203 :ライスイン:2015/10/29(木) 22:40:17
 1917年10月7日 山東省 日本軍国境守備隊

「連隊長殿、敵の第5次攻撃を撃退いたしました。」

「わかった、負傷者を後送し防衛線の再構築を急げ。それと師団司令部に補給の手配だ。」

日本領となった山東省と中華民国の国境に配備された師団隷下のこの連隊は中華民国による宣戦布告なき強襲攻撃(※1)が始まって以来、
事前に増強された火力と備蓄(※2)のおかげで今日までに3回にも上る中国軍の師団規模の攻撃を撃退していた。
しかし数倍の敵を複数回にわたって撃退したせいで弾薬の備蓄が危険なまでに低下していた。

「連隊長殿、師団司令部より緊急通信。中国軍の便衣兵が師団補給所を襲撃、一部が自爆し相当数の弾薬が焼失したとの事。」

補給の手配の為に通信所に向かっていた副官が慌てて連隊司令部へ戻ってきて驚愕の報告をする。

「不味いな・・・このままでは支えきれんぞ。」

連隊長が無念そうに呟いた時、今度は通信兵が駆け込んできた。

「連隊長殿、師団司令部より退却命令です。後方の予備拠点まで後退せよとの事です。」

「そうか、ならば急ぎ撤退準備だ・・・持ち運べない弾薬はタイマーをセットして爆破する。」

舞い込んだ撤退命令に連隊長は急いで必要な措置を命令する。だが・・それは少し遅かった。

「敵機接近っ!!」

警戒していた兵士が突如大声で警告を発する。飛来したのはイギリス製のハンドレページO/400が5機とソッピース パップが5機(※3)と
少数であったが友軍機が上空に居ない以上、脅威であることに変わりなかった。

「対空戦闘用意っ」

連隊長が大声で命令するが間に合わず、爆弾が投下されてしまう。更に

「ぐぁ・・・これは毒ガスかっ、状況ガス・・状況が・・・。」

おまけに投下された爆弾全てが毒ガスが詰まった爆弾であった為、連隊長以下の連隊司令部要員が全滅。指揮系統が消滅した連隊は
混乱に陥ってしまう。その後行われた中華民国軍の第6次攻撃によってこの連隊は壊滅し国境が突破されてしまう。
似たような光景は大陸各地で発生していた。




                   孤立大陸 第22話「極東の戦争と軍縮会議」



 中華民国とロシアによる宣戦布告なき強襲攻撃、この事態は日本全土を怒りに包ませていた。英仏による愚行はあったが戦勝による栄光と
大戦終結による平和を謳歌していた日本人に冷や水を浴びせ、そして怒りを燃え上がらせていたのだ。また中華民国軍が毒ガスや便衣兵を
用いた軍民問わない無差別攻撃を行うに至り全面的な報復と中華民国討伐が叫ばれるようになった。因みにロシア軍による攻撃は要塞化された
ハバロフスクに集中し他の戦線ではコサック騎兵や小規模部隊による襲撃程度であった。その為ハバロフスク西方の国境地帯に建設された
要塞線”乃木ライン(※4)”に阻まれていた。

 そんな中、英仏から日本に対して海軍軍縮条約への誘いがあった。名目としては過剰な軍備を抑制し新たな戦争を防ぐというものであった。
しかし当の英仏が過剰な海軍建設計画を発表した直後であり、主張と実情が矛盾することから誰も題目を信じていなかった。

204 :ライスイン:2015/10/29(木) 22:40:50
1917年10月15日 東京 夢幻会会合場所

「ジョンブルにエスカルゴめ、随分と図々しく白々しい提案だな。」

参加者の一人が苦々しく言葉を発する。
英仏の提案する海軍軍縮条約が実の所、日本の戦力を弱体化させて将来的な領域奪取の為の布石と同時に対日戦争中の中露への援護であることが
明らかであったからだ。

「名目が名目で有る為、アメリカ等の各国も参加の意向を示しています。」

「交渉への参加自体は止むをえまい。」

一応きれいなお題目を掲げている為、軍縮条約の交渉への参加自体は仕方ないと判断する参加者達。

「それと大陸の各戦線はどうなっているんだ?毒ガスと自爆テロ、おまけに便衣兵攻撃に人海戦術で国境線を突破されたと聞いているが。」

「はっ・・・それらの攻撃により国境守備部隊は要塞配備の部隊を除き大打撃を受け後退しました。それと・・・避難の間に合わなかった
  開拓地域が襲撃に逢い、多数の民間人が犠牲に・・・。」

