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――皇暦20XX年富士山麓
サクラ・S・クルシェフスキーは騎士団を連れて、日本で演習を行っていた
「これより、日本陸軍と合同訓練を行います。相手の日本陸軍は最精鋭の部隊です。決して油断はできません。
しかし、クルシェフスキー騎士団がより勝っていると見せつけましょう!みなさんの活躍を期待しています。これより搭乗!」
「「「「イエス・マイ・ロード!」」」」
バラバラになって搭乗する騎士団を見ながら思う
――――私は、お母様やお父様が誇れる娘になっているのでしょうか?
これは、クルシェフスキー騎士団を率いる立場になってから、思い始めた悩みだった。
厳しい教育も行ってきた。しかし、それでも家柄だけでクルシェフスキー騎士団を受け継いだのではないのか?
実績も何もない小娘が受け継いでいいのだろうか?
そう思い初めたら、だんだんと自分は立派な娘だろうか?と思うようになってしまった。
そして、答えは出なかった
演習は過熱していた。そして、最後の飛行訓練に移っていた
サクラはヴィンセントに乗って、飛行格闘訓練を行っていたが、日本陸軍の隊長に苦戦していた
「くっ!」
「ここ、脇が甘いですよ。そら」
「おっと!そう簡単にはやらせませんよ!狭霧大尉!」
「どうぞ。いつでも掛かってきなさい」
空中で格闘戦を続けるも、サクラが不利な状況に傾きつつあった。
「・・・強い!」
そういうと、狭霧が乗るウィンダムを蹴ると、空高く駆け上り、雲の中に一時身を隠す
雲海の中を直進しながら思う。
「・・・やはり、私は弱すぎる。そんな私がクルシェフスキー騎士団を率いていいのだろうか?」
また、出てきたネガティブ思考である。
しかし、その悩みは長続きしなかった
「・・・うん?これは・・・・雲の様子がおかしい?」
サクラは気がついた、通常の積乱雲に見えるような黒い雲ではないという事に
それは、渦を巻いて、幾何学の文様を出しながらオリーブ色に輝いていた
「な・・・なに!?この雲は?・・・・き・・きゃあああ!!」
機体が突然ガクガクと揺れ始め、雲に吸い込まれるかのようにグルグルと回り始めた
『だ・・・だれか・・・・め・・・メーデ・・・・・メ・・・・』
これが、本部に届いた最後の通信であった。
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終わり
最終更新:2013年11月20日 20:51