Monolith兵さま「辻正信が鎮守府に着任したようです」 その3支援SSとなります。
542 :影響を受ける人:2014/04/01(火) 23:38:00



クライ、クライ、バショデ、ワタシ、オキタ。

ウキ、アガッテ、ミタ。マワリニ、オナジナノ、イッパイ。

ミンナ、イウ。

シズメロ、シズメロ。コロセ、コロセ。

ワカラナイ。

ワタシ、ワカラナイ。

キイテミル。

ナンデ、ソンナコト、イウノ?

ニクイ、カナシイ、ウラメシイ。

      • ワカラナイ。

イタイ。

イタイ、ヤメテ。

コウゲキ、シナイデ。

ワタシ、イジメ、ナイデ。

ニゲル。ワタシ、ニゲル。

トオクニ、トオクニ、ニゲル。




ニゲタ。ワタシ、ニゲキレタ。

デモ・・・カラダ、イタイ。

シンジャウ。シンジャウヨ・・・

タスケテ、タスケテ・・・

ア・・・?

シロイ、ヒト、キタ。

シッテル。

テイトク。

テイトク、キテクレタ。

タスケテ。ワタシ、スリヨル。

『やれやれ・・・おや? 深海棲艦ですか。駆逐艦の様ですが・・・』

テイトク・・・ツカレテル?

544 :影響を受ける人:2014/04/01(火) 23:38:45
『こんなに傷ついていると、かえって助けたくなりますね。ほら、少しですけど、資材ですよ。』

オイシイ、オイシイヨ。テイトク。

チョットダケ、ゲンキニ、ナル。

『ほら、もう行きなさい。ここにいたら沈められてしまいますよ?』

シズム? イヤダ。デモ・・・

テイトク、イッチャッタ。サミシイ・・・

『はぁ・・・また資材のやりくりをしなければ・・・』

シザイ? シザイ、アレバ、テイトク、ホメテクレル?

テイトク、ヨロコバセタイ。

テイトク、マッテテ・・・




ワタシ、シザイ、アツメル。

タクサン。タクサン、アツメル。

イチド、アイニ、イッタ。

コウゲキ、サレタ。イタイ。

アレ、キライ。

デモ、アレ、シザイ、ハコブ。

ワタシ、シザイ、モッテイク。コウゲキ、サレル。

イタイ。

シザイ、シズンダ。

アレ、キライ。

ドウシヨウ。シザイ、テイトク、アゲラレナイ。

      • ヨウス、ミル。

アレ、ナカマ、コウゲキ、スル。

トクニ、マルイ、オオキナアタマ、コウゲキ、スル。

      • を級? ドウデモイイ。

アレ、シツヨウニ、コウゲキ、スル。

      • ソウダ!

イイコト、オモイ、ツイタ。

マズハ、タクサン、タクサン、タクサン、シザイ、アツメル。

―――――

辻の怒声と決断の後、疲れ切ってしまった彼は隣の仮眠室で寝ている。
今提督室には大鳳・霧島、そして泣き崩れたままの赤城がいた。

「赤城さん・・・」
「っ・・・!」

545 :影響を受ける人:2014/04/01(火) 23:39:20

今だに泣き続けている赤城の傍に立った大鳳は、何かを堪えるように顔をしかめつつ声をかけた。

「貴方がしたことは許される事ではありません。
 同情の余地もありません。
 ですが私も同罪です。
 もっとよく調べていれば、こんなことにはならなかったでしょう。
 もっと・・・辻提督の苦悩を知っていれば・・・」
「で、でも・・・」

何とか顔をあげた赤城だが、顔は涙でぐしゃぐしゃで、考えがまとまらず。
言葉にならない。

「それを言うなら。この鎮守府の艦娘全員が同罪ですね。」
「霧島さん。」
「ここまで大赤字となると、いくら大食いと言われる赤城さん一人の責任じゃない、でしょう?」
「それはそうですが・・・」
「皆、辻提督に対して恨みはあった。そして『辻なら予算ぐらいどうにかなる』と思って目を逸らし・・・
 ううん。そう、勝手に思い込んでしまった。」

彼女も後悔しているのか、その表情は険しい。

「今から計算してみますが、おそらく主にダブりの艦娘が中心的に解体されるでしょう。」
「あとはレベルを上げていない艦娘もね。」
「ぁ・・・ぅ・・・わ、わたしは・・・」

話を進める二人に、赤城は懇願するように視線を向ける。

「貴方は大丈夫です。一応主力艦ですから。」
「そ、そうじゃ・・・」
「どちらにしろ、今から動いても意味が無いのよ赤城」
「はい・・・・・・」

暗い雰囲気の中、書類を引き出した大鳳を手伝うため。
霧島が椅子を持ってこようとした時、基地にサイレンが鳴り響いた。

【敵接近。敵接近。待機組は至急出撃せよ。】

「敵襲!」
「こんな時に!」

苦虫を噛んだ顔になった大鳳はすぐに霧島を見る。

「急いでください!」
「わかってる! すぐにいくわ!」

扉を力いっぱい開いて飛び出していく霧島の背中に、大鳳は少しだけ愁いを帯びていた。
この雰囲気の中、出撃して無事でいられるか。
この戦闘で消費すれば、どれだけの艦娘が解体されてしまうのか。

(辻提督も、こんな気持ちだったのでしょうか・・・)

今更彼に強いていた事を後悔する。
だがもうその時間は戻ってこない。
今できる事をやるしかないのだ。

―――――

待機組だった霧島は大急ぎで出港し、敵を補足した。
敵はなんと空母ヲ級一隻のみ。
これならやれる!
軽空母一隻と駆逐艦四隻、そして自分の身軽な艦隊だが打撃力はあるとおもっている。
だから早々に攻撃したのだが・・・

