197 :わかる?のひと:2013/12/14(土) 22:40:13

ドテラ撫子さんでわかる?戦間期 平和にぬくぬく編(2)


オスマンさん「また相談に乗って欲しいのだ。少しばかり厄介なことではあるのだが…」
ジョンブルさん「(またかね。ま、瀕死の病人といわれるほどの内憂外患ぶりだから仕方あるまいが!)ふむ。構わないとも。君が気にしているのは、ロシアかね、それともイタリアだろうか?」
オスマンさん「うっ、うむ、最終的にはどちらもだ。だがまずはトリポリタニアに手を伸ばそうとしているイタリアだと考えている。ロシアは先年、日本に手痛く叩かれたからな!」
ドテラ撫子さん(いえそこで尊敬に満ちた目でみられるとなんとなく困るのですが…えーっと…?)
小人さん(バルカン諸国の後ろ盾として勢力を伸ばし地中海進出を目論むロシアと、リビア…あー、いまはトリポリタニア、キレナイカ、フェザーンからなる西タラーブルス州だっけか。これを魅力的とみてこれを奪取しようとするイタリアの事だよ。ロシアは日露戦争であれだけ叩いたけど、仮にも大国だから間接的に押してくる可能性はあるかも…)
ドテラ撫子さん「(ああ、分かったような気がします!)なるほど。まずは軍事力を整備したいということですね?」
オスマンさん「うむ。ただ、こういうと恥ずかしいが、実は財政的に厳しくてな。安くしてくれるとありがたい」
ジョンブルさん「ふむ。だとすると私から売るのは価格面で少し厳しいか。私としてはギリシャとの関係もあるからね。(オスマン帝国は大日本帝国と良い関係にある。ここはドイツ対策の一手として、関係を進めさせるのは悪くないだろう)」
ドテラ撫子さん「そうですね。日露の復員後にだぶついた陸戦兵器と弾薬なら割安で出せます。海軍艦艇は、予備艦の富士型戦艦から3隻。装甲巡洋艦や小型艦艇も同様にちょっと古めのものから。中古ですが状態は良好ですよ。うちは物持ちがよいので」
オスマンさん「い、いいのか!?あの戦争で活躍した兵器ならば願ったり叶ったりだ!」
ドテラ撫子さん「ただ、弾薬工場などの設備や、艦艇等の維持に必要な部材などは出来るだけイギリスから調達して下さいね」
ジョンブルさん「ふむ。それであればまあ納得しよう。(同盟国への分け前の事も忘れないのは実に良い。どこかのいなかものとは違う。同盟国として末永くやっていけそうだ。そういえば、清国工作も進めねばならんな…まあそれは後だ)」
オスマンさん「うむ!その程度の条件であれば造作もない!」
ドテラ撫子さん「ですが相手は仮にも列強。兵器があってもそう簡単に勝てるものではありませんよ」
オスマンさん「我らも日露戦争では観戦武官を出している。だから、それは分かっている。もう一つ相談したいのはそこなのだ」
ジョンブルさん「ふむ…他に我々に出来ることはそうないと思うが?」
小人さん(中東油田地帯のことを考えると支援するのもありだろうけど、この時代の地質学上の知見では『砂漠地帯で大規模な油田が存在するなど有り得ない』だから、今のところ難しいな。それって『現在発見されている油田がこうだから、油田があり得る環境はこうなるはず』って観測バイアスなんだけどさ)
ドテラ撫子さん(地中海にまでくちばしを突っ込むなんてめんどくさいですねぇ…)
オスマンさん「(政治的に難しい故に、断られるかもしれないが…)日本に、軍事顧問の派遣をお願いしたいのだ」
ジョンブルさん「ふむ?貴国はすでにドイツ帝国より軍事顧問を招いていたと思ったが?(できればこちら側に引き込みたいが、ドイツとの関係をどうするつもりかが問題だ)」
オスマンさん「確かに我が軍はドイツとの関係も深い。だが、いま、最も新しい戦争を知るのは日本だ!それに日露戦争であのロシア軍を陸海双方で徹底的に叩きのめした実績もある!誰にも文句はつけさせん!」
ジョンブルさん「ふむ。なるほど。(これは脈ありだな)」
ドテラ撫子さん「……(ちら)」
小人さん(んー、OKで)
ドテラ撫子さん「軍事顧問団程度なら、構いません。海軍と陸軍、両方ですね。びしびし鍛えますよ」
オスマンさん「なんと!ありがとう!本当に!ありがとう!」
ジョンブルさん「いいのかね?私は先にいったとおり、あまり手を出せないのだが。(正確には、今のところ深入りすべきでない、といったところだがね)」
ドテラ撫子さん「(えーと、当たり障りのない美辞麗句でごまかしましょうか)友好国は大切にすべきだと思いますから。こんな時代では、特にね」
オスマンさん(これが、東洋の帝国か!なんとも懐の深い…)
小人さん(オスマン帝国にてこ入れして、バルカン半島からの第一次世界大戦発生を抑止する…泥縄的で正直、成功率はかなり微妙なところだけど、やらないよりはマシだ。それにオスマン帝国が切り刻まれるのを避ける意味もある。まぁ、将来の布石ってところかな)

