17 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:00:22
ドテラ撫子さんでわかる?戦間期 平和にぬくぬく編(5)差し替え版


パルテのん:ギリシャ。パルテノン神殿より。汎ギリシャ主義の栄光を夢見る。
ソフィアさん:ブルガリア。首都ソフィアより。大ブルガリアの栄光を夢見る。
グラードさん:セルビア。首都ベオグラードより。大セルビアの栄光を夢見る。
モンテさん:モンテネグロ。セルビアからの独立独歩を希求中。日本に宣戦布告したのに気づかれていない高すぎるステルス性。

ソフィアさん「マケドニア地方は、歴史的にいって、大ブルガリアである私の領土でありますなのですわよ!」
グラードさん「待ちゃれ!マケドニア地方のことで麿を差し置いて話すでない!これだからおつむの弱い鄙の輩は…」
パルテのん「うちも忘れてもろたら困るわ。マケドニア地方はギリシャ人も住んどる。だからギリシャが統治すべきや」
モンテさん「お、おいらも忘れて貰っちゃ困るんだ。だけどさ、肝心のマケドニア地方は一応、オスマン帝国が押さえてるんだけど…」
ソフィアさん「オスマン帝国などもはや落ち目でありますですわ!」
グラードさん「左様でおじゃる。オスマン帝国はもはや形骸…あれを恐れるなど無用。むしろ哀れむべき存在でおじゃる。ほほほ…」
パルテのん「せやせや。連敗続きでええところなしの時代遅れ国家や。恐れるには足らへんわ。希土戦争の恨みを返したる!」
モンテさん「そ、そうかなぁ…」

ちなみにイタリアは伊土戦争で意外に苦戦した事実を隠蔽するため、宣伝にはいろいろ苦心しているようです。
ベイルート沖海戦では『激戦の末巡洋艦二隻を失ったものの、スエズ運河を望むベイルートへ強い圧迫をかけることに成功』、西タラーブルス州における陸戦では『トリポリを始め沿岸都市群を早期に制圧。敵軍を内陸部に追い詰めた』、エーゲ海海戦では『オスマン海軍主力を誘出し大打撃を与えるという作戦目的を達成した』などなど。確かにあからさまな嘘はあまり言っていないんですが…

しろくまくん「フゥ…そうやってにらみ合って手を出さないのは敵に利する愚かな行いクマ。欲しければ素早く奪い取るのが帝国主義の正義クマ。やれやれ、とんだチキンの集まりクマ。露土戦争の頃のよしみで寄ってみたクマが、とんだ時間の無駄だったクマ」
ソフィアさん「っく…そ、そうは申しましてもですのね、こいつが我を張るから良くないのでありますですわ!」
グラードさん「ほほほ。いいよるの。その胸には乳ではなくいいわけが詰まっているのでおじゃるな?」
パルテのん「お前らええ加減にしいや!実際、ロシアはんのいうことも一理あるわ。ここは一つ、まずオスマン帝国を打倒するため秘密同盟を結ぼやないか」
モンテさん「そ、そうだね…(でも終わったとたん、マケドニア地方を巡ってこの面子で殴り合う事になりそうなんだけど…)」
しろくまくん「忠告しておくクマが、オスマン帝国は日本帝国から兵器弾薬を購入しているクマ。気をつけるクマね。いっておくクマが、クマはいま立て直しで手一杯クマ。支援はできないクマよ?(近頃のオスマン帝国と日英の関係がちょっと気になるクマ)」
ソフィアさん「そ、それはひどいでありますのですわ!私たちは弱小国でありますのです!」
グラードさん「武器弾薬は他国から手に入れればよいでおじゃるが、懐具合が厳しいでおじゃる」
パルテのん「支援込みの割引がないと支払いが大変やろな…(けど、ここで引くわけにはいかへん!近代ギリシャの力を見せたるわ!)」
モンテさん「ううう…(でもここで一抜けしたらあとで袋だたきだ。参加しないと…でも参加してもいい目が見られるかというと…)」

(対オスマン帝国戦争を想定したバルカン同盟が結成。ただしロシア帝国からの物的支援は僅少)

ハプスブルクさん「ん、ロシアがバルカン諸国と接触…どうやらバルカン半島が炎上しそうですね。アルバニア地方の帰属の如何は、アドリア海の覇権に影響しますし。親ロシア勢力がエーゲ海に進出するのも困ります。どちらかというとオスマン帝国が負けると困りますね…」

