75 :237:2013/06/02(日) 15:11:02


ダガーの試運転が終わってからも僕は忙しかった。


実機が完成したことによって、予想もしない不具合とか、摩耗・損傷を想定としたOSの組み立てなどやることは多かった。
さらには、ダガーの改良型も製造が決定して、そのダガーの改良型のOSの組み立てもあって忙しかった。


「・・・・ふう。やることがいっぱいあるなあ。でも、シミュレーターだけでは分からなかった
問題点が多く洗い出せたし、残業が少なくなって、休みの日も取れるし」






そんな忙しい日々を過ごしたある日のことだった

「えっ、ダガーに乗りながら、OS調整してほしい?」
「うむ。一々停止して、調整するのはメンドクサかろ。そこで、試験を早期に解消するためにも
君が、試験を行いながら、OSを調整してほしい」
「はあ・・・・まあ、いいですよ」
こうして、僕はパイロットスーツを着て試験をすることになった。


試験は順調に解消し、問題点を改良・甘いところを調整していく。
事件が起きたのはもう少しで終わるときに起きた




『よーし。いいぞ。予定よりも早く終わりそうだ』
「そうです(ビー!ビー!ビー!ビー!)」
『どうした!』
「分かりません!緊急エラーが入ったとし・・・うわあ!」
僕は、突如モニターに赤い警告が入ったかと思うとKMFが動き出した

しかも、通常ではありえない速度で走りだし、デタラメに動きまわりだした。


『大丈夫か!コントロールできるか!』
「コ・・・・コントロールできません!自由操縦不可!」
僕は、体にかかるすさまじいGに悲鳴上げそうになりながらも、一生懸命レバーを動かす
しかし、機体がそれを知らぬとばかりに爆走していく


『いかん!ダガーの進行方向に危険物質の集積所が!何としても止めろ!』
「りょう・・・・かい・・・・」
僕は、レバーを動かしてみたが、操縦を受け付けなかったので、最後の手段とばかりにOSの書き換えに入る
僕は、プログラムのいくつかをデタラメに入れる


しかし、ダガーは止まらず、とうとう集積所に来てしまった、
僕もこれまでかと覚悟を決めたが、奇跡が起きた。

なんと、ダガーが集積所の倉庫の目の前に停止したのだ。もう少しでぶつかって大惨事になったことだろう。


僕は停止したダガーから降り、総点検に入ることになった。
結果、僕が入れたプログラムと修正が上手い具合にダガーのOSに変な影響を及ぼしたようで
暴走してしまったことが分かった。

こうして、僕の作業は精神と体にダメージを与えて、苦労したOS修正作業は水の泡となった。

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最終更新:2013年09月08日 14:17