198 :わかる?のひと:2013/12/14(土) 22:40:58

富士型戦艦(常備排水量12500トン、30.5cm砲連装二基、18.3ノット)
『富士』→オスマン帝国に売却。『トゥルグート・レイス』と改名。
『白山』→オスマン帝国に売却。『バルバロス・ハイレッディン』と改名。
『立山』→オスマン帝国に売却。『ケマル・レイス』と改名。
『八島』(日露戦争にて戦没)
『瑞穂』(日本残留)
『浦安』(日本残留)


ゲルマニアさん「オスマン帝国を取り込む戦略があっという間に崩された…く、なんたることだ!あのジョンブルの外套とナイフを操る腕はどこまで伸びているのか!」
パルテのん「そのことで相談や!戦艦を二隻ばかり建造して貰いたいんやけど!弩級やないとあかんのやけどな!」
ゲルマニアさん「む。オスマン帝国が日本に発注した戦艦に対抗するのだな。それなら我がヘルゴラント型をやや縮小したものでどうだ。我が大ドイツの設計は優秀であるから、黄色人種の戦艦などこれで圧倒できる。保証しよう」

ギリシャ向け弩級戦艦案1
常備排水量18,200トン
50口径30.5cm連装砲5基
45口径15.2cm単装砲12基
45口径8.8cm単装砲12基
51cm水中魚雷発射管3門
速力20.5ノット

パルテのん「うーん、サツマ型より砲も多いし、これやったらいけるやろ。でも2隻はきついなあ…」
ゲルマニアさん「では装甲を削って価格を下げるか。我が大ドイツの戦艦はもとより重装甲。多少装甲を薄くしても、相手が黄色人種の戦艦なら十分である」

ギリシャ向け弩級戦艦案2
常備排水量17,000トン
50口径30.5cm連装砲5基
45口径15.2cm単装砲12基
45口径8.8cm単装砲12基
51cm水中魚雷発射管3門
速力21ノット

パルテのん「おー、これなら何とか手が出るわ。ほなお願いな!艦名は『サラミス』と『アルテミシオン』で頼むわ!」
ゲルマニアさん「任せて起きたまえ!我が大ドイツは無謬である!」


