362 :わかる?の人:2014/05/19(月) 01:30:32
今回は状況説明や今後の布石や歴史イベントだけで、大きな展開はありません。

ドテラ撫子さんが平和にぬくぬく出来る時期もそろそろ終わろうとしています。
折しも対岸の大陸のほうは酷いことになってます。
まあ、ユーラシア大陸の反対側が酷いことになる日のも近いのですが。

例によってwiki転載等、問題ありません。

363 :わかる?の人:2014/05/19(月) 01:31:12
ドテラ撫子さんでわかる?戦間期 平和にぬくぬく編(6)


この時期、自らを中華と称していた冊封体制帝国は、衰退と混乱の極地にありました。
その予兆は、欧州列強が周辺に勢力を拡大していた半世紀余り前にはあったといえるでしょう。
西洋文明と中華文明の間で起こった摩擦がこの冊封体制帝国の外縁部に集中していたこともあり、自らを治めるので手一杯であった彼らには、状況を巨視的に認識することはかないませんでした。
しかし、時代の雰囲気が悪化しているのが何となく分かったのでしょう。
だからこその政治的な打開策の一つとして行われた事件が、ユーラシア大陸東方の未来を決めるに至ったといえるでしょう。
東洋世界の中心にして盟主、即ち中華として、彼らが見るところ西洋文明に屈した東夷に対して行われた征伐――日清戦争です。
この戦争における決定的かつ全面的な敗北を境として、かの帝国の威信は急速に衰えてゆきました。
後の時代には、もしこのとき日本が新たなる盟主として東洋をまとめ上げていたなら、という歴史上のIFが持ち上がるのですが、この当時の日本人達はすぐにも彼らの故郷、あの豊かな日本亜大陸に転進して次なる飛躍への準備を進めるだけでした。
そして今やこの地は、政治結社の武装蜂起、農民の暴動、犯罪組織の暗躍、軍閥による鎮圧と略奪など、ありとあらゆる出来事が起こるたびに荒廃が進む有様。
すでに清朝は形骸化しつつありますが、かといってここに新たな秩序を打ち立てる英傑達の姿もなく。

ドテラ撫子さん「密入国しようとする胡乱な輩が多くて困っちゃいます。またあっちに追い返さないと」
小人さん(海上警備も大変だけど、東シベリアの国境警備が意外に負担だね。勝手に入り込もうとする輩がいるから。どこの地域の人間とはいわないけど)

まあ、蜂起に失敗した活動家達にとっての最大の避難場所になりえるはずの国がぷりぷりしていますしね。

チョゴリアン「ウリは中立を守るニダ。反政府活動を行った他国民など受け入れるわけにはいかないニダ!列強に睨まれるのは嫌ニダ!」

その近くには、無意識に最善の行動を取っている小国もあったりしますが。

マリアンヌさん「近代政府による統一など論外ですし、兵器を供給いたしますわね。革命を妨害するのは何とも心苦しいですが(棒読み)」
ゲルマニアさん「黄色人種に未来など不要。必要なのは我が権益の安定と拡大のみ。我が大ドイツの糧となるがいい!」
ガンマンさん「兵器、売るよ!独立せよ!自由と平等を求める姿は何より尊いんだ!戦うんだ!倒して勝ち取れ!」

それに熱心に策謀?している国もいますしね。目がお金マークになってますが。

364 :わかる?の人:2014/05/19(月) 01:32:05
蒙古さん「今の清のありさまは、酷いもんだ…」
西蔵さん「如何様でございますな」
蒙古さん「露西亜は日本にやられて後退したが、代わりに満州には阿蘭陀、亜米利加、英吉利の手が伸びてきてる」
西蔵さん「…如何様でございますな」
蒙古さん「このままでは、俺たちも侵略されて植民地にされかねん」
西蔵さん「……如何様でございますな」
蒙古さん「……」
西蔵さん「独立、ですか」
蒙古さん「それしかねえ。その上でどこかの列強の庇護がねえと、切り刻まれて終わるさ。庇護を得たら得たで絞られるんだろうが」
西蔵さん「苦しい日々になりそうでございますね」
蒙古さん「ああ。かといって、跳ね返すだけの力もねえ。大清ですらあのていたらくだ」
西蔵さん「日本は如何?我らと同じ仏教徒のいる列強でございましょう。仏教国ではないにせよ、縁がないわけではありますまい」
蒙古さん「無理だな。露西亜からぶんどった西比利亜から先に出てこねえ。よほど大陸嫌いになってんだろうさ」
西蔵さん「ふう…中原の王朝が積み上げ続けてきた因果が応報したということでしょうか…」
蒙古さん「それについちゃ、昔の俺もやらかしちまったしなあ…ああ、どうすりゃいいのかね」
?????さん「ふふふふふ…!」
????さん「ははははは…!」
蒙古さん「な!?なんだこの声は!くせ者か!」
西蔵さん「何者ですか!名を名乗りなさい!」
?????さん「問われれば、名乗らずにはいられまい!」
????さん「其は短刀と外套の主!」
?????さん「振り返れば、みんなのうしろにいつでもいる!」
????さん「七つの海を支配する列強筆頭!」
ジョンブルさん「大英帝国、いまここに見参ッ!(ドドーン!)」
西蔵さん「……」
蒙古さん「……」
ジョンブルさん「(む、むう?外したか?インパクトが重要だという話なのに)」
ネーデルさん「(だ、だからやめようって言ったんだよ!)」
西蔵さん「……(きゅう)」
蒙古さん「……(ぱたん)」
ジョンブルさん「うおっ!気絶しただと!?」
ネーデルさん「まあ吹けば飛ぶような小国だしねえ」

