837 :ひゅうが:2013/11/11(月) 01:36:25

>>836

――「それは奇妙な光景だった。
かつて我々と、あのペル・エポックの、ヴィクトリア時代の栄光に満ちた大英帝国と刺し違えたサツマのサムライたちと、わが軍のグルカ兵たちが世界で最も古い帝国の首都で同じ塀の中で人々を守っているのだ。
指揮官となった日本陸軍士官は、かつての日本での革命前夜にシマヅの兵たちと時には敵となり、最後にはともに新日本の旗をあおいだ男性だった。
彼は洋服を着て、腰に日本刀を差し、ツアイスの双眼鏡で油断なくあたりを警戒していた。
私はそんな彼の横で、家伝のサーベルを掲げながら民兵(義和団)の突撃を待ち受けている。
そして私の後方では、グルカの精兵が大使館員たちの最後の盾となるべくライフルを構えていた。
塹壕の底ではあの光る眼をしたシマヅの兵たちがこちらを見ながら待機しており、そしてにかっと笑った。
私は少しおかしくなり、笑顔でそれに応じた。

『撃てぇ!』

『ちぇすとおーっ!!』

号令が発せられ、かつて私がカゴシマ湾で聞いた死の叫び(猿叫)とともに、私は駆けだした。」

英国海軍清国北京駐在武官ルイス・クロフォード著「私の~北京の55日~」より

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最終更新:2014年01月21日 21:50