ジョンブルさん「世界を盤面にしたこの偉大な遊戯…ふむ。まず、目下の問題は、ドイツだ。彼らの東方政策は我が世界戦略と最終的に衝突する。あちらは融和を第一にしていると口にはするが、とてもではないが信じられないね。ならばこちらとしてはそれに掣肘を加えねばならん。この盤面で、我が手札としてオスマン帝国が回ってきたのは、まさしく天佑と言って良い。とはいえ、我が友好国であるギリシャ王国の札と対立するが故に使えないが。今は、まだ、ね。ふむ…もしも、彼らが、この試練を跳ね返す事が出来たのなら、あるいは…」 

18 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:01:31
ゲルマニアさん「ふむむ。オスマン帝国との関係がいささか冷却化したとはいえ、あとの事を考えるとバルカン諸国に肩入れしすぎるのはできんな。日本人どもはオスマン帝国の現状が手に負えないと分かったらさっさとアジアに逃げ帰るはずだ。我々の出番はそうなってからだ。困窮したオスマン帝国にこれまで以上の高値で売りつければ良い。素晴らしい考えだ!」

マリアンヌさん「バルカン諸国の皆様!ここは!わたくしが!いろいろとご用立ていたしますわよ!即金でしたら特価ですわよ!」


小人さん(あー、例によって兵器輸出に節操がない国がなんかやってる…。まあうちだってだぶついてた武器弾薬を大放出したけどさ。放出しないと次回の更新がいつになるやらってくらい山と積まれてたからねー…作りすぎなんだよばーろー)
ドテラ撫子さん「むー、ごろごろしたいんですが…」
小人さん(だめ。浦塩港の拡張とかも急務なんだからね。進行中の極東シベリアでの資源探査は、前世と若干違う部分が少なくないし。ほとんどがいい方向に違うんだけど。シベリア・トラップが東に延びてるのかな、これ)
ドテラ撫子さん「貴金属、宝石、重金属…その手の鉱山とか別にわたしのところでもたくさんあるのに…(ぷくー)」
小人さん(外地の資源地帯も押さえられるなら押さえておきたいんだよ。それに放っておいたら、状況が僕らの手を完全に離れるかもしれないんだ。なにせこの日本の資源開発力は前世の比じゃないから。せめて金・銀・ダイヤモンド相場への影響は当面は抑えないと。おかげで仕事が減らないんだけど……)
ドテラ撫子さん「自業自得じゃないですか。まあいいです。さっさと片付けましょうか…はぁ、めんどくさい…」

日軍事顧問団「本土の陸軍部隊の錬成はそれなりには順調ですね」
オスマンさん「うむ。バルカン諸国の動きがきな臭い。早く仕上げなければならん…」
日軍事顧問団「西タラーブルス州からの兵力移動は、軍残留を希望する義勇兵ともどもそれなりに順調…とはいえ、周辺各国を刺激しないため陸揚げがメルスィン港ですから、時間がかかりますね」
オスマンさん「うむ。残念ながら、それも致し方なかろう。彼らは予備兵力に組み込もう。海軍の状況は?」
日軍事顧問団「中破状態の戦艦『トゥルグート・レイス』『ケマル・レイス』の修理はイスタンブルの工廠で行える範囲のようです。ただ修理にかかるにしても、工廠能力の問題もあります」
オスマンさん「ふむ……今は時間が惜しい。両艦の乗員を新型戦艦『レシャディエ』『スルタン・オスマン1世』に抽出して、そちらの戦力化を優先する。工廠の能力は、まずは浮きドック整備計画に優先投入とする」
日軍事顧問団「はい。順当かと。実際、レシャディエ型戦艦の本格補修には既存のドックでは規模が足りませんから」
オスマンさん「だがこれほどの巨艦を収容できる浮きドックなど、本当に我が国の設備で建造できるのか?購入した設計図を見ても信じられぬ」
日軍事顧問団「可能でしょう。本国には戦艦級でも補修可能な浮きドックがありますから」
オスマンさん「うむむ…日本人技師らは、英国人やドイツ人よりもよく働いている。日本が列強になれたのもこれがあってか…(日本への留学生枠の拡大も考えねばなるまい!)」

オスマンさん「うむむむむ。ここは、東洋の帝国にならって外交で戦略状況を変えなければ。とはいえ、列強の庇護を得るための材料などあるだろうか…」
ハプスブルクさん「その、よろしいでしょうか?」
オスマンさん「ぬっ…むう。よいが…(なぜオーストリアが?むう、なにかまたこちらに干渉するつもりか?)」
ハプスブルクさん「ブルガリアの件です。あそこ、今もロシアとの関係があるようでしてね」
オスマンさん「(ロシア!そうか!列強間の警戒心は利用できる!)うむ。そのようだな。こちらも対応に苦慮している。困ったことだ」
ハプスブルクさん「ええ。かつての大ブルガリア公国のようになられると、少々ね…(エーゲ海への出口を得られるのはね。ましてアドリア海などまっぴらですね)」
オスマンさん「(ふむ。狙いは間違いなさそうだ)正直に言おう。こちらとしても、アルバニア・マケドニア地方が、今後のバルカン半島の争点となると考えている…(青年トルコ革命以降、東洋の帝国を見習い穏健的に舵を取っていたから今のところはまだしもだが、中長期的には維持出来まい…)」
ハプスブルクさん「それはこまりますね。両地域がいずこかに取られるのはよろしくありません」
オスマンさん「(瀕死の重病人である我が帝国が押さえている現状なら問題はない…か。悔しいが…)うむ。だからこそこのような案を考えている…」 