拳を握りしめ、無念そうに報告する。軍部としても攻撃を予測して警戒を強めていたがまさかの毒ガス攻撃に対応しきれず民間人にまで多数の
犠牲を出したことに自責の念を感じていた。

「ですが緊急展開した航空隊と列車砲部隊により連中のこれ以上の進撃は辛うじて食い止めました。そして休息と再編成を終えた欧州からの帰還部隊
  を順次大陸に派遣しています。」

急派した部隊により進撃を辛うじて食い止めた事が報告される。同時に挺身部隊や特務機関、そして警察の外地派遣特別機動隊による徹底的な便衣兵狩り
が開始された事も改めて報告される。

「それなら状況は改善されるだろう。ロシア戦線の状況はどうなっている?」

「シベリア総軍(※5)の伊地知大将からの報告では攻撃がハバロフスクに集中している為、乃木ラインにて全て食い止めているとの事です。
  小規模な浸透部隊に対しては騎兵や挺身部隊に航空隊で虱潰しにしていると。」

大陸戦線に比べて順調なシベリア戦線の報告に参加者達は安堵する。しかし次の報告がそれを打ち砕いた。

「特務機関からの報告によりますと英仏から中華民国に供与された兵器の中に多数の化学兵器が混ざっていたとの事です。また撃墜した
  中国軍機の操縦者の殆どがイギリス人でした。毒ガス弾を投下した機体の操縦者も・・・。」

「屑野郎共め、我が国に助けられておきながらそこまでやらかすとは。」

安定した英仏の背信行為に怒りを募らせる参加者達。彼らからすれば日露戦争から発展した発展した対欧州戦争の敵国と準敵国を自国利益の為とはいえ
多大な犠牲を払って助けたにも関わらず、こうもあっさりと裏切られるとは・・・いつかはやらかすだろうとは思っていたが・・・さすがに予測して
いなかったのだ。

「撃墜した毒ガス投下機を操縦していたイギリス人数名を確保しています。それと特務機関を総動員して武器供与取引の現場を抑えるべく指示を出しました。」

「結構だ、状況次第では中華民国に対する化学兵器による報復攻撃並びに英仏に対する軍事制裁も行わなければならんだろう。」

先の世界大戦でも行わなかった自国の化学兵器を用いた攻撃。それを実行する可能性が出て来たことに参加者達は改めて気を引き締めた。

205 :ライスイン:2015/10/29(木) 22:41:21
1917年11月5日  大英帝国 首都ロンドン

「何度も申し上げるように日本の軍拡はアジア太平洋に多大なる脅威を与えているのです。即刻過剰な軍拡を中止し過剰な軍備を解体するべきです。
  そして土民たちへの軍艦供与も中止するべきです。」

軍縮会議の場でオブザーバー参加の豪州代表が大声で日本の姿勢を非難する。今回の海軍軍縮条約の交渉参加国は
イギリス・フランス・アメリカ・日本・イタリア・トルコ(※6)で英連邦諸国やその他の欧州各国及び南米3国がオブザーバーとして参加していた。
会議の冒頭でイギリスが提案してきた各国の軍縮比率の内容が

○戦艦

アメリカ・イギリス:100万t 日本:40万t  フランス・イタリア:35万t  トルコ:8万t

○空母

アメリカ・イギリス:30万t 日本・フランス・イタリア:15万t トルコ:4万t

○制限

戦艦:基準排水量7万t、主砲18インチ(2隻に限り20インチ)でこれを超える戦艦の建造・保有を禁止

空母:基準排水量3万トン 8インチ以上の砲の搭載禁止

一部地域における拠点要塞化の禁止(主に日本領域内が対象)

という明らかにアメリカを味方に引き込んで日本を標的にした一方的な内容であった。同時にギリシャへの配慮としてトルコにも一方的な保有制限をかけようと
するものだった(この案で行くとティムール級2隻と旧式艦1隻しか保有できない)。同時に拠点要塞化に制限をかける事で日本の海外領土における防衛力を
低下させようとする狙いもあった。
 そして英仏は現在行われている日本と中露の戦争に対して日本の大陸からの全面撤退による和平(※7)を提案するに至って日本の怒りは遂に爆発した。

