オズR2のコミックが発売されていたから読んだよ。
マリーが最悪なまでの墜天をしていたよ もう彼女に幸せは来ないよ。
なことからマリーの平和な日常の一コマを書いてみたくなった。
不可能といわれてる玉城←マリーベルのフラグありの絶対にないルートながら大目にみてやって。
  • 玉城はBARのマスターでなくバイトで金欠
  • 玉城BARにグリンダが入り浸る






玉城inキスver.マリーベル




自分の限界にぶち当たり夢を諦めた俺は酒場でアルバイトをしていた。

「んなことがな あったわけよ」

「それは大変でしたわね」

洗浄済みのグラスを拭き拭き日々の愚痴をこぼす相手は昔の競争仲間であるいいとこのお嬢様だ。
ちーと前のことになる。
俺はなけなしの生活費をまるっと競馬で擦っちまってよお 大家のちび親父ン家に頭下げにいったわけ。
したらばどっかで見覚えある女がいてな そいつが豆鉄砲喰らったみてェな顔して「兄様」なんていってくるわけよ。
俺にはこんな美人で外国人な妹なんざいねーしさ 目ェ腐ってンじゃねーの?って突っ返したんだ。
なんぼ美人だつっても頭の変な女はお断りだぜ。
そしたら変わってないだって笑いやがって「あの日シン兄様よりいただいたコンペイトウ 美味しゅう御座いました」よ。
ずっとまえの大学受験に失敗したときベンチで休む俺の横でべそ掻いてたアイツ。
親父ンとこから逃げてきたっつーから この俺様が直々に説教たれてやったあのガキだったんだよ。
昔は泣き虫のちびっ子だったくせしてまあエライ変わりようだったから気がつかなかったわ。
ちび親父の弟の娘なんだとよ おじさんに用があって来日してたら偶然にがっちゃんこしたって話さ。
聞けばなに 念願だった警察官にもなれたそうで順風満帆らしいじゃねーか。
どっかの犯罪組織のボスを逮捕したとか自慢してた。
こっちは古ぼけたBARでバイト生活だってのに・・・・
どっちが先に夢叶えるかの勝負をしていたあの頃が懐かしいぜ。

再会してからは俺がバイトしてるBARにちょくちょく来るようになった。
職場の部下を引き連れて団体さんで来店することもあったんで店長大喜びよ。
金持ちらしく景気よく注文してくるから儲かって儲かって。
そのくせ俺の給料やっすいままなんだからざけんなっつうの。

「兄様はお金にお困りですの?」

イヤなご質問をされてきやがりますねえ大金持ちで公務員のお嬢様よぉ。
ちび親父に金貸してくれって頭下げてたのみられたからしゃーないンだが気分わりーぜ。

「困ってるっていいますか万年金欠でごぜーますよ ペンドラゴンっつー高貴なお方々がお住みになられてる都市の住民サマならわかってンだろーが東京は家賃も物価もクソたけぇーの余裕ねーのキッツイの」

地方都市と比べて先進国の首都はどこもかしこも貧乏人には住みづらいときてやがる。
底辺はあっちいけってわけですかはいそーですか。
貧乏人舐めてンならそのうち革命起こしてやるからな。

「お嬢サマはいいよなぁ元から金持ちで夢だった警察官にもなれて 俺なんかこの歳でバイトで安月給だぞコノヤロー」

都会の片隅で格差社会をみた。

「金が金を生み出す金持ち一族ってずるいぜ」

ぜってー悪事で儲けてるとおもうんすけど。

「そうは申されますがしがらみも多いのですよ?」

しがらみ多くても生活は余裕だろうが。
なに貧乏人disってくれちゃってますのこのオジョーサマ。

「でも金には困らねえだろ 再会してから今までおまえから金に困った話なんざこれっぽっちもきいたことねーぞ」

コイツだけじゃなくちび親父の娘のクララからもお小遣いピンチとか聞いたことがなかった。
クララのことはアイツがまだ小学生の頃から知り合いだったんで小遣い事情もよく知ってんだよ。
アイツが小学生のときお年玉で三桁いったと抜かしやがったときゃあお面つけてカツアゲしてやろうかと思った。

