213 :弥次郎@帰省中:2016/07/10(日) 17:50:47
【嘘予告】【ネタ】日本企業連合が史実世界にログインしたようです【ACfA】



1936年2月26日。

多くにとってそれは、唐突に起こった。

正体不明の、複数の大艦隊と人を模した兵器による母港と航路要衝および発生していた反乱軍への同時襲撃。

その多くは成功し、大日本帝国は拠って立つ政治体制と航路を大きく揺るがされた。

そして、日本企業連合 ムラクモ・ミレニアム代表 神崎博之の名で、ごく短いメッセージが日本列島全体に送られた。

『傲慢なる日ノ本の民よ、新時代へようこそ』

それは、大日本帝国において愛国者を嘯く者たちへの、明確な宣戦であった。

大日本帝国はその覚束ない国家体制に初めて気が付いたかのように、それに恐怖するしかなかった。

214 :弥次郎@帰省中:2016/07/10(日) 17:51:39
「いやぁ、神崎さん。いい感じに悪役やってましたね!」
「勘弁してくださいよ……ACfAの世界に転生したと思ったら、今度は史実日本につながるゲートが発生とか……」
「5.15事件の前にゲートがつながって、あちらとコンタクトできていたのは幸いだったな」
「ええ。今回の件であちらの御方も腹をくくったようですし、こちらも大手を振って動けますな」

ゲートの向こう。コジマ汚染が広がっている側の地球の日本列島において、夢幻会は会合を開いていた。
すでに史実世界には日企連の軍が展開しており、コジマ汚染のないクリーンな世界における日本列島は、事実上日企連との
同盟を選ばざるを得ない状況に追い込まれていた、日企連によって。
そして、この2.26事件において、ついに畏れ多き方は日企連に介入を依頼。それにこたえ、日企連は動いたのだ。

「これでクローズプランの支援も容易くなりますな」
「ええ。あちらから資源を買い付ければ、クレイドルが落ちた後も人々を容易く養えるでしょう」
「こちらでは機械を通していない新鮮な空気と水だけでも万金に値しますからねぇ」
「リンクスへの報酬も、あちらの空気で片が付きますからね。ただの空気を入れたボンベがノーマルAC1機より高くなるのは
非常に良い錬金術です。水でもいいですからねぇ……リンクスならちらつかせるだけでよい仕事をしてくれますよ」
「我々もそれの恩恵を受けている。あちらの料理は中々ですからな」

ひとしきり笑い合った彼らは、表情を引き締める。

「しかし、史実日本、というかコジマ汚染のない地域にネクストを持ち込むのは危険すぎますね」
「確かに。決戦時にネクストを投入するならともかく、迂闊にコジマ粒子をばらまく兵器を使ってはあちらの世界にも影響が出ますな」
「こういう時のアームズフォートでしょう。幸い、ギガベースやランドクラブなどで既存艦隊は何とかなります。
 それにハイエンドノーマルならばレイヴン上がりのリンクスが多数いるために何とでもなりますよ」
「しかしネクスト戦力も時に必要トンるだろう。あちらでの運用には少々難があるが」
「となると有澤のガチタンでPAやQBを使わない状態ならば十分でしょう。あれならば戦艦の主砲さえきかない戦車ですし」
「神の力を見せつける時が来たか……!」
「」ガチターン

一番最後の人間が何をやっているかは不明だが、ガチタン好きの夢幻会メンバーは俄かに色めき立つ。
確かにネクストは強力ではあるが、メンバーでもAMS適性を持つ人間は少ない。転生者や逆行者内部でのAMS適性の保有率は
通常の日本人よりも高いのだが、必ずしもアーマードコアシリーズをやっていた人間が持っているとは限らない。
その意味では、ノーマルACは訓練が必要だが誰もが操縦できるために、あちらの世界で活動するならば必須となるだろう。

「いっそのことV系のACを作るのもありですね。耐久はネクスト並でコジマ汚染は発生せず、おまけに小さくても高火力。
ヘリや爆撃機からの投下なども可能ですし、いいことづくめです」
「うむ。史実の弱いインフラでもなんとかなる可能性もあるし、そちらの導入を検討しよう」
「では、史実日本とは基本的に友好路線を維持。自助努力を促しつつ、最悪の場合は日本解体戦争を起こすということで」
「「「異議なし」」」

