900 :202:2013/05/02(木) 20:32:24
ちーと失礼する。
休日氏の一部設定投下で熱出て勢いのままに書いてみた。

休日氏の宿敵(とも)時空を超えて 68氏の総統閣下と愉快な仲間たちinEU 影響を受ける人氏の憂鬱×ギアスにおけるKMF関連大清連邦編ごちゃまぜ設定 嶋田とモニカの娘の名前は二二三氏の設定拝借。
ダメなら申し訳ない。

へったくそだが良けりゃ暇つぶしに。

901 :202:2013/05/02(木) 20:32:54


ゲームオーバー~終焉のソビエト~


皇歴2027年



後に その範囲の広さから【世界大地震】と呼ばれるM6.3の世界同時地震が発生。
日本・ブリタニアは震度5弱 中華連邦・EU・清・高麗はそれぞれ震度4 南ブリタニア・アフリカ・東南アジア・オセアニアは震度3。
と それぞれ地域ごとのバラツキこそ見受けられたが 大凡震度3~5弱の地震であった。

最も大きな揺れに襲われた日本・ブリタニアでは死傷者0 経済インフラにも一切影響なしであったのに対し
震度4の高麗では揺れに驚いた一部の市民が暴徒と化し 略奪と強姦が行われるという以外は建物の倒壊などごく一部で済み
世界全体が地震に見舞われた割に死傷者数百人という 最小限の被害で抑えられた。
特に日本本土とブリタニアのクルシェフスキー侯爵領では 「あ ちょっと大きい地震」 程度にしか感じておらず 混乱らしい混乱も無しのタフさ加減を見せていた。
日頃から地震火山等の災害に見舞われている日本と侯爵領ならではの異質な風景であったが それを考慮しても尚 世界は平穏に流れようとしていた。


が・・・


ここに招かれざる客がやってきたことを世界は知る事になる。


もっとも 招かれざる客ではなく 客のほうが招かれたくなかったというのが正しいのであろうが。




大日本帝国



「お父様!」

「ううん・・・」

「お父様起きて~~~!」

大型連休のこの日 昼まで寝ているつもりだった嶋田繁太郎は娘のサクラに揺さぶられて目が覚めてしまった。

「なんだ・・・ 休みくらいゆっくり寝かせてくれ・・・」

「お父様は年中お休みでしょ? とにかく起きてよ~~~ テレビで凄いことしてるから」

どうでもいい事であった 別に休みの朝から見るような番組など無いから。
しかし よほど珍しい番組でもやってるのか サクラはぐいぐい引っ張る。
しつこい娘に根負けした彼は 二度寝するのを諦めて渋々と布団から起き上がった。

「わかったわかった わかったから服引っ張るのはやめなさい」

「は~い!」

(はァ~、 朝からなんなんだ?)

娘に手を引かれて居間に連れて行かれた嶋田は つけっぱなしのテレビを見遣った。
映っているのは100年近く前の古い戦車 今では博物館でしか見られないだろうT-34っぽい戦車が整然と並び行進していく映像。

「映画じゃないか」

偶に制作される昔の映画 夢幻会や転生者の人間が 前世の体験を元にして作る戦争映画の一風景。
実体験を元にしているからか臨場感溢れる戦争シーンは この手のマニアから高い評価を受けている。
だからといって別に珍しくも何ともないありふれた映像だ 起きて損したと思った嶋田ではあったが (偶には見てみるか) と娘が張り付くテレビの前に座った。
すると娘がとんでもない事を言いだした。

「これ映画じゃないよ 本物の古い戦車が動いてるんだよ すごいでしょ~~!」

えっへん! 胸を張るサクラに嘘はいけないと思った彼は注意する事にした。
今時 どこの国がこんな戦車を大量保有して機甲師団さながらの軍団を編成して動かしているというのだろうか。

