607 : 【文芸】ブーン系小説感想祭 ルポ 1 : 2010/03/29(月) 16:45:51 発信元:218.43.215.56
3/26-28日まで、以下のスレにおいて感想祭り(おすすめ小説の感想をレスにして投下する)が
催された。件のイベントを軸に、ブーン系の概要とともに、シベリアにおける今後の位置づけなどを
考察する。
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[,|,,,★,,|]. ミ;;:;,. _,.;:゙ミ {三} ((ノ、`'ノ))} ネルナ!
(;´・ω・`). 川 ゚ -゚) サワグナ .{ニ}ゝd *゚⊿゚) zzz…!?
(⊃| ̄| ノ (rつ `ヽ リ (__]っ⊂彡☆))゚ω-)、_
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608 : 【文芸】ブーン系小説感想祭 ルポ 2 : 2010/03/29(月) 17:45:14 発信元:218.43.215.56
■概況
26日00:00ちょうどに始まったこのイベントに、ブーン系小説を愛する人たちがVIP、シベリアを問わず
多数詰め掛けた。開館とともに凍てつくような外気がなだれ込んだが、すぐに参加者の熱気に
取って代わった。参加者にはサービスでヲッカが振る舞われた。
すでに感想を書き溜めて持参してきた人、館内でゆっくりと書き始める人、それぞれのスタイルで
3日間進行した。自らのおすすめを挙げるだけではなく、お互いのおすすめ作品を閲覧しあうなど、
参加者の交流も際立ったイベントであった。
館内のまとめによると、
三日間累計
全209作品/216感想 であったそうだ。
609 : 【文芸】ブーン系小説感想祭 ルポ 3 : 2010/03/29(月) 17:47:18 発信元:218.43.215.56
■ブーン系とは
以下に詳しい解説がある。
簡単に言うと、2chAAキャラ(小型)を使用したストーリーである。スレタイ(=作品名)の
最後に「~のようです」とつけられるのが慣習となっている。
(やる夫などの中型/大型AAを使用したものは、ブーン系には含めないようだ)。
その裾野は広い。
表現形式だけをとっても、AA主体のもの、地の文が多いもの、会話主体のものとあり、
内容も、純文学に近い耽美的なもの、ラノベ調のファンタジーもの、学園物、エログロナンセンス
ハウツーもの....等多岐に渡る。
比較的長い(5年近く)伝統の中で、キャラクターや書き方が確立される一方、新たな試みも未だ
数多くなされている。読みやすく書きやすく、かつ懐の深いジャンルであると言えよう。
まとめブログなども各種整備され、一種のコミュニティを形成しているので、自作品が大勢の人の
目に留まることも期待できる。
610 : 【文芸】ブーン系小説感想祭 ルポ 4 : 2010/03/29(月) 18:31:29 発信元:218.43.215.56
■光と影
2chで長く続いてきたムーブメントなので、アンチや他作者への嫉妬など、内部のゴタゴタも
少なからずある。アンチ/ヲチスレのようなものもシベリアに立っている。
また、VIP発祥のムーブメントがシベリアに居を構えることによって弱体化するのではないか、
スレ立て(長編の場合必要)、連続投稿に厳しいシベリアはそもそも向いていない、と
考える人もいる。
■シベリアにおける位置づけ
上記のような問題もある一方、心ある人たちによってシベリア板での共生の有り様が
模索され、一般シベリア民にも広く門戸を開く為の努力がなされている。その一環として、
商工会議所にも加盟している。その姿勢には好感が持てる。
シベリア民の中にも着々とファンを増やしつつある。
娯楽に乏しいシベリア住民に文芸の興をもたらすとともに、観光資源としての役割も期待されて
いる。
611 : 【文芸】ブーン系小説感想祭 ルポ 5 : 2010/03/29(月) 18:59:53 発信元:218.43.215.56
■物語不在の時代に
そしてなによりも記者が強く切望するのは、今後シベリアの文化、歴史などに深く関わった
