涼宮ハルヒの消失Another


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12月18日。

地球をアイスピックでつついたとしたらちょうどいい感じにかち割れるんじゃないかとか例えたのは一体誰だっただろうか。
そんな冬の寒さが日に日に厳しくなってきたある冬の日の出来事。
SOS団結成以来初めてのクリスマスの時期を迎えようとしていた時にそれは起こった。

「──キョン!」

階段上からトレードマークになっている黄色のカチューシャを身につけた団長涼宮ハルヒが気づいたときにはもう遅かった。
SOS団団員その1であったキョンと呼ばれる青年は少女の叫びも虚しく階段下の廊下に落下していった。


四面を真っ白な壁に囲まれた部屋に青年は静かに眠っていた。
その傍らには団長である涼宮ハルヒが青年の目覚めを待って心配そうな顔を向け続けていた。
「早く目を覚ましなさいよバカキョン!団長である私を待たせるなんて生意気よ!」
聞こえるはずのない青年の目覚めを信じてか、口の悪さとは反対に今にも泣き出しそうな顔で少女が呼びかけていた。

12月19日。

団長であるハルヒは団員の不始末は団長である私の責任だと言い病院に寝泊まりして看病を続けていた。
そんな少女のいたいけな看護を知ってか知らずかキョンと呼ばれる青年は安らかにただ眠り続けていた。

12月20日。

この日も青年は目覚めることはなかった。

12月21日。

「──寝顔にイタズラ書きか?」
そんな声で意識が少しずつ覚醒する。
その声がキョンの声であると知覚するには深い睡眠途中であったハルヒには無理からぬ話しだった。
何かが顔に触れる。
それがキョンの指であるとようやく認識できたときに私は飛び起きた。


──。
───。
「・・・んあ!」
そんな間抜けな声だったと思う。
飛び起きて隣にいるはずのキョンに視線を向ける。
そこにはいつもどおりのどことなく冴えない顔をしたSOS団団員その1であるキョンがしっかり起き上がって・・・

      • いなかった。


───γ世界───


前日と変わらず同じように静かに眠り続ける青年。
その時、不意にハルヒの心理によくわからない不安な気持ちが靄をかけ始めていた。

それから数日。

キョンは目を覚ますことはなかった。
理由も何もなかったが21日くらいにはキョンが目を覚ますだろうという根拠のない希望をハルヒは持っていた。
しかし現実にはキョンは目を覚まさなかった。
「・・・キョン」
呼びかけても返事は返ってこない。
医者に問いただしても意識が戻らない原因は不明だという一点張り。

「このままじゃダメ・・・団長である私がなんとかしてやらなくちゃ!」

SOS団団長としての責務からか、はたまた何か個人的な感情があったのかはわからないが少女は強くそう思った。
その瞬間、左手の甲にヂリッと熱いような痛いような感触が走る。
「いつっ!」
なんだろうと左手を見るとそこには痣のようなものが浮かび上がってきている。
「あれ・・・いつの間に手をぶつけたのかしら・・・」
少しの間不思議に思ったが今はキョンのことで頭がいっぱいの彼女は特に気にせず病室を後にした。

12月21日以来、長門ユキ、古泉一樹、朝比奈みくるは病室には現れなかった。
「ユキったらこんな時に用事ができたから少しの間病室に来れなくなるだなんて・・・
それに古泉君もどこかに携帯電話をかけてたと思ったら神妙な顔になって私用ができたから数日間いなくなるだなんて。」
同じSOS団団員の危機あと言うのにという怒りは少しあったが、どちらも真剣な顔をしていたので文句は言えなかった。
「でも、こんな時に頼れる2人が居ないだなんて。キョンを助けるにはどうすれば・・・」
そんなことを考えながら少女は街を当てもなく走り回っていた。
その走りっぷりは不安に押しつぶされないようにかけめぐっていたようにも見えた。
それは偶然だったのだろうか、走るのに疲れ途方も無い不安感に胸を締め付けられたハルヒは
かつて一度だけ来たことがある北高の先輩である鶴屋さんの家の前にたどりついていた。
相変わらずデカイ家ねなどという場違い的な感想を持っていた時後ろから快活な女性の声が聞こえてきた。


──

その日の夜。
ハルヒは鶴屋家にだいだい伝わる「願いを叶える秘術」が書かれていると言われる古文書を手に持って北高のグラウンドにやってきていた。
途方にくれていた
事情を話したハルヒは鶴屋先輩からいかにも怪しい本を受け取っていた。
その本が胡散臭いことは言わずもがなだが、他に何ができるのかが見当もつかなかったハルヒはそんな胡散臭いものでさえ頼りたいという気持ちになっていた。
正に藁にもすがる思いというやつだ。
「よし、これで陣は完成っと」
本に書かれた通りに陣を完成させたハルヒは、
以前宇宙人とコンタクトを取るために中学校のグラウンドにミステリーサークルを書いたことを思い出してフフっと笑いがこぼれた。
「そういえば、あの時やってきたジョン・スミスとかい─」
その述懐は途中で止められることになる。
かつて描いたミステリーサークルは宇宙人とコミュニケーションを取るものだった。

そして今回ハルヒが描いた陣、
それは聖杯を奪い合うために殺戮ゲームを行うためのサーヴァントと呼ばれる英霊を召喚するためのものだった。

「な、なによこれ・・・」

先ほどまで真っ暗だった校庭が光り輝く。
その光の源はハルヒが描いた陣であった。

その陣から

「よかった。怖い人に呼び出されたらどうしようかとドキドキしてたんだ。あなたが私のマスターですか?」

見るからに年下の少女が召喚されていた。
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