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私は、春閣下
これは、カズシゲが付けたあだ名で、本名はあるのだが、本名のフルネームが長いので、略して
ハルカ・アマミと呼んでいる。もしくは天海春香とも
それなのに、カズシゲは私を春閣下と呼んでいる。女の子に着けるあだ名にしては酷いと思わない?
着かれた理由?
私は幼いころから、クルシェフスキー騎士団に入団しており、モニカ・クルシェフスキーの娘であるサクラ・クルシェフスキーとは
競い合った仲であった。個人戦をするサクラと集団戦をする私とはそりが合わなかったんでしょうね
競い合っていくうちに段々とサクラと仲良くなり、その縁で弟のカズシゲと出会った
カズシゲはなんというか、うっかりした性格で、滑ってしまった言葉に母であるモニカ様にブッ飛ばされるのを良く見かけた
私も最初は普通に接していたが、カズシゲがうっかり続くごとに、私もイライラが募り、ついにブッ飛ばしてしまった
そこで不本意的に着いてしまったのが春閣下であった
そんなこんなで関係が続き、カズシゲとは幼馴染な関係になった
カズシゲは嶋田繁太郎とモニカ・クルシェフスキーとの間に設けられた息子ではあるが
家の後継ぎは二人の姉が継ぐことになっており、カズシゲは気楽な立場となっている
もちろん、気楽だからといって、教育は施しているが、成績は赤点スレスレか平均点をとっていた
偶に、勉強から逃げる為に姉のサクラに頼んで逃げ出すこともあった
その度に、モニカ様と私が探しに行って、ブッ飛ばして、呼び戻しに行っているのである
時には、私の我儘をカズシゲに言って連れ出した事もあった。
カズシゲはぶっくさと文句を言うが、なんだかんだで付き合ってくれた
その関係が私にとっては良心地が良く、暖かく、そして、好きになった
きっかけは分からない。気付いたら、好きになっていたのだ。カズシゲは馬鹿だが、優しかったから・・・・
でも、私は一歩を踏み出すことはできなかった。今までカズシゲにやってしまったことに対する負い目を持っていたからだ
だから、私は変える事はなかなかできなかった
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そんな日常が続いたある日のことだった
悲しい出来事があった。皆にとっても悲しい出来事であったが、カズシゲが一番悲しい出来事だった
その日から、カズシゲは変わってしまった
今まで避けていた、勉強や大人達の仕事に参加するようになったのだ
そして、目覚ましい成果を上げるごとに、周りは
「やはり、嶋田の息子だな」「ただの極楽潰しではなかったな」
「私は昔から期待していたぞ。ホントだよ?」
違う!あれはカズシゲが無理しているだけよ!
あのままではカズシゲが壊れてしまう!
さらに言えば、カズシゲが上げる成果に女どもが、カズシゲを見ないで寄り付こうとしてるのが多かった
(貴方達にカズシゲの何が分かるの!)
そう言いたかったが、相手は高い身分持ち、私はサクラの副官になったので高くなったとはいえ、まだまだ低かった
カズシゲが他の女に取られてしまう・・・
数ヵ月後
とある結婚式場に私とカズシゲがいた
私はカズシゲを言い包めて、細工を施したうえで、当てるようにしたのだ
発覚当初は大騒ぎになったが、いまは落ち着きを見せた
幸いにも私の両親もカズシゲの両親も許してくれ、こうして結婚することが出来たのだ
私が幸せそうにしていると、カズシゲが話しかけた
「なあ、本当に俺で良かったのか?」
「当たり前じゃない!何あほなこと言ってんのよ!」
「そうか・・・・幸せになろうな?」
「勿論でしょ!幸せになれなかったら、許さないからね!」
そんな言葉にカズシゲは苦笑で答えてくれる
こうして、私はカズシゲを見事に仕留める事が出来たのであった
周りからはカズシゲは変わったとか、賢くなったとか言っていたが
私にとっては、馬鹿で、優しくて、大好きなカズシゲよ!
最終更新:2014年05月25日 19:41