852 :475:2014/01/09(木) 05:50:08
寝られないので、投下します。

「ポルトガル海軍興亡史(仮)」

…関ヶ原の戦い以後、徳川幕府により新しい統治体制が構築された。
そこでは、賢明にして絶対的な統治機構たる徳川幕府が、後の歴史家によって、「限りある所領の節度ある再分配」と評された日本全国の領土の再編を行っていた。
その中で、再編を余儀なくされた藩の一つに、鳥羽藩があった。
日本における水軍の第一人者九鬼嘉隆を関ヶ原の戦いの余波で失い、安堵されたはずの領土はお家騒動によって、幕府によって取り上げられようとしていた。
政治的な混乱を防ぎ且つ経済的な利潤を生みだすための海賊は、鳥羽藩にとっては必然だったといえる。

「一体、何をお読みになっているのですか艦長?」
ポルトガル王立海軍大尉アメーリコ ・ デ ・ デウス ロドリゲス トマスが声のした方を見ると、自らの艦、駆逐艦ドウロの副長であるウンベルト ・ ダ ・ シルヴァ・デルガドが立っていた。
「ああ、これは『新日本見聞録』と言って、日本の地誌についてまとめた著書で、今読んでいるのは、ブルネイ王国に雇われて、我がポルトガルと戦った海賊の話だ」
「日本ですか…やはり彼らもサムライだったのですか?」
「そうだ、彼らはシマというところを根城にしたクキというサムライだ」
「そうですか、しかしイメージが重なりませんね、なんというか、その今の彼らと」
そう言って、彼は窓の外を見た、そこには大日本帝国海軍第二遣欧艦隊が休息のため停泊していた。
「いや、同じだよ、私は港で何人か日本人を見たが、彼らの目は皆闘志に溢れていたよ。おそらくだが、彼らは、いつまでもサムライであり続けるだろう、そしてそのサムライたちと共にあり続けることこそ、祖国に真の福音をもたらすはずだ。しかし、その恩寵を受けるには、我らも一定の力を持たねばならん」
トマスとデルガドは、この日決意を新たにした。1918年4月18日リスボンでのことだった。


ポルトガル王国、この国が近代国家となる切っ掛けを作ったのは、有望王ことペドロ五世だと言われる。
彼の40年の治世の中で、ポルトガル王国は近代国家へと変貌を遂げた。
アンゴラとモザンビークを結ぶ形での植民地保有、所謂バラ色の地図計画こそ断念したが、収奪型植民地経営から、投資型植民地経営への転換を行った、ポルトガル王国は列強には及ばないものの、斜陽国家からは完全に脱出していた。
第一次世界大戦では、親協商の中立を貫き、戦後の深刻な不況をシドニオ・パイス率いる強権的な内閣による公共事業によって、何とか切り抜けていた。
そんな中で、公共事業の一つとして、戦艦の保有計画が持ち上がった。今までにもこの様な計画はあったが、政府は財政面が優れ無い事、大西洋に無用な緊張を強いること、などを理由にこれを拒否していた。
しかし今回は、海軍国家としての象徴を望む国民と国民からの支持率を高めたい政権側の思惑が一致し、更に造船界をはじめとした、資本家たちが乗っかって、ポルトガル王立海軍は、戦艦を建造することとなった。
二つの懸案事項の内、財政面については国防献金を募ることで解決し、もう一つの懸案事項であった、大西洋における国家間の緊張については、日、英、独、米、仏などが建艦競争を繰り広げている現状では、さして問題がないものとされた。

こうして、ポルトガル海軍は戦艦を保有する事と成り、設計はドイツのフルカン社が担当した。
機関はワグナー式重油専焼高圧水管缶とゲルマニア式ギヤードタービンが搭載され、28ノットを発揮した。
武装面では、主砲はヴィカーズ社製の36センチ連装砲、副砲も同じく英国製15.2センチ速射砲10基。この他に、53.3センチ水上魚雷発射管2基などがある。
反面、防御は対13インチ防御であり、同社が戦前に設計したサラミス級の実質的な焼き直しとなっている。
排水量は常備20000頓、満載22400頓と、サラミス級より増えている。この他、後にはスウェーデンのアクア・ビット社製のレーダーも搭載され、艦名はポルトガル海軍の新たなる門出の象徴として、「エンリケ航海王子」級とされた。


取りあえず、これで一旦終わり排水量とか、武装とか、装甲とかが滅茶苦茶かもしれないけど、戦艦の設計とか考えたのは初めてなので、何卒大目に見てください。
後、上の方でコジマ汚染が、とか言ったけどAC要素は、あまり入れられなかった。無念…


853 :475:2014/01/09(木) 06:01:36

初めの方の会話は、トマスさんが戦艦建造の建白書を政府に、提出するための、伏線だったと考えてください。
ホントは対米開戦までやりたかったけど、戦艦を考えるだけで手いっぱいだったし同時並行で考えてた、「大陸日本版東京都市計画史」の方が固まってきたので、暫くはポルトガルから離れます。というか、続きを書くかすら分からない。

デパートの方もやりたいけど、鹿鳴館時代のいい資料が見つからなくて困ってます。
どなたか、ご存知の方がいたら教えてください。

※転載者による追加
892 :yukikaze:2014/01/10(金) 01:05:58
どうもお久しぶりです。親不知抜いて7転8倒のyukikazeです。

 >>852
ぶっちゃけこの排水量でこのスペックは不可能です(汗)
基本的には攻防走の内、どれか一つは達成できますが、残り2つは諦めてくださいレベル。
基準排水量で26,000tクラスで、一つは満足でき、一つはまあ妥協できるレベルで最後の一つは不満が残るレベル。このスペックを高いレベルで満足させるには基準排水量が30,000tは必要かと。(もっと言えば、造機部門と船体設計で疑問符がつけられているドイツ製というのが・・・)

ちなみにドイツ艦で基準排水量が25,000tレベルにまで緩和されるのでしたら、デアフリンガー級巡洋戦艦か、バイエルン級戦艦の砲火力低下型が売却されるでしょうねえ。


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最終更新:2014年07月27日 23:11