「おまえらの一族って具体的にはなにして儲けてんだ?クララのヤツも家がなにやってっか教えてくんねーしVVのおっさんが不動産経営してるぐれーしか俺知らないぞ」

「それはーー 色々ですわ」

裏がありそうな笑顔で誤魔化してくれやがるお嬢様。
けっ おまえまで秘密主義かよクソが。

「クララも秘密主義 ナナちゃんも秘密主義 ルルーシュもコーネリアもみーんなして秘密主義でごぜーますか」

大金持ちの資本家サマは内々でよろしくやってるから貧乏人なんか相手にしてらんねーってか?
はいはい金持ちは謎が多くてミステリアスでよーございましたねー。

「ごめんなさい兄様 これはいわゆる守秘義務 禁則事項ですのよ」

指を唇に当てて片目を閉じウィンク。
美人がやると効果抜群で店ン中にいるヤローな客がいい女だ~とやたらざわめいていた。
いい女かといわれたらそりゃまあいい女なんだろう。
腰にかかる薄紅なロングウェーブヘアは前髪センター分けで表情がよくみえてな。
有名芸能プロダクションのトップモデル並の美貌が眩しい輝きを放ってんだ。
クララより若干歳上だとしてもさすがに発育よすぎな胸部が目を引くし 物腰穏やかな態度と言葉遣いがいいとこのお嬢様だってことを仄めかしてやがる。
美人でスタイルグンバツで性格良くて金持ち どんだけ完璧超人になりゃあ気が済むんだよ。
化けすぎだよな。
ホントに美人 まったくしらねー赤の他人だったらナンパしてた自信があるほどにとびっきりの美人さん。
美人で能力もあって金持ちなお嬢サマ。
フツメンで貧乏でお先真っ暗の俺サマ。
神様って奴ァはとことん不公平だった。

「そろそろお暇させていただきますわ お代のほうはおいくらですの?」

「57780円」

「まぁ ずいぶんお安いのですね」

安いってコイツ感覚おかしいだろ。

「おめーよォ メシだけ食って60000近くは普通の感覚じゃめちゃ高いんだぜ」

たっけーモンばっか注文しやがるの。
こんなモン腹一杯喰ったら俺なんか逃げるぜってのばっか喰っちゃってんだぜ?

「あらそうですの?」

目ェまんまるにしてびっくりしてやがる。
上流階級のお嬢様には一生かけてもわっかんねーよバカ野郎。
おまえらと付き合ってたらこっちの感覚までぶっ壊れちまわぁ。

「アタシからみても殿下の感覚は絶対におかしいんだぜ?」

おまえが言うなよ。
おまえが滅茶苦茶喰いやがるからこんな金額になってんだろーが。
ちょっとは遠慮しろよ。

「殿下ってなんだそりゃ マリーのアダ名かなんか?」

マリーってなぁお嬢サマの愛称だ。
俺にはこれで呼べって言ってっから呼んでるが女を愛称で呼ぶなんざガキの頃以来じゃね?

「おおーっとこりゃあたまきちくんの前で失言失言 ちょっとした言葉のアヤってやつさ-気にしなさんな」

みてのとおりマリーはひとりじゃなく職場の部下と一緒だった。
その部下のやたらとにゃーにゃー言ってる姉ちゃんがいっぱい注文してくれたおかげで売り上げが大きかったんだよなァ。
俺の給料にも繁栄されねーかなぁと密かに期待してるんだぜ?
にゃーにゃーうっせーけどその喰いっぷりには拍手してやろう。