19 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:02:04
オスマンさん「我がオスマン帝国は、小アジアより西方、アルバニア及びマケドニアを含む地方に於いて広範な民族自治権を保障する!また3年後をめどに、両地域住民を対象とした住民投票をもって、独立可否を決するものである!(帝国再編の第一歩だ。これが引き金になる可能性はあるが…)」
ハプスブルクさん「あらあら。それはそれは。歓迎いたしますよ」

ソフィアさん「な、なんですってですの!?これでは両地域がオーストリアのいいようにされるかもしれませんですのよ!」
グラードさん「なんと。思い切ったことをしよる。これは認めるわけにはいかぬの。皆も同意でおじゃろ?」
パルテのん「ないわ!これはないわ!認められへんわ!!こうなったらロシアはんのいうとおり力尽くで我が物にするしかないわ!」
モンテさん「ちょ、ちょっと、独立するんだったら次善なんじゃ…って、ああ、もう、こうなったらおいらもやるしかないよー!」

ジョンブルさん「ふむ…これはあの熊の策謀かね?しかしロシアから武器弾薬等は余り流れていない。フランスなどからの購入はあるが…ロシアはバルカン諸国自体を使い捨ての試金石に使うつもりか。ふん、よくやる」

ソフィアさん「マケドニアは歴史的に私のものでございますです!その帰属を勝手に決めるなど許せませんのです!宣戦布告です!」
グラードさん「マケドニアは経緯からして麿が領すべきでおじゃる!宣戦布告するでおじゃるよ!」
パルテのん「マケドニアにはギリシャ人が住んでる以上、うちのもんや!宣戦布告するで!」
モンテさん「ちょ、ちょっと…ああ、もう、こうなったらおいらもやるしかないよー!宣戦布告だー!」

オスマンさん「ぐぬ…やはり来たか。バルカン諸国全てが敵とはな。事実上の本土決戦ではあるが、我が兵力は敵に劣るだろうんな。防衛計画はどうか…」
日軍事顧問団「はい。今回の状況を見るに、該当するのはケース1でしょうね。想定内容は、バルカン半島諸国による全方位同時侵攻」
オスマンさん「よし、やるからには勝つぞ!出し惜しみはせん!」
日軍事顧問団(ぶっちゃけていうと、野戦で全面的にぶつかり合ってたら兵力差からいずれ押し負けるだろうから、一歩引いて要衝を使って火力で殴れ…だが。うまくいけばいいが)


ソフィアさん「進撃でありますですのよ!一気にコンスタンティノープルを突くのです!」

ド ワ オ ! !

ブルガリア陸軍「ぎゃん!!」
ソフィアさん「な、何事!?」
トラキア防衛線「凄い威力だ!さすが列車砲!」
オスマンさん「ようし!いいぞ!ここで弾薬を惜しんでおれるか!糸目をつけず放て!」
ソフィアさん「お、恐れることはありません!オスマン帝国など敵ではございませんです!と、突撃!」

(トラキアの戦い)

激戦の末、オスマン帝国が防衛に成功しました。この戦闘の結果、ブルガリア軍はエディルネ前面で大打撃を受け再編のため後退。トラキア地方の要衝を巡った争いとはいえ、財布の中身を考えない火力戦はオスマン帝国に「近代戦とは、こんなに金がかかるものだったのか」と憮然とした思いを植え付けました。

グラードさん「鄙の輩は発想からして駄目でおじゃるなあ。この戦争はマケドニアを真っ先に押さえたものの勝ちでおじゃるよ」
モンテさん「う、うん…(なんだか凄く悪い予感がする…)」
グラードさん「我らがマケドニアに一番乗りでおじゃる!」

マケドニア人義勇兵「苦闘の末やってきた、俺たちの自治、そして独立への希望…」
アルバニア人義勇兵「ここで諸国が侵攻してくるのは、それが気に食わぬからに他ならん」
マケドニア人義勇兵「積年の恨みはさておき、侵略者をたたき出さねば!」

(スコピエの戦い) 

