293 :New ◆QTlJyklQpI:2014/01/14(火) 01:38:09

※これはハニワ一号氏の(ネタ)大陸日本江戸幕府夢幻会ルートSSの設定を流用しています。

大鎖国日本ネタ ~価値観のズレ~

英国を筆頭とする西洋と日本を筆頭とする東洋との間で行われた初の世界大戦。
この戦争の原因としては日英間での経済的な摩擦問題など様々な要素が上げられているが、直接的な引き金とされたのは英国が一部華僑勢力を手を組んで行われたアヘンの密輸未遂事件であったと言われている。
この事件が世に知れたことで日本の世論は怒りの声を上げ、徳川幕府は態度を硬化させて今回の密輸に関与した英国を激しく糾弾、国交断絶することを宣言したが、一方の相手である英国国内では戸惑いの声も大きかった。
確かに鎖国体制での密輸は犯罪で非がこちらにあるのは分かっている。だが何故”アヘン程度”でこれほど過剰ともいえる反応を示すのだろうか?
多くの者は訳が分からず、一部の者に至ってはこれを長年の同盟国を攻撃するための挑発であるとして怒りの声を上がっていた。

この英国側の困惑には日英間でのアヘンに関する扱いや認識の違いが存在していた。
アヘンは知ってのとおりケシの実から抽出することで生まれる麻薬であり古くから麻酔として使用されてきた。しかし依存性が高く、幻覚症状などを引き起こすことから現代では麻薬の代名詞となっている。
日本では夢幻会による介入により麻薬取締の強化に教育によって日本勢力圏ではアヘンなどの麻薬に関する認識は現代に近いものが形成されていたが、イギリスでは当時アヘンを麻薬として扱っていなかった。

確かに宗教的、道義的に忌避する傾向もあるにはあったが英国のアヘン窟は警察の取り締まり対象にはならず、寧ろアヘンチンキと言ったものがそこら辺で売られ、飲まれているなどタバコや酒のように「過度な摂取は
控えた方が良い」程度の感覚であった。この時代のアヘンの純度の低さに加え、アヘン愛好者の大部分が
アヘンチンキなど飲み物に混ぜるという更に薄めた液体による摂取により依存性はあっても中毒になる絶対数が少なく
社会問題として取り上げられなかったのだ。(アジアでは煙による摂取により効果が強かったからこそ取り締まった)

無論重度の中毒患者などの末路は医者を中心に理解されていたが未だに清国のアヘン禍もないため
それが下手すれば社会どころか国家規模の問題になるとまでは想像できずにいた。
メルバーン子爵内閣がこれを知っていたか否かについては判明していないがこの困惑を利用し
「日本討つべし!」の世論を形成、国内世論を開戦に導くことになる。
英国国民が自分らの同盟国に為したことに気付くのは戦後、しばらく経ってからであった。

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最終更新:2014年06月18日 02:06