365 :わかる?の人:2014/05/19(月) 01:32:56
西蔵さん「うう、酷い夢を見ました……」
蒙古さん「ああ…独立自治について話し合おうとしてたら大英帝国がやってきて…」
ジョンブルさん「いやべつに夢じゃないんだが」
ネーデルさん「それはさておき、独立のことだよね?」
西蔵さん「うぎゃああああああ!」
蒙古さん「ぎにゃああああああ!」
ネーデルさん「いやそれはもういいから」
西蔵さん「え、今日はただ世間話をしていただけでございます!やましいことなどございません!」
蒙古さん「な、な、な、べ、べつに独立とか考えてねえよ!?」
ジョンブルさん「ふむ。独立自治か。べつによいのではないかね?」
西蔵さん「えっ!?」
蒙古さん「ええっ!?」
ネーデルさん「僕らも義和団事件以降、ここの状況にはほとほと手を焼いているんだ」
ジョンブルさん「我らは各地に権益を持ってはいるが、動乱と荒廃でそれが脅かされるのは困るのだよ」
ネーデルさん「だかといって、新しい王朝の成立もね。成立したら外征しようとするドグマがあるみたいだし」
ジョンブルさん「故に、段階的に安定を取り戻して貰いたいと考えておるのだよ」
蒙古さん「(ごくり)だから、なるほど…」
西蔵さん「各地を独立させる…と?」
ジョンブルさん「まだ明らかになってはいかん事だよ。北京は未だ、自分が強大な大帝国だという幻想に浸ったままだからね…」
ネーデルさん「(決定的な言質を与えずにひとを動かすあたり、流石の腹黒としかいいようがないなあ…もう敵には回したくないね)」

このように着実に種を植えている国もいますが。

四川さん「革命と失敗と暴動と略奪が何度も起きて大打撃っす。内紛で荒廃するばっかりっす…もうこうなったら…」
上海さん「華北の無能で傲慢な者どもにはほとほと愛想が尽きた…ここは一つ…」
福建さん「すごい勢いで近代化し続けてる台湾や海南島を見ていたらなんだかもやもやするんだ…」
マンチュリさん「我が輩は比較的ましか。英米蘭に権益を握られておるが故に。しかし世情が不穏になるのは避けられぬ…」
ウイグルさん「西トルキスタンを有するロシアの支援をうけて何時か独り立ちしてやる…!」

チャイナさん「偉大なる大中華の衰退など、絶対に認めないアル!」

そんなこんなもあって、地方と中央の間での認識の溝は広まるばかりのようです。

366 :わかる?の人:2014/05/19(月) 01:34:08
小人さん(ふむん。鹿児島湾内に予兆あり。僕らの記憶と比べるとちょっと遅いけど、噴火するかもしれない。とりあえず地質学者を派遣してと…)
ドテラ撫子さん「うーん、またですか。噴火したら火山灰で農業や畜産への打撃が大きいですしね…」
小人さん(まあそうなったら見舞金や貸付金や減税措置とかで補助するしかないかな。それよりはまず避難態勢を作っておかないと)
ドテラ撫子さん「湾内の周航便では足りないかもしれません。いざというときのため、海軍の輸送船を何隻か送っておきますか」
小人さん(うーん。国内の天災に関しては、僕らの前世知識も通じるときと通じないときがあるからね…運が良ければ大規模な噴火にならず小康状態になるかもだし…)
ドテラ撫子さん「まあ、前知識があるだけでも違いますよ。あと、九州の第6軍管区の備蓄物資の状況も確認しておきましょう。避難計画も練っておかないと。あと避難訓練もありかもしれませんね」
小人さん(はっ!?め、珍しく積極的に仕事してる!?)
ドテラ撫子さん「それが驚くところですか!災害は別腹ですからっ!」

