297 :1スレ202:2013/02/06(水) 18:58:09

ネタ


街を歩いていた嶋田は思わぬ人物に出会した。

「これはこれは久しぶりじゃないですか嶋田さん」

垂れ目で七三分け にやつく口元がカンに触るあまり好きではない男 その名も米内光政。
前世から知っている男でこの世界でも以前と変わらない振る舞いをしていた為に夢幻会が危険と判断して失脚させた人物。
そして何を隠そう嶋田の同期。

「ひ 久しぶりですね お変わりありませんか?」

(イヤな奴に会ったな~)

「ええ見ての通りピンピンしておりますよ なにせ隙でしたからね~ 無職なもので」

「は はは それは」

「もう昔のことですから気にせんでください それに自分にも悪いところはありましたからなぁ あんた達に目を付けられても仕方ない」

(恨んでないのか? えらい変わりようじゃないか)

「どうです? 昔のことを水に流すという意味でこれから一杯やりませんか 誘う以上こちらが持たせてもらいますよ」

(う~ん どうする? 奢りというのはいいとして コイツと話すことなんぞ無いからな でも断ってまた恨みがぶり返したら気分悪いし)

「わかりました では御馳走になります」

(モニカさんには遅くなるとメールしておくか)

この時間はまだ仕事中の同居人にメールして にこやかに笑う米内に付いていった。
着いた先はクラブ黒の王。

「よ 米内さん ここクラブじゃないですか?!」

「ええ でも飲み屋には違いないでしょう?」

「それはそうですが……」

「ささ 行きましょう 可愛い女の子がお酌してくれますよ」

中に入るとキングと呼ばれているゴリラみたいな顔の支配人にペコペコされて特別室に案内された。
米内は相当なお得意様なのかキングは恐縮しっ放し そして特別室ではまた意外な男と顔を合わせた。

298 :1スレ202:2013/02/06(水) 18:58:45

「山本っ!」

「嶋田っ!」

山本五十六 米内と同じく海軍の同期。
彼も米内に声を掛けられていたらしい。

「驚いたな お前まで来るとは 俺は家にいたとき米内の奴から電話で一杯どうだと誘われたんだが」

「いやここに来る途中偶然嶋田さんと会ってね それでお誘いしたんだ 同期の桜の同窓会みたいで良いじゃないですか」

「いくらなんでもクラブで同窓会はないだろ?」

「酒も旨いし女もいっぱい居て最高じゃないか 何の文句が有るんだね? それに山本さんも女は嫌いじゃないだろう?」

パンパンと米内が手を叩くとバニーガールの若い女の子達が酌を始めた。

(お 俺はこういうの苦手だし好きじゃない さっさと飲んで帰ろう)

山本が嫌いじゃないのは勝手だがこっちはたまったもんじゃない嶋田はピッチを上げて酒を飲む。

「米内 言っておくが嶋田はあまりこういうのは好きじゃない それに俺も今は交際している女性が居てな 見られたらまずい」

「硬いこと言いっこなしだ!」

「大丈夫バレやしないよ! そんなことより二人とも飲んで飲んで!」

完全に他人事な米内 無責任に言い放つ。

「あら こちらのおじさま平凡な空気が新鮮で素敵」

嶋田に絡むのは色っぽいバニーガール。
結構マジで気に入ったらしくほっぺにチュウとかしてくる。

「こらっ やめなさい!」

真っ赤な顔して逃げる嶋田。

「どうぞおじさま」

「おお すまんな」

「ど~お?おいしい?」

「うむ酒は上等だが」

(こんなところアイツに見られたら大変だぞ……)

酒は旨いが交際相手の顔がちらついて気が気でない山本。
可愛い顔して怒らせたら怖いのだ。

「キングくん もっと女の子連れてきなさい」

「は かしこまりましたヨナイ様」

ゴリラ顔のブリタニア人支配人をこき使う米内。

(ふはは愉快愉快!あの嶋田と山本が困っておるわ!!この俺様を長年にわたってないがしろにしおっていい気味だわい!!)

同期の桜の同窓会。
心から楽しんでいるのは鬱憤を晴らし 女の子を侍らせてにやつく米内だけだった。

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最終更新:2013年02月10日 20:33