148 :ひゅうが:2013/11/24(日) 20:26:24

ネタ設定?――文部省来邦学生勧学事業

またの名を、エンペラーズカレッジ。
当初は坂本竜馬を中心とした三菱財閥が、鴻池家とともにはじめた社会貢献事業であったこの事業は、簡単にいえば英仏の植民地において中等教育以上において優秀な成績をおさめていたり向学心にあふれた若者に男女を問わずに「日本への留学を条件として」学費や生活費の一部を文部省と宮内省が設立した「勧学財団」が支給するようにする事業であった。

これは、欧米列強本国の大学に通う経済的余裕のない優秀な学生を青田買いするために設けられたものであったが、のちには著名な研究者を招へいし研究費を助成する研究事業も付加された。
当初から一貫していたのは、明治の御代においては昭憲皇后が総裁としてすべてを監督する役割を負っていたことだろう。
この絶対的な権威によって、本来は利権に群がりがちであった明治の中小財閥(たとえば低賃金労働者を欲した成長途上の工業財閥)が干渉を抑止され、また資金の供与と学業への姿勢に非常に厳しい目が注がれたことは正負それぞれの影響を受けた。

たとえば、明治期においては留学生の御乱行はそれ自体が新聞沙汰になることがある醜聞扱いを受けたし、この時期の留学生の行動によって日本人の外国人へのステレオタイプな見方が完成したともいえるだろう。
厳格すぎる姿勢は1期生の学友たちの嘆願によって、昭憲皇后から「よく学びよく遊べ」という文言が規則に追加されることによって改善されたものの、それでも影響は大きかったという。
日本人には、

「畏れ多くもお上の財貨(財閥などからは一度財団へ寄付される形がとられていた)をもって勉学するのであれば風紀は厳正なるべし」

という考えがあったのである。
明治28年に制度が誕生してから、約10年ほどで学費の半額免除などを行う普通奨学金制度も生まれたが、この制度の上位互換となったこの「勧学」は、依然としてすべての上に君臨し高い権威をもってあこがれの目で見られたことに変わりはない。
日本の経済発展に伴って対象者は増え続けたものの、そうした権威は、受給対象者が持つ「勧学生証明書」という名の手帳に記された旭光紋(英知の光を表す財団の紋章)とともに「旭光組」、あるいは「恩賜の手帳組」として生き続けている。

初期においては英領インド帝国から、続いて清国ならびに仏領インドシナから多くの学生が招へいされ、また私費留学をしていた学生から選考を突破しこの奨学生になれた者も存在した。
彼らの留学を植民地独立運動への日本の関与と警戒した列強諸国の懸念を受けてか、文部省も教育カリキュラムに大きな手を加えはじめ、明治末以降は独立の理想と現実というようなある意味では時代を先取りしたような科目(植民地の産業構造問題や教育水準などの問題も議論された)が開講され、また当時欧州で流行していたマルクスなどの経済理論への人間科学的な批判、また欧州とは一線を画した文明論や最先端の歴史学・考古学の成果を生かした「人類学」の走りともなる科目を諸大学に開講し必須受講科目化。
結果としてのちの植民地各国の学問に大きな影響を与えた。

結果、

「日本の奨学金事業は独立運動への支援である。危険思想の温床だ。」

という文句をいわれた際には

「そういう御大層なことをいう貴国では、革命的経済学や政治学を字義通り実践しようとした過激な学生を生み出しているではないか。」

と返されるのが日本国内と米仏を中心とした欧米の教育当局者の年中行事となった。
日本の「皇帝(天皇)の学び舎」で育った人々が故国で大きな役割を果たしはじめた時代に、くだんの列強諸国に何が起こったのかを考えれば実に皮肉なやりとりであるといえよう――


152 :ひゅうが:2013/11/24(日) 20:43:12

列強「なんだろう…独立運動家予備軍が帰ってこないのは別にいいんだけど、なぜか損してる気がする。ともかくうちの本国の学生だけは返してくれないかな。」
大陸日本「うちに帰化した人たちなんで…(小人さんたちが金髪銀髪とか外国系とかにハッスルしてるし、成績なんかで制限かけてるからそんなにきてないんだけどなぁ。)」


153 :ひゅうが:2013/11/24(日) 20:50:41

>>150
実は周恩来さんをあかーく染めずに有能な官僚にするかもしれない時間犯罪の一つだったりします。
真面目な話、当時最新の経済理論なので、立憲国家としても理性的な反論が必要になるのです。国内向けにも。
>>151
本国では不遇な学者さんたちがやってきそうですね。のちにドイツあたりからも…



162 :ひゅうが:2013/11/24(日) 21:10:05

真面目な話、日本のは植民地の上流階級ではない人々や、上流階級でもちょっと現地の社会的に問題がある人が対象です。
これは本国においても同様。
たとえばの話ですが、ユダヤ系で女性といった感じのリーゼ・マイトナーなどやアラン・チューリングのような人たちですね。
あとは米国の進化論研究者とか。
大陸から逃れてきた人たちを受け入れてきた土壌が史実的にも大陸世界の歴史的にもありますので、受け入れ基準や量を間違えなければマッチする制度かもしれません。

・・・あとフランス人留学生が日本に洋食を広めたりしてw


153 :ひゅうが:2013/11/24(日) 20:50:41

>>150
実は周恩来さんをあかーく染めずに有能な官僚にするかもしれない時間犯罪の一つだったりします。
真面目な話、当時最新の経済理論なので、立憲国家としても理性的な反論が必要になるのです。国内向けにも。
>>151
本国では不遇な学者さんたちがやってきそうですね。のちにドイツあたりからも…

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最終更新:2014年02月04日 23:34