834 :ライスイン:2015/11/22(日) 22:15:08
 1923年9月3日 東京 首相官邸

「状況はどうなっている。」

9月1日に発生した大震災の翌日に総理に就任したばかりの山本権兵衛が閣僚や担当者たち(夢幻会員)に尋ねる。

「火災はほぼ鎮火しました。小規模な揺れは断続的に発生していますが耐震構造奨励の影響で建造物の崩壊は最小限で済んでいます。」

「当日を防災訓練日に指定していた為、各機関は迅速かつ連携のとれた対応を行っています。」

「関東近辺の陸軍部隊は既に広域で救援活動に入っています。また海軍も本土近海の給糧艦や病院船を終結させています。」

順調な様相の報告内容に皆がほっと息をつく。事前に予測されていた震災に対応するために様々な手を打っていた彼らだがその苦労は今、報われていた。
そして更に朗報が入る。

「アメリカ大使館より救援活動の申し出です。大地震発生の報を受けたクーリッジ大統領が議会に緊急提案し決定したとの事です。」

「北欧各国及びトルコや東南アジアからも支援の申し出が舞い込んでいます。」

ありがたい申し出に一同の気分は高揚する。大陸を含めた各地の日本領での米国企業への優遇措置を行っていた事やセオドア・ルーズベルト大統領時代から続く日米の友好が正に発揮されていた。
またノルウェー スウェーデン フィンランド等の北欧諸国やトルコ、そしてタイやベトナムなどの東南アジア諸国や日本領の
住民なども受けた恩を返そうと支援を申し出ていたのだ。

「ふむ。これは心強い。」

閣僚の一人が放ったその言葉はその場にいるすべての人々の気持ちを代弁していた。ただ・・・齎されたのは朗報ばかりではなかった。

「佐世保から出港した戦艦播磨を中心とした艦隊が大隅海峡付近でイギリス巡洋艦プリマスの妨害行動を受けたとの事です。」

「またジョンブルかっ!!」

安定したイギリスの屑っぷりに一同は激怒する。実際は日本の新鋭戦艦の性能確認の命令を受けたプリマスが日本側の急な進路変更について行けず、
進路を誤って日本艦隊の前を横切る形になってしまったのが真相であった。しかしこれまでの経緯からそれを信じる者はいなかった。

「またイギリス・フランス・ドイツ・ギリシャ・オーストラリア等では今回の地震は”神に選ばれた白人に刃向う劣等人種への天罰だ”などの我が国を誹謗中傷する内容の記事が出始めているとの事です。」

躍進を続ける日本を疎ましく思っていたこれらの国々は日本の首都を直撃した大規模災害に対し歓喜に震えていた。首脳部こそ冷静だったが市民の中には
酒場で祝杯を挙げる者や通りに出て騒ぐ者、そして一部の差別思想を持った神父が運営する教会では祝福のミサさえ行われていた(※1)。
さらには獲得した大陸領土の一部で中国人による暴動(※2)が発生しているという報告もなされた。

「喜んでいられるのも今の内だ、あとで精々後悔するがよい。」

山本首相は怒りを抑えながら呟いた。



                        孤立大陸 第23話「平和のち大恐慌」

835 :ライスイン:2015/11/22(日) 22:15:42
日本の首都圏を直撃した大地震。多くの国は日本の発展が鈍くなる又は停止し衰退に向かうと予測した。
欧州の一部の国ではこれを機会に日本の植民地を奪えないかと軍の動員が計画されるほどであった。
しかし大方の予測を覆し混乱は僅か数日で収束。そしてまるで予測されていたかのように復興計画と帝都再開発計画が始動した。
大規模な地下鉄網や弾丸列車(後の新幹線)の導入・建造物の耐震化の強化・農業改革に更なる技術革新・・・。
潤沢すぎる資金や資源(※3)を用いた壮大な計画に各国は目を剥き、そして一枚噛んで利益を得られないかと策動した。しかし日本は支援の返礼として
アメリカや北欧・トルコの企業には事業参加を認めたり東南アジア地域から資源や物資の買い付けを強化したものの、英連邦含むイギリスなど欧州諸国の
企業の参加は一切認める事はなかった。
 これらの計画は帝都の復興が完了してからも続き、次第に帝国領再開発計画にまで発展。そして日本は各国の目がこの計画に向いている隙にとある実験を敢行した。


