これは、プロジェクトFが始動する前のお話であった

第八世代エナジーウィング搭載機デスティニーを完成させていたが、その有り余る出力に誰もが手を焼いていた
あの僕ですら、完全に乗りこなせなかったというから、その機体の異常性が分かるというものだろう

では、出力を落としてみては?という話になるが、そうすると他のバランスが崩れてしまう為
下手に落とすことができず、理論上は最強だが、実証できない状況が続いた。


こうして、エナジーウィングは欠点装置で、開発するべきじゃないという声が上がり始めたのであった・・・・・







そんなある日、僕は開発主任に急に呼び出されて、シミュレータ室に移動した
そこには、多くの人が並んでおり、一人は黒いヘルメットをかぶってバイザーが覆っており、顔は見えなかった

「やあ、待っていたよ」
「あのー・・・今日は何をするのでしょうか?」
「今日はデスティニーの模擬戦です。1対多数のシチュエーションです。
ここにいる人は日本のテストパイロット部隊から選び出された人達です」
「なるほど、僕がデスティニーに乗るわけですか?」
「いいえ、デスティニーは」

開発主任は言葉を切ると、黒い人に向けて

「彼が乗ってもらいます。君はジャスティス改に乗っていただきます」
「彼は・・・誰なんですか?」
「彼の名前は秘密ですねー。そうですね、言える事は一つ」

開発主任は僕に向けて

「幻の撃墜王と言ったところでしょうね」
何か含みのあるような言い方をする








こうして、僕達はシミュレーター機械に入って機動する

僕はジャスティス改、他のテスパイ達はウィンダムであった
戦場は荒野を想定しており、僕達の前にはデスティニーの姿があった


と、アナウンスが入る

「それでは、いよいよ戦闘を始めます。カウントダウン開始・・・5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・スタート」

その声と共にウィンダムが散開する

前衛と後衛に分かれ、フロート付きのは空に飛び立ち、空を占有する、更に波状攻撃が仕掛けれるようにタイミングを合わせる
また、僕とウィンダムが2機バックアップの為に待機していた。


作戦会議通りに行動でき、速やかに追われると確信したその時だったデスティニーの姿がかき消えたと思ったら
いつの間にか空へ飛び立っており、空にいたウィンダム1機を叩き落としていた


エナジーウィングがもたらす莫大な推進力の賜物であった


空中に飛び立った事に気付いたウィンダム達はヴァリス・バズーカ・マシンガン問わずに攻撃を加えて行くが
エナジーウィング翼を全開にしたデスティニーは速く、火線は空を切るばかりであった


そして、もう1機空中にいたウィンダムに近づくとそのまま抜き手で腹部を貫通させる
掴んだままウィンダムを投げ捨てると機関部が損傷したのか爆発を起こす


デスティニーは後ろから脇へとレールガン・ハドロン砲を取り出すと、地上に向けて攻撃する
ハドロン砲の一撃は凄まじく、ブレイズルミナスを展開したウィンダムごと貫通してしまった
レールガンは辛うじて防ぐことはできたものの、次の瞬間には後ろに回り込まれたデスティニーによって撃墜された


と、デスティニーの両側から、ウィンダムが飛び出て、スラッシュハーケンを飛ばし、両腕を拘束するように絡みつかせる
ギリギリと引っ張ろうとするも、デスティニーがそんなの関係ないと言わんばかりに、逆に引っ張り上げられ
転倒した2機とも、ヴァリス・改によって撃墜された

勿論、僕も手をこまねいて見ていたわけではなく、ヴァリスなどの攻撃を入れているものの
デスティニーはスルスルとかわし、必殺の攻撃も一瞬だけ展開したブレイズルミナスによって弾かれたのである


気がつけば、残った機体は僕のジャスティスのみとなっていた。

と、デスティニーはヴァリス・改を捨てると、今まで使わなかったMVSを背中から取り出し
真正面に構えると同時に、エナジーウィング翼が展開され、紅い光を発光すると肩の基部が展開する



そして、高速接近する。その速度は疾風く、残像が見えるほどだった。

「ちぃ!!」

僕は舌打ちをして、素早くMVSを抜き、横凪に切りかかるも
デスティニーは姿をかき消してしまった

「な・・!」

僕は嫌な予感がして、素早く右に倒すと、左手が斬り取られた。
見ればデスティニーがいつの間にか左にいた。

「くっ!クラッシュブースターが完成したのか!?」

あれはまだ未完成だと聞いていたが、完成したのだろうか?
追撃に入ったデスティニーに、バックで下がると今度は右足が斬り飛ばされた

「うおおおおおお!!」
残った左足で蹴りを入れるもデスティニーも蹴りを行っており、脚同士がぶつかり、金属音を奏でるも
出力の違いからか、ジャスティスの脚がひしゃげてしまった

「まだまだー!!」
そのままMVSで斬りかかるも、また姿をかき消してしまった、
そして、後ろに振り返って見たものは


エナジーウィング全開にMVSを前に構えて突撃したデスティニーだった


(・・・僕の・・・負けか・・・)


そして、MVSがジャスティスの腹部を貫通した




こうして模擬戦により、12機のウィンダムと1機のジャスティスが手も足も出せずに一方的に撃墜された事は
エナジーウィング翼搭載機の評価の見直しにつながり、万全を期して開発を続けて行くという事が決定したのであった
この時に乗ったデスティニーのパイロットは公表されておらず、憶測を呼んだものである

こうして、フリーダム計画に障害が無くなったのであった・・・・




















とある部屋に二人がいた

「今日はご苦労様でした」
「ああ、いいですよ。それより約束したものを」
「はい、きちんと予定通りに振り込んでおきます・・・・・やはり、惜しいですね。どうです?我が社で働いてみませんか?」
「いえ、もう戦場はコリゴリですので。せっかくの平和ですから、前世果たせなかった夢をやろうかと思っています。
今日は、たまたまの頼みがあっただけですよ。それに・・・」
「それに?」
「兄としてあいつには一発殴っておきたかったんですよ」

そういって、その場を後にした・・・・




終わり

急に思いついて、書きあげてみた

彼は幻の撃墜王じゃないかな?と思うの。評価されていないという意味で

次は二二三様のリクエストだ!サクラと戦ヴァルどちらから入って行こうかな?

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2014年08月21日 09:54