887 名前:ぽち[sage] 投稿日:2012/05/22(火) 00:31:30
ロアナブラの闇


「くそっ」
レヴィは毒づいた。
「あたしゃフケるぞ!なんだってこのくそったれメガネメイドが引き起こした騒ぎに巻き込まれなきゃなんねーんだ」
「どこへだい?」
ロックとラヴレス家の坊主の落ち着き払った態度が気に入らない。
特にこのクソ坊主。
手前ェんトコのメイドのせいで今のあたしらはホテル・モスクワに
最近どこぞの若造が乗っ取ったらしいイタリアのギャング団「パッショーネ」の新ボス様と親衛隊
さらにはどこからともなくどこぞの国の正規軍の装備持ち出した傭兵会社
それらが仲良くニラメッコしてる、そのド真ん中にいるってのに何時の間にやら手懐けた双子までお供にしやがって。
双子の視線と、銃声なんぞ響かせた日にゃ周り中から蜂の巣にされちまうってこの状況がなければ
そのおキレイな尻の穴をふたつに増やしてやるところだ。

そしてそのガキはメガネメイドを必死で宥めてやがる。
とっとと永遠におとなしくさせてやりゃいいものを。
「駄目だよロベルタ、お願いだからもうやめて」
「それこそ駄目なのです坊ちゃま・・・・・・・もももももももうワタしは坊ちゃマのお言葉でもとままままままらなひひひひひ
懐から取り出した銃を、自分の使える坊ちゃまの額に突きつける。
動こうとする双子とちびっこメイド、そしてロックを視線で止めると、もう完全に「あっち側」に要っちまったクソメイドを見つめる坊主。
20年もすりゃいい男になったかもしれなかったが、ちょっとだけ残念だね。
さて、坊主の頭がザクロのケチャップ和えになっちまった後はクソメイドとちびっこトリオを連中の眼前に放り出して起きるゴタに紛れてロックくらいは連れて逃げるか。
ダッチは・・・・・・まあ自分でなんとかするだろ。

そんな事を考えてた時・・・・・・・・

888 名前:ぽち[sage] 投稿日:2012/05/22(火) 00:36:31
「落ち着かんかこの馬鹿弟子が」
レヴィが間違い無くかなりあくどい事を考えてる表情(おそらくこの場にいる全員を囮に自分だけは逃げよう、と考えてたのだろう)をしてたので
さてどうたしなめようか、と考え始めた際、その声は突然響いた。
そこにはついさっきまで誰もいなかったはず・・・・・・・

その声の方を見た時何故か学生時代夢中になって読んだホラー小説を思い出した。
あの津波の後、西洋人には海と「海から来るモノ」への恐怖がDNAレベルで刻み込まれたというが
海と魚をとことん忌み嫌ったそのホラー作家が好んで使った表現を借りるならば
そこに「居た」のは「名状し難きメイドのようなもの」

確かに「それ」はメイドだ。
メイド服を着ているのだから、まあメイドといって間違いは無いのだろう。
ただ二の腕が常人男性の胴ほどに太く、そして顔の上半分を隠す仮面がなんと言っていいのか・・・・・・
そいつが全身から放つ強烈な闘気と壮絶な覇気、凄まじいまでの威圧感と絶望的なくらいの違和感に、その場の一同誰一人として指一本動かせなかった。

「はっ」レヴィが嘲笑い、地面にへたり込む。
彼女の二つ名の由来であり、彼女の何よりも大事な相棒である二挺の銃が足元に力なく落ちる。
「笑えよロック、このあたしが・・・・・・このあたしがあのバケモノに仕掛けるどころかあいつに銃を向ける事を考えた・・・・・・
 それだけで心折られちまったよ・・・・・・・・・」

そんな混沌の中、ただ一人だけが動いた。
この騒動の原因にして中心たるアンデッドメイド、ロベルタだ。
その怪人物の足元に片膝を付くと頭を下げて「師匠!」



                    • なんですと?

その場に居る全員が真っ白になり、凍結してる状態で怪人物とターミーネーターメイドは会話を続ける。
「久しいなロベルタ」
「はい、お懐かしゅうございます」
「そのザマはなんだ メイドたるもの主が冷静であれば傍らでサポートし、主が熱くなれば冷や水を浴びせる、その家で一番冷静なものこそメイドで無ければならぬと
 何度も教えたはずだがな」
「面目次第もございません」
「あのう」
ガルシア君が、勇敢にもアレに話しかける。
「ラブレス家党首ガルシアです。あなたはどなたですか?」
「ふむ、問われて名乗るもおこがましいが馬鹿弟子の主にしては礼儀正しい応答に免じ答えてやろう。
 わが名はメイドガイ メイドガイのコガラシよ」

数分間時間が止まる。
その場の全員、状況把握に時間がかかっているようだ。
「承知しました、コガラシさん。で、このような状況でこのような場に姿を現した理由を聞かせて頂いても宜しいですか?」
「今の俺は日本の上の方の輩に仕えていてな、そやつの知人にこの騒ぎを収めてくれと頼まれたのよ。
 外交官特権やら色々押し付けられたがな」
「つまり、アンタに逆らうって事はヤマトの砲口に身をさらすのに等しいってか?」
多少回復した(らしい)レヴィが口を挟む。
それは権力に従う事をゴキブリの次くらいに嫌う彼女らしい言葉だ。だがしかし
「ヤマトだと?笑わせるな!あのような鉄クズ、何隻集まろうと俺の足元にも及ばぬわ!それがこの俺メイドガイ!」「さすがです師匠!」


色々と反応に困っているとそこに歩み寄るいくつかの影。
「久しいねコガラシ殿」「あ、姉御・・・・・・あんたアレの知り合いなのか?」
レヴィの問いに彼女は「借りがあるのさ そう簡単には帰しきれないでっかいのがね」と答える。
次の影は「こんばんわ、コガラシさん」「ウム、貴様は確か・・・・・ジョルノ・ジョバーナだったな」
「貴方が以前麻薬ルートを潰すためにローマに来た、あの時以来ですね」
「貴様はどうする?俺に敵対するのか?」
「生身でゴールドエクスペリエンスと互角にやり合い、キングクリムゾンを殴り倒した貴方と敵対?何かの冗談でしょう」

「では・・・・・・残るはそこの傭兵ども。貴様らはどうする?」
「聞くまでもねえだろ?死ねやぁ!」
「メイドガイバリヤー!」
一斉に放たれた銃弾を、彼はくるりと回転してはためかせたスカートで全て弾き飛ばす・・・・・・・・・なんだそりゃ?あと気色悪い
「よかろう、この俺に正面から挑む勇敢な者など久しぶりだ 願わくばその勇気にふさわしい強さのあらんことを」


「で、これからどうするんだ?」
「ロベルタたちと一緒に帰ります。  我が家に」
「不出来な弟子よ よい主ではないか」
「はい、それだけは断言できます」
「ではさらばだ!」




「ふむ、ダッチよ、中々に面白い輩を集めたものだな」
「俺が集めたんじゃない、いつの間にか群れただけだよコガラシの旦那」

889 名前:ぽち[sage] 投稿日:2012/05/22(火) 00:37:31
憂鬱ブラックラグーンを書いてみたくなったのですが・・・・・・・・・

間違えて雑談スレに投下してしまった

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最終更新:2012年06月07日 21:51