416 :グアンタナモの人:2013/02/08(金) 21:12:26
おはよう、諸君。
諸君に伝えたいことがある。

間もなく、諸君は人類史上最も重要な作戦に参加する。
我々は国籍も、人種も異なるが、我々は共に戦い、抗い、そして守り抜く。
守るべきものの為に、愛すべきものの為に戦い抜く。

今日この日、我々は国境を超えて結集する。
我らの美しき世界を守護し、人々に、友人に、そして家族の明日を。
我々の勝利は人類の新たなる繁栄の時代を告げる先駆けとなるだろう。

勝利は我々のものである。
取り戻そう、人々に安息を。
勝ち取ろう、我々の自由と未来を。
地球は全ての人のものである。

さあ諸君、明日を取り戻そう。


 ――― 一九九九年七月八日午前六時半(ユリシーズのロシュ限界突破時刻の六時間前)
        ベルカ公国タウブルグ空軍基地〝Β〟中央管制室より、アントン=カプチェンコ空軍少将(当時)が発した演説

417 :グアンタナモの人:2013/02/08(金) 21:12:59
○聖杯(カリス)計画に基づく、ユリシーズ迎撃措置の一覧

○〝Β〟
  聖杯計画に基づき、ベルカ公国タウブルグ丘陵に配備された対ユリシーズ用の超大型化学レーザー砲台。
  元々は一九八一年に開始された同国の弾道ミサイル防衛計画の下、〝エクスキャリバー〟の通称で開発されていたもの。
  本来の計画よりもさらなる高出力化、長射程化が図られ、脅威度の高い大型隕石片を融解、蒸発させる能力を獲得した。
  一連のユリシーズ迎撃ではその象徴として扱われ、一九九九年七月の迎撃開始時もここから世界に向けて演説が発せられた。
  ユージア大陸やアネア大陸への落着軌道に入った多数の大型隕石片の迎撃を成し遂げ、特にエルジア共和国首都、ファーバンティ近郊洋上への隕石片落着を阻止したことは有名である。
  ちなみにベルカ戦争当時は高出力化改造工事中であったため、侵攻してきたオーシア連邦軍に牙を向くことはなかった。


○〝Ζ〟
  聖杯計画に基づき、ベルカ国営兵器産業廠主導で開発された対ユリシーズ用の大型地対空複合レールガン砲台。
  正式名称は〝Ζ〟だが、ユージア大陸では砲台陣地の様相から同大陸の遺跡に準え、〝ストーンヘンジ〟とも呼ばれた。
  この規模の大型兵器としては破格の生産性を誇り、一九九二年から一九九九年のユリシーズ落着直前までの間にユージア大陸やアネア大陸を中心に世界各地で合計二四門が建造された。
  なお、基幹部分はベルカ公国によってブラックボックス化が成されており、供給時には隕石片の完全掃討後、同国主導での全門解体が確約されている。


○〝Μ〟
  聖杯計画に基づき、ベルカ国営兵器産業廠主導で開発された対ユリシーズ用の特殊誘導ラケータ。
  地上施設からの発射後、レーザー誘導され、軌道上に残存すると思われる比較的小型の隕石片と結合。
  隕石片を被害の少ない洋上へ意図的に誘導落下させる。
  発射管制施設はユージア大陸ではトゥインクル諸島、アネア大陸ではソーン諸島に建造され、現在まで稼動している。
  なお、軍事転用を防ぐために基幹部分はベルカ公国によってブラックボックス化が成された他、管理のためにベルカ空軍関係者が施設に在留している。


○〝Υ〟
  聖杯計画に基づき、ベルカ国営兵器産業廠で開発されていた対ユリシーズ用の特殊誘導ラケータ。
  先述した〝Μ〟と異なり、弾頭にユークトバニア製超大型核弾頭〝ツァーリ〟を搭載。
  ユリシーズ側面で複数を同時起爆することにより、軌道を逸らそうと試みたもの。
  開発は試作段階まで進んでいたが、ベルカ戦争開戦により試作が遅延。
  加えて同戦争中のスーデントール空襲で開発設備の一部が破壊されたため、結局開発は断念された。
  仮に開発に成功していた場合、ユリシーズ衝突を完全回避できた可能性(※1)があったが故に、現在まで続く世界的な反オーシア感情を生み出した。


(※1)残る〝Β〟〝Ζ〟〝Μ〟を用いた迎撃では被害を完全に阻止できず、世界全体で五五〇万人の人口が失われた。
     ただし、なんの迎撃措置も取られなかった場合は人類滅亡の可能性すらあったため、ベルカ公国の業績は偉大とされている。

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最終更新:2013年02月10日 18:48