20 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:02:42
セルビア・モンテネグロ連合軍は、北部マケドニアを制圧しつつありました。マケドニア地方の要衝スコピエを攻略してさらに西進および南下を…と思いきや、スコピエに備えられた火力に悩まされることに。まあぶっちゃけ、アルバニア方面の防衛を半ば捨てて、スコピエ防衛に注力するという思い切りすぎた作戦案のためですが。連合軍は主力を拘束されたものの、クマノヴォを攻略し、じりじり南下しつつはありました。

パルテのん「イピロスはあっけなく占領や。ほんまオスマン帝国を恐れてたのがアホみたいやな!次はテッサロニキ(トルコ名セラーニク)やな!わたしがいただきや!」

日軍事顧問団「対ギリシャに関しては、陸では要衝セラーニクでの迎撃に専念。海に関しては北エーゲ海で迎撃する計画ですな。海軍は積極的に動かすためにあるものです。受動的になっては追い込まれるだけです」
オスマンさん「うむ。イピロス地方を敵に渡すのは痛いが、周辺国全てが襲いかかってくるようでは、陸ではかなり厳しいからな。まずは敵艦隊を撃破することが先決。それさえ出来れば、本土からの増援輸送も容易になる」

パルテのん「おっとその前に、まずはダーダネルス海峡を封鎖しやな。海軍出撃!オスマン海軍はイタリアに叩かれてぼろぼろや!ドイツ製の最新戦艦を加えたギリシャ海軍はエーゲ海最強やで!エーゲ海はもはや我が物に等しいわ!」
サラミス「といわれても、ドイツから来たばかりだぞ。まだ訓練が全然足りてないのだが」
アルテミシオン「そうであっても敵の主力戦艦は旧式の前弩級戦艦だそうだ。我らドイツ製新鋭戦艦の敵ではない」
イェロギオフ・アヴェロフ「噂では日本から新型の弩級戦艦がやってきたとか…」
パルテのん「心配することはあらへん。サツマ型戦艦の主砲を減らして安くした廉価版らしいわ。大したことないやろ」

オスマンさん「よし、全力出撃だ!」
レシャディエ「うーん。なにやら日本生まれの艦艇がおおいような」
スルタン・オスマン1世「ですね。というか、私たちを動かすための人員抽出で、旧式艦艇の多くが休業状態というか…」
バルバロス・ハイレッディン「まああたしはイギリス生まれの富士型戦艦だけどね」
ターイフ「浅間型装甲巡洋艦の元浅間です。流れながされ欧州まで…」
エルトゥールル「同じく元常磐です…いっちゃわるいですが、新しい名前がちょっと縁起悪くない?日土友好の架け橋とはいっても…」

サラミス「…艦隊規模の排煙だ。どうやら迎撃に出てきたような」
アルテミシオン「このまま海峡を封鎖されてから慌てて出てくるかと思ったが、こしゃくな」
イェロギオフ・アヴェロフ「あれ…なんだか煙の数が思ったより多くない?」
イドラ型海防戦艦×三「なんだか扱いが酷い気が!」 

21 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:03:16
サラミス「まずは我々からいくぞ!我がドイツの戦艦は世界一ィ!撃ち方始め!」
アルテミシオン「主砲門数は我らは30.5cm砲連装五基で10門。そちらは連装三基で6門。同じ弩級戦艦でも歴然たる差だ!」
レシャディエ「(どがっ)あたっ。んー?」
スルタン・オスマン1世「えと、あれー?」
サラミス「思ったより堅いな!砲を減らした代わり装甲を強化したか?」
アルテミシオン「なるほど。愚かな!火力なくして勝利無し!……む?」
サラミス「ん、どうした?次発発砲まだか?」
アルテミシオン「いや…その……錬度の問題かで…廃莢に手間取っていてだな…うむっ…出そう出ない…んっ…ぅ…」
サラミス「な、何をやっているの!…そういえば私の砲もちょっと手間取って…」
レシャディエ「えーと、トラブルかな?まあいいや。誤解があるようでなんだけどねー」
スルタン・オスマン1世「私たち、弩級戦艦じゃないんですよねー」
サラミス「なんだ?弩級戦艦じゃない?(装填まだ!?)」
アルテミシオン「まさか統制射撃もできない前弩級だとでも?(んっ、んぅっ…よし出たぁっ!装填急いでぇっ!)」
レシャディエ「いやー…そうじゃなくってねー…私ら、小さくても超弩級戦艦なんだわ」
スルタン・オスマン1世「引きつけてのぉ…36センチすまーっしゅ☆」
アルテミシオン「こ、これは30センチ級の砲じゃないっ!?(ドムゴォッ)ぎゃーっ!」
サラミス「ア、アルテミシオンーッ!?超弩級だとっ…ばかな!そんな情報は聞いていないっ!」
レシャディエ「お、当たった当たった…錬度から近距離砲戦を選んだのは間違いじゃなかったな」
アルテミシオン「うきゅー…」
スルタン・オスマン1世「ってあれ?今ので?装甲薄すぎじゃないですか?」
レシャディエ「まあ、敵が弱い分にはいい。さっさと片付けるぞ!」
サラミス「あ、あああ…退避ーっ」