「こら 嘘言っちゃダメじゃないか お母さんに怒られるぞ」

「嘘じゃないもん!」

作文で 将来は立派な騎士様になりたいです なんて書くくらい騎士である母に憧れを持つ娘は この歳で戦車とかKMFに興味を持っている。
とても女の子が興味を持つ物じゃないと思いながらも母の後を追いかける娘を見守っている彼は 次に聞こえてきた台詞に自身も釘付けにならざるを得なくなってしまった。

『お おいマジかよっ こっちに向かってくるぞっ!』

テレビに向かって行進してくる戦車が画面いっぱいまで接近したところで発砲 轟く轟音と阿鼻叫喚の悲鳴。

「な なんだこれはっ」

地面に落ちたと思われるカメラの映像には吹き飛ばされた人の身体 ミンチ状態のグロテスクな死体が映し出されている。

「さ サクラっ この番組は一体なんなんだっ」

「う~んとね 清の旅番組で シベリアの国境に来てるんだって」

EUと領土紛争を抱える仮想敵国で旅番組となると おそらくは舞朝系列のテレビ局。
日清友好を主張するあからさまな売国奴たちだが 未だ生き残れているのは腐ってもギリギリで止められる自制が利いているからだ。
しかし旅番組でなぜこんな映像が? 尽きない疑問の答えは直ぐに明かされる事となった。

902 :202:2013/05/02(木) 20:33:26

ジリリリ!

鳴り響く自宅の電話 なにか嫌な予感がする。

「はい嶋田でございます はい はい 少々お待ちください」

出たのは嶋田家の家政婦さんで 「旦那様にお電話です」 と 受話器を渡された。

「はい嶋田です」

『村中です お休みのところ失礼します 閣下はいまテレビご覧になってますか?』

電話の相手は村中だった。

「ええ・・・ なんですかあれ?」

『あれはやらせではなく 本物の映像ですよ 実は先ほど通信機器・電子機器に一斉にノイズが入りましてね 直ぐに回復したのですが』

「あれが映ったと」

『はい いま近衛閣下や辻閣下が緊急招集を掛けています ご引退なされた嶋田閣下にはゆっくりしていて頂きたいとの配慮で 連絡だけとなりますが 後日 会合にご出席して頂く事もございますので その時は御容赦ください』

といいつつ電話を掛けてくる辺り休ませて貰えないようだと判断した彼は 「わかりました」 とだけ返事をして深い溜息を付いた。

(あああ~!俺はなんでゆっくり休めないんだ~~~~!)




三日後。

何のかんのと言いながら やっぱり参加する事になってしまった会合の席で明かされたのは。

「結論から申し上げますと EUロシア州が――ロシア熊 イワンと入れ替わってしまいました 原因はまず間違いなくあの世界同時地震です あれの余波か何かで時空振が起きたと推測されます」

「時空振にソビエトが転移してきただと? 聞きたくもないがなぜ言い切れる?」

「あの映像のT-34っぽい戦車が本物のT-34だからです 清に潜り込ませている諜報員からの情報で三日前の映像は第三国の軍事侵攻であり 舞朝系のテレビスタッフが巻き込まれた事が判明しました
 追加の報告では その第三国の軍隊と清国軍が交戦 捕まった捕虜から赤軍の名前が出たそうです 序でにこの三日間で集めた情報と衛星写真からシベリア一帯に大規模な軍集団が展開しているのも確認できましたし
 写真に写っていたどれもがソビエト製の兵器でした 戦車航空機ともに赤い星のマーク そしてこれが決定的でしたがワシレフスキーの姿が映っています」

おお~!!

わき上がる歓声のようなどよめき。

「久しぶりじゃないか」

「元気にしてたか」

冗談を口にする者 懐かしむ者 三者三様の反応を示す会合メンバー達。

「で 清に侵攻した軍集団はどうなった?」

現実主義的な山本だが 並行世界への転生を経験したのと会合メンバーが二回も転生していることで科学で解明出来ない事があると知ったせいか ソビエトがやってきたことにそれ程驚いてなかった。
だからか普通に経緯を聞いた訳だがとっくに予想は付いている。