(桜島大正大噴火。迅速な避難勧告と輸送体制により人的被害は僅少。国土そのものが大型化していたこともあり、桜島は九州と地続きにならず、海峡がやや狭くなった程度で終わりました。まあ、火山噴出物も単純に10倍というわけではありませんからね)

ドテラ撫子さん「日露戦争の後始末で、東洋はおおむね安定しましたね。まあ支那は別にして…(密入国を企む輩が多くて困ります)」
ジョンブルさん「うむ。まあチャイナ地方は、小さな火種はあちこちにあるが大火にはなるまい。列強間でチャイナ利権の今後について話し合われているがね…(さて、どうでるか?)」
ドテラ撫子さん「そうですか。まあこっちに飛び火しない限りは問題ありません。(仮に次の中華王朝が産まれても、その目がわたしのほうに向かないという現状は悪くないですし。産まれなければ万々歳ですし)」
ジョンブルさん「ふむ。(これまでと変わらず、チャイナ利権に興味はなし。ただし状況がチャイナの枠外にこぼれでるのは望まぬ、か。よろしい。誠によろしい!)…次に、バルカン半島周辺だな。こちらもおおむね好ましい状況で安定化できた。ただし。前にも伝えたとおり、オスマン帝国に対する新規の軍事援助はしばらく手控えることだ。あの地域の軍事バランスをさらに崩したくはないのでね。まあスエズ周辺で止めていた未納品物資の納入であれば大目に見るがね」
ドテラ撫子さん「ええ。ですが、軍事でない対応はしますよ?(視察団の受け入れ要請とか留学の申し込みも来てますしね。軍需品の新規輸出はしばらくは延期でーっと…)」
ジョンブルさん「うむ。それはむしろ歓迎しよう。ドイツ帝国のオスマン帝国への影響力を下げる意味もあるからね。(オスマン帝国に入る外貨を民需品の輸出で狙うつもりか。抜け目がないな)」
ドテラ撫子さん「ふむ。ドイツですか。(三国干渉の二国目ですね…)」
ジョンブルさん「うむ。近年のドイツの動きは目に余るからな。さほど必要もないはずなのに海軍力を増強し続けるなど正気とも思えん。我が世界秩序へ挑戦しようとしているとみて間違いはない…(そうなった場合の助勢だが、世界の向こう側ではな。日本の軍事力は本土近海への展開が主眼だ。チャイナや太平洋地域のドイツ植民地の制圧ならば可能だろうが…)」
ドテラ撫子さん「それについては、こちらも同盟国として一定の対応を行いたいと思います」
ジョンブルさん「ほう?具体的には?」
ドテラ撫子さん「えーっと…(あんちょこあんちょこ…)こほん。対象は、整備に時間のかかる海軍ですね。これまで近海防衛だった基本戦略を、欧州への戦力派遣を想定した体制へ移行。このために外洋展開に適応した艦艇、特に補助艦艇の整備。ただ、港湾についてはそちらのものを利用させていただくことが前提ですが」
ジョンブルさん「うむ…それはなかなかの負担になると思うが?(同盟国ではあるが、必要以上の強大化を許してはリスクを生むかもしれん。だがドイツ、それと今のところ議題には上がっていないが、将来の懸念事項であるアメリカの存在もある。アメリカの工業力と資源力、それと手を出しがたい程度に距離を隔てたあの位置。将来、我が帝国にとって目障りな存在になる可能性もある。ならばアメリカを背後から牽制できる同盟国があって困ることはない、とも考えられる。悩みどころだな)」

