148 :Aodの人:2015/03/20(金) 22:58:37
同君連合ネタ 天皇の任命権と大統領選挙


天皇。
かつて存在した日本という地域において、神代より公称2600年以上、歴史学的にも1500年
以上続く世界最古の皇統。
その皇統は中世のはるか昔に権力を失った後も権威を保持し続け、権力者が最も欲しい
ものである『正当性』を非常に効率よく担保できる世界的に視ても希有な存在である。
それは日本という国家がアメリカ合衆国という国家と合邦してからも変わらない。
独立戦争時に日本という有力国家を取り込む手段として名目上短期的に使おうとしていた
だけだった東部諸州を始め、アメリカ合衆国60州(10州は太平洋西部諸州)が今でも
立憲君主制を保持し天皇を元首と仰いでいるのはひとえに、非常に使いやすく、かつ
わかりやすく見せびらかせる誇りだからだ。
その「使いやすさ」が天皇家を今なお存続させ、権威を維持させている。

この権威に特化した性質が連邦共和制と立憲君主制という相容れない体制を合衆国内で
建国以降維持できている理由だ。

天皇の各州における立ち位置は任命者である。
天皇は州知事、州最高裁判所そして合衆国大統領選挙人の任命権を持っている。
その3役職は天皇に任命されるということによりその正当性が担保され、正当な権力を
保持できる。
ただし、この任命権は州知事の場合は州民の、州最高裁判所は州知事の指名に基づいて
任命するものであり、天皇に裁量権があるわけでもなく拒否権もない。
あくまで任命者にしか過ぎない。
しかし、へたな勲章を凌ぐ名誉であり、陛下に任命を受ける数少ない役職であることには
変わりがない。


というのが前条件。


さて、ここで一つ問題が出てくる。
天皇は合衆国大統領選挙人の任命権を持っている。
西は台湾州、東はメイン州までの60州の任命権だ。
任命する以上は任命される側が天皇の元に赴かなければならない。
西は台湾州、東はメイン州までの60州の選挙人当選者が一斉に大統領選挙人に任命
されるために天皇の元に赴く。

「できれば一番がいい」

そう思うのが人間の性だ。
任命競争は苛烈化し、スーパー・チューズデー・トライアスロンというアメリカ合衆国
大統領選挙の最大の目玉が自然発生的に成立したのは1800年のことだった。
ありとあらゆる手段を使い、真っ先に陛下のもとに馳せ参じ、大統領選挙人に任じられる。
はじめは皇居のある夜火州桜京(史実サクラメント)郡の選挙人が首位を独占していたが、
不公平だという各州の抗議によってスーパー・チューズデーに陛下が各州に行幸に
赴くことになり、行幸地の選挙人は応接役として最後に任命を受けるという慣例が
出来上がってからは努力で初任命を受けられる可能性が高まり、各州は手段を選ばなく
なっていった。

鉄道時代には選挙人列車と呼ばれる特別列車によりユタ州に行幸していた陛下に
ニューヨーク州の選挙人が初任命を受け、

飛行機時代にはチャック・イェーガー中佐と倉崎飛行機とのタッグで音速飛行機を使い
ハワイ州に行幸中に近畿州からの初任命で最遠初任命記録を樹立し、

ロケット時代にはフォン・ブラウンと糸川とソ連から亡命したコロリョフのチームが
大陸間弾道ミサイルを使ったメイン州選挙人移動で京都行幸中の陛下の50キロ先の山に
着弾して記録を塗り替える

など
自重しないアメリカンスピリッツと日本的凝り性でインフレ化。
21世紀初頭に5人の選挙人死亡者が出たことにより、通信による同時任命となるまで
アメリカ最大のお祭り騒ぎとなってしまった。


余談だが、通信化後も誰がいち早く陛下に面会するかで0.000000001秒単位の闘いが
繰り広げられることになるのは別の話だ。

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最終更新:2016年02月18日 09:57