワールドでは俺が奴に負けた?……ふざけるな!」

夢を見ていた。
思い出したくもない自分の父の事。

その怒りで少年は目を覚ましたのであった。

―――――

「これから俺はどうしようか……?」

あの父親が人を3人を殺してまだ数十分しか経っていないのだろう。
人をゴミにしか見ない。
パラレルワールドなんて物があるなら奴はやはりそんな男か……。

そんな奴の血が流れている事にすら嫌悪感がある。

「って考えても仕方ないか……。これはきっと死後の世界なんだろうさ」

シャルルとマリアンヌを消滅させた俺は、妹であるナナリーとまで敵対し、シャルルに変わり独裁者を演じ、人々の憎しみを俺に集めさせ、

     スザク
――親友のゼロに殺させた。

そう、俺は死んだ世界に来たが、その世界でも奴が支配していたに過ぎない。
ただそれだけ……。

「んなわけないだろ……。人間死んだらそれでチェックメイト(終わり)なんだよ」

焼きが回ったな俺も。
そんなバカな話があるわけがない。
考えればわかる話ではないか。

「いいえ、あなたの答えは正しいわ。今の回答の方が外れ」

答えがくるはずのない問いに、答えなわけがない問いが返ってきた。

「誰だ貴様っ!?」

小柄な少女であった。
自分を主張する様なタイプにはとても見えない。
俺の声にも驚かない無表情な顔。

「みんなは私の事を天使って呼ぶわ」
「いや、知らねーよ」

確かに天使みたいに優しそうではあるのだが……。
可哀想過ぎるだろ、それ。

いや、確かに俺も女に『魔女』とか呼んでいたから人の事は言えないが。

「本当の名前はなんて言うんだ?」

天使は言った。
「私の名前は立華奏。よろしく」と。

「あぁ。俺はルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ。よろしく」

世界中の人に嫌われて死んだ俺にわけ隔たりなく彼女は名乗ったのであった。

「あなたには見覚えがあるわ」
「やっぱり覚えられていたかい」

多分半数くらいの人物に顔も名前も知られてしまったであろう。
俺はまだ知らない人だらけなのにな。

「だからあの主催者と敵対するあなたに言うわ。私と協力してほしい」
「敵対しているだけで俺はゲームに乗らないわけじゃないぞ天使」
「いや、あなたはゲームには乗らないわ」
「な、なんで何も知らないお前が断言出来るんだよ!?」

彼女の着ていた制服の首元を抑えつける。
全て見透かされている様で……。

「……だってあなた優しいもの」

―――――

あなたが反逆をした時からずっと観察していたわ。
最初は怖い人の様に思えた。

あなたは2人の女の子が死んだ時、誰よりも早く駆け寄ったわ。
まったくの知らない赤の他人なのに。

そしてみんなが混乱しているなか1人悲しんで……。

あなたは1人の青年が反逆した時、誰よりも早く止めようと駆け寄ったわ。
それが間に合わなかった時、自分の無念さを悔しんでいたわ。
まったくの知らない赤の他人なのに。

1人、1人がバタバタと倒れていった時、誰よりも屈してたまるかと言わんばかりに耐えていたわ。

そんな人の死を悲しみ、悔やみ、怒り、耐えて、反逆する。

そんなあなたは絶対にゲームに乗らないわ。

――何より優しい目をしているもの。

あなた、生前も人々に恨まれながら、誰よりも人々の事を考えていたのでしょう?

そんなの誰にも出来ないわ。
いや出来たのはあなただけよ、ルルーシュ。

―――――

「そうでしょ?ルルーシュ」
「……」

俺は本当に彼女を天使だと思ってしまった。

「天使……、お前が言う死後の話について教えてくれないか?」
「良いわ。少し長くなるかもしれないけど」

そう言って天使はまるで絵本の内容でも語る様な口調で説明をはじめた。

―――――

そこは死んだ人が報われない人生をおくった者のたどり着く場所。

そこには1つの大きな学校がある。
そこで生前には体験する事の出来なかった青春を楽しむところなの。

いいえ、そこには学生しかいないわ。
だから青春なのかしらね。
話を続けるね、ルルーシュ。

その世界では死んでしまっても少し時間が経てば蘇ってしまうの。
だから私達は不死身……みたいなものかしら?