 1925年1月1日 東露州 某所

東露州の広大な無人地帯に建設された軍の兵器試験場の管制室には大勢の軍関係者や科学者が集結していた。それはこれから行われるある種の実験の為であった。

「08:00・・・時間です。」

「起爆しろ。」

オペレーターの報告に実験の総指揮を務める閑院宮元帥が起爆を命じる。そしてオペレーターが起爆スイッチを押して数秒後、地下深くに設置された”とある爆弾”が起爆し猛烈な衝撃が伝わった。

「実験成功です。」

地震計や放射能計を操作していた担当官の報告に管制室は歓喜に包まれた。日本が・・・神の炎を手に入れた瞬間だった。
また10:00には別の名所で85試飛行爆弾(V1擬き)及び85試短距離弾道弾(V2擬き)や85試潜水艦用飛行爆弾(レギュラス擬き)の実験にも成功していた。


 同年同日19:00  東京 夢幻会会合場所


「カンパーイィ!!」  「じゃんじゃん飲めェ」

会合の場はまさにお祭り騒ぎであった。なにせ原子爆弾と初期型とはいえ巡航ミサイルと弾道ミサイルの実用化に成功したからだ。
これで量産化や次世代型の開発が進めば将来の戦争において敗北は無くなる。そう考えると彼らが浮かれるのも無理は無かった。
会合という名の宴は盛り上がり、用意されていた樽酒の蓋を皆で割って酒を飲もうとした時・・・・・。

「ほ・・・報告します。帝都内で共産主義者による銃撃事件が発生。その際に嶋田さんが・・・。」

報告に来た東条が息も絶え絶えに状況を説明する。そして報告を聞き終わった会合参加者達は

「な・・・・・なんだってぇ~~~~~~!!」

と揃って絶叫を上げた。

836 :名無しさん:2015/11/22(日) 22:16:18
時を少し遡った帝都内某所


「畜生、なんでこんな目に合うんだっ!!」

嶋田繁太郎大佐は愛用の南部83式自動拳銃(M92F擬き)を背後の暴漢たちにむけて撃ちながら走っていた。傍らには暴漢達から助けた聖アストライア女学院の大学部の制服を着たロシア人女性が一緒に走っていた。
嶋田はこの日の午後に軍の射場での定期的な射撃訓練を終え、帰宅中に暴漢に襲われそうになっていたこの女性を発見。
暴漢を撃退して女性を助けたが直後に暴漢の仲間と思われる複数の男が現れ銃撃してきたためにこの様な事態になっていた。

「申し訳ありません私のせいで巻き込んでしまって。」

女性は流暢な日本語で嶋田に申し訳なさそうに話しかける。

「気にしないでくれ、しかし何者なんだこいつ等。」

嶋田は疑問に思った。ロシア語を喋り尚且つこの女性に対する執拗な執念。少なくともこの女性が重要な立場にあることだけは理解できた。

「もう少し行けば陸軍の駐屯地だ。」

嶋田は女性を励ましながら銃撃を繰り返し走り続ける。しかし

「くそっ、弾切れか。」

ついに弾薬を使い切ってしまった。だが努力が実ったのか陸軍駐屯地前に辿り着いた。しかも

「嶋田さん、どうしたんですか?」

門の前には帰宅直前の板垣征四郎中佐(夢幻会員)と駐屯地警備の兵士たちが居た。

「武装した暴漢達に追われているんだ。」

「なっ。分かりました、中に入ってください。おいっ、部隊を招集しろ。」

板垣中佐は嶋田に中に入るよう言い、従兵に人出を集めるよう命令を下すと自身も拳銃を構え、兵士も小銃を構える。
そして急遽集められた2個小隊が展開を終わった時、暴漢達が姿を現した。

