576 :237:2014/01/15(水) 23:56:03

日本に着いた僕は、とある所に連絡を入れる


「もしもし。僕だけど、夜分遅くごめんね」
『――――!』
「うん、僕は今日本にいるんだ。今から会えないかい?」
『――――』
「話したいことがあるんだ。時間大丈夫?」
『――――!――――』
「分かった。そこで会おう」
そういって、電話を切る。

僕は、近くのホテルで部屋を取って、荷物を置いていくと
待ち合わせの場所に移動する


その場所は駅の近くの海辺が見える公園で、明るい場所であるが、人はそれほどいなかった
僕は、街灯の下にあるベンチでしばらく待つ



やがて、タッタッ音が聞こえてきて、見れば、真由が走って来るところだった


「真由!」
「ハァ・・・ハァ・・・会いたかったです・・・」
「僕もだよ。無理を言ってごめんね」
「いいんです。家が近くにあるので大丈夫です」


そういって、ベンチの横に座る


沈黙が漂う。だが、それは気まずいものではなく、心地よい沈黙だった
やがて、真由が口を開く

「すみません。ここにいると言う事は、ブリタニアでのお仕事が終わったのですか?」
「そうだよ・・・。もう一年以上たったか」
「そうですね・・・・ご苦労様でした」


再び沈黙が漂う。その中、僕はある決心を以てここに来た事を思い出し
僕は意を決して真由に声をかける

「真由・・・・僕が、君をここに呼び出したのは他でもないんだ」
「何でですか?」
「覚えているかい?真由と初めて会った日の事を」

「・・・・覚えています」

「うん・・・その日に真由から告白したことも覚えているよね?」
「もちろんです。あなたと出会ってからは一日足りとも忘れたことありません」

僕はその言葉に頷きながら言う

「あの時は、有耶無耶のままにしちゃったんだけど・・・・返事をしたい」
「・・・・遅いですよー。私がお婆ちゃんになるまで返事はしてこないかと思ったですよー」

そういって、真由は頬を膨らます。

「ごめんごめん・・・・もう一度聞かせてくれないかい」
「えっ?」
真由は驚いて僕を見る

「もう一度確かめたいんだ。あの時から真由の気持ちに変わっていないのかが、確かめたいんだ」

577 :237:2014/01/15(水) 23:56:37

真由は驚いていたが、その言葉を聞いて、姿勢を正して言う

「パパの話を聞いてあなたに興味を持ち、抱きついてしまった時に胸が大きくて
とっても暖かったです。そこから好きになりました。お話を聞いてますます好きになりました。
彼女がもしもいたら、諦めようと思ったのですが・・・彼女がいないと言うから居ても
立っても居られませんでした!お願いします!付き合って下さい!」

そして、真由は宣言するように叫ぶ


「私はあなたが大好きです!」




僕は、その言葉を聞いて、ストンと落ちたかのように胸が暖かくなった。
まるで、足りないものを見つけたかのように心の隙間が無くなっていくのを感じた
(僕は・・・・・やっと・・・・・見つけることができたんだ・・・)

僕は顔を上げると、向こうに紅い髪をした少女が腰に手を押さえながら
ぷんぷんと怒り、その子を大切にしなさいよという言葉と共に消えて行った

(ありがとう・・・・フレイ・・・・)


僕は真由の方に向けて、真由を安心させるかのように、頭を撫でながら言う

「ありがとう。僕みたいな駄目な男を好きになってくれて、そして告白してくれてありがとう。
真由をずっと・・・ずっと・・・守れる男にしてくれてありがとう



僕も、真由が大好きだよ」







どれほど、時間が過ぎて行っただろうか。二人とも金縛りになったかのように動かない
ただ、真由の腕時計の針だけが動いていた


やがて、腕時計の秒針が10周周りだした時に、真由は肩をゆっくりと上下させると
それがきっかけだったのか真由が大粒の涙をこぼしていく

「・・・わ・・った・・・・こわ・・・た・・・怖かった!!もしも、断られたらどうしようかと・・・・
私の独りよがりじゃないかと思ったことも・・・・怖かったよう・・・・・・」

そういいながら、大泣きしながら僕に抱きつく

「ごめんね。告白の返事が遅くなってごめんね」
「いいんです・・・あなたが、どれだけ女性不信なのかを知っていましたからこれから、作っていけばいいんです」
「ありがとう」



そして見つめ合う二人
やがて、その影は一つに重なった・・・・・

578 :237:2014/01/15(水) 23:57:43
終わり

正直、恋愛物はあんまり得意じゃないから、これでいいのか分からん
ただ、僕のシリーズはしばらくは続けていくつもりです。
今年もよろしくおねがいします。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2014年02月22日 17:49