作品がさらに出てくることである。既にシベリアに想を得たいくつかの作品が発表されており、
これからも増えることを期待する。
シベリアは長らく「物語不在」の時代であった。しかしこの物語こそが、シベリアと他の雑談板を
隔てる最大の壁なのである。いくらブリザードが吹き荒れようとも、糞スレが乱立されようとも、
そして骨身を枯らすような過疎が訪れても、シベリアから開拓民が途絶えることは無かった。
それは、開拓史やシベリアAA物語にあるような美しく心温まるシベリア板への憧憬が常に
心の支えとなっていたからである。逆も言える。シベリアの歴史が、それらの物語を形成して
いった。素朴で勇敢な開拓民、様々な板から移住してきた人々、それらの人々がこのシベリアで
過ごした「記述される事の無かった歴史」が、創作の上に足跡を残していった。
大量規制の定常化とともに、シベリアに定住する人も増え、変わりゆくシベリアを我々は目の当たりに
している。ぜひとも、新世代の語り部を-問題を告発するゴーゴリのような、悲哀を描くチェーホフのような、
人々を啓蒙するトルストイのような、そして、絶え間ない開拓へと人を突き動かすゴーリキーの
ような-そんなシベリア発の作家が出てくることを希求する。
612 : 【文芸】ブーン系小説感想祭 ルポ 6 : 2010/03/29(月) 23:15:38 発信元:218.43.215.56
■「感想」の感想
さて、感想祭に話を戻そう。
勿論元の小説が一番素晴らしいのだが、寄せられた感想自体が一つの作品であるとすら言える。
短いが的を得た感想、思い入れが伝わってくる熱い感想など、読み手のパーソナリティによって
文体は様々だが、どれも読んでみたくなるような趣きに溢れている。やはり書き手を兼ねている人が
多いため、「読ませる」文章を書く難しさ、キャラクタ設定の妙、物語の力学などについて知悉している
人が多いからだろう。
またつくづく感じるのは、種々様々なジャンルの話で演じるAAキャラクタのバイタリティである。
彼らはまさに「名優」である。役が子供であろうと大人であろうと、インテリであろうと愚か者であろうと、
そして悲劇であろうと喜劇であろうと違和感無くかつ個性を発揮する彼らだからこそ、脚本家たち(=作家)は
今日も創作意欲を掻き立てられ、新たな作品が世に生み出されるのである。現在は中型/大型AAが主流
となり、表情なども実際の絵や写真に近似したものが数多くあるが、シンプルな記号と文章でいかようにも
物語を演じて見せる彼らは2chのスターでもあり、共有の財産でもあるといえる。
つまるところ、彼らの魅力をもっとも知り、かつ彼らが思っても見なかったような魅力を引き出して見せるー
それが優れたブーン系AA作家なのだろう。
そして我々は、ここシベリアで、もっと彼らに魅了されたい、と思うのである。
(ルポ終わり)
613 : 読者の声 : 2010/03/29(月) 23:19:32 発信元:218.43.84.40
お疲れ様でした。
面白かったです!
614 : 【シベリア新聞社 編集室】 : 2010/03/29(月) 23:26:31 発信元:218.43.215.56
つ旦~
深夜にご来訪、ありがとうございます。どうぞ。
久々に特集を組みました。シベリア民として、大きな期待をもって見ております。
皆さんの熱い熱気が伝わったか、どうか。
お帰りにはお気をつけ下さい。
615 : 読者 : 2010/03/29(月) 23:31:21 発信元:121.2.98.95
お疲れ様です。非常に納得、感動させられるルポでした。
我々ブーン系民も、シベリアの優しさに魅了させられる今日この頃です。
616 : 【シベリア新聞社 編集室】 : 2010/03/29(月) 23:44:57 発信元:218.43.215.56
つ旦~
も一つお茶どうぞ。
シベリア民は基本開拓民なので、モノをつくる人を尊敬する傾向があります。VIPのように熱い支援レスは
なかなかありませんが、しずかにROMしてる人も多いようです。シベリア板の趣向にそった貴施設の
歩みは範とされるべきだと思います。シベリアが皆さんの文化創造に適した地であることを願います
最終更新:2011年11月01日 22:48