「このような公平さを欠く我が国を標的にした提案など受け入れることは出来ん。」 日本首席代表 東郷平八郎元帥

「宣戦布告を行わず軍民問わない無差別な虐殺、更に毒ガスを使用する連中に譲歩などあり得ない」 日本次席代表 乃木希典元帥

歴戦の英雄の怒声に思わず沈黙する英仏の代表。同時にトルコ代表も一方的な保有制限に抗議の声を上げる。
そして沈黙に耐え切れずに豪州代表が叫びだしていたのであった。

「世界を平和(白人主導の)に導くためにはこの条約を締結させるしかないのです。代償は大きいですが涙を呑んで受け入れてください。」

「もともとは貴国の大陸進出の野心が原因です。これ以上犠牲が広がらない内に大陸から撤退すべきです。」

豪州に続いて英仏の代表も口を揃えて日本に原案を丸呑みにするように訴える。因みにアメリカはどちらにも加担せず様子見の状態であった。
英仏としては日本が条件をのまないのは予想済みで平和を求める欧州とそれに従わず軍拡を続ける日本という構図を作り出して日本の権威と評判を低下させて
孤立に追い込むつもりであった。同時に中国に対して密に化学兵器を供与して使わせることで日本を弱体化させ、状況次第では自国民保護の名目で
限定的な武力行使を行う事も計画していたのだ。それ故に英仏は日本を”平和を拒む悪逆国家”扱いして自国のマスコミを使って宣伝させ、同時に中露への兵器供与と
売却を本格化させていった。だがそんな姿勢の英仏に対して決定的に不利になる出来事が発生するのであった。

206 :ライスイン:2015/10/29(木) 22:41:54
1917年11月10日 大陸 天津市港湾部某所  日本海軍第1特務陸戦隊「葉」 第1部隊「東鳩1」

「隊長、目標の倉庫に”葉巻”と蛙”が入ったのを確認しました。」

「よし、総員突入用意。」

装備を点検していた隊長に部下からの報告が入る。彼ら特務陸戦隊は情報部など様々な方面から本日に英仏と中華民国が天津の港で化学兵器の引き渡しを行うという
情報により急遽派遣されていた。因みに天津は中華民国の領内で有る為、試作の輸送潜水艦や仮装巡洋艦を用いて潜入してきていた。そして作戦成功後に沖合で待機中の
民間船に偽装した揚陸船や遼東半島からの空挺降下により天津市内を制圧する手筈になっていた。

「東鳩2より東鳩1へ・・・」

「こちら東鳩1、どうした?」

無線機から聞こえてきた化学兵器を運んできたと特定された輸送船を見張っていた別動隊の東鳩2より連絡が入った。

「マルチ(化学兵器)及びセリオ(通常兵器)の出荷が開始された」

見張っていた輸送船から隠語にて化学兵器やその他の武器の搬出が始まったとの連絡が入り周囲に緊張が走る。

「了解、第1便の搬入確認後に合図を出す。」

隊長の応答が終わり、そして数分後・・・

「マルチとセリオが搬入された、突入開始っ!!」

隊長の合図と共に東鳩1の隊員が短機関銃や騎兵銃を構えて倉庫へ突入する。同時に東鳩2も輸送船への突入を開始した。

「何だ貴様らは・・・」  「撃てェ!!」  「皆殺しだ」

英語・フランス語・中国語の叫び声が響き、破落戸に変装した中国兵や葉巻&蛙の護衛が銃を向けてくる。しかし東鳩1は圧倒的な技量差で
瞬く間に護衛を排除。高官と思われる中国人や葉巻に蛙達の手足を撃ち抜いて無力化する。