イェロギオフ・アヴェロフ「ラッシュラッシュラッシュ!例え戦艦でも!手数で押せば!何時かは!」
バルバロス・ハイレッディン「あたたた!あたしゃ前弩級だけど、殴り合いで装甲巡洋艦に負けるかボケェ!(ドオゴォ)」
イェロギオフ・アヴェロフ「あぐっ…き、効いたぜ…ッ、やべ!?こ、ここはお前の勝ちにしておいてやるっ!煙幕展開っ!」
バルバロス・ハイレッディン「あら、意外に堅い…っておいこら!逃げるな!くそ、装甲巡洋艦だけに足は速いな、畜生」

レシャディエ「よっしゃ、侵攻してきた敵を追い返したから勝ったどー」
スルタン・オスマン1世「完勝ではないとはいえ、初陣で勝利はめでたいな!」
バルバロス・ハイレッディン「このくらいで喜んで、若い子は可愛いね。ま、新生オスマン海軍にしたら大殊勲だろうしね。あたしゃ相手に逃げられたけどさ。そういや巡洋艦の連中は無事かい?」
エルトゥールル「あー、はい。敵の海防戦艦と殴り合ってました。うち2隻を中破に追い込みましたが…」
ターイフ「5000トンくらいの図体のくせに、砲が大口径で思ったより痛かったです。あと魚雷喰らって傾いてるんですが、あっあっ」
レシャディエ「あー…タイーフもあれだし、一端後退するか」

第二次エーゲ海海戦。本海戦に於いてオスマン帝国海軍は、カンペもとい行動指針「そう簡単に沈まないから先頭艦に続いていって、あとは気合い入れて殴れ」に沿って殴り合いを開始。防御力と錬度の不足もあった『アルテミシオン』を撃破(損害復旧に失敗し沈没)、ギリシャ艦隊司令部に大きな衝撃を与えることに成功し、撤退に追い込みました。とはいえ体制が乱れていたこともあり、追撃は断念していおます。

オスマン帝国側は超弩級戦艦2隻と前弩級戦艦が小破~中破。装甲巡洋艦1隻が大破。駆逐艦2隻を喪失。
ギリシャ側は弩級戦艦1隻を撃沈され、また1隻が砲塔2基を破損し中破。装甲巡洋艦1隻と海防戦艦2が中破判定。また撤退援護を行った際、駆逐艦2隻を失っています。

パルテのん「な、なんでやああああ!あのジャガイモ!欠陥戦艦を掴ませてよってからに!!あとで返金させたるわ!!!」

このときのギリシャの訴えは「建造費低減のために装甲を薄くしたのはそちらの要望によるものである」「勝てるっていったやろ!」「仮想敵が12インチ級砲の戦艦と想定した場合、十分といったまで」「そんないいわけなんかいらんわ!さっさと返金し!」「契約は完了済みである。むしろそちらの乗員の錬度と戦術に問題があったのだろう」「なんやてー!!」と取り付く島もなく却下されたのでした。なお、戦艦サラミスと装甲巡洋艦アヴェロフは、ギリシャ海軍に長らく在籍することになります。 

22 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:03:48
オスマンさん「勝った…勝ったぞ!!今日を海軍記念日にするぞ!石碑も建立しよう!」
日軍事顧問団「こほん。失礼。まずは戦争を終えることを優先するべきでは」
オスマンさん「む…それもそうだな。セラーニクの戦況はどうかな」

ギリシャ陸軍「テッサロニキ奪取こそ我らの悲願!エーゲ海を我らのものに!」
セラーニク防衛線「むむ、来たな。海戦には勝ったそうだが、頼みの海軍も後退…うむむ、これは厳しい。しかしここを落とされることは、マケドニア戦線の崩壊につながる。負けられん」

セラーニクの戦い。この戦いでは、要衝防衛に傾注して兵力を集中したオスマントルコ側が備蓄弾薬をはき出す勢いで火力を投射。ギリシャ艦隊撃退の報によって向上した士気もあり、少なからぬ損害を出しつつも猛攻を加えるギリシャ軍への持久に成功。本土からの増援戦力の到着を待って逆侵攻を行う予定でした。

ソフィアさん「あいええええええ……(ぐったり)」
パルテのん「海軍が、海軍がぁぁ…」
グラードさん「ま、まだまだ、マケドニア北部は、麿が制圧してるでおじゃる…(スコピエを落とせなかった上、死傷者も少なくないでおじゃる。敵の火力を見る限り、増援が来たら厳しいでおじゃるな…)」
モンテさん「ふぎゅー…」
オスマンさん「ふ、ふう。まずは押さえたか。反撃を…(損害も少なからぬうえ、そろそろ弾薬備蓄が厳しくなってきたが)」

