視点コロコロ変わるし適当すぎる内容で玉城っぽい玉城





玉城「仮想現実シミュレーター?」




スメラギと倉崎の先進技術開発室とランペルージグループが共同研究の末に作り上げた仮想現実シミュレーターなる機械があった。
どういったものかを簡潔に説明するならば脳に直接刺激を与えて意識を仮想空間にダイブさせ 現実と同じ様な感覚を体験することを可能としたゲームマシンだ。
便宜上はゲームといってもKMFの仮想訓練や催眠学習までもこなす軍事的な技術を盛り込まれているので一般にはまだ出回っていない。
たとえばインプットされた歴史上の事件や 動き次第で歴史に影響を及ぼしかねない人物が「あのときこうなっていたら」といったパラレルな歴史と現実を追体験することもできる。

「つまりキミが官僚になっていたらのもしもな状況も体験できる優れ物なんだよ」

体は子供 中身は年金受給者のやたらと長く伸びた淡い金髪の男VVが説明してくれたのはそんな機械の話しだった。

「ボクの話きいてる?」

「きいてるきいてる 聞いてますって」

本当は半分聞いてない。
隣で似たような説明を受けている女が気になってジジイの話しを聞くどころではないのだ。

「以上 説明を終えますがなにかご質問は?」

隣では倉崎の開発主任だか知らんがやたらエラソーな肩書きを持つ男が 日がな一日ぼーっとしてそうな平凡を絵に描いたオヤジと丸坊主のオヤジと。
体にぴっちり張り付いたとてつもなくエロいレオタードを着たブリタニア人ぽい女二人を前に意見を募っている。

オヤジ二人はどうでもいい。
ついでに目の前のちんまいジジイと倉崎主任とかいう男についても眼中にない。
興味をそそられるのは黒と紫の超ハイレグなレオタードを着た金髪ロングの女と もう一人こっちは少し露出が控えめな白いレオタードに金髪をツインテールにした女だ。
二人とも巨乳で美人だから周囲にロリっこ女子高生しかいない身としては目の保養になることこの上なし。
特に黒と紫の超ハイレグ美女のほうは胸元からへそまで素肌が見えていて胸の谷間が丸見え。
加えてふとももから腰までも丸見えで何度生唾を飲み込んだことか。

(くっそーー!最高のアングルだってのにあのクソ坊主が邪魔してしっかりみえねえーーっ!)

しかし一番手前に立つ丸坊主のオヤジが邪魔でよく見えない。
自分から視て並びは順に丸坊主オヤジ 黒紫のハイレグレオタード美女 ツインテールレオタード美女 平凡オヤジ。

(このクソ坊主がーー!てめえもちったあ気ィ利かせやがれよ!)

坊主が体を動かしたりハイレグ美女の体が動くとちらちら見えるがそれだけ。
一瞬のチラリズムに用は無い オレはこの目に焼き付けたいんだ。

(トイレ行ってスマホを自動録画にして隠し撮りしてやろうかな)

善は急げとも言うし。

「おっさんちょっと」

「なに 質問かい?」

「ゲーム機のモニターやる前にトイレ行きてーんだけどよ」

「キミねえ そういうのは先に行っておきなよ」

「んなこといったって出るもんは出るんだからどうしろってんだよ」

「ふう わかったよ行っておいで」


「それではご質問をよろしいですか?」

「ああどうぞ」

ハイレグ美女が質問している。
手を挙げた瞬間に腋が見えた。

(写真撮りたかったぁぁ)

しかしなんだってこんなとこにアイドルやモデルでもそうはいない超のつく美女が二人もきてんだよ。
こんなのがきてるってしってたら最初から声掛けてたっつーの。
意見交換かなんかで至近距離で話もできそうだし胸の谷間を視たい放題できたってのにちきしょーー!
美人でエロい女がすぐそばにいるのにこれじゃ生殺しだぜ。