367 :わかる?の人:2014/05/19(月) 01:34:41
ドテラ撫子さん「同盟というのは、互いに役に立っていなければ成り立たないものです。ここでこちらが力になれずにいたとしたら、日英同盟は不要だ、という声がいずれ大きくなるでしょう。(あんちょこを見ながら)」
ジョンブルさん「ほう…!確かにそうなってからでは遅いな。世界秩序の維持に力を貸し続けてくれるのであれば、喜んで受け入れよう!(誠実な心遣い、か。今の欧州諸国、そしてアメリカに欠けているものだ…!)」
ドテラ撫子さん「よかった。実は現在整備中の新型艦、扶桑型(36cm三連装三基、常備35000トン)と金剛型(36cm連装四基、常備30000トン)は欧州派遣を想定した設計でして。(巡航タービンへの歯車減速式の導入で、巡航時の燃費低減に成功しましたし)」
ジョンブルさん「ほほう、なるほど。そういうことかね。(すでに対応は開始していたのか!フソウ型やコンゴウ型が排水量の割に軽武装なのはそのためか。我が海軍なら少なくともあと一個ずつ砲塔を載せるところだが)」
ドテラ撫子さん「さらに、これらに続く次期主力艦では、41センチ砲の搭載を想定しています。隻数は8隻。情勢によってはそれ以上。これによって海軍戦力の刷新をはかります。(まあ計画では16隻なんですけど、驚かせるのは良くないですし)」
ジョンブルさん「41センチ?…約16インチか。それほどの戦艦が必要になると?」
ドテラ撫子さん「現在進めている各種工廠設備の近代化と拡充もあって建造着手がすこし遅れる見込みで、その間の進歩も織り込んだ計画です。当面は欧州派遣を可能にするための補助艦艇が優先ですしね」
ジョンブルさん「ふむ…なるほどね。ドイツ海軍も新型砲を開発しているという情報がある。こちらでも新型砲の開発を進めていたし、順当ではあるか…(出来ればこちらに合わせ15インチ砲で押さえて貰いたかったがね。3~4年程度で主砲口径が1ランク上がるのは私が始めた時代の流れだしな。ふむむ。アメリカに対する牽制がてら、16インチ砲戦艦を計画中との情報を流しておくか。これで多少は融和姿勢を引き出せるだろう。私も16インチ砲の開発も進めねばいかんがね)」

ゲルマニアさん「なに!?発注をキャンセルするだと!?」
ネーデルさん「うん。そう。全艦キャンセルで」
ゲルマニアさん「り、理由は?理由を聞かせて貰いたい!なにが不満なのだ!?」
ネーデルさん「いやあ、だって、エーゲ海でのことを見るとね」
ゲルマニアさん「あ、あれはギリシャ海軍の練度の問題であって、艦の設計に瑕疵があったわけではない!」
ネーデルさん「そういわれてもねぇ。議会がちょっと衝撃を受けててね。だから計画は練り直しになったんだよ」
ゲルマニアさん「ぐぐぐぐぐ…」
ネーデルさん「キャンセル料は払うからさ。1番艦の資材調達が始まったところだし、そんなに酷い額にはならないと思うけど?」
ゲルマニアさん「それはそうだが……では、戦艦保有は諦めるのか?東インド防衛はどうするつもりなのだ?(黄色人種の国が虎視眈々と狙っているのだぞ?防衛力を強化せざるを得ないはずだ!)」
ネーデルさん「うん、防衛力の強化を中止する予定はないよ。まあ、いざというとき、近場で補修できたほうがいいんじゃないかって意見はあるね」
ゲルマニアさん「な!?そ、そうか……(東インド周辺に拠点を持つのは、即ちイギリス!つまりはあの腹黒か!うぬぬぬ、先の入札でヴィッカース社は負けたというのに!技術で勝てぬからと陰謀で取り返すつもりだったか!おのれ!覚えておれ!)」
ネーデルさん「(日本戦艦かっこいいよね!)」

ジョンブルさん「うむ!?なにやら身に覚えのない恨みを買ったような気が…」

つづく?

368 :わかる?の人:2014/05/19(月) 01:36:54
以上です。

この時点の日本海軍は、次期主力艦(扶桑型・金剛型)の建造と戦力化を進める傍ら、各地の海軍工廠の施設整備を進めつつ、給油艦、給炭艦、給兵艦、給糧艦、砕氷船、工作艦など、各種補助艦艇の拡充に手をつけています。
表向きは南シナ海、中部太平洋、北部太平洋等の遠隔地への展開能力を充足するため、ということになっていますが、まあ実態は戦争準備ですね。

なお、工作艦関東はこの世界では存在しません。
史実で関東の元となるロシア船マンチュリアはこの世界でも旅順戦の課程で沈没し、戦後に浮揚されましたが、ロシアに返還されています。
そのかわりといってはなんですが、貨物船ベースの工作艦として琴引および竹野の二隻が調達されています。(関東州など大陸側の土地を命名に使うことはないため、艦名は国内の海岸名から取られました)
とはいえ二隻だけでは隻数的に不足だと考えられたため、より充実した田子型工作艦が建造されつつあります。

ちなみに史実では、この当時は工作艦ではなく工作船と分類されていました。
この日本大陸の海軍は幕府海軍以来の伝統を持っており、これに加えこれまでの戦訓もあって補助艦艇を単純に格下に見ない傾向があって、当初から工作艦として分類されています。

また史実ではこの頃に東京駅が竣工しているんですが、この世界の日本では鉄道の発達史が異なったこともあって、すでに関東地方の中枢鉄道駅の一つとして稼働しています。
関東地方が大型化したこともあって、環状鉄道路線も一つですまず、史実山手線規模のものが三つ稼働中または整備中です。

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最終更新:2015年06月01日 21:03