「撃てェ」

板垣の命令の元、銃撃を始める兵士たち。暴漢達は突然の銃撃に対応できず、次々と倒れていった。

「よし、周囲を警戒しつつ生き残りの手当てを行え、尋問して背後関係を聞き出すのだ。それと参謀本部への連絡も忘れるな。」

板垣が命令を下す傍らで嶋田は女性に話しかけた。

「そういえば聞いてなかったが君の名前は?」

女性は嶋田の問いに笑みを浮かべながら

「私の名前はアナスタシア・ニコラエヴナと申します。助けてくれてありがとう。」

「な・・・なにィィィィィ!!」

女性の名乗りを聞いた嶋田、そして近くにいた板垣たちは思わず叫んだのだった。

837 :名無しさん:2015/11/22(日) 22:16:49
後の調査で暴漢達はソ連の諜報員とそれに率いられたロシア帝国内の共産シンパであったことが判明。目的は皇女を殺害しロシア帝国に打撃を与える事であった。
同時に国内の左派勢力(※4)が支援していた事が判明。報復としてソ連との国交樹立交渉を即座に撃ちきり、ソ連船籍の船の寄港及び領海侵入を禁止した。同時に国内でも大規模な摘発が行われ共産党が非合法化。他の左派勢力も軒並み壊滅した。だが話はそれだけでは終わらなかった。


1926年7月25日 帝国ホテル特設


「何でこうなったんだ・・・。」

礼装に身を包んだ嶋田が嘆くように呟いた。本日帝国ホテル自体を貸し切って盛大な国際間の結婚式が行われていた。
新郎は勿論我らが嶋田繁太郎。そして新婦は・・・

「うふふっ、繁太郎様・・・末永くよろしくお願いします。」

見事なウェディングドレスに身を包んだロシア皇女アナスタシアであった。
あの日以来嶋田に興味を持った皇女は学業の傍ら嶋田宅を訪ねる事が多くなった。嶋田も最初は厄介ごとが増えたと教科書的な対応が多かったが
回数を重ねるにつれてそれなりに親しくなっていった。この時点ではあくまで年の離れた友人という意識であった嶋田であったがこの事を
夢幻会が知った時、話は大きくなった。
 彼らは嶋田と皇女の意外な関係に驚きつつも二人が結婚すれば大きな国益(※5)になると判断。報告を受けた”最も尊き方”もノリノリであった。
それらの動きに押された2人の関係は徐々に深くなり、遂にはアナスタシア皇女からの求婚により嶋田の独身生活(※6)は終止符を打つことになった。

2人の関係の深さを確認した皇室や外務省を通してロシア側にも話が行き、皇帝ニコライ3世(ニコライ2世が本年初頭に死去した為。アレクセイ王子が即位)や政府閣僚なども
対日関係の改善は利益になると判断。また相手が皇族では無いが爵位を持つ国家の英雄であることからロシア国内の反対は殆どなかった。
一部の国からは反対や不快の念を表明する動き(※7)があったがそれらは帝国政府の警告と海軍の遠足(という名の示威行為)により黙らされた。
また日本国内でも反対する動きは無く

「わが国の英雄の結婚相手としては相応しい」

というような賛成の意見が大半であった。
日本からは最も貴き方を始めとした皇族方や軍首脳部などが。そしてロシア側は特使であるマリア・ニコラエヴナ皇女を始めとした使節団や駐日大使、
そしてアナスタシア皇女の学友などが参列していた。

「ええい、俺も男だ。こうなったら意地でも幸せにしてみせるぞ」

「ありがとうございます繁太郎様、私は・・・幸せですわ。」

こうして結婚式は順調に進み、帝国の英雄と元敵国の皇女という異例の夫婦が誕生したのであった。
また皇女の夫として相応しい立場を持たせると称して式の翌日に皇居に呼び出された嶋田は少将への昇進と伯爵位の授与と共に2人の住居として建設中の和露折衷の屋敷と土地の下賜が言い渡された。またロシア帝国からも聖アンドレイ勲章の授与が伝えられた。
こうして表向き”ジャパン・ドリーム”の体現者となった嶋田は更なる苦労と胃痛を背負い込むことになったのである。