「清の国境を突破した部隊はほぼ殲滅されましたね」

「まあ そんなところだとは思っていた」

「極東ソ連に集まっている戦力は100万を超えています おそらく史実世界か類似世界からの転移だと思われますが あの地域にこれだけ集まっているということは
 ソビエト時間は西暦1945年7月下旬 乃至 8月頭ですね 技術体系の違いこそ在りますが80年以上の開きがあるのですから勝負になりません」

「サザーランドコピーやガン・ルゥ それどころか戦車装甲車どれをとってもソ連に勝ち目はありませんよ 一方的なタコ殴りです」

哀れソ連 誰もがそう思う中 山本を引き継ぐ杉山。

「聞いたところで意味ないかも知れんが 極東ソ連にはどれくらいの戦力が集まっているんだ?」

「モンゴルとアムール 我が国の領土 千琴とカムチャツカと樺太の分が無いと思われますが それらがシベリアのどこかに現出している可能性を考慮して最大兵力は1577725人
 迫撃砲も含めた火砲が26137門 戦車自走砲5556両 航空機3446機 あと太平洋艦隊が巡洋艦2隻 駆逐艦掃海艇12隻 潜水艦78隻 航空機1549機 兵力110000人 以上ですね」

膨大だ 膨大な戦力であった かつてなら頭を痛めていたところであろう大戦力 だがしかし。

903 :202:2013/05/02(木) 20:34:12

「詰んだな」

「ソ連がな」

おそらく動員を掛けている清は兵力2000000はいくだろう 皇歴2027年現在夏候が150騎 ジェンシー及び改良型800騎以上 ガン・ルゥも増産に次ぐ増産で2000騎を超えている。
戦車などの装甲戦闘車両も約10000両 地上戦艦竜胆・芳珠16隻 航空機もソ連とでは話にならない格差の第五第四世代機が600機。
海上戦力も無理して空母1隻に巡洋艦2隻追加建造した分があるから空母2 揚陸艦4 巡洋艦8 駆逐艦16 フリゲート10 潜水艦8 哨戒艇その他220となっている。
そして これら全てに圧倒的テクノロジーの差が追加されるのだからもう幼児と格闘家が喧嘩するようなものだ。

「しかし何も知らん鉄の男はモスクワで 「撤退は許さん!」 とか叫んでいるのだろうな」

杉山は写真のワシレフスキーに手を合わせる 他のメンバーも黙祷。

「さて 冗談はここまでにして 千琴・カムチャツカ・樺太と連絡が途絶えた 現地の部隊がシベリアに転移した となれば強欲な熊さんはこっちにもくる可能性が高いと考えますがみなさんどうでしょう?」

全員に対し質問した辻に メンバーは皆首を縦に振っている。

「まあくるだろ 来たら来たで叩き潰すだけだが」

「問題は既に日本人が犠牲になってることだな」

舞朝系テレビスタッフのことである。
自業自得な売国奴なんて放っておいても問題なしと考えていたが あの映像が海南・南洋から千琴まで日本全国のお茶の間に流れてしまったお陰で報復の声が大変な事になっていた。

“あんな骨董品を使ってる連中に日本が舐められた”

“政府は直ちに報復攻撃を”

“清に加勢するのではなく 日本人に手を出したらどんな目に合うか 世界に思い知らせてやるいい機会だ”

「国民の声を無視するわけにはいかんが もう一度チャンスをやろうといっても聞かないだろうからなあの熊は」

スターリンという男はとにかく強欲で とくに領土欲が異常なまでに強い。
期せずして千琴・カムチャツカ・樺太を失ったのだから 確実に攻め寄せてくる筈だ。

「ではもしも 確実にといったほうがいいでしょうか? 千琴・カムチャツカ・樺太のいずれかにソ連が軍を進ませた場合 即報復 これでよろしいでしょうか?」

「異論はないが 向こう側と接触して衝突を回避することも考えておくべきだろう」

「ええ そこはもう枢木さんが接触を試みています もちろん舞朝のテレビクルーの一件は謝罪させ 賠償を要求することになりますがね」

「謝罪と賠償か・・・ 嫌な言葉だ」

904 :202:2013/05/02(木) 20:35:27

大清連邦


「あの原始人は確かにソビエト連邦と言ったのじゃな?」

三日前に突如シベリアから清国国境を突破してきた軍隊 その装備は80年以上前のもので報告を受け取った清国最高指導者の一人である高亥は 信じられんと言いながらも完全なワンサイドゲームに
タイムスリップという名の超常現象を思い出し 疑った。