「制圧完了。」  

「了解、直ちにマルチの写真を撮れ。同時に葉巻と蛙共の尋問だ。」

隊長の命令によりマルチの調査と葉巻たちの尋問が開始される。難航するかと思われたが・・・

「隊長、身分証が出てきました。こいつ等は英香港総督府の書記官に武官、そして北京の仏大使館付の通訳官と理事官です。」

「文書を確保しました。マルチは化学班の調査に委ねられますがまず間違いないかと。」

隊員たちから次々と報告が入る。

「こちら東鳩2、輸送船を確保。我に死傷者無し。」

東鳩2からも輸送船確保の報告が入る。

「よし。沖合の船団に打電しろ。”リア充爆発”・・・”リア充爆発”だ。」

隊長の任務成功の暗号電を受け、沖合に待機していた仮装巡洋艦と偽装輸送船が港湾に接近し、完全武装の海軍陸戦隊突かれた中華民国側は碌に抵抗できずに
短時間の小競り合いで天津の占領に成功する。天津占領後、一隻の大型船が入港してきた。そこには日本の各機関による合同調査団の他、アメリカを始めとした
各国の記者たちが同乗していたのだった。

207 :ライスイン:2015/10/29(木) 22:42:27
1917年11月20日  大英帝国 首都ロンドン

 この日、軍縮会議は凄まじく荒れていた。数日前に日本が発表した

”英仏が中華民国に化学兵器を供与。それを英軍現役パイロットが操縦する中国軍機が投下”

という内容の驚愕の発表。捕縛した外交官や捕虜にした操縦士の証言など詳細な証拠付で発表されたそれは英仏に大打撃を与えていた。
英仏は

「悪質な日本のねつ造である」

と主張し日本への抗議と隠避の為の報道管制を敷こうとしたがアメリカなどの国々の主要紙が同様の内容を記事にしたため頓挫。
英仏の世論は半数が

「生意気な日本人に一泡吹かせてやったぜ。」

と政府の行動に歓喜していたが冷静なもう半数は

「日本人が殴りかかってくるぞ。」

と恐怖に震えていた。軍縮会議の場で日本は英仏に対して責任者の処罰と謝罪と賠償及び中華民国とロシアへの支援の即時停止、特に中華民国への化学兵器供与の停止と
要求。同時に受け入れられない場合はアジア地域に限定した報復の為の軍事行動と中華民国への報復毒ガス攻撃を行うことを発表した。
この日本の発表に対して英仏は数日間議論を重ねたが

”疲弊しきっている現状で対日戦争は不可能。対日弱体化工作はいまはこの辺が潮時である”

という結論に達して対日強硬論を抑え込んで日本側の要求を受け入れた。その結果、英仏は

01:責任を認め謝罪 02:責任者の処罰 03:中露への支援の停止・今後実施しないことを確約 

04:賠償(英 賠償金・1936年までの日本船舶のスエズ運河無条件無料通過。仏 賠償金・資源の一定期間格安売却・10年間のフランス領内港湾施設の使用料減額

という条件を日本側に提示。日本側も概ね満足できる内容であった為、政府の指示を仰いだ上で受諾。国民も比較的満足していた。
また当然の事ながら軍縮会議は流会し不成立。同時に英仏それぞれの国内では”日本に屈した軟弱な政府”に対する抗議運動やテロが発生し政情が不安定化した。
それとは別に中露と日本の和平斡旋も行われたが決裂。報復は行われる事になった。


1917年12月1日 山東省 某飛行場

「諸君らの任務は毒ガスを用い臣民を無差別に殺害した卑劣な中国人へ報復を行う事である。」

飛行場に整列した搭乗員へ航空隊司令(夢幻会メンバー)が訓示を行っていた。

「今回報復に毒ガスを使用する事に批判的な連中もいる、話し合いで解決せよと寝言を言う輩もいる。だが話し合う価値など無い。あるとしたら
  連中を足腰立たなくなるまで痛めつけ、抗う力を奪い去り自ら許しを申し出てきた後からだ。」

基地司令の訓示が続く中、搭乗員たちは拳を握りしめ押し黙っていた。何せ中華民国の非道はそれ以前の行いも加えて完全に日本人を激怒させていたからだ。
彼らは自ら鉄槌を下せることに内心喜んでいたのだ。