 このような事態はあったものの、帝国領再開発計画及び付随する形で行われた帝国軍再編計画は順調に推移していた。同時に夢幻会派の議員により提出された
日本連邦構想(※8)により一部の海外領土での自治化(満州・リビア・エリトリアが対象)が進み、同地で日本軍の下部組織としての現地人による警備隊が発足し始めた。
中でも有名なのは満州航空警備隊の司令官に就任したヘルマン・ゲーリング(※9)であろう。
またこの動きに釣られてかアメリカでもフィリピンの自治化の拡大及び早期独立の話が進むと同時に英仏の植民地では独立運動が激化した。

そして遂に世界は・・・あの日を迎える。

839 :名無しさん:2015/11/22(日) 22:17:39
1929年10月24日 アメリカ ウォール街


「駄目です、GM株の下落が止まりません。」

「ボーイングだけでなくデュポンやスタンダード・オイルもです。」

GM株の下落に端を発した株の暴落は連鎖的かつ大規模に拡大し、その日の内に一時的な市場閉鎖にまで発展。史実をはるかに上回る規模で展開していた。
また早くも数日後にはロンドンやパリ、そしてベルリンにまで波及し世界規模の大恐慌となった。そしてそれを待ち侘びていた男達が居た。


1929年10月30日 東京 夢幻会会合場所


「さ~て、ガンガン英仏から絞り取りますよぉ。」

「おい、辻の奴、やけにはりきっているな。」

「まあ英仏から搾り取る良い機会だからな。」

会合の場では大蔵省大恐慌対策部(※10)の責任者に就任した辻がやたらハイテンションな状態で小躍りしているのを他のメンバーが呆然と見ていた。

「あははははっ、どの会社を崩壊させて特許と技術を奪い取ってやりましょうかね。」

「嶋田さん、止めなくて良いんですか?」

何時もなら暴走する辻を制止するはずの嶋田が静観しているのを訝しんだ南雲が思わず尋ねた。

「いいんですよ南雲さん、少しぐらい・・英仏の連中には痛い目を見てもらわないと。」

珍しくも怒りをにじませながら毒を吐く嶋田。困惑する南雲に横から山本が話しかけた。

「嶋田の奴、イギリスのマウントバッテン伯爵から不幸の手紙(※11)を貰ったんだ。あと自分を撃墜したフランス軍操縦士が順調に出世しているのが耳に入ったらしくてな。」

山本の説明に聞き入る南雲や他の参加者達。嶋田とアナスタシアの結婚後、式にロシア側代表として参加していた姉のマリアが帰国せずに文化交流使節団の代表として日本に滞在。
嶋田御殿(嶋田の新居の通称)を拠点に活動をしていたが後に嶋田の紹介で閑院宮親王の長男と交際が始まり婚約にまで発展。これにマリアに執着し求婚を続けていたマウントバッテンを激怒させていた。だが皇族相手に正式に抗議すれば最悪な展開になる可能性が予想されたので嶋田相手に私信という形で抗議文を送っていたのであった。
また嶋田を撃墜したフランス軍操縦士、彼は以前にも述べたが一応拘束され裁判にかけられたが対日感情の悪化から大戦の終結に伴う恩赦により釈放されそのまま軍務に就いていた。
順調に出世し現在は中佐にまで出世、おまけに「英雄を撃墜した男」という手記を出版(日本語版あり)。更に駐在武官として日本に派遣されかけていた(着任拒否)。
これらの事から温厚な嶋田が珍しく本気で激怒していた。

「嶋田君の制止を受けずに暴走する辻か・・・、まあ英仏が何所まで零落れるか見物だな。」

だが彼らも辻を止めようとは思わなかった。寧ろこれを機会に英仏を叩きのめそうと背中を押す始末であった。これにより英仏を中心とした欧州は地獄を見る事になる。


1930年1月7日 

欧州の状況は悲惨な状況下にあった。植民地を持つ国はブロック経済を行おうとしたが失敗(※12)。おまけに大日本帝国情報局の協力を得た大蔵省(辻)の
工作により各種株価が大暴落、それに伴いポンドやフランの価値も大幅に下落しマルクに至っては史実ジン○ブエ並という尻を拭く紙以下にまで下落していた。
同時に倉崎や三菱に代表される日本企業の買収工作も盛んに行われ代表的な物だけでも

