―――模擬戦闘から、数か月が経った
第九世代開発予算はドンと増えたが、問題は山積みだった

機関部の出力不足・・・
冷却が追い付かずに熱暴走・・・
エナジーウィングの不調・・・
G軽減装置の開発・・・
クラッシュブースター改良・・・

と大量にあった。


それらの問題を解消するために僕らは走り回り、徹夜する事さえあった

それを見たモニカさんが差し入れをくれましたが、カップラーメンでした(苦笑)
僕達は食い飽きたなーと思いながら食べてみました










滅茶苦茶美味しかった・・・






そんなこんながあって、第八世代のデスティニーの改良が終わり、試験結果が良好だったため
第九世代の機体の製造に取り掛かることになった

モデル機体は、僕の前世の世界で僕が乗るはずだった機体フリーダムだそうだ
その機体は一機当千な活躍で、敵無しだったそうです。僕には想像がつきません
だからこそ、この世界で最強の冠を飾るのに相応しいとか


ついに、完成した機体を見た僕は
「す・・・・すごい・・・・」
思わず泣いてしまった。

そうなるほど、機体は流麗で美しかった。


機体を調整して、いよいよモニカさんが初搭乗する日が来た
モニカさんは僕が前世で来たパイロットスーツのようなスーツを着て
機体を動かし始める

本当に初めて乗ったとは思えないほど綺麗な軌道を描きながら機動していく
周りが止めようとしたが、開発主任が自由にやらせようと言い、そのまま演習へと移行した


モニカさんはフリーダムを意のままに操り、演習に用意された仮想敵を次々と撃破していく
その様子を見ていた僕は心の奥からグラグラと湧く気持ちがあった

「おや?どうしましたか?まるで、戦ってみたいという顔つきしていますよ?」
「・・・・わかりますか?僕は戦いは嫌いだった筈ですが、どうやら、そうでもなかったようですね
あのモニカさんともう一度戦ってみたいんです。前のストライクのリベンジしたいですし」
「そうなると思って、ジャスティス改が用意していますよ。ほら、速く準備してきなさい」

用意がいいなーと思いながらも、僕はお辞儀しながら、すぐに走り出して
さっと着替えて、ジャスティス改に乗る

OSからはオールグリーンを知らせてくれ、異常がなかった為、僕は発進する
「ジャスティス改!いきまーす!」

僕は広場の所で静かに降り立ち、モニカさんが来るまで待つ
遠くから爆発音が聞こえる以外は静かな空間だ
その音を聞きながら集中力を高めるために瞑想する

やがて、僕は頬をピクリと動かすと呟く
「来た・・・・」
目を開けてみれば、上空からフリーダムが舞うように降りてきた

両手にはヴァリスは無く、MVSを抜刀状態で構えていた。
僕もそれに応えるかのようにライフルを腰にしまうと、MVSを構える


お互いに間合いを取り、沈黙の時が流れる・・・・


先に動いたのはフリーダムだった
袈裟掛けに来たので、僕は左手のMVSで防ぎ、右手で刺突しようとするがフリーダムは剣の先で弾かれた。
そして、下がるのが見えたのでハーケンを飛ばすがハーケンによって落とされ、両腕のハーケンが来たが
僕は無視するかのように突撃し、フリーダムに斬りかかる


そこから先は剣舞だった
お互いに斬り、かわし、時々体術が飛ぶ。2機はギリギリ紙一重に攻撃をかわし続ける
まるで舞を舞っているかのような印象を開発者達は受けた


第七世代機であるジャスティスがここまで対等に戦える理由としては2つある

一つは、試作機であるが故に常に先端技術を取り入れ続けて、進化を続けていることだ
これは、高性能なパーツを常に組み立てることで操縦はピーキーになり、操縦が難しくなるが
機体の性能は新世代技術機を除いて破格の性能になっているのである


もう一つは、僕にあった


(・・・見える!)
僕は斜め袈裟切りに来るMVSをかわす

(モニカさんは速いが・・・・デスティニーよりも速くない!!)
これは、モニカさんがフリーダム搭乗経験は初めて、デスティニーのパイロットほど修羅場を経験してない事
その2つがあることで、フリーダムの動きが見えているのだ。

さらに、ストライクイーグルでの模擬戦で行った時の剣筋の癖を見て覚えたのも大きいだろう
実際に何処からが来やすいのか予想できれば、かわすのは容易いといえた




永遠に続くかと思われた剣舞は急に終わりを迎えた
フリーダムが僅かにミスをして、空振ってしまったのだ

当然、見逃す僕ではなく、膝蹴りの上で回し蹴りをする
吹き飛ぶフリーダムに止めを刺そうと、武器を構え突進した

(勝った!!)

僕がそう確信した瞬間、フリーダムが腕と胸のハーケンを時間差で飛ばしてくる
腕のはMVSで払えたが、胸のは無理だっため、跳んでかわす

そして、肩からハドロン砲が撃ってきたが、これも落ち着いてブレイズルミナスで受け流す
着地した瞬間、爆発的な推進力をもって、最接近し、大きく振りかぶる
斜めに斬りあげた瞬間、フリーダムの姿を消した

僕は嫌な予感がし咄嗟に腕を防御しようとしたが、間に合わず両手が斬り上げられていた

見れば、フリーダムが立っており、MVSを向けるところだった
僕はやられたかなーとぼんやりと思ったが、試験終了の合図が来て、試験が終わった


僕は、ため息をついて、通信を入れる

「お疲れ様です」
『えっと・・・あなたは』

モニターに映ったモニカさんが驚いている。そうだろう、今までの機体が無人機だったのだから

『もしかして・・・目の前のジャスティスには・・・』
「ええ。僕が乗っています」
『わ、私とんでもないことを・・・!!』
「申し訳ないけど・・・最初からどちらもMVSは作動していませんよ?」
『へ?』
「安全装置の為にスイッチを切っていたんですよ。それでも最後に腕を斬ることができたのはあなたの純粋な腕で斬ったのですよ」
『そ・・・・そうだったんですか・・・』

安堵の表情で崩れ落ちる、モニカさんに僕達は大苦笑で見ていた



こうして、試験が終わった。
フリーダムはクラッシュブースターを掛けたせいで、いきなりオーバーホール行きとなった
それでも多くの情報が収集できたことは幸いだろう

        • これが、僕とフリーダムとの最初で最後の戦いだった



終わり

影響を受ける人様はジャスティスのパイロットはお任せしますと言いましたが、自分は僕に乗せていただきました
信君でもよかったのですが、信君が勝ってしまいそうでしたのでw

そろそろ、僕シリーズを終わらせたいと思っています

それでは、また会いましょうノシ

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最終更新:2014年08月18日 17:45