その死後の世界で、成仏して消える。
そんな場所ね。

え?
さっきも言った通りその世界で死んでも蘇る。それは成仏ではないわ。

成仏の方法?
考えればわかるわ、報われない人生をおくった者のたどり着く場所なのよ?

ご明察。
ルルーシュは理解が早いわね。
そう、その世界で報われた人が成仏して消えちゃうの。

話はそこからよ。
最近私達はその世界に長く居すぎたわけなの。
それで世界にたくさんの異変が起きているわ。
多分このバトルロワイアルはその成れの果てとでも言うのかしら?
成仏出来ないのなら、このバトルロワイアルで死んだら成仏させてやるっていう世界の意志表示なのかもしれないわ。

確証?皆無よ。

だから主催者なんてのは飾りなのかしらね?
本当は誰でも良かった。
そんな風に今なら思えるわ。

―――――

「到底信じられん」

俺の結論。
あいつの言葉など鵜呑みにする事自体イヤだがそれこそ未知の力かもしれん。

便利な力だな。

あくまで魔法とはあくまで魔の法術。
その魔法と表現しないのだからやはり未知なのかもな。

「じゃああなたの死んだ知り合いがいるかもしれないわ。知っている死んだ人の名前誰か出してみてルルーシュ」

まだ俺は読んでいない名簿を天使は持ちながらそんなふざけた事を言う。

「因みにお前の知り合いはいるのか?」
「いるわ」
「…………」

それだけかよ!?
口数の少ない奴だ。

「シャーリー・フェネット、ユーフェミア・リ・ブリタニア、ロロ・ランペルージ、クロヴィス・ラ・ブリタニア、V.V.……どうだ居るわけないだろ」

自分の付き合いのある人物を挙げた。
いるわけないだろうが。

「……2人」
「は?」
「ユーフェミア・リ・ブリタニア、ロロ・ランペルージの2人が見つかったわ。V.V.って名前の人は居なかったけどC.C.って人なら見つかったわよ」
「……なんだと?」

ユフィ、ロロ、C.C.……?
確かにC.C.は何回も死んでいるがあいつは不老不死の様なもんだ。

嫌な予感がする。

「天使、俺にも名簿を貸せ」

何故だ!?何故、スザクの名前が入っているかもしれないなんて思ったんだ!?
焦りながら奪い取る形で名簿を読み始めた。

「枢木スザク……」

そして、名簿を見た瞬時にその名前を見つけてしまった。

「何故だ、何故スザクがこの場に居る!」

死んだにせよ。
このバトルロワイアルに巻き込まれて死んで良い奴じゃない。

スザクにはナナリーを護ってもらわなくてはならないんだ。

「わかった、協力しよう天使。その変わり枢木スザクの探索も入れろ」
「良いわ。私は音無結弦という人物に合流したいから協力してね」

どうやら俺は死んだあとも安らかに眠らせてはもらえないらしい。



【A-1 街/未明】

【ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:スザクを優勝させるつもり、だが殺人はしたくない。
2:天使と行動する。
【備考】
※死後からの参戦です。
※ギアス制限あり。人の目を見て3メートル以内。『死ね』や『自殺しろ』の命令は無効です。


【立華奏@Angel Beats!】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:結弦を探す。
2:ルルーシュと行動する。
【備考】
※最終話直前からの参戦。
※ハーモニクス(分身能力)のみ制限。



003:戦士は独り遥か戦地に埋もれてわたしを動かす 時系列 005:強い意志
025:散りゆく者への子守唄 投下順 027:澄み切った強さを手に
000:それはとても眩しい夜 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア 054:魔神が 目覚める 日
START 立華奏

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最終更新:2012年12月28日 10:57