840 :名無しさん:2015/11/22(日) 22:18:12
○イギリス

アブロ:倒産、特許・技術は倉崎に買収され、スカウトされた一部の技術者や工員を中心に倉崎傘下の満州アブロとして再編。

ヴィッカース:倒産の危機に瀕し国営化。その際に資金難になり三菱へ幾つかの特許を売却。

バーミンガム・スモール・アームズ:特許・技術は東京瓦斯電気工業に買収。製造設備などはリビアに移送され東京瓦斯電気工業リビア支社が成立。

○フランス

オチキス:三井に買収され傘下に入る。

リオレ・エ・オリビエ:倒産の危機に瀕した為、技術や特許の他に設計・生産中の航空機の製造権を愛知航空機に売却。

○イタリア

オート・メラーラ:川崎重工に買収され傘下に入る。主要な生産設備はリビアやエリトリア・インドネシア等に移転(希望する技術者や工員も)。

○ドイツ

ハインケル:日本(倉崎ら)の誘いにより会社自体を満州に移転。

クルップ、ラインメタル、ワルサー、モーゼル、DMW等:日本の企業連合に対し特許や技術・現行製品の製造権を譲渡。

MAN:三菱との合弁企業を満州に設立(後に三菱へ譲渡)

他にアインシュタイン、ハイゼンベルク、フォン・ブラウン、ホルテン兄弟等の技術者をスカウト。

○ベルギー  FN:技術や特許、現行製品の製造権を日本の企業連合に売却。

など特に軍需関連の企業が軒並み買収や特許・技術の売却などの憂き目にあっていた。また一部の日本人達が白人女性を買ったりメイドさんを雇用(※13)して日本に連れて行ったりと欧州視点での蛮行を繰り返したため、不況による悲惨な状況も相まって反日感情が激高した。
また欧州及び周辺において不況から逃れられた又は最小限の損害で済んだのは日本との関係が深い北欧諸国やトルコ、及び皇族を差し出す形で事実上日本に屈したロシアだけであった。
(東南アジアを含む日本の勢力圏には不況による影響はほぼ無し)。

 またアメリカだがフーヴァー大統領の決断により国内および植民地への日本資本を大幅に受け入れ雇用を確保。また震災への支援の返礼として満州等の開発にアメリカ企業を
最恵国待遇で受け入れたり日本企業との合弁会社を設立させるなどの日本との協力により不況による影響を最小限で切り抜け、僅かながら経済成長を達した。これにより
フーヴァーは称賛され、白人至上主義者(+中朝系移民)以外のアメリカ国民の対日友好度は極めて高くなったのだった。
 ソ連はトロツキーを早期に追放したスターリンが権力を握ったがロシア帝国の存在や欧米の目を気にしてか意外なほど穏健(スターリン的な)な統治を行っていた。
  (それでも餓死者だけで200万人は発生していた。)

 こうして日本は好調な発展を見せていたがそう都合の良い状況は長続きしなかった。
1932年3月2日にロシア帝国にて同時多発テロが発生し皇帝や皇族、そして政府閣僚が爆殺。ほぼ同時に共産主義者によるクーデターが発生し。発足した臨時人民政府はソ連との合流を宣言。その翌日にはソ連軍が進駐を開始した。この突然の出来事に日本は国境警備を強化し、亡命者を受け入れる事しかできなかった。但しマリア、アナスタシア両皇女の要請で
特殊部隊を派遣し亡命者の保護や資産の回収などを行っている。

そして1933年3月4日、日本にとっての厄災の日を迎えるのであった。

841 :名無しさん:2015/11/22(日) 22:18:46
※1:日本を現時点で敵に回すと拙いと判断したバチカンによりこの神父は後に解任された。

※2:震災により日本が壊滅的打撃を受けたという噂を真に受けた連中が”日本鬼子を倒すチャンスだ”と無計画に暴れだした。もっともその日の内に全て鎮圧された。

※3:賠償による物納の他に欧州から安く買い叩いた。

※4:日本共産党の過激派や共産主義にかぶれた軍人や知識人・学生の他に一部の労働組合など。

※5:日本からの各種援助や資本受け入れによる工業の近代化等各種の支援が期待できた。

※6:この世界においては過酷な軍務の為に出会いが無く、そして英雄となった彼が利用されるのを警戒した夢幻会の手により独身を貫いていた。もっとも嶋田自身もハニートラップや下心見え見えの求婚やお見合いに辟易していた。