199 :わかる?のひと:2013/12/14(土) 22:41:40

そのころ…

ドテラ撫子さん「建造中の新造戦艦について、少しご相談がありまして」
オスマンさん「む?な、なにか問題でも生じたのか?それは困るが…」
ドテラ撫子さん「いえ、建造は順調ですよ。むしろちょっとお得な提案です。実は次世代戦艦用として36センチ砲を開発中なのですが」
オスマンさん「なんと!36センチ砲とは!うむむ、技術の進歩は凄まじいな!しかし我が帝国は財政難。そんな途轍もない戦艦はとうてい手が出ぬが」
ドテラ撫子さん「いえ、そうではなくて。建造中の新造戦艦の主砲を、この36センチ砲に変更し、装甲を増強するという案があるんですよ。それでお値段は据え置き!どうです?」

レシャディエ型戦艦(36センチ砲搭載案)
常備排水量20,780トン
45口径36cm連装砲3基
50口径15.2cm単装砲10基
8cm単装高角砲2基
45cm水中魚雷発射管5門
速力22.6ノット

オスマンさん「おお!それは素晴らしい!是非とも頼む!しかし、良いのか?そちらに損ばかりさせている気がしてならん」
ドテラ撫子さん「いえ、こちらも新型砲の実証が出来る機会がもらえていますから。ただし、この砲についてはご内密に。秘密兵器ですから」
小人さん(これから大変なオスマン帝国支援のためにも、ここで輸出実績を作るためにも、多少の赤字は覚悟!)
オスマンさん「む、そういうのであれば…(とはいえ、我が帝国は忘恩の輩などではない。いつかこの恩は返さねばならぬ!)」

ドテラ撫子さん「よーし、用も済んだのでごろごろ…」
小人さん(あー、そうだ。これからお出かけするよー)
ドテラ撫子さん「えっ」
小人さん(ずっと先延ばしにしてた件があったでしょ!そろそろかたさないと!ロシアにも勝って威信が上がったし、タイミングもいいし!)
ドテラ撫子さん「やだー!ぬくぬくのんびりするの~(ずるずる)」
小人さん(はいはい、いくよー!(引っ張り))


200 :わかる?のひと:2013/12/14(土) 22:43:06

ドテラ撫子さん「こ、こんにちは~」
ガンマンさん「お、久しぶりだな。今日は何の用だい?いまならたいていのことはOK出せるぜ?満州利権の経営が好調でもあるしな!」
ドテラ撫子さん「それはよかったー。通商条約の改定について相談させていただきたくてー」
ガンマンさん「ほぉ?ああ、そういえばいまの通商条約は不平等条約だったな」
小人さん(まあ不平等といっても、いろいろと頑張ったおかげで関税が従価税のまま維持できてて、前世ほどはきつくはなかったんだけども)
ドテラ撫子さん「ええ。これからの時代、それでは困りますので、平等条約に変更したいんですよー」
ガンマンさん「うーん、そうだなぁ。これまでのお前さんを見る限り一人前の文明国になったのは確からしいし、仮にも列強の一角になってるし…」
ドテラ撫子さん「どうでしょう?」
ガンマンさん「んー、お前さんには世話にもなったしな!まずは条件を見せてくれ!前向きに検討しよう!」
ドテラ撫子さん「草案はこちらに」
ガンマンさん「領事裁判権の撤廃、双務的最恵国待遇、関税自主権の回復、内地開放…おう、常識的な内容だな。ただ、ちょっと条件がある」
ドテラ撫子さん「条件ですか?」
ガンマンさん「ハワイ王国に対する移民の相互制限に同意して欲しい。それならこれを受け入れよう。中立性の再確認ってやつだな」
小人さん(うーん、ハワイ王国はクーデター鎮圧以降、アメリカからの移民を受け入れてないから、この制限の対象は日本だけだね。まぁ、この世界では日本人の海外移民はごく少数だし、実際どちらも損をしないな)
ドテラ撫子さん「それでしたら問題ありませんね」
ガンマンさん「よし。じゃあここにサインするぜ」

(日米通商航海条約締結。この後順次、他の列強とも同様の条約を締結)


