307 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2012/05/23(水) 21:55:01.06 発信元:219.182.83.135
変な文の指摘お願いします
……
昼休み、学校のがらんとした体育館。
いるのは学生服の僕ら。
遠く離れた売店の怒号と悲鳴がわんわん響いてくる。
文字通りの戦場に、今日は何人の犠牲者がでることやら。
心底弁当派でよかったとおもう。
上級生ひしめくあの場所で、ぼくは一週間で三桁死亡できる自信がある。
('A`)「かえりたいなあ」
めいっぱい力のこもらない声がして、意識の座標を慌ててここへ。
('A`)
見慣れた土気色の不健康極まりないドクオの顔がある。
左手をよれよれブレザーのポケットに入れて、やる気なさそうに僕を右手で指さしている。
ドクオの手には何もない。
ドクオは、まだ、出さない。
僕の手には真っ白なハリセン一つ。
それなりの紙でできたそれなりのハリセン。
いつもながら、不安で頼りない僕の武器は、存在感だけは抜群だと評判。
308 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2012/05/23(水) 21:55:41.31 発信元:219.182.83.135
まったく嬉しくないよね。
本当は重火器とか持ちたかったのに。
ぶっ放したいし。目立ちたいし。
持ち手を握り直して前を見た。
( ^ω^)「今日こそ一発いれてやるお! かくご!」
('A`)「帰りたい、植物になりたい」
やる気のない声が聞こえた瞬間、足の筋肉総動員で思いっきり前方へ駆ける。
がっちりと握りを固める。
神経を鋭く、鋭く、とがらせる。
一発目は小細工なし、思いっきりで顔面を狙う。
左側に駆け抜けながら右手フルスイングでハリセンを振りぬいてやる。
死んだ魚の目で僕をとらえるドクオは、僕のスタートと同時に指で空中に円を描いている。
僕の攻撃が通る道ど真ん中だ。
人差し指が円周をなぞり終え、そこに生まれた鉄の蓋。
通称マンホール。
準備は整った。
僕ら2人の、儀式みたいな約束の第一撃。
何百回と繰り返してきたファーストコンタクト。
( ^ω^)「おぉぉぉぉぉおりゃあああぁぁぁぁあああっっ!!」
今日こそ、ぶち抜いてやる。
ハリセンに渾身の力を籠める。
309 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2012/05/23(水) 21:56:23.93 発信元:219.182.83.135
( ^ω^)「砕けろ、鉄うううぅぅぅぅ!!!」
派手な音が耳をつんざきながら、体育館にわんわん響く。
( ^ω^)「どうっ……だおっ!!」
手に残る強烈な感触に手ごたえを握り、振り返る。
マンホールは歪んではいるものの、その場所に浮いたまま。
亀裂のひとつもはいっていればいいのに。
何なの、あの大人げない硬さ。
ドクオが[呼ぶ]マンホールは、防御の面だけ見ればSクラスだってのは理解してるんだけどさ。
距離が離れる前に勢いを無理やり殺して、振り向きざまにショルダータックル。
不健康人代表はまだ振り向いてすらない。
よし! 当た
('A`)「はい残念」
310 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2012/05/23(水) 21:56:42.32 発信元:219.182.83.135
(;^ω^)「うわああぁぁぁぁぁあ」
当たる直前に半歩ひかれ、足を軽くひっかけられた。完全にバランスを崩して派手に転がる。
('A`)「お前はまっすぐすぎて、いっつも単調」
('A`)「それ、なんとかしろよな」
(;^ω^)「そんなこと言ったって直接攻撃以外に選択肢が」
('A`)「ほんとおまえ馬鹿すぎる。戦闘中に敵と話すな」
(;^ω^)「へ?」
('A`)「セット完了。『落とし蓋』」
起き上がろうとした僕の頭の上に突然気配があらわれて
_______
( ω ) ゜゜ ぎゃっ
ものの見事に命中した。
311 :いやあ名無しってほんとにいいもんですね:2012/05/23(水) 21:57:33.92 発信元:219.182.83.135
以上です。
ありがとうございました
最終更新:2012年05月25日 00:00