※7:白豪主義の豪州やアパルトヘイト政策を行い始めていた南アフリカが政府声明で不快の念を発表していた。当初は連邦離脱を匂わせたり日本本土近海や領域の近くで海軍による
   演習を行い”自国の意思”を示すという案も出たが逆に制裁を受けたり日本から宣戦布告を受ける恐れが有ると判断しそれらは中止し不快の念の発表に止めた。
  (もっとも発表の少し後に両国へ輸出される一部の日本製品の値段が吊り上ったり戦艦を含めた日本艦隊による”親善訪問(無通告)”が実施された)。

※8:天皇を共通の君主に戴いた国家連合体という英連邦に似た組織を作るという構想。

※9:敗戦後、零落れていく祖国に見切りを付け、嶋田やMMJの伝手を頼り仲間と共に満州へ移住。直後に発生した中露との戦争では日本軍の了解を得て仲間たちと共に
   ”傭兵飛行隊ス○ーフェイス”を結成。日本から支給された戦闘機や中華民国から鹵獲したドイツ製戦闘機を使用して大きな戦果を挙げた(全て痛機に改造)。
   戦後は日本軍から治安維持や匪賊狩り等の任務を受ける傍ら報酬を元手に航空学校を開いていた。

※10:表向きは大恐慌対策の為の特命部署だが実際は英仏などから富を絞り取る為に大蔵省の精鋭(笑)を集めた部署である。

※11:内容はアナスタシアを娶った事に対する批判や自身のマリアとの結婚を不可能にした事に対する恨みが込められた物。

※12:主に日本の工作が原因。その他にも関税を高くし過ぎると自国の産業維持に必要な日本製の高精度工業製品の輸入が不可能になる為。

※13:特に英仏独出身の若いメイドが好まれた。彼女らも貧しさから逃れる為に日本人に雇われようと必死な状況であった。
   因みにMMJがお嬢様学校に引き続いてメイドさん学校を作る為に多くのメイドを雇って日本に連れてきており。中には英国名門貴族オ○コット家の元令嬢や
   倒産した仏企業デ○ノア社の弾倉が似合いそうな令嬢も居たという。そして極一部ではあるが大戦末期のドイツ軍メイドさん部隊を参考にした
   日本版装甲猟兵侍女中隊を作ろうという動きもあった。

おまけ

○85試飛行爆弾 最大速度:620Km/h  射程距離:300㎞ 弾頭重量:900㎏ 

○85試短距離弾道弾 最大速度:M4.71(5760km/h)  射程距離:400㎞ 弾頭重量:1000hg

○85試潜水艦用飛行爆弾 最大速度:600㎞/h 射程距離:250㎞ 弾頭重量:800㎏

842 :名無しさん:2015/11/22(日) 22:19:20
いかがでしょうか?
大震災をものともせず、好調な経済を背景にアメリカとの友好を維持しつつ、大恐慌を利用して欧州から絞り取る日本。そして嶋田さんのロイヤルウェディング。
極端な欧米の劣化や特定人物(嶋田さん)の持ち上げにネタの多用が批判を受ける面もありますが前作及び今作の基本的な考えで自分が書いてみたいと思って
考えた内容を実際に書いてみたらこうなってしまいました。ですのでどうか生暖かく見守って下さい。
 それと現時点で欧州(北欧除く)から位しか孤立してませんが次回より敵や中立国が増えていきます。

~予告~

ロシア帝国で革命発生し連に吸収された。この突如の事態に日本は最低限の行動しかできなかった。それ以後も中華民国では蒋介石が実権を握り反日運動が高まり、
ドイツでヒトラー、フランスでド・ゴールといった反日極右政権が誕生していった。そして日本との友好関係を維持していたはずのアメリカ合衆国において
遂にあの男が大統領に当選する。

次回”大悪魔フランクリン”

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最終更新:2015年12月27日 18:51