721 :237:2013/06/11(火) 15:03:09



目を覚ました僕が視界に入ったものは白い天井と心配そうな顔をした真由だった。
僕が目を覚ましたとわかるや、真由は僕に抱きついて大泣きしてしまった。

真由に聞けば、僕は倒れてしまい三日間眠っていたそうだ
それを聞いた僕は、真由に「心配掛けてごめんね」と言ったら、また大泣きしてしまった。



僕は、医者から過労と診断されて入院することになった。
真由は毎日見舞いに来てくれた。真由から今日の出来事とか、学校の友達などを
お話してきて、退屈ではなかった。


そんな日々が過ぎたある日のことだった。僕は、窓から見える外の景色をボーっと見ていた。
すぐそばでは、真由がリンゴを剥いていた。

真由が手を止めて訊ねた
「どうしたんですか?ボーっと景色を見ていますが?」
「いや・・・・何でもないよ。ただ、僕はこのごろ忙しくて、外の景色すら知らなかったんだなあって」


開発主任にスカウトされてから、プログラムと格闘する日々、飛鳥主任の陰謀に巻き込まれる日々、開発主任の無茶ブリされる日
クレーム対応に出る日々、仲間と協力して進めたプロジェクトの打ち上げに参加した日、式典に参加した日、模擬戦をやらされた日
それぞれが楽しくも忙しかった。

気がつけば、外の景色は大分変わっていた。僕は、その景色の移り変わりすら気付かなかった。
「僕は十分働いのかな・・・・・」

それを聞いた真由は答える。
「十分ですよ。私は仕事について知りませんが、あなたはいっぱい働いたのは知っています。
ですから今は体を休めてください」
「そうか・・・・僕は休んでいいんだ・・・・・」
僕はそう笑うと、真由から差し出したリンゴをシャリシャリ食べる




こうして、僕は病室で穏やかな一日を過ごした・・・・・・・・・・・




























おまけ
病室の外では、男二人が血を流さんばかりに瘴気を放しながら睨んでいた。

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最終更新:2013年09月08日 14:31