「・・・・」

トイレに行っちゃったよ。
別にいいんだけど人の話くらいきこうと言いたい。
ボクの目も見ないで隣ばかりちら見してほんとなに考えてるんだかね。

「VV様」

一人ぽつねんと取り残されちゃったボクに向こうで主任から説明を受けていた娘に話し掛けられた。

「なんですのあの失礼極まりない男は」

「え ああごめん彼はいつもあんなだから でもボクは気にしてないよ いい加減の塊みたいな男の態度を一々気にしても意味ないし」

何年たっても落ち着きがないしいい加減なシンイチロウの態度に目くじら立てるだけで損した気分になる。
ボクはもう呆れの境地に達して悟りを開いてるから気にならないだけで あれを全面的に許せるのはクララくらいだろうね。

「そういうことではありませんわ VV様がよろしくても私がよろしくありませんもの」

「キミが?」

ボクが良くてもこの娘がダメなんだって。

「なんで?」

「なんでって あの男さきほどより私の体を舐め回すように視ていらしたんですのよ? あれは視姦ですわ」

「え 彼そんなことしてたの?」

馬鹿だからと思ってわかりやすいように細かく説明することに集中していたせいで気付かなかったよ。
ぷりぷり怒るこの娘の体をよく見てみる。
背丈 一般的な成人女性。
胸部 クララが哀れに思える大きさ。
手足 すらっとしていて肉付きもいいんじゃない?
うんまあ シンイチロウの好みに合致してるね。

「ふむ 視姦とは穏やかではないがなんだそのリーラ お前のその飛行服姿ではあまり責め立てられんぞ」

「なによそれどっちの味方をしてるのよ!いっくんわたしあの男に視姦されたのよ!」

「し しかしこう素肌が見えていては男の本能が働くというものだろう あの青年もけしからんがお前の飛行服が飛行服だから」

イソロクの意見は案外間違っていないと思う。
ボクはあんまり興味無いけどこの娘みたいな格好をしてたら大抵の男は無反応ではいられない。
欲望に忠実なシンイチロウじゃ気になって気になってしかたないだろう。
ユニットがKMFの操縦席を模している都合で実験に参加してもらうメンバーはみんなパイロットスーツなんだけど男性陣が普通なだけに余計目立つような。
こういうところブリタニア軍のパイロットスーツ採用基準ってどうなってるのやら。

「もういっくんのバカ 私の体をみてもいいのはいっくんだけなんだから」

体を寄せてくっつく娘。

「いっくん以外の男に凝視されるのは・・・・ いやなの」

イソロクの胸元に顔をすりつけて。

「リ リーラあまりくっつくな」

「ダメ くっついちゃう」

「人前なんだぞ」

「人前っていってもみんな私たちの関係をしっているじゃない それにいっくんの体にもたれてるだけよ」

「しようのないやつだ」

イソロクもくっつく彼女を抱き締めて。
もたれてるじゃなくあれじゃ立派な抱擁なんだけど。

「あのー すみませんがここでラブらないでください っていうかVVさんも嶋田さんも黙ってみてないで止めてくださいよ!」

倉崎主任は注意して。
ラウンズの娘はハートマークでも飛ばしてそうなくらいにちゅっちゅするイソロクと娘を前に口元を抑えながらシゲタロウをちら見。
視線を受けるシゲタロウは苦笑いでボクをみる。

「すみません 山本は一見堅物に見えて想いを寄せる女性にはけっこう甘いところがあるので」

「べつに抱擁交わして接吻するくらいいいんじゃないの?」

「私が良くないんです!私独身で彼女いないんで心に毒なんです!」

独身貴族といえば聞こえはいいけど寂しいもんだよ。
ボクも独身だからそれはなんとなくわからないでもないかなあ。

「なるほど それで以前私とモニカが似たようなことになったときに止めろと注意されたのですね」

ふーん シゲタロウとラウンズの娘も主任の前でねえ。

「いいえ嶋田さんたちのほうがましです あれはもう蹴り飛ばしたくなります」

するとシゲタロウをちら見していたラウンズの娘がつま先立ちになって。

「VVさん 嶋田さんとモニカさんまでラブり始めたのですが蹴り飛ばしてもいいですか?」

シゲタロウは宥めてるけどイソロクたちの雰囲気にあてられたラウンズの娘からは逃げられない。
ラウンズなだけあって力強いし。

「・・・・人選はいいと思うよ?」

政治家シゲタロウ 海軍提督イソロク 現役ラウンズモニカ 軍人リーライナ シンイチロウは一般庶民枠。
立場を異にする人間 それもそれぞれその分野のエキスパートに仮想シミュレーターのモニターになってもらおうと声掛けたんだけど 無限とも言える可能性をコンピュータが導き出す形だから誰がどんな人生や世界観を体験するのかわからない。
駄目人間のエキスパートシンイチロウだけはもしも官僚になれたらをインプットしてあるから大方の展開は予想できる。

