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タッ、タッ、タッ。
ダッ、ダッ、ダッ!

2つの足音が野原を掛ける足音が響く。

1つは逃げる音。
1つは追いかける音。

しかも明らかに速度が追いかける音の方が早く、逃げる音と重なるのは時間の問題だ。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

少年の足は既に限界だった。
ほぼゲーム開始時から逃げ、追われていたのだから。

「な、なんで追われなくちゃいけないんだ……。しかもまたこんな殺し合いをさせるゲームかよ!?」

―――――

彼、御剣総一は少し前に殺し合いのゲームに巻き込まれた事がある。
13個のPDA、13人の参加者、巻き付けられた首輪。
そして解除条件の通りにすると晴れてその人物はゲームを抜け出せるのだ。
全員は助けられなかったものの、ゲーム内では3人だけ脱出する事が出来た。

だが今回のゲームは規模が違う。
100人もの参加者。
なのに1人しか生き残れないサドンデスマッチ。
前のゲームの首輪にはコネクターもあったがそれもない。

「それにしても郷田さんがこのゲームの進行役なんて」

このゲームには参加していない総一の彼女、矢幡麗佳と一緒に郷田の生還を喜んだが結局は主催者側だったという事。
今更ながら総一は全て主催者側に踊らされた事に気付く。
しかも参加者には総一と同じくゲームに巻き込まれて亡くなった北条かりん、長沢勇治、高山浩太まで混ざっていた。
しかも、前者2人には麗佳も総一も何回も殺されそうになった。
もしかしたらあの金髪のあの男まで混ざっているのかもしれない。

「…………」

考え、思い出していると問題の女子高生ぐらいの少女がただこちらを見ていた。

「な、何か……?」
「……知らない?」
「…………」

会話が噛み合わない。
でも次の呟きでようやく意味を理解する。

「倉田佐祐理か相沢祐一……知らない?」
「い、いや知らない」

――バキューン!

「……は?」

わけがわからない。
どこからか来た銃弾は総一の頬に血のラインを付けて過ぎ去る。

「…………」

変わった様子のない彼女は無口なまま、また引き金を引く。

「うわっ!?」

支給された袋に入った甲子園の土を、口を開けて投げつける。
それと同時に総一は逃げ出したのだがしつこく彼女は総一を狙うのであった。

―――――

こう何度も殺し合いが起きると頭がおかしくなりそうだ。
それは一般人の御剣総一の当たり前の感情である。

「それにしても足速すぎるだろ……」

総一は知るはずないが、川澄舞は毎夜学校にて魔物と戦っている。
その身体的能力の高さは女子高生を逸脱している。いや、一般人でも高すぎるくらいだ。

そんな舞に追いつかれるのは当然だ。

「……追い詰めた」

ついに少年の足は棒の様なもんだ。
足はピークで立っていられない、呼吸が苦しい、頭に酸素が行き渡らない、目が霞む、顔の血の気がない。
全てが最悪の状態だ。

容赦なく舞が引き金を引く。

――バキューン!

総一の頭を今、貫通するたろう。
脳みその一部が弾け、思考すら止まるだろう。





「浅はかなり」





総一を抱きかかえたくノ一――椎名の登場であった。

「……邪魔」

椎名が勢い良く舞に武器のサーベルを構えて走り抜ける。
舞はお構いなしと、無表情のまま引き金を引こうと指に力を込めるが、

「ハァッ!」

ガンッ!

忍者の足のスピードが勝った。
瞬時に右手と銃を蹴り上げた。
それと同時に銃はくるくると回りながら舞の後ろに飛ばされ、未明の暗さの闇に消えた。

「殺してやる、なに死んでもすぐに蘇るからな」

死後の世界。
椎名も既に何回も命を落としては蘇っている。
そんなのは日常。
だから椎名には遠慮はない。

舞の細い首の首輪の上にサーベルの刃を当てる。

――そこを思いっきり引く。










――バキューン!

引かれたのは引き金だった。

椎名は一瞬にしてサーベルを下に落として、舞を蹴り上げる。
その反動で舞と椎名の両人が地面に叩きつけられ、同じ様に背中に激痛が走る。

銃弾は離れた舞と椎名の間合いの真ん中を猛スピードで翔て行く。

「対したくノ一だな」

舞の銃を握った銀髪の目つきの鋭い青年だった。

「……って、もう居ねーし!?」

くノ一の椎名は漁夫の利を恐れ、襲われた少年の総一と共に逃げ出した後であった。
そしてこの場には武器を青年に取られ、丸腰のマーダー独りが地面に倒れていた。

「これはチャンスだな……」

青年は勝ち誇った顔で銃を持ちながら舞に近付く。

「佐祐理を……祐一を……護って…………日常に……」

先程の無表情を失い、今は銃に怯える少女。
もはや勝利は決まったも当然である。

「俺と協力しないか女?」
「…………目的は……?」
「俺は観鈴って奴を生き残らせたい。あいつの為に頑張りたい。だが1人じゃ助ける以前にまず生き残るは無理だろう」
「つまり私を仲間に入れて勝率を上げる……」
「あぁ」
「それじゃあ佐祐理と祐一は……?」
「まぁ、聞け。俺だって死にたくないし、お前も嫌だろ?」