ドテラ撫子さん「さて、これでぬくぬくと…」
カメハメさん「ちょ、ちょっといいかのう?先のアメリカとの協定についてなんじゃが」
小人さん(なんだか48の殺人技とか使いそうなネーミングだなあ)
ドテラ撫子さん「…なんでしょうか?(うう、こういうときでも邪険に出来ない自分が辛い…)」
カメハメさん「我がハワイへの移民制限をするというが、何とかならんかのう?我が王国は、特に黄色人種の移民を欲しておるんじゃ」
小人さん(あー、伝染病でハワイ民族の人口が激減してるんだったっけ。南北アメリカ先住民と同じで、隔絶されすぎて免疫をもたなかったから)
ドテラ撫子さん「本邦はもともと海外への移民がごく少ないので、あれは実質的な効力のない紳士協定ですよ?それにハワイを中立に置くことで太平洋の安定を保つのは、元々からの日米の取り決めですし」
カメハメさん「グヌー…それを言われると辛い。我が王国が独立を維持できているのも、日本のおかげだからのう」
ドテラ撫子さん「忠告しますと、たとえ同色人種であっても、移民の流入は社会を不安定化させるとか。特にその移民が、どうあっても同化しようとしない連中になると、いろいろと面倒を引き込んでくるそうです。具体的には中華系とかユダヤ系ですが」
カメハメさん「ムム!そういわれると、思い当たる節もある!孫某などという清国人など、我が王国を隠れ蓑に、清国の革命を目指す結社など組織しておった!面倒なことになる前にと取り締まろうとしたら戦闘になって壊滅させてしまったがのう。うちの軍警察は革命とかクーデターという言葉に過敏だから仕方あるまい」
小人さん(ゲェーッ!?そ、孫文すでに退場!?確かに見かけなくてどうしたのかって思っていたけど!)
ドテラ撫子さん「(はて?何か問題なんでしょうか?)うーん。私は立場上具体的なことはあまり出来ませんし。そうだ。イギリスかオランダに相談してみて下さい。いますぐ紹介状を書きますから」
カメハメさん「おお、それはありがたい。まあ、こっちはこっちで何とかやってみるわい」


202 :わかる?のひと:2013/12/14(土) 22:43:49

小人さん(でもなんとなく…)

カメハメさん「これぞ48の殺人技の一つ、五所蹂躙絡みじゃーっ!」
興中会「グギャーッ!」

小人さん(とこうやって真っ二つにされた光景が浮かんだのは何故だろう…)

ドテラ撫子さん「ふー、やっとぬくぬくと…(きょろきょろ)」
小人さん(なにしてるのさ?)
ドテラ撫子さん「いえ、もうすることありませんよね?だったらいおちついてごろごろぬくぬくとできるんじゃないかと…」
小人さん(んー、たぶんね。そういえば帝国菓子飴大品評会の第一回目が開催されてたかな。まぁ、ごろごろするなら関係ないよね)
ドテラ撫子さん「何を言っているんですか!出かけますよ!日本各地から集ったお菓子たちが私を待っているんですから!」
小人さん(えっ…切り替わり早すぎだよ!?ちょっと待って!)
ドテラ撫子さん「早くして下さい!置いていきますよっ!」


つづく?

203 :わかる?のひと:2013/12/14(土) 22:44:35 はい、以上です。

拙作の富士型戦艦六隻の艦名は、三隻を日本三大霊峰から、三隻を日本の美称からとっています。六番艦の「浦安」も日本の美称の一つです。

また、これからの中華のキーマンがいなくなってました。どうなるんでしょうね(棒読み)
そしてつぎは伊土戦争…


上記のレシャディエ型戦艦の要目を詰めるため、この三日間ほどExcelとにらめっこしてたりします。
あと扶桑型を35000トンにざっくり設定しましたが、これって過大じゃ?とか思ってしまい、実際に計算を初めてしまってたり。常備35000トンならOKだと判定しましたけど。
ついつい、八八艦隊計画戦艦の要目を作りはじめて時間を取られたりもしましたねw

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最終更新:2014年02月02日 19:29