589 :ライスイン:2014/11/10(月) 23:12:20
1945年5月 東京・夢幻会会合場所


「長かった・・・、やっと終わったか。」

「国際連合も順調な滑り出しで良かったですね。」

「これで一応は世界は安定する、あとはどうやって維持していくかだな。」



           「日米露三国同盟~落日の欧州」21(最終話)



 1945年1月、世界は未曽有の大戦の後始末に追われていた。
国家規模での虐殺や略奪に加え、BC兵器の使用や撤退時の焦土作戦などありとあらゆる残虐行為で欧州は地獄と化していたからだ。
賠償問題に関しては前述の「連合国賠償管理委員会」(※1)が同盟各国の王室・政府や財閥・企業等の保有資産の接収を行った。
流出した雑多な火器での抵抗もあったが戦車部隊まで伴った接収チームの前には無力であった。

 また戦争犯罪者に対する裁判も開始。
”入院していた”ハリファックスや拘束されていたドゴール、そして密に逃げ出そうとして拘束されたヒムラー等を中心に
同盟の主だった戦犯が裁きの場に引き摺り出された(※2)。
彼らの主張は様々であった。

「私はそんな事は言ってもいないしやってない。」  「強制されて仕方なくやったんだ。」  「薄汚い有色人種のくせに・・・。」

など多くは聞くに堪えない醜い主張であった。中には夢の国に旅立った者もいた。
もっとも証拠は大量(目撃者含む)もあって言い逃れは聞かず、殆どの者が有罪となり13階段を上る日を待つ身となった。
ただ残虐行為には加担せず普通に戦っていたマトモな軍人(※3)等は裁きの場には立たされず、また立っても僅かな有期刑で済んでいた。

 そして前述の国家解体・再編成は44年10月1日より強引かつ速やかに実施された。
勿論多大な混乱や反発も生じたが圧倒的な地上軍が投入され、昼夜問わず富嶽やB36をデモ飛行までさせたお蔭で1月末には
形の上では終了していた(統治機構の整備などは未完了)。
これにより欧州には新たな国家や国際自由州などが誕生。同時に豪州でも白人住民の強制移住がほぼ終了していた。
 同時に各国に駐留する軍や警察などは半数以上が同盟各国の旧植民地各国など(※4)が配備された。
同時に極めて厳しい軍備制限も課された(※5)。


 そして1945年5月、戦後処理が一段落した頃、暫定的な存在であった国際連合が正式に発足した。
所属国は日米露を中心とした連合各国で分割・再編成された旧同盟各国は当面の間、オブザーバー参加すら許されなかった。
同時に主導的な役割を果たす安全保障理事会が発足し、常任理事国(※6)には日本・アメリカ・ロシア・イタリア・トルコ・カナダ(※7)
が選ばれた。

590 :ライスイン:2014/11/10(月) 23:12:50
 「やっと望みが叶ったな。」

 「もっとも2位ではなく同率1位ですけどね。」

夢幻会員達も安堵していた日本の平和と安定、そして良好な国際関係(旧同盟除く)が構築できたからだ。
彼らはこれからも平和と安定、そして趣味と実益の為に。


※1:委員会には日本の大蔵省から派遣された大阪ミ○ミで金融業をしていた経歴を持つ官僚が居たという。

※2:各国政府や軍の上層部に加えて捕虜等の強制労働で利益を上げた財閥・企業関係者など。

※3:クーデターを起こしたジロー大将や捕虜になったロンメル、ディートリヒなど残虐行為に加担しなかった軍人など。
   因みに某魔王な大佐は飛行中に品質の悪いガソリンが原因でエンジントラブルが発生し、止むを得ずに攻撃予定だった
   日本軍飛行場に不時着し偶然駐留していた痛い子達に熱烈な歓迎を受け、捕虜とは思えないほどの高待遇を受けていた。

※4:東南アジアやアフリカ・中東各国及び地域など。初めは旧植民地人に抑え込まれることに反発してデモや暴動も発生していたが
   警棒やサーベル、銃弾による対応をされるにつれて徐々に大人しくなっていった。

※5:個別に厳しい制限を課された豪州を除き、各国の規模に応じて兵器の所持禁止や保有制限が課された。

※6:史実とは違い拒否権は持たず3票分の投票権を持ち、また一定の軍備保有や予算滞納不可などの制限もある。

※7:戦争中に英本国や連邦各国などからの亡命者やその他の移住者のお蔭で人口が大幅に増加していた。

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最終更新:2015年02月01日 19:15