つまり……。
男の答えは。

「優勝じゃ1人しか生き残れないから主催者を殺すんだ」
「……うん」
「でも主催者を探すまでには時間がかかるし、助けたい奴が殺されるかもしれない。だから参加者の皆殺しだ。俺は本当はそんな事したくないし、優しいあいつには責められるだろう。だがそれしか思いつかない苦渋の策だ。むろんお前の仲間の命は保障してやる」

参加者の皆殺し。
悪魔の選択だが、自分だけ手を赤く染める犠牲でみんなハッピーエンドになる。
主催者を殺せばゲームも中止。
望む結末には悪くなく、むしろ良すぎるぐらいだ。

「その提案、悪くない」

自分なんか元々どうでも良い。
舞を動かす源は佐祐理と祐一だけだった。

「戦闘を見る限りお前は銃向けではない。もっと力任せの武器だ」

銃は青年が手にし、舞に往人は三節棍を投げ渡す。

「俺は国崎往人、さすらいの人形使いだ。お前が前、俺が後ろをお互いに護るんだ」

青年は鋭い眼差しで名乗りながら戦闘のポジションを決めるのだった。
全ては俺がゲームの勝者だとでも言うみたいに……。



【E-4 祠/未明】

【川澄舞@Kanon】
【装備:三節棍@リトルバスターズ!】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】
【状態:怪我(小)】
【思考・行動】
1:佐祐理と祐一と共に日常に帰る。
2:往人の提案に乗り、佐祐理、祐一、観鈴以外の全参加者と主催者を殺す。
【備考】
※舞ルートからの参戦です。
※魔物を呼び出す力は制限されています。


【国崎往人@AIR】
【装備:ニューナンブ2/5@現実】
【所持品:支給品一式 ニューナンブの弾丸35/35 ランダム支給品×2】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:観鈴を生き残らせる。
2:舞と共に観鈴、佐祐理、祐一以外の全参加者と主催者を殺す。
【備考】
※観鈴ルート確定直前からの参戦。
※法術は制限されていません。



―――――

「た、助かった……」

一方、往人の登場を見る事なく逃走した椎名と総一。
総一はやっと体を休める事が出来る。

「俺は御剣総一、君の名前は?」
「…………」

参加名簿の椎名の名を指差す。
何故か名乗らない。

総一はその椎名の態度に気にした風もなくデイパックを開けた。

「うわー……、支給品外れだ……」

羽根の付いたランドセル、こけしが総一のデイパックから出てくる。
もう1つはさっき投げた甲子園の土だ。

「浅はかなり」
「……何してるんですか椎名さん?」

サーベルの柄を立てた指の上に立てていた。

「意味がわからない……」

自分が再び殺し合いに巻き込まれた事、椎名の今の行動、全ての事に対しての呟きであった。



【E-4 森(祠周辺)/未明】

【御剣総一@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 羽根の付いたランドセル@Kanon こけし@そらのおとしもの】
【状態:怪我(中)、疲労(大)】
【思考・行動】
1:椎名さんと行動。
2:殺し合いはしない。
【備考】
※麗佳ルート(EP2)終了後からの参戦です。


【椎名@Angel Beats!】
【装備:サーベル@ハヤテのごとく!】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:御剣と行動。
2:殺し合いはしない。
3:ゆりと合流する。
【備考】
※ユイ消滅前からの参戦。



【ニューナンブ@現実】
日本の警察が所持するリボルバー拳銃。

【甲子園の土@リトルバスターズ!】
ゲーム本編では武器扱いされている。

【サーベル@ハヤテのごとく!】
ハヤテとアテネが決闘時に使ったサーベル。

【三節棍@リトルバスターズ!】
ゲームが始まってすぐの鈴と真人のケンカの時に鈴が絶対に掴み取る武器。うなぎパイを持った真人と三節棍を持った鈴。勝敗は……察してください。

【羽根の付いたランドセル@Kanon】
メインヒロインのうぐぅこと月宮あゆの愛用のランドセル。羽根はあれど飛べません。

【こけし@そらのおとしもの】
OP時とかちょいちょい出る。多分桜井智樹の家の物。



017:破面の告白 時系列 018:バトルロワイアル狂奏曲
027:澄み切った強さを手に 投下順 029:Island Days
START 川澄舞 053:かみのおとされもの(前編)
START 国崎往人
START 御剣総一 055:堕ちないネイロ
START 椎名
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