659 :237:2013/03/18(月) 13:18:27

「このOSは素晴らしいですね。性能は数十%の向上は確実でしょう。ですが、これは使い物にはなりません」





僕は、倉崎主導のダガープロジェクトに参加していた。

ダガーは僕の世界で連合軍が開発された量産機だという。
エース用に105ダガー、量産機にストライクダガーと2本立てで量産する予定だと決められたそうだ。

そこで、僕は105ダガー用にOSを組み立てて、開発主任に提出したのだが、感想は先ほどのセリフだ。


「どうして・・・・どうしてですか!」
自慢ではないが、自信はあった。あのOSはかっての僕の愛機と共に2人3脚で進化し続けたOSだ。
それが、使い物にならないという。こんな屈辱があってたまるものか


「ふむ・・・・・理由はいろいろありますが、まずはあなたが想定するエースパイロットとは何ですか?」
「・・?僕やGのパイロットではないのですか?」

想定した基準を告げると、彼は首を横に振った。

「違いますよ。まあ、エースパイロットも一流ですが、あなた方はそれ以上に行く特エースクラスですよ。
つまり超一流ですよ。彼らを基準にした、このOSでは十分に使いこなせれませんよ」
「・・・・・・・」
僕は、彼の言葉に沈黙してしまった。ここまで技量の差があるとは思わなかったからだ。

「さらにですね、このOS自体に問題があるのですよ。このOSの組み立て方が滅茶苦茶で他の人には分かりづらいのですよ。
一品物の芸術品なら問題ないでしょうが、我々が求めるのは誰もが分かる工業品です。これでは使い物になりません」
「ぐっ」
前々から友人などから言われてきた悪癖がここに来てぶり返されたようだ。


このOSは、例えば普通のOSなら頭・胴体・手足と順序良く組み立てていくが
彼のOSは思いつきで組み立てていくため、手・胴体・手・頭・足・頭というようにバラバラに組み立てられていく癖があるのだ。

「あなただけが分かっているOSなど我々には不要です。あなたも子供じゃないんですから他の人が分かりやすいOSを組み立ててください。
あなたなら、できるんでしょう?」
「分かりました!やればいいんでしょ!やれば!」
僕は、半ば逆切れしつつ、OSを一から組みなおし、分かりやすくするという僕にとっては苦行を始めた。

こうして、できたOSだが僕しか操れないOSだったため没になり
結局そのOSをダウングレードさせたものを採用することになった。

それでも、他人が作ったものよりも、操りやすく、性能が良かった事は彼ゆえんであろう。



なお、僕しか操れないと思われたOSだが、後にスザクとモニカの機体に載せられたという

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最終更新:2013年09月20日 19:22