「むむ~ッ たまき~ん いま失礼なこと考えなかったかにゃ~?」

青緑のショートカットをしたにゃーにゃーちゃんがきゅぴんと勘を働かせて睨んできやがった。
いい勘してるぜコイツも。

「おめーのおかげで売り上げが伸びたっつー感謝の念を送ってたンだよ」

「ほほう それはそれは・・・・・ ふ~む殊勝な心掛けだにゃ どれどれ褒美のちゅ~してあげようちゅ~」

「うォいコラおまえまじかッ」

裏表が無く明るい性格のにゃーさんはソキアっていうんだが コイツは俺とはウマが合うのかよくこうして絡んでくる。
コイツもまた美人さんなのでこう悪意なくじゃれつかれるのはちょっと役得だった。
ほっぺたにちゅーしてくることもあるくらいに人懐こいやつだから気軽に話できるのもポイントたけェ。
惜しむらくは胸がささやかでコイツも色気っつーもんを持ってないのが首尾範囲外な点。
俺の知り合う女はなぜか共通して一点だけが足りない 色気のある美人で巨乳 この必須条件を満たしてくれる女が皆無なのが悩みだった。
一人だけマリーと同じおっさんの姪でデカパイ女のコーネリアという美人さんがいるにはいるが相手にされねーしよォ-。
そういやマリーの直属の部下とかいう女も美人で巨乳だったぜ オルドリンっていうやつ。
出会い頭に喧嘩売られてついでにマリーには笑顔で睨まれたが。
俺とは性格あわねーし蛇蝎の如く嫌われてっけどマリーとセットだと絵になるんだぜ。

「うふふ~シン兄様ぁ ソキアぁ 冗談が過ぎますわよ~?」

悪ふざけとノリを全開にしていたソキアとノリにつき合っていた俺を止めたのは他でもないお嬢サマ。
笑顔のまんま黒いオーラを背景に背負っているのがなぜかみえる。

「あ あはははノリ悪いにゃ~ たんなるおふざけなんだぜい」

「そうそうっ ふざけてなきゃこんな人目のあるところで普通キスなんかしねーよなっ」

「そう 人目がなければ口付けを交わされますの」

「「ナイナイナイ交わしませんっ そんな仲ではござーませんっ」」

ぶんぶん首を振って否定。
冗談が通じないほど怖いこともない。
ソキアと俺のどこをみたらンな関係だったり恋愛的感情が芽生えてると思えるよ?
冗談で俺がいい男だからって惚れるなよとかいったことはあったが「姉さんにも好みがあるさー たまきんはゴメンナサイだぜい」
なーんつって一刀両断されてるってのに目が笑ってねぇぜ人殺しの目ェしてるぜ おまえどんだけ恋愛事に免疫無くて心に余裕がねーの?
マリーって高校三年か大学一年か歳的にゃそんくらいだったろ。
俺がそのくらいの頃は女や恋愛事に興味津々だったぜ?
ああーでもちょっともったいなかったなー 悪ふざけのキスでもキスはキスだ。
年上美女が好きで美少女はお呼びでない俺でも美少女のキスをもらえるってならそらほしい。
ああやっぱもったいねーわぁ。

「兄様ぁ~?」

「ひぃぃぃ!」

やべえ目がらりってるよ。
ヘンなクスリでもキメちゃってンですかよ。

「殿方は色を求める性をもちこの世に生まれ落ちると申されますけれど程々になさいませ」

おまえは俺のおかんか!
ソキアもなんかつっこめ!っていねーし!?
アイツ逃げ足はえー。

「それと これ少ないですけどとっておいてくださいな」

勘定をするマリーが食事の代金に加えて差し出してきたのは諭吉さん。
複数人の諭吉さんが俺に手を振ってくれてますコンニチハ。

「ナンスカコレ?」

「チップですわ 兄様のお給金が少ないとお聞きしましたのでなにかの足しにでもと思い」

ヨーロッパ系の国の風習。
元々は欧州が本拠地だったブリタニアにもチップの風習はある。
ブリタニア人のくせにチップどころかチャリンもくれねードケチなちび親父とはエライ違いだぜ。
ありがたやと小躍りしたい気分だった。

「兄様」

「なんですかお嬢様 もっとサービスしろってンならサービスしまくりまー」

チュっ

                  • ん?

「むぐっ!?」

あれ?
なんかくちびるがしめっぽくてやわらかいんだけど。
息ができないんですけど。
アップになったお嬢様のお顔がみえやがるんですけど。

「ぷはっ!」

なにされた?
コイツなにしてきた?
なんか唇がとっても甘酸っぱい感じがして。
頭ン中こんがらがって。

「!?!?」

「ウフフ それではお暇致します」

エ?
俺もしかしてお婿いけなったの?

店の扉をあけるマリーがこっち振り返ってまた来ますだと。

でもつぎ会うときどんな顔すりゃいい?

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最終更新:2015年06月14日 16:09