「最後に・・・汚物は殺菌消毒せよ。」

司令の言葉を合図に搭乗員たちは一斉に乗機に乗り込み離陸していく。この光景は大陸各地の航空基地でも同じであった。

209 :ライスイン:2015/10/29(木) 22:43:06
数時間後 中国軍基地上空

「司令、目標上空にあと僅かで到着です。」

「宜しい。全機爆撃体制に入れ。」

目標である中国軍基地にあと僅かで到着するという報告に司令は爆撃体制に入るように命令する。中国軍の飛行場や防空陣地(機銃がある程度)は
事前爆撃で破壊され、ごく少数の戦闘機も増槽を付けた護衛戦闘機によって叩き落されていた。今回の報復作戦には司令が登場する77試重爆撃機20機
の他に76式爆撃機/陸上攻撃機が300機、他の単発爆撃機や戦闘機も合わせれば1000機以上が動員されていた。また準備された爆弾もサリンやマスタードガス等の
毒ガス弾の他に焼夷弾やナパーム弾に集束爆弾、そしてごく少数ではあるが実験中の燃料気化爆弾も用意されていた。護衛には77試戦闘機や77試艦上戦闘機などの
試作戦闘機が少数ながら護衛に就いていた(他にも機銃を増設した編隊援護機仕様の76式爆撃機も加わっていた)。
装甲している内にこの司令が率いる航空隊が目標上空に到達する。

「投下用意・・・投下ぁっ!!」

司令の命令が下り爆弾倉が開いて次々と爆弾が投下され・・・地獄絵図が出現した。
これ等の攻撃は一週間行われ軍人のみならず民間人にも多くの死傷者が発生した(※8)。
中華民国は日本の非道を訴え世界中に支援を要請、尚も戦争を継続しようとした。しかし日本軍機の大編隊が北京市上空で宣伝ビラや模擬爆弾を投下するに至って継続を断念。
ロシアも爆撃で補給線のシベリア鉄道や物資集積所が破壊された事で士気が極度に低下。度重なるハバロフスク攻略失敗により多くの犠牲が出ていた侵攻軍が降伏。
これ以上の犠牲を出してはソビエトに付け入る隙を与えかねないとこちらも戦争継続を断念。両国は多額の仲介料を払ってアメリカに講和の仲介を依頼した。

1917年12月20日 大日本帝国 下関市

この日、かつて日清戦争を終結させる講和条約が結ばれた地で新たな講和条約が結ばれた。アメリカの仲介により日本とロシア・中華民国の間での戦争は以下の条件を
中露両国が飲むことで終結したのだった。

01:賠償金の支払い(美術品・遺物等の物納でも可) 02:10年間の一定数の各種資源・農産物の物納(賠償金が支払い不能時は額により増加)

03:生物化学兵器の開発保有の禁止  

中露両国にとって過酷な条件であったが飲まなければ戦争が継続し自分達の命ですら危なくなる為、受け入れたのであった。
その後両国は少しでも条件を軽くしようと工作を開始。中華民国は日本の軍・政府高官と接触して賄賂を渡そうとしたり日本の支配地域に多数の娼婦(工作員含む)を
派遣して(※9)日本人を籠絡しようとしたが全て失敗。ロシア側の同様の工作も失敗した(※10)。
但し日露友好の為と行われたアナスタシア皇女以下貴族子女の日本留学(人質の意味もあった)はそれなりに暖かく迎えられ、悪化した対露感情を少しではあるが好転させた。
皇女らは帝都東京に完成したばかりの聖アストライア女学院に通うことになり、後にこの学校は世界で最も有名な女学院にまで発展することになる。

こうして様々な出来事が発生したが日本はやっと戦争を終わらせ一息つくのであった。

210 :ライスイン:2015/10/29(木) 22:43:46
※1:中露は奇襲のつもりであったが事前に察知されていた。

※2:事前に攻撃を察知した為、最前線部隊に機関銃・迫撃砲・軽榴弾砲などを追加配備していた。また後方の砲兵も通常の倍以上の弾薬を緊急配備していた。

※3:この時搭乗していたのは軍事顧問の英仏”現役”軍人だった。

※4:ハバロフスク郊外に建設された乃木要塞を起点とした要塞線。マジノラインのような長大かつ重厚な要塞線ではなく地下通路で繋がった複数の要塞が互いに連携し合う形式。
   各要塞は列車砲に加えて海軍から譲渡された旧式戦艦の砲塔(30.5㎝連装砲等)を転用した要塞砲を備えている。特に乃木要塞(非公式名イ○ルローン要塞)は陸軍が試作した
   試製51㎝超重榴弾砲(非公式名トー○ハンマー)を備えている。

