538 :237:2013/08/02(金) 10:53:44


今日も今日も試験に励む僕


だが、この日の僕の顔色は悪かった
その理由は目の前にあった

場所は外で多くの作業員がストライクトライアルの後ろに何かを取り付ける作業をしていたのだが、その物体が問題であった。
それは、巨大なロケットであった

「・・・あのー・・・本気で試験するのですか?」
僕は、最後の希望だと言わんばかりに言うが、開発主任がバッサリ切られる

「やりますよ。本社からぜひ試験してくれと、わざわざ送ってきてくれたものですよ」
「そうですか・・・・・」
僕はがっくりとした


本社から送って来た物は浸透強襲装置(SAM)であった


これは、レーダーが発達した事により早期発見される確立が高くなり、低速では被害が多くなる事を予想され、
高速で移動することで奇襲と同時に被害を低減させる狙いがあった

そのために、フロートシステムの装着の上で巨大なロケット装置が装着されていたのであった。
また、空気抵抗を低減させるために、使い捨て式ブレイズルミナスが前方に展開し、円錐状に発生させて、最大速度向上を狙っていたのであった

これらの装置のエネルギーは装置本体に搭載されており、KMF本体には消費する事は無かった


その試験第一号者が
「・・・・僕なんだよな・・・」

では、本国で試験をやらなかったのか?と言われるが、強力なロケット推進によって、発生する強力なGが既存の機体じゃ耐えきれない可能性が出たため
機体剛性が大幅に上がった、第七世代機なら可能とされていたからだった。


「では、これより試験を始めますよ。試験内容はSAMのテストです。作動しての最大速度がどれほどで
機動性、武器が使用可能かを見てみます。また、作動終了後は強制パージした上で戦闘続行可能か調べます」
「はい・・・・」
僕はトボトボしながら歩いて行った

僕は、本社から巨大な装置と共に送って来た新型耐Gスーツを着ていた。以前、飛鳥主任が入れた数倍のGが掛かるシミュレーターから
得られたデータを元に開発されたスーツであった

デザインはMSのパイロットスーツを似せたようなものになっており、僕としては着慣れたスーツであった。


僕は、いつものようにコクピットに入りながら、計器類をチェックする
計器類からは特にこれと云った異常を知らせてくる事は無かった、

僕は異常を知らせてくれた方がマシだったと思いながら通信を入れる
「こちら異常なし!」
『こちらも、観測準備OKです。あなたの判断で発進してください』
僕はヘルメットをかぶりながら、ハイザーを降ろす

そして、大きく息を吸い込むと同時に
「ストライク!行きまーす!」
点火スイッチを押す



その途端、とてつもない轟音が背中から発生し、視界が急速に置き去りにしていく
機体がガタガタ揺れるが、すぐさまブレイズルミナスを前方に展開して安定させる

僕は、ぶれる視界と強力なGが発生する中で、最大速度を読み上げる
「600・・・・700・・・・800・・・・900・・・1000・・すごい・・・どこまで・・・のびる・・・んだ・・?」
最大速度が目標であった時速1000km以上をあっという間に到達して行ったのであった。
そして音速も軽く達成していまい、最大時速1500kmを記録した。

それほどの猛高速であった

539 :237:2013/08/02(金) 10:54:24

『大丈夫ですか?もうすぐ無人標的機が出てきますので、攻撃してみてください』
「・・・り・・・りょぅ・・・かぁい・・・」


僕は、コンピュータに設定しているプログラムを一つ作動させて、トリガーを押す
ポンという軽い音と共に、SAMにラックされたミサイルが発射し、弾着寸前にミサイルが分解し
多弾頭ミサイルとなって、無人標的機を撃破して行く

『多弾頭ミサイル発射良好です。腕の装備は使えますか?』
「・・ふか・・・のうです・・・。バランス・・・がくず・・・れそう・・・です」
事実であった、巨大なロケット装置の膨大な推進力で無理やり飛ばしているようなもので
タブやエレベーターの類は搭載していなかった。

下手に動かすとバランスが崩れそうであったのだった


『そうですか。ではもうすぐ終点です。パージ準備してください』
「・・・りょう・・・かい・・・」


そう言うと、スイッチを押す


背中から聞こえた、轟音がぱったりと止み、コンピュータから完全にSAMが完全に外れたことを知らせてくれる

だが、機体が猛高速で地面に突っ込みそうになるため、フロートシステムで速度激減を図りながらも
従来では考えられない速度で着地し、マシンガンを連射していきながら無人標的機を破壊していくが


「駄目だ!バランサーがイカレテいる!操縦が安定できない!」
僕はコクピット内で必死に操縦していた

更には悪いことも重なるもので、すさまじい衝撃によってコンピューターのプログラムの一部が吹き飛び
ストライクトライアルが完全に止まることなく走り続けるはめになる


「ちょ!大きな岩が前方に!」
僕が乗ったストライクトライアルは暴走が続いていたが、前方に大きな岩が転がっていた
操縦も不可能と来ていた。僕は脱出を決意しレバーを引くも


「ええ!!脱出装置が故障してるしー!!」


そうこうしているうちに、僕が乗ったストライクトライアルは岩に激突し、僕は気絶してしまった








後に回収してみれば、ロケットの影響で破損したと思われる個所が数か所出てきたのであった。
また、大きな岩に激突しながらも、ストライクトライアルの装甲がへこんだ程度だったので、頑丈さを証明した試験であった

SAMはコストが高い、不安定、使い捨てでもったいない、などといった意見が多数寄せられ、惜しくも開発中止となってしまった
それでも、細々と研究は続けられ、ロケットによって敵地に突入するというコンセプトはファイバーに受け継がれてきた


こうして、僕は暫く入院することになった

540 :237:2013/08/02(金) 10:55:57
終わり

VOBという話が出て、ACfaのOPみてかっけーと思ったので突貫でやった
特殊なバリアをブレイズルミナスで代用して、無理矢理飛べるようにしてみた

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最終更新:2013年09月15日 16:15