ハプスブルクさん「さすがにそろそろ終えたほうがいいのでは?講和を仲介いたしますよ?(ここで存在感を出さないと!)」
マカロニさん「僕のイタリア軍ですら苦戦したんだから、三流国の軍隊なんてあんなものさっ…ふんっ!」
ゲルマニアさん「なんだと!オスマン帝国が耐久に成功とは、予想外にもほどがある!これだと敗戦後のオスマン帝国につけいる目論みが!」
しろくまくん「クマー…この戦争の火力といい、オスマン帝国は日本が支援しているクマー…それに黒海対岸に超弩級戦艦が居座ることになってしまったクマ。裏目に出てどうしたものクマ…」


ジョンブルさん「ふむむ。やはり時代は火力戦か。日露の戦訓を考えても、来たるべき戦争には、私も対策を練っておかねば。ギリシャが負けすぎるのも困るしな…介入すべきだな。とはいえ、ただの一方的な肩入れでは、オスマン帝国をただドイツ側に追いやる事にしかならん。ここまでお膳出せされたのにそれでは、英国紳士の名が泣く。ここは一つ考えねば。ふむ。ラクゴでいう三者一ソブリン損ではどうだろうか…」 

23 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:04:20
オスマンさん「国境線を旧に復すること。象徴的な賠償金支払い。アルバニア及びマケドニア地方の自治方針について了承すること。10年期限の相互不可侵。これにはアルバニア・マケドニア地方を含むものとする…これでどうだろうか?」
ハプスブルクさん「(私としては望ましいですが、厳しそうな…)バルカン半島諸国はどうでしょう?」
ソフィアさん「そ、そんな条件のめませんでありますです!歴史的にいって間違っているのですあります!」
グラードさん「まったくでおじゃ!マケドニアは我がキリスト教世界に戻すべきおでじゃっ!」
モンテさん「えーっと、なんかふたりとも口調が壊れてきてるような…」
パルテのん「げ、現状の領域を新国境にすべきや!それが一番にきまっとる!!(せめてイピロス地域だけはぶんどったる!)」
ハプスブルクさん「(ですよねえ…ここで押してもこじれるでしょうし。どうしたものでしょうか)そうですか」

オスマンさん「(面倒の坩堝となりかねぬアルバニアとマケドニアを円満に帝国から切り離して、いわゆるキリスト教世界に押しつけようとしたのだが…彼らにそれをいっても始まらぬか)そうか。交渉決裂か…残念だ。では増援を投入しようか。ギリシャ艦隊を撃退したし、洋上輸送にも問題はないぞ。(実際はいろいろと厳しいが…)」
ソフィアさん「そ、それは、ええっと、まだまけてませんし…」
グラードさん「か、かかってこいでおじゃるよ…(同盟による包囲網もあるでおじゃる。このまま続ければなんとか…)」
モンテさん「うわ…ふたりともぼうよみに…」
ルテのん「…せへん」
ハプスブルクさん「ギリシャはどうでしょうか?」
パルテのん「許せへん!マケドニアにはギリシャ人が住んでるんや!クレタ島にも!ドデカネス諸島にもや!我がギリシャに帰属せなあかんのや!」
ハプスブルクさん「は?さっきから要求が凄く前進してますけど…」
オスマンさん「ふむ。ギリシャ系住民が住んでいるから、領有すべきだと?」
パルテのん「あたりまえや!ギリシャ人がいるんやったら保護せなならんのや!」
ハプスブルクさん「うーん、ちょっとこれはどうかと…」
オスマンさん(ふむう…急進的なギリシャの欲望には限りがない。これを放置してはまたいつ侵攻してくるかわからん。かといってこれ以上の打撃を与えるのも厳しいし、こちらから譲歩をするのも難しい。だがイギリスの介入も怖い。なんとかバルカン半島からうまく足抜けできぬものか…)


