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「よっこいしょ、っと…」

案件が耳に入り、あたしはそれを確かめるために街のはしにある寂れた建物にたどり着いた。ボロボロになっている建物の入り口に溜まっていた瓦礫をどけて、あたしは建物の中に入った。

…全く、なぁんであたしがこんなことをしなきゃなんないんだよ…

薄暗い建物の中を歩き進みながらため息を一つもらす。


案件っつったって、カズ兄が調べればいいだろうに…
あの人はあたしが暇だったらいっつも仕事をおしつけんだから…やになるよなぁ…

ま、暇だったからまだいいんだけどサ…。

そんな事を思いながら探索を続ける。
…でも、どこを探しても黒蝶の気配はない。

黒蝶の姫さんが去った後か…はたまたデマ情報だったか。
どっちにしても無駄足だったみたいだ。

とりあえず…一応調べてみる、か…。

あたしは黒蝶の手がかりを調べるために壁に手を当てた。そして、ゆっくりと瞳を閉じる。


すると、頭にこの家に関するいろんな情報が飛び込んでくる。
この子…この壁が今まで見ていた情報には、黒蝶の姿はなかった。

「…はぁ…。また無駄足か…」

目を開けて手を離し、額にその手を当てて深くため息をついた。

さて、無駄足だとしたらこんな場所にもう用はない。
さっさと帰ろ。
闇雲に逢いたくはないしね。

そう思い、体を建物の入り口に向けた。

瞬間…

銃声と共にあたしの頬に銃弾が掠った。

…やっぱり逢っちゃうわけね…

額に手を当てて深く息をつくと入り口から3人の男が入ってきた。
そいつらは銃を所持しており、銃口はご丁寧にあたしに向けられていた。
間違いなく闇雲の連中だ。そう確信する。


「貴様、白使だな!!」
「だとしたらなんだ?」
「ここであったが運の尽きだ。我らのため、死んでもらおう」

…なんか戦う気満々だな。
全く…面倒くさ。

銃口を向けたまま動かない男達に軽く息をつくと、手にしていた長刀『小烏丸(コガラスマル)』をくるんでいた布を外す。
そして露わになった白木の鞘に納められた愛刀をそのまま持ち、柄に手を添える。
3人ならあたしの敵じゃない。

「殺れ!」

3人のうちの1人の男の合図と共に、銃声が3回した。それと同時に、あたしは地を蹴って素早く右の男との間合いをつめた。

そのまま柄に添えていた右手で柄を握りしめて刀を抜き放つ。
そして男めがけて刃を繰り出し、男の横腹を見事切り払った。

「ぐぅっ!」

男はうめき声を上げて地に伏した。
まずは1人…。
残るは、2人。

「くっ…怯むな!殺れ!」
「遅いよ、おっさん」

1人がやられたことで隙ができ、あたしは一気に左の奴の後ろに回り背中を斬り、そのまま指示を出していた男に刀を突き立てた。

「ぐはっ!」

男は3人とも仲良く地面に倒れた。
浅く斬ったし、致命傷ではないから死なないだろう。
この歳で人殺しも嫌だしね…。

あたしは一息ついて刀を振って血を払い、刀身を鞘におさめた。

「それじゃね、おっさん達」

刀を巻く布を拾って再び刀を巻いて、あたしはその場を後にした。

やれやれ、とんだ災難だった…。
今度こそ帰ろう…。


ゆっくりと建物から出ると、あたしは夕闇の街を歩きだした。