969 :taka:2012/05/24(木) 13:47:37
ネタのちゃんぽん
事の始まりは枢軸の頂点の一言だった。
「君ももう少し痩せたらどうかね?」
贅をこらした官邸会議室、その椅子の1つをギシギシと体重で責め立てていた男に、言葉の槍が突き刺さった。
ヘルマン・ゲーリング。戦後も空軍の元帥を務め、今は二代目総統の候補筆頭(笑)を維持する事に余念がない男だ。
会議室に居る帝国の重鎮達は目を逸らすか僅かに首を縦に振った。
そりゃそうだろ。彼はかなりの肥満体であり、服も特注サイズでなければ着れない位なのだ。
指摘されて空軍元帥はぐぬぬと呻く。確かに指導者としてのイメージ的によろしくはない。イタリアのドゥーチェもデブは悪だと言っていた。
……過去の自分のイメージを脳裏に浮かべた。いや、せめて市販サイズの服が着れるようにしようか。
とは言え、この時代にそう言ったエクセサイズの指南書やダイエット本などはそれほど流通してない。
なので、経験者に聞いてみる事にした。
表敬訪問していたフィンランドのスナイパーにダイエットと体格の維持について聞いてみた。
「ただ、訓練あるのみです」
嫌々出頭してきた部下の英雄大佐にダイエットと体格の維持について聞いてみた。
「牛乳飲んで訓練して牛乳飲んで寝るだけです」
最近、潜水艦フェチの元帥より痩せた海軍元帥にダイエットと体格の維持について聞いてみた。
「見えない未来と喪った過去に思いを馳せ続ければ気力も体重も減るだろうよ」
政権閣僚で一番痩せている人A・Sさんにダイエットと体格の維持について聞いてみた。
「曜日感覚と睡眠時間の感覚が麻痺する生活を過ごし、困った友人と毎日お付き合いしてみなさい。直ぐにこの体格になれますよ元帥閣下」
痩せるのって大変だなぁ。
そんな事を考えながらゲーリングは、アンプルに入ったモルヒネを……。
「……官邸内でモルヒネを打つなと言っただろゲーリング?」
「ギギギ……ち、違います総統。これはただのビタミン剤で」
結局、こうして後継者の座を自ら遠ざけてしまうゲーリングであった。
おはり
最終更新:2012年05月26日 17:53