日本企業連合による実質的な大日本帝国の経済植民地化は、それから5年とたたないうちに完了していった。
もとより、大日本帝国が日本企業連に提供できる商品は『コジマ汚染されていない環境そのもの』しかなかった。
国内の産業化の後押しなどを進めた対価として、日本が持ち得る天然の環境を残さず提供せねば、それに釣り合わなかったのだ。
日企連にしてみれば貴重な天然ものの食糧は日企連内部でも高い需要が存在したし、他の企業へ送って力を見せつけることにも
使うことができる割と重要な物資なのだ。海へのコジマ汚染が拡大しつつあり、天然ものも迂闊には食べられなくなっている。
それを潤沢に貢ぐしか、大日本帝国が生きるすべはなかったのだ。

日企連のおかげで国内インフラは急速に整えられ、国債は支払いを完了し、さらに電気などは日企連が格安で提供してくれる。
工業力も技術者の派遣によって急速に向上していく。今はまだまだだが、それでもアメリカなどに追従するところまでは
進歩してもらわなければならない。それまでは日企連の潤沢な資源と商品によって精々頑張ってもらおう。
彼らにとって、国家など恐ろしくはない。
彼らは企業。嘗て、地球上の国家を解体してのけた、巨大な怪物なのだから。

215 :弥次郎@帰省中:2016/07/10(日) 17:52:31
そして、そのゲートの情報は最悪の反動勢力である彼らの元にも届いていた。

「日企連からの誘いだ。過去の世界に通じるゲートの向こう側を見てみないかと」
「クローズプランの前だが、いいのか?」
「むしろ見ておくべきだ。クローズプランのさらに先、宇宙に人々が飛び立ち、汚染から救われた世界。
 それは全ての人々の希望となるだろう」

ビックボックスでメルツェルは日企連からの連絡を受けたテルミドールと話し合っていた。

「たとえそれが過去の世界のもであろうとも、いずれはこの地球によみがえるものだ」

いまだに自然環境が維持されているところなど日企連の企業経済圏や企業の重要施設のあるわずかなコロニーに限られる。
それ故に、誰もが汚染のない世界を考えたことさえない。残っているのも、映像資料ばかりだ。
だが、それが五感で感じられるものであったら?実体験できるものだったら?

「企業のリンクスであれ、老人たちであれ、そういった環境は知りもしない。揺り籠の中の幻想しか知らない。
 だが、それは虚構だ。矛盾した延命機構でしかない。人々に示されるのは『本物』だ」

メルツェルは差し出されたスプレー缶を手に取る。見るからに口に当てて吸うタイプのようだ。
促されるままに、口に当て、上部のスイッチを押し込む。

「……!?」

新鮮な空気だった。
否、浄化された空気は何度も吸っているが、これは破格だった。
まるで、空気が生き物のように肺の中に納まって、胎動する。
吸い込むだけで、体が喜んでいるような錯覚さえする。

「……これが、あちらの世界の空気か」
「ああ。そして、これは将来、ごく当たり前の物になるのだ」

これが当たり前。その言葉にメルツェルは参謀らしからぬ熱情がほとばしるのを感じた。

「これがどれだけの価値を持つか、分かるだろう。そして、ゲートは日企連の支配下にある。クレイドルが落ちた後に
人々が手にするのは、『企業の罪から逃れた正常で清浄な世界』という夢なのだ」
「夢、か……」
「幽かな夢だ、しかし同時に現実でもある。各企業が弱体化し、日企連が新たな未来を提示すれば、人々は動かされるのさ」

テルミドールの弁にも熱がこもる。

「誰もが憂いている。それは心の奥底でくすぶっている感情。それは一度燃え上がれば、企業も無視できない」

ははは、と笑いが止まらない。

「動くぞ、時代が」

ORCA旅団の決起まで、まもなくと迫ったころであった。

216 :弥次郎@帰省中:2016/07/10(日) 17:53:08
はい、以上です。
wiki転載はご自由に。

日企連の存在する世界と史実日本がゲートでつながるネタを書いてみました。
艦隊が通過できる程度のゲートが開通して日企連が史実側をおいしく頂いております。
因みに、史実側最大の輸出品は空気と水。……ギャグじゃないですよ?どこぞのSFなじゃぽん列島な世界と違い、
コジマ汚染などがない空気がAC4世界ではレアなだけです。天然ものの空気が天文学的な数字になるだけです。
因みにゲートは自然にある空気や水が通過しませんしませんので、悪しからず。

なお、これはあくまでネタであって、他のネタとは関連性はありません。

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最終更新:2016年08月07日 19:01