「はい 間違いなくEUでも ユーロピアでもなく ソビエトと」

「聞いた事のない名じゃ・・・ う~む つまりいまEU領シベリアを含むロシア州はソビエトなる国と入れ替わっておる ソビエトなる国はあのような骨董品で身を固めておる そういうことか?」

「御意にございます」

「ふむ」

少しの間考えを巡らせていた彼の唇に笑みが浮かんだ。

「絶好のチャンス到来かの」

骨董品で身を固めた軍しかいない相手なら最初から結果は見えている 現に国境を突破してきた10万を超える敵軍に対し 国境警備隊と二個師団の兵 計3万で敵を殲滅できたのだから。
それもこちらの被害は故障によるジェンシーの停止数騎と 奇襲による攻撃で歩兵が数十名死傷しただけで 相手側はほぼ全滅。
こんな軍事力しかない国が相手なら領土拡大のまたとないチャンス そう見た彼は直ぐさま清国北方の国境沿いに集めていた100万の兵に号令を下す。



「勇敢なりし大清連邦の精兵たちよッ 先日卑怯にも奇襲攻撃を仕掛けてきた原始人は我らの友人や私の家族ともいうべきそち達の仲間を死に追いやったッ!
 このような分別持たぬ卑怯な原始人を北の地に野放しにしておくは危険極まりないことであるッ なにより躾けをしておかねば またぞろ愚かな事をしでかすであろうッ!
 神聖なる大清連邦の地に土足で足を踏み入れた原始人共に鉄槌を下してやるのじゃッ!!」

905 :202:2013/05/02(木) 20:35:59

高麗共和国


「皆知っていると思うが 我らの弟分である清が未知の原始人と戦争を始めようとしている!」

高麗大統領は期待に胸を膨らませているのか自身満々に言い放った。

「我らも共に行こう!原始人を征服して偉大なる高麗民族の生存権を拡大するのだ!」

“おおーっ!!”



「やれやれ 腐った最高司令官殿はまた調子に乗っているのか」


首都防衛隊のリム大佐はガイストの整備を見守りながら呟いた。


「ふん あんな汚物でも我らの司令官だ 口を慎めよ?」


それを咎めたのは首都防衛隊指令で双子の兄 キム少将。


「兄さん」

「今のを誰かに そうだな 私のようにお前が嫌いな奴に聞かれたら軍法会議物だぞ」

「じゃあ私は軍法会議に掛けられるのですか?」

「生憎 私の耳はお前の汚い口から出る言葉は幾つか聞こえん物があるのでな」

「ふふ そうですか なら兄さんの前では腐った司令官と言っても大丈夫そうですね 聞こえないのですから」

「勝手に独り言でもほざいていろ 愚かな弟のくだらん話を聞いているほど偉大なる兄は暇ではないのだよ」

906 :202:2013/05/02(木) 20:36:46

E.U.ユーロ・ユニバース枢軸会議




「最悪だ・・・」

ロシア州が消滅!

現れたのは80年以上前の軍事力を持つソビエト連邦と名乗る国家!

ソビエト軍大清連邦国境を突破するも鎧袖一触され殲滅された模様!