「ああ、もう! チョロチョロ動いて!!」

ヲ級はヒラヒラと此方の攻撃を回避。
遁走を開始した。
罠かと思って追撃をやめようとすれば、あちらは近寄ってきて挑発する。

546 :影響を受ける人:2014/04/01(火) 23:39:57
そして追撃すれば逃げる。
こちらは先程の話のせいで思うように攻撃できない。
イラつかない方がおかしい。
おもわず自分の艦体を思いっきり踏みしめ、動いていた妖精を驚かせてしまう。

『霧島はん、ちょっとええか?』
「なんですか龍驤。まだ攻撃はしてはいけませんよ。」
『ああ、違うんや。』
「なんです!」

ついつい声が荒くなる。一回咳をし、整えて改めて聞く。

「なんでしょうか?」
『あのヲ級、なんか変やで。』
「変?」
『帰ってきた妖精が言うにはな。対空砲火を上げんかったそうや』
「・・・おちょくられたのでは?」
『いや、おもいっきり接近してみたら・・・艦体ボロボロみたいやで?』
「・・・はぁ?」

霧島は間抜けな声を上げて強いまう。
なんでそんなヲ級が来たのだ?特攻にしてはおかしいし・・・
なんというか、だんだん不気味に思えてきた。
もう追撃をやめよう。そう決断し、回答を命じようとしたら、また龍驤から通信が入った。

『あのヲ級、島に向かい始めたで?』
「島・・・放棄された島が確かにありましたが、そこに?」
『そうや』

少し気になった。
だから考えて・・・指示を出す。

「島に向かいます。」

―――――

辻はサイレンの音で目が覚めていた。
一応訓練通り、待機していた艦娘が出撃したのは別に良い。
その艦隊から通信が入り、急いで急行する羽目になってしまった。
どうも通信では状況がわからなかったのだ。
そして島に到着した一行は唖然とする。
島には・・・大量の資材が山積みにされていたのだ。

「これは、いったい・・・」
「わかりません・・・」

大鳳も、目の前の大量の資材に困惑しているようだ。

「辻提督、お待ちしていました。」
「霧島・・・これは一体?」
「・・・それを説明できるのがいますので、こちらに・・・」

少し放心気味ではあったが、霧島に連れられていく。
そしてもう一つの驚くべき光景が待っていた。

「ヲ級空母・・・」

忌むべき深海棲艦の航空母艦が、海岸に座礁していた。
その艦体はボロボロで、とても今まで航行していたとは思えない。
霧島はその空母に歩いていく。
二人は慌ててついていくしかない。
どうやらその飛行降板に用事があるらしいのだが、幸い安全に上れる場所があるらしく、そこを登っていった。

「あれです。」

上で待っていた霧島は二人が上がるのを待ち、そして指差した。
そこには艦橋に寄り掛かる、艦体同様のぼろぼろの少女がいた。
傍によると、少女は顔をあげたが動きは緩慢で弱弱しい。

『テ・・・イト、ク・・・』
「君は・・・まさか!」

547 :影響を受ける人:2014/04/01(火) 23:40:44

辻には見覚えがあった。
特徴的な帽子の様な頭。その頭の傷に見覚えがあったのだ。

「あの時の駆逐艦なのか!」
『テイ・・・トク、シザイ・・・アツメタ。』

立ち上がろうとしたヲ級だが、バランスを崩して倒れそうになる。
慌てて支えてゆっくりと下におろす。
彼女の体は本当にボロボロだ。
左腕は無く、触手の長さはバラバラ、杖は錆びた鉄パイプ、服装や体は傷だらけ。
女の子の顔も、左目は頭部の帽子同様潰れている。

『タク、サ・・・ン。ア・・・ツ、メタ』
「まさか・・・御礼なのですか?」

ヲ級は考えていたのだ。
どうすれば資材を提督の元に運べるか。
その答えが自分を囮にして艦娘を連れてくる事だった。
その為には自分が脅威に映らないといけない。だから無理に進化を遂げてヲ級になった。
しかし無理に進化したせいで駆逐艦と遣り合えば、あっさり負けてしまうほどに弱い存在となってしまった。
それでもよかった。資材を、大好きな提督に持っていければ・・・

『ティ・・・トク、ヨ・・・ロコ、ブ・・・?』
「ええ、ありがとう。本当に感謝しています。」

ヲ級はその言葉を聞くと、本当に憂いそうに笑う。

『ヨカッ・・・タ・・・』
―カラン・・・―

鉄パイプが落ちた。同時に彼女の体から力が抜けた。

「なっ・・・??!!」
「辻提督、落ち着いて下さい!」

取り乱そうになった辻に、彼女の体を見ていた大鳳が落ち着くよういい、さらに調べる。

「大丈夫です。ただ疲れて寝ているだけ様です。」
「そうですか・・・よかった。」

本当に安堵し、その場に座り込んでしまった
そしてここからも見える大量の資材を見る。
あれだけあれば、解体しないでいい艦娘がふえるだろう。
その数は少ないだろうが、このヲ級の好意を無駄にするわけにはいかない。

「さぁ、この子と資材を運びますよ!」
「「「「「「「了解!」」」」」」」



以上です。
ああいうSSを見ると救済したくなる。
ゲリラ投稿終了、寝る。

ヲ級劣化
通常のヲ級よりもかなり弱い存在。
無理に進化したせいで艦載機は14機とすくなく、爆装も雷装も出来ない。
耐久力も駆逐艦に毛が生えた程度しかなく。夜戦も出来ない。
ただし、進路を提督が選べるため、羅針盤がいらず、資材が通常の10~50倍手に入る。
代わりに戦闘になると真っ先に狙われる羽目になるので要注意。

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最終更新:2014年04月11日 20:40