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あれから数日経った。
僕は、とある場所にいた。
そこは、大きな工場であり門の前に立っていた。
僕は守衛さんに用件を伝えると、しばらくお待ちくださいという
返事があり、しばらく待っていると向こうから
「やあやあ、君が来るのを待っていたよ」
先日会った、倉崎の開発主任であった。
僕は、あの日、主任に出会い、僕をスカウトしたいという話となった。
僕は驚きながら断ろうとすると
「君は・・・・■■・■■■君だね?」
その名前に僕は驚いた。それは前世で僕が呼ばれた名前だからだ。
ゲームでは別の名前を用意していたし、誰にも知らないと思っていたからだ。
「な・・・何故?・・・・その名前を?」
「ま、立ち話も何ですの、詳しい話はお茶をしながらという事で」
近くの喫茶店で聞かされた話に僕は色々と驚いた。
彼は、前世では別の世界で生きていたという事もあるが、僕の前世が彼の世界では
アニメの世界だったという。さらには、今生きている世界もアニメであるというらしい。
僕は、色々と頭を抱えたくなった。更には、僕の前世を言ったが、本当はあそこで
死ぬはずじゃなかったらしいが、その後の僕の意味不明な活躍にますます頭が痛くなった。
(別世界の僕は何をやっているんだー!?)
その姿に主任は同情めいた目で見ていた。
「話を聞かせてもらいましたが、元の世界で見たストーリーよりも面白かったですよ。
もし、この世界でアニメが作られるとしたら、あなたのお話を参考にさせていただきますよ」
その言葉には僕は喜んでいいのか分からなかった。
そして、持ってきたコーヒーで一服すると主任が口開く
「さて、私が君に声を懸けたのは、雑談をするためではありません。ちょっと内緒話も
含みますが、今度我が社はロボット開発をするのだが、我が社は開発経験がない。
そこで、あの世界を体験した君に、プロラミングを、経験談を教えてほしいのです」
それでもと渋る僕に
「もちろん。あなたがあの戦争を嫌っている事を知っています。しかし、我々が頑張らねば
この国が、力のない者達が亡くなってしまうのです。私は前世で力を持つことというのを学びました。
力がなければ、弱い国は蹂躙されるがままです。私の生まれた故郷を!人を!守りたいんです!
お願いします!どうか力を貸していただけませんか!」
そういって、頭を下げる主任
その姿に僕は気押され、考えさせて下さいと言う他なかった。
連絡先を貰い、彼と分かれ、家に帰った僕は考えにふけった。
(あの戦争は本当に嫌だった・・・・だけど僕が力を貸すことで、第2の僕を生みだす事も無くなるのか・・・?)
数日間は悩みに悩み、僕は意を決して、倉崎の工場の門を叩いたのであった。
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終わり
最終更新:2013年09月20日 15:16