新聞・テレビを賑わす報道に頭を抱えているのは表舞台に現れてより数年 EU経済立て直しに奔走するアドルフ・ヒトラーEU総統。
同じく溜息を付く枢軸会議のメンバー達 三日前 全ての通信機器・電子機器にノイズが走り ロシア州との連絡が途絶えたかと思えば ウクライナ州・ベラルーシ州から 「ロシア州よりレシプロ戦闘機現る」 の一報が入ってきた。
何の冗談かと思ったものの衛星写真 航空機を飛ばして確認したところ 近代的なビルが建ち並ぶロシアの町並みは消え 自分たちが第三帝国世界の時代に散々見た風景に様変わりしていたのである。
そして その航空機はヤコブレフYak-9に攻撃されたのだ その時の映像は残っているので間違いなく確認が取れた ソビエト軍であるということを。

「なんで今更あの熊が出てくるのだッ」

円卓に拳を叩き付けるヒトラーをゲッベルスやヒムラーが落ち着かせている。

「まずいッ まずいぞッ ロシア州消滅などという超常現象だけでもまずいのに スラブ人どもが清に軍事侵攻した事で盗人どもに大義名分が出来てしまったッ」

ヒトラーは多少の落ち着きを取り戻したが 如何せん事態が事態なだけに冷静ではいられなかった。

「確かにまずい ソ連が強大なのはあの時代であったからだ この世界ではソ連など骨董品で身を固めただけの弱小国に過ぎん」

いつもは気楽なムッソリーニもさすがに焦りの色を隠せてないようだ。

「自国領に土足で上がり込まれた清の盗人どもが黙っている筈がないッ 早晩北進を開始するぞッ」

「こ このままでは極東ロシアは清にっ」

「極東ロシアどころか下手をすればウラル以東を失うことになるッ」

「そうだッ あの盗人どもの首領 大盗賊高亥がシベリアだけで満足する筈がないッ」

阿鼻叫喚の枢軸会議はとにかく掻き集められるだけの戦力を構成州全域から掻き集め ソビエト侵攻を決定した。

「邪魔するソ連軍は容赦なく踏み潰せっ 最低でも中央ロシアまでは抑えるんだっっ!!」

ヒトラーの苦悩は始まったばかりである。

907 :202:2013/05/02(木) 20:37:33

ソビエト連邦





赤い皇帝の異名を持つ鉄の男スターリン 大祖国戦争を戦い抜き宿敵ドイツを降した彼は 返す刀で日ソ中立条約を結ぶ日本へと侵攻し併合を目論んで準備を進めていたところ
極東ソ連の一部である チュコト・カムチャツカ・樺太北部・沿海州との連絡が途絶えたと報告を受け アメリカの仕業だと考えた。

「ヤンキーどもめッ 満州と日本を手に入れるための謀略なのだろうがそうはいかんぞッ!」

取られる前に取ると意気込み ハバロフスク・ウラジオストックと連絡が取れない状況も無視して極東に集めていた赤軍に満州侵攻の命を下した。
しかし 数日後に入った報告は耳を疑うものであった。

「なにィ!? 第一陣で先行した兵10万が全滅だとっ!」

それも一方的にやられるだけで 敵に与えた損害は無いも同然であるという。
更には機械で出来た巨大人形が銃撃砲撃をしてきて 弾幕に捉えられたT-34戦車数百両がいとも簡単にスクラップにされたなどと 信じがたい報告まで上がってきた。

「巨大な機械人形? 失態の責任を免れようと嘘をつくなッ!!」

無論そんな与太話を信じるような男ではない 大方待ち伏せされていた事にも気付かず不用意に兵を進めて集中砲火を浴びたのだと結論付けてしまった。

その後も見たこともないような巨大戦闘機の編隊に100単位の航空部隊が一方的に撃墜された。
命辛々逃げ帰った戦闘機パイロットは 満州の地に巨大な建築物が建ち並ぶ街があった 等々意味不明な報告ばかり上がってくるのだ。


「いったいどうなっているのだ・・・」


袋小路に陥った彼が選択したのは連絡の取れなくなったチェコト・カムチャツカ方面への進撃。

未だ違う世界へ来てしまった事が認識できていない彼はただでさえ巨人相手の戦争を始めているというのに 寝ている大巨人と その友人の超大巨人にまで殴りかかろうとしている事に気付かない。