※5:ロシアから得た領土(東経135度より東)の防衛を担う為に組織された軍。現司令官はかつて乃木元帥の元で参謀長を務めていた伊地知幸介大将

※6:ウルグ・アリ級(河内型)2隻・イスタンブール(薩摩・練習戦艦)に加えてティムール級4隻という強力な戦艦を保有するトルコに怯えたギリシャやイタリアが英仏に嘆願。
   その結果、充実した海軍力を保有していると理由で英仏より主要国として参加を要請されいた。

※7:日本から申し出る形で大陸からの全面撤退と全ての権益を中露に”返還”するという内容。これを見た日本側は英仏は戦争を長引かせて我が国の国力を弱体化させる事を
   企んでいると判断した。

※8:中華民国は1000万人の犠牲が出たと発表したが後の日本側の調査で50万前後と判明した。

※9:一部では日本の戦力を減らそうと性病に感染している娼婦が送り込まれていた。

※10:ロシア側から送り込まれた女性の大半は貧しい生活から逃れようと必死であり、その多くがロシア政府の意に反して工作などせず日本人と恋仲になり結婚・帰化という道を歩んだ。
    これが後にロシア系ハーフ美少女が多く誕生する原因の一つとなった(当然女学院の入学者も)。

おまけ1  日本海軍特務陸戦隊「葉」  通称:リーフ

海軍が史実の米海軍特殊部隊シールズを参考に創設した特殊部隊。
東鳩1・東鳩2・雫・痕・起源・白帳面1・白帳面2と7つのチームで編成され、主に今回のような特殊作戦に投入されている。

おまけ2

○77試重爆撃機  空冷:1050馬力×4 最大速度:320㎞/h 航続距離:4000㎞ 12.7㎜機銃×10 搭載量:3000㎏

現在試作中の4発重爆撃機で外見はB17を若干小さくしたような物。完成している試験機20機全てが報復作戦に投入された。
不具合も多く、部品も一品物が多用されている為に現状では量産が不可能な状態。

○77試戦闘機 空冷:900馬力  最大速度:451Km/h  航続距離:1000Km 12.7㎜機銃×4  搭載量:120㎏(ただし無理すれば250㎏

陸軍が試作中の戦闘機で陸上と艦上を分けて開発した最初の機体。そして陸軍初の全金属製単葉機(固定脚)である。ただし共用できる部品は多い。
外見は史実97式戦闘機の翼を分厚くした感じ。

○77試艦上戦闘機 空冷:900馬力  最大速度:439Km/h  航続距離:1000Km 12.7㎜機銃×4  搭載量:120㎏(ただし無理すれば250㎏

海軍が試作中の艦上戦闘機で海軍初の全金属製単葉機(固定脚)。陸軍が試作中の戦闘機に比べて着艦装備等のお蔭で僅かに速出で劣る。
外見は史実96式艦上戦闘機の翼を分厚くした感じ。

211 :ライスイン:2015/10/29(木) 22:44:19
いかがでしょうか?
結構強引な展開になりましたがやっと戦争を終わらせられ、戦争を吹っかけた中露とそれらに化学兵器を供与した英仏は相応の代償を支払う結果になりました。
作中にも述べましたが英仏を始めとした欧州が日本に対し差別感と敵意を抱いて露骨な工作を行うのは日本に対する恐怖心があるからです。
欧州+αが束になってかかった日露戦争では完膚なきまで叩きのめされた挙句に植民地を奪われ、先の大戦では英仏は日本お助けが無ければ敗戦してたかもという状況。
更に自分達が苦戦したドイツ相手に圧倒的な勝利を飾り首都を陥落させる始末。これらの事から何としてでも日本を弱体化させ、将来的には倒さなければ自分達が
やられるとの考えを持った結果です。暫くは大人しくなりますが。
 それと今回は日本軍が化学兵器を使用しましたがその結果、欧米各国からは化学兵器の使用に関する条約が必要なのではないかという声が上がり始めました。

~予告~

 戦争が終結し、やっと平和が訪れた日本。彼らはこの期間を利用して国の発展と富の収奪(欧州からの)に勤しむ事になる。そんな中、アメリカにおいて株の大暴落が発生し
その影響は世界に拡散する。

次回”平和のち大恐慌”

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最終更新:2015年12月27日 18:43