ジョンブルさん「ふむ。これでは双方とも収まるまい。私の案を出してよいかね?地中海の情勢については、私も関係しているのでね」
パルテのん「(よっしゃ来た来た!うちの援軍がきた~!これで勝つる!)」
ハプスブルクさん「あら…これを纏めてくださるのなら、よいですけど」
ジョンブルさん「うむ。任せたまえ。まず、ギリシャ王国はイピロス地域を領有する」
オスマンさん「むう…(やはりギリシャ寄りか。しかし実際、ギリシャの相手ばかりしておれん。もとよりアルバニア・マケドニアとあわせて切り離す予定の土地ではある。他国からそう扱われるのは癪ではあるが…)」
パルテのん「よしよし。これで最小限の面目はつくわ。もう一声!」
ジョンブルさん「またギリシャ王国とオスマン帝国の係争地であるクレタ島は、我が国が統治権を買い取る。後の住民投票で独立可否を決定する。独立となった場合は、我が国が独立を保証する」
パルテのん「え、ええっ!ちょっとそれは困るわ!」
ジョンブルさん「(まあ待ちたまえ。独立後、融和的に接していれば、双方の合意で併合することも可能なのだよ)」
パルテのん「(な、なるほど!お代官様も悪やなあ…)」
ジョンブルさん「(まあ独立投票を行う期日は決めていないし、独立となったとしても軍事拠点を永久に置くつもりだがね…)また、係争地であるアクシオス川以西はバルカン半島に平和が戻り次第、順次ギリシャへ売却とする。またテッサロニキ一帯は、マケドニアが独立した場合において、ギリシャとマケドニアに優先購入権が生じる。(オスマン帝国としても、欧州寄りの土地は維持できないとみているはず。資金に変わるのならまだ譲歩できる余地があるはずだ。ここで面子に固執しなければだが…)」
オスマンさん「うむむ。(ギリシャ戦線はやや優勢状態とはいえ包囲網もあって長期的に見ると厳しいしな。しかし、クレタ島の買い取りとは!我が帝国からの速やかな独立か、下手をすればギリシャへの一方的割譲を要求されると思ったが!おそらく日本のおかげだろう…それに客観的に考えるとバルカン半島からの足抜けというこちらの本音を一通り満たしている!うむ、これは唸るほかない…)」 

24 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:05:03
ジョンブルさん「なお、ギリシャ王国とオスマン帝国間での係争となりうる居住民問題については、段階的な住民交換を行うことで中長期的に解決する。(ギリシャが膨張主義を抱いたままというのは我が世界戦略を乱す種になりかねんのでね。資金融資の条件にも膨張主義を抑止する種を仕込まねばな?悪く思わないでくれたまえ!)」
パルテのん「そらええな。(現状にしては好条件!マケドニアの独立はこれまでの経緯からして間違いなしやしな!これはいただきや!購入資金とかは融資を受けなあかんやろけど、ごね得万歳!)」
オスマンさん「うむ…飲めないことはないな。(小アジアへの撤収は既定路線ではあるし。切り離すはずの土地や係争地が売却という形になったから、まだしもか。国内の近代化にはまだまだ資金が必要だからな。それに住民交換というのは悪くない。ギリシャよりではあるが一応の第三者である英国の仲介というのも、国内への説明に使える。戦勝を以てこの結果になったことは『もはやアルバニア・マケドニアの面倒は見切れぬ』という戦前からの論の延長で宣撫するか)」
ジョンブルさん「またアルバニア及びマケドニア地方の扱いについてや、相互不可侵に関しては、先にオスマン帝国が提案した条件を受け入れる。ただし賠償金はなしだ。以上をもって、ギリシャ王国とオスマン帝国間での戦争『は』終結とする。どうかね?」
ハプスブルクさん「ふむふむ。その内容なら、私には異存はありませんね」
パルテのん「うーん…まあええやろ、いちぬけた!」
オスマンさん「なるほど。これで三方面戦が終わるわけか…了承した。(一見ギリシャに優位ではあるが、こちらにも益はある。帝国再編への重荷が減ったと考えれば悪くない。それに大英帝国がわざわざ身銭を切る仲裁案を出してきたのだ。これを蹴るのは危険だ!)」
ジョンブルさん「うむ。よろしい。それと先の条件はギリシャ・オスマン帝国間のものだから、他の三国には適用されんよ。当然だろう?」

ソフィアさん「え…?」
グラードさん「おじゃ…?」
モンテさん「えー…えええ!?」
オスマンさん「どうする?私はまだやれるぞ…(もはやマケドニア防衛の必要性も弱くなったが、国威的にすぐに引くわけにもいかぬしな)」
ジョンブルさん(アルバニアとマケドニアの独立は決まった。親ロシア勢力の伸張も抑えられるだろう。あとはオーストリアに任せるか)
ハプスブルクさん「どうします?最初の条件が有効なのはあと30秒です♪(アルバニアとマケドニアの独立は望ましいですしねー)」
モンテさん「あっ、はい。サインしますね」
ソフィアさん「ぐぬぬ……今回はそちらの勝ちにしておいてあげますっ!(オーストリアの介入は避けたいです…)」
グラードさん「ぐぬぬ、でおじゃる…(次は見ていろでおじゃる!)」