そして欧州方面からは 彼が降した筈の男達が 巨人となって進撃しようとしている事にも・・・

908 :202:2013/05/02(木) 20:38:31

神聖ブリタニア帝国



「なんだって 千琴が攻撃された?」

玉座に深く腰を掛けていた神聖ブリタニア帝国第99代皇帝オデュッセウス・ウ・ブリタニアは 情報局からの報告に椅子から転げ落ちそうになっていた。

「なんてバカなことしてるんだ・・・ 日本は一見大人しいように見えるけど一度怒らせたら手が付けられないんだぞ」

自国と並ぶ超大国は普段とても大人しい しかしその内に隠し持った力は永年の同盟関係を持つブリタニアなら誰でも知っている。
それに・・・

「家族を攻撃されたら幾ら平和主義者の私でも引っ込みが付かないじゃないか・・・」

共に歩んでくれる唯一のパートナー日本を家族と見るブリタニアもまた黙っていられなくなる。

「陛下 どうなさいますか?」

歩み出るのは脇に控えていたナイトオブワン ビスマルク・ヴァルトシュタイン。

「言ってくだされば私が鎮圧に向かいますが」

自分にやらせろと言わんばかりのナイトオブフォー ドロテア・エルンスト。

「いや ドロテアはダメだよ きみ二人目の子供産まれたばかりだろう? 幼い子供の側には母親がいてあげないといけないよ それに南雲卿に任せっきりなのは感心しないな」

「い いえっ 夫は子育ては任せろとっ」

「とにかく却下だ さて では誰にいって貰おうか」

そこまで言ったところで進み出る影5つ。

「陛下 それは我らにお任せください」

「ハイランド卿か」

「ロシアは我らユーロブリタニア父祖の地の一つ よって我らが適任であると進言致します」

ユーロブリタニア盟主と 彼に続く四大騎士団団長達も共に跪いている。

「・・・・・・・・・・・・わかった では此度の戦はユーロブリタニアヴェランス大公 貴公に一任する 我らの友 そして家族の敵を共に討ち果たすのだ」

「イエス・ユア・マジェスティッ オール・ハイル・ブリタニアッ!」







再び日本



ええ 親愛なる大日本帝国臣民のみなさん 残念なことに平和的接触を試みようとしていた矢先 千琴がソビエト連邦を名乗る国によって攻撃されました。
幸いなことに死者は出なかったこの度の攻撃ですが 我が国は座して死を待つような軟弱な国ではありません。
よって私は帝国臣民の誇りと命を守るため 国権を発動し 大日本帝国陸海空三軍の出動を命じました。
そして ソビエト連邦政府に対し速やかなる無条件降伏がなされない場合 “極めて遺憾ながら”我が大日本帝国は問題解決のため無慈悲なる鉄槌を振り下ろすことになるとの最後通牒を――






のちにソビエト戦争 またはソビエト分割戦争と呼ばれるこの戦争は 日・ブ・欧・清の名だたる大国が80年以上前の文明を持つ共産主義独裁国家一国をタコ殴りにする世にも珍しい戦争となった。
父祖の地の一部を取り返したユーロブリタニア 領土分割会議で要らないと突っ撥ねたのに大陸の領土が増えてしまった日本 元よりほしかったシベリア南部を得た清。
そして新天地を求めてこの戦争に参加した極東の小国高麗は 飛び地としてだが自国領土を3倍に増やす事となり一番実入りが多い国となったが 一部を除いて更に評価を落とす行動を取る平常運転振りを発揮し。
最も割を喰ったのはロシア州の六割近くを失陥したユーロユニバースであることは言うまでもなかった。
なお 列強で唯一参加しなかった中華連邦には大量の難民が流れ込み 世界最大の人口が更新されることになる。

だが本当の被害者でゲームオーバーとなったのは 鉄の男を名乗る非情な独裁者であったのだが 誰にも気にかけられることなく終焉のときを迎えるのであった。

909 :202:2013/05/02(木) 20:40:06
終。


ソビエトの設定はこんな。

西暦1945年7月上旬から8月初頭。
国土はギアス世界そのままに 陸地の上にある人・物・建築物のみ転移 範囲はEUロシア州該当地域丸ごと。

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最終更新:2013年05月17日 22:02