問題となるのは全員の意識を同調させてのシミュレート。
同じ世界観に意識を飛ばす形だからできればチームを組んでうまくやってもらいたいんで仲良しこよしの深い仲じゃないと連携取れないと思って。
シンイチロウだけ余るけどクララの枠も用意してるから問題無い。
シンイチロウと一番仲良いのはクララだろうしさ。

「でも見事なまでに男女カップル そのうち二組は本当にカップルだしこれじゃリアル恋愛シミュレーションだね」

ボクとそう年が違わないシゲタロウとイソロクがこう場所も問わずにラブるなんて。
環境や意識ってその時々で変わるから興味深いよほんと。


「ただいまーいって うおっ!どうなってんだよおい!」

トイレから戻ってきたシンイチロウが驚く。
まあねそれは驚くよ。

「なにを期待してるのか知らないけどさ あの娘たちはとっくの昔に売約済みってことさ」

「なにィィィーーー!?なんであんな老いぼれジジイ共にあんな美女たちがぁぁぁーーー!?」

ひどい言い方だけどあの二人はキミが目指していた道の頂点まで上り詰めた人間だよ。
どうして自分の国の元大宰相と大臣を知らないのか逐一問いつめたい。
そんな常識以前のこともしらないでよくもまあ官僚に政治家にって大きな口を叩いてくれてたものだ。

「人それぞれさ 少なくともあの二人はキミよりずっといい男だよ」

男としてみた場合のシンイチロウは論外。
論外なんだけどそんな論外な男に愛娘のクララは惚れ込んでいるしもう一人疑いのある姪もいる。
ただどうせシンイチロウにはクララを幸せにはできない。
性格から言っても無理だし普通の親なら猛反対してるところ。
でもクララ曰く「パパわかってないなあ お兄ちゃんがクララを幸せにしてくれるわけないじゃん クララがお兄ちゃんを幸せにしてあげるんだよ」だそうな。
クララが腹を決めてるからボクにはもうなにも言えないんだ。

「あれ?」

なんか項垂れたと思ったら急にイソロクたちのほうを向いたまま胸ポケットを押さえて黙りこくったし。

「胸ポケットのスマホ カメラのレンズは外向きですか なるほどラブると隙ができるから盗撮し放題ですな」

「え なに? なんのこと?」

「いいえまあ モニカさんはまだしもリーライナさんのパイロットスーツは刺激的ですからな」

「・・・・・」

主任の話しで意味がわかった。

「へっ あんな美女がジジイとねんごろなのにはムカついたが まあ夜のオカズには使えるぜ」

「・・・・」

最低だよこのバカは。
発想が下劣すぎる。
クララはこういうところも承知してるんだろうか?

そのあとに開始したシミュレート。
最低のバカは官僚シミュじゃなくてランダムに設定しなおしてやった。
少しは頭冷やしなよ。

まあそんなこんなでハイレグ美女のエロい姿をしっかり動画に収めたオレは官僚になる仮想現実を楽しもうと意気込んで実験に参加したわけなんだけど。

「よっしゃあ 官僚玉城真一郎サマの活躍を」

わけなんだけどなぁ そこちょっとどころか全然違ったんだわ。

「エリア24?」

どっか外国みたいだがどこなんだよエリア24って。
大グリンダ騎士団ってなんだ?

ここでオレはどこかで見たことがあるような女と出会う。
自分が気に入らないからと人を殺しまくる狂ったその女との出会いは妙なデジャブを感じた。

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最終更新:2015年06月14日 16:03