ジョンブルさん(よしよし。地中海の要衝の一つクレタ島を押さえるのに最良のタイミングで介入できた。オスマン帝国がここまでやったからこその好機。無駄にはできん。ギリシャ王国には、軍事的に劣勢な状況でありながら我が援護射撃で領土を獲得できる権利を得るという飴を与え。オスマン帝国にはバルカン半島からの利益のある撤退という飴と、さらに軍事的フリーハンドを用意することで名誉ある講和を得る。さらに私はクレタ島をさしたる摩擦もなく、適度な価格で入手できる。どちらかに肩入れするのではなく、両方をそれなりに満足させ、自らが一番の利益を取る。友好国の面倒も見つつ、さらにドイツの東方戦略の阻害も図る。世界帝国の戦略とはかくも面倒なものだ…ふふふ)」

(ウィーン講和条約、クレタ島の帰属に関する同意書、希土両国間の領土売却に関する同意書、希土住民交換条約など、成立)

イギリスの援護射撃もあり、表面上ギリシャに有利な講和条約となりました。オスマン帝国としてはもともと切り離す予定の地域だったとはいえ、民意もあり英国とは若干距離を置くことになりました。ただし名誉もおおむね守られることもあり、反英への傾倒は避けられています。 これにはオスマン帝国が友好国と認識している日本が、英国と緊密な同盟関係にあることも加味しての判断も含まれています。
各地の領土を買収することになったギリシャの懐具合はしばらくの間、厳しいものになるでしょう。もしかするともうすぐ輸出ボーナス期がくるかもなので、そこでの挽回に期待しましょう。 

25 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:05:36
ドテラ撫子さん「うーん、なんだか出番がぜんぜんなかったような。ロンドンから『軍事支援はしばらく控えてね。いまあそこデリケートだから』という電報は来てますが…」
小人さん(うーん。バルカン半島に火種は残ったか。いや消え去るわけがないような土地だけどさ。やはり大戦への準備は進めておくべきだね。あのテクニカル馬車から派生した戦車っぽいものの改良も進めないと。広い射界をもった旋回砲塔を備え、車体後部に隔離された内燃機関ルームを配置し、車長と操縦手と砲手の役割の分離をおこなうのが最適解だけども。人員・予算とも不足ないこともあって試行錯誤の幅が大きいのが逆に悩みだよ。最適解への道筋をそのまま開陳したら、ひたすら先を行き過ぎかねない。かといって放置しておいたら獣道へと分け入りかねない。世界の大半からしてみたら凄まじく贅沢な悩みだろうどさ…)

 

おまけ。各国の対支那ビジョン。

マリアンヌさん(支那の美術品は素晴らしいものが多くて好ましいですけれど、それとこれとは話が違いますわ。わたくしの大切な利権を脅かすものなどあってはなりません)
ゲルマニアさん(黄色人種の強国が誕生する余地などもはや許してはならん。むしろ支那分割会議各国を中心として、白色同盟として団結すべきだ!)
ガンマンさん(支那分割は紛れもない悪事かもしれない。けど、これは俺にとって絶対に必要なことだ……なぜなら、儲かる臭いがぷんぷんするからだ!支那のどこかに保護国を設けるのもいいな!夢が広がる…薔薇色の未来が俺を待っている!)
ネーデルさん(支那が近代化しても、日本のように話の分かる国になる可能性は絶無だね。彼らの民族意識の根幹にある中華思想じたい、欧州文明のエッセンスで作られた世界秩序とは相容れないだろう)
ジョンブルさん(日本とアメリカだけでも世界の積載量は一杯一杯。これで統一された支那など定員オーバーなのだ。うむ、またも世界にとって良いことをした)
カステラさん(どうしようこのままだとマカオを失ってしまう!だけど共和制に移行したらよけいぼろぼろになったしどうしよう!)


つづく? 

26 :わかる?の人:2014/05/13(火) 00:06:16
前版への指摘をうけて、バルカン情勢へのジョンブルさんの介入を追加しました。英国としての利益追求もあって、腹黒節発動ですが。
私の書くジョンブルさんはこうやって外交活動を装った策謀とかやらせると妙にてかてか輝くんですが、どうしてでしょうか。
ぶっちゃけドテラ撫子さん・小人さんペアより動かしやすいというか…

 

用語解説
>三者一ソブリン損
三方一両損の英国風読み替え。大岡裁きの三方一両損は、結論だけを見れば、純粋に近代的な司法機関としてどうかという判決という指摘もありましたが『身近でのこじれたトラブルを当事者間で円満に解決してもらうために、社会的に上位の権威者に裁定を願う』という江戸期日本での一般習慣への対応であって、一般法の判決には影響しない、と説明を受けた模様です。この種の習慣は『お上の裁定』に対する一般庶民からの信頼を示すということでもありましたが。 

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最終更新:2015年06月01日 21:00