五月五日。それは日本ではこどもの日であり
全国で鎧を飾る日と大まかに認識されている



嶋田家も古い家系らしく、家宝の鎧を出して飾っているのだが
その家主である嶋田繁太郎は非常に憂鬱であった。

なぜなら・・・・





嶋田家の庭に用意された巻き藁を着けた竹
その竹に向かってゆっくりと近づいていく人物がいた。
それは手に刀を持ってた
ある程度の距離に近づいたら停止する

そのまま止まったかのように時間が流れていった・・・・が
落ち葉が地面に落ちた瞬間、目にも留まらぬ速さで抜刀し
竹を両断し、残身を残しながら刀を納刀する


「・・・・お見事です。サクラ。よくぞここまでたどり着きましたね」
「ありがとうございます。お母様。ですが、まだまだ未熟です」
「いえいえ、ここまでできれば上出来です。ですが、慢心せず鍛錬は続けること」
「はい、分かっています」
「・・・・・はあ」

その光景を見た嶋田さんはため息を吐いた
サクラに日本刀を見せたのは間違ったかな?と


我が愛娘サクラが刀を学ぶきっかけになったのは、五月五日に鎧を飾る時に
刀をサクラに見せたのが原因だった。

その刀の綺麗さに奪われたサクラは、一目散に母、モニカに刀の技術を学びとり毎日稽古をとっているのであった
今日は、嶋田家の家宝である名刀吹雪を使って、巻き藁に対し、どれだけ綺麗に切れるかの試し切りをしていた


その光景を見ながら思う
「・・・・俺は可愛く育ってほしかった」

嶋田さんとしては、もっと雛祭りの雛人形などと女の子らしい趣味をつけてほしかったなーと思っていたのであった・・・・

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最終更新:2015年05月28日 16:32