767 :高雄丸の人:2013/07/22(月) 22:17:30
さぁ、やっつけではありますが、憂鬱ガルパン始まるよぉ!

注意!
この作品は,原作のラスボス位置が知波単。故に西住まほが在籍してます。
また、私は文才がないうえ、やっつけ仕事でこの作品を作っています。過度な期待はしないでください。

<夏海先輩!こちら2番、2時半の方向に敵戦車!>
「っ!確認した、あれはMk.Ⅳだ!攻撃を仕掛ける!」
鋼鉄の塊の中で、池田夏海はキューポラの防弾ガラス越しに敵を見た。
あまり大型とは言えない、細長い車体に載った車体の三分の一ほどの大きさの不釣り合いな大きさの砲塔。イギリス陸軍、次いで華南連邦陸軍の主力となった
巡航戦車Mk.Ⅳだ。
彼女たちの乗る愛車、九七式中戦車に対抗するにはMk.Ⅳの主砲である2ポンド砲では非力ではあるが、近接支援型の3.7インチ榴弾砲の成形炸薬弾は
脅威ともいえる。
敵は丘の上からあわてた様子で向こう側へ降りようとしている。まぁ、敵から見れば雑木林の中からいきなり、士魂部隊の九七式中戦車3両が現れたのだ。
それはあわてるだろう。
「罠かもしれない。2、3号車、両翼に展開!」
<<了解!>>
夏海の言葉に、2、3号車の車長たちが答えた。と、一瞬の間を開けて両車は左右へと別れ、距離を開いてゆく。
丘の向こう側へ見えなくなった、敵戦車を挟み込む態勢になった。そして夏海の1号車が丘を登り始めたその時だった。
「ん?あれは・・・」
丘の向こう側から、何かが現れた。徐々に大きくなる四角い塊は、戦車の砲塔だろう。だが、次第に表れたその砲塔の大きさと正面に搭載された砲の大きさに、
彼女は驚きを隠せない。
見慣れていないわけではない。それよりもさらに大きな口径を持つ砲も見ているのだ。だが、南嶺女学院があれほどの砲を有しているとは情報になかった。
「新型ッ!?この距離ではチハでも厳しい・・・各車、牽制射撃を行いつつ」
<先輩、8時方向から敵!!>
「クッ!?砲手、敵新型に牽制射!」
「はい!」
次の瞬間65口径76.2mm砲が轟音を上げ、その巨大な砲尾が後退してくる。周囲には発射ガスが巻き上がり、薬莢が飛び出してくる。装填手が用意していた次弾を
装填する。その一連の流れ作業を見ながら、夏海は心の中で自らを罵った。すべては罠だった、敵はこちらが罠を張っていると看破するのを見越して、さらに罠を張っていた。
古典的な手だが、それに嵌った自分が恨めしかった。
自身の思考に嵌っていた彼女は、戦車砲の発射音とはまた違う、金属の衝突と爆発の合わさった爆音によって、現実へと引き戻されたのだった――

「敵戦車、撤退します。よろしいんですか?」
「かまいません。格下の戦車で九七式を1両撃破できただけでも儲けものです。それよりも、ただちに移動を開始します。追撃中の鈴麗に戻るよう連絡を」
「知道了!(了解しました)」
そういって乗り出していた体を砲塔の中へと消えていった少女。その姿を見ながら、白 桂英こと城井 美里はため息をついた。そして、ゆっくりと丘を後退で
降りてくる大柄の戦車に目線を移す。
ビショップ自走砲。かつてイギリスが開発したこの、QF 25ポンド砲を主砲とする自走砲である。独自の改造で、砲口にマズルブレーキを装着しており、
対戦車用の徹甲弾は高初速で発射する強装弾も使用可能である。だが砲塔は固定式で、箱型砲塔は全高が高くなり見つかりやすくなってしまったことに加え、
主砲の仰俯角や左右の旋回も非常に狭いため、強力な主砲という利点を覆い隠してしまう欠点の多さだ。
だが、彼女はその被発見率の高さと強力な主砲をあえて囮とすることで、知波単学園に対抗できる数少ない戦力である一式軽戦車の接近に気取られずに済んだ。
だが、次もうまくいくわけがない。相手は“あの”知波単学園なのだ。この程度の小手先では勝てない。
「あの時の雪辱を果たすためにも、ここを奪われるわけにはいきません」
彼女の手に握られた地図には、ある個所を赤く円形で囲う場所があった。



768 :高雄丸の人:2013/07/22(月) 22:18:11


―同時刻―
「報告。士魂隊が敵の罠にかかり、1両大破。敵の新型を確認とのことです」
「敵の動向は?」
「上空からでは後退しています」
知波単学園の誇る三式中戦車のキューポラから、隊長である西住まほは身を乗り出して偵察気球を操作していた偵察員からの報告を受けていた。
すでにこちらの自走砲の14cm砲の砲撃音がとどろいている。大方、撤退の支援射撃だろう。
「絹代、地図を」
「はい」
彼女の三式に並んで停車しているもう一台の三式の車長で、副隊長の西 絹代に彼女は命じた。胸ポケットに手を伸ばす。いくつかに折りたたまれた地図を
取り出すと、フラッグ車の車体に飛び移って砲塔上部に地図を広げた。
「我々の位置がここで、敵の位置は?」
「え、は、はい!先ほど戦闘があった場所がここで、最終確認地点はここです」
「ふむ・・・」
「敵の新型は大口径砲を有すると報告にありました。これまで華南連邦系を運用していることを考えると、自走砲かと思われますが」
まほが口元に手をやり、考え込む。その彼女に、判断材料となるように自身の考えを述べる絹代。その彼女の言葉に軽くうなずくと、まほは再び顔を上げた。
「敵は全車を特攻させてでも私の三式を狙ってくるはずだ。敵はこちらを分断させるためにこの位置で待ち構えているはずだろう。私ならそうする」
まほはそう言って、広げられた地図のある一点を指で示した。起伏が激しい地形であり、敵の発見を妨げやすい地形となる場所。
「では、迂回して敵後方から」
「ああ。部隊を二分して、私が罠にかかったように見せかける。絹代、後方はもう一部隊を任せる。油断したところを一気に叩く」
「危険ではありませんか?万が一を考えると・・・」
そこまで言った絹代は、顔を上げて驚いた。普段あまり感情を表に出さないまほが、わずかとはいえ口元を釣り上げて不敵な笑みを浮かべていたのだ。
「西住流に、逃げるという文字はない。向こうが売ってきた勝負を、受けねば恥だ」

果たして、かつての雪辱に燃える南嶺女学院と全国大会最多優勝を誇る強豪知波単学園と、どちらに勝利の女神は微笑むのか―――

次回!「激闘!知波単VS南嶺-負けられない戦い- 後編」をお楽しみに!



嘘です。私の文才ではこれが精いっぱい。
ちなみにこの戦いから、みほりんが決勝戦での必勝策を思いつくという裏設定までは考えてた。

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最終更新:2013年09月02日 00:46