862 :弥次郎@帰省中:2016/07/24(日) 14:35:15
大日本企業連合が史実世界にログインしたようです -2-



日企連の蜂起から1週間。
大日本帝国は一時的に全権が天皇の元に集められ、一切の決済が天皇若しくは信任者の承諾を
得なければ備品一つ補充すら叶わない状態となっていた。事実上、天皇による絶対王政へと逆戻り
したかのような有様であった。その信任者にしても日企連の派遣した人員であることが多く、史実側の
人員は殆ど介在していない。辛うじてアドバイザーとして招集された人間がいなくもないのだが、それは全体から見れば少数だった。
内閣も軍も、天皇の勅命により身動きさえ許されていない。代わりに治安維持にあたっているのは、日企連の派遣した
兵力であった。これまで日本国民が見慣れたものではなく無骨な戦車や鋼鉄の人型がにらみをきかせる光景は異様の一言につきた。

そして、宮城。
急遽集められた閣僚は、青ざめた表情で御前会議の場にいた。
苛立ちを隠さない今上帝の眼前に立たされ、いくつかの質問を投げつけられ、満足するまで答えさせた。
さながら、閻魔の問答か。否、それ以上に厳しい。なにしろすぐに罰が下らないからである。
軍部には将来の軍事計画やこれまでの軍事行動の根拠について。政権担当者には政府の政策や国会での醜態などについて。
そして、それの問答は現職の者だけではなく前任者、あるいは前々任者までが呼び出されて続いた。
地獄のような問答は休憩をはさみながらも続いた。朝から始まったそれが漸くの終結の気配を見せたのはなんと夕方になってから。
誰もが疲弊をあらわにしている中で、淡々と御前会議は進行する。

「さて、次に日企連との折衝であるが……」

臣下が戦々恐々としているのを睥睨しながら、ついにその議題へと移した。
日企連。つい先日の青年将校の蜂起を力で叩きつぶした、謎の組織。
犯行声明のようなものは、その閣僚たちも当然聞いた。
ひそひそと、隣の席の人間と話し合うものもいた。

「あらかじめ言っておくが、これは決定事項である。朕の直属として、政権・軍部に相当する権限を有し、これを……」
「恐れながら、お待ちを。政治的な決定につきましては内閣がこれを輔弼し……」

首相が、時の内閣のトップである岡田啓介が割って入る。
そう、主権は天皇にありながら、事実上内閣と軍部がそれを輔弼するという形で握っている。
一応民主制ということで、憲法の条文と実態には結構ギャップが存在した。これはプロイセンの憲法、つまり君主が強い権限を持つという
憲法を参考にしつつ明治憲法、大日本帝国憲法が作成されたためでもある。その発表時においても、『天皇が臣民に対して
憲法を下賜する』という形をとって発布し、施行された。しかし、しかしである。それでは民主的とは言えない。
岡田の指摘したのはその点であった。

バン!

その莫大な音が全ての声を遮った。
そして、その音を手のひらを机に叩きつけることで生み出した主は、椅子から立ち上がっていた。

「黙れ、奸臣めが」

その一言に、その場に居合わせたすべての人間が震えた。

「何故朕が日企連に介入を依頼したか、分からぬか!」

863 :弥次郎@帰省中:2016/07/24(日) 14:37:09
その剣幕に、その場の人間は委縮するしかなかった。
それは、古から続く国家を統べる帝王の怒り。

「日企連は、国を恐れておらん。かの組織は、この地上全ての国家を解体したのだ。今さらこの小国一つ、どうとも思わぬ」

そして、凡人が計り知れぬ悲しみが籠っていた

「朕はその本意を聞かされた。混乱を前にして何もせず、唯々利益をむさぼる国を正すために自ら国家を解体したと。
 だが、貴様ら奸臣はどうだ?互いの派閥や自己の利益に目がくらみ、懐を肥やし、朕の名を笠に着て好き勝手にしておるではないか」

内閣の閣僚も、呼び出された軍人たちも、言葉を失う。
彼らの知りえぬことだが、既にいわゆる史実の情報を日企連からもたらされ、それを一昼夜かけてご覧になっていたのだ。
それは過去の、昭和帝の知り得ぬものから知っていても深くは知らされなかったものから、未来において起こるものまで様々。
それはやがて起こる大戦と、その敗戦に伴う帝国の解体までも克明に記録されていた。

そして、帝国が解体されたのちに続いた政府の失策。国際機関さえも混乱の収束が出来ず、世界が混乱に包まれ、
企業がやがて台頭し、地球上全ての国家が解体しつくされた。その世界は一見平穏ではあるが、ゼロサムゲームが続き、
地球という星に生命が生きていけるかも妖しいほどまでに汚染されつくした。

そんな未来を見せられ、この国の君主が抱いたのは大きな怒りと、悲しみであった。
自らが、敗戦とはいえ望まれて『人』となり、政治の場から身を引いた。それが最良と信じて。
それが結局報われないと知れば、いや、それ以前から少しでも自らが正していれば、回避できたのでは。

その心情は、奇しくも別の世界において日本を陰から動かし続けていたとある集団と酷似していた。
しかし、この世界の、その人々はいない。否、いない筈であった。しかし彼らは来た。異世界から、門を超えて。

「しばらくの間は、朕が全てを預かろう。貴様らは、どうすればよいか考えておれ」

それは、政党政治の、ひいては民主政治の否定。
君主が全てを握り、絶対王政の在り方。
輔弼されるという名のもとに、君臨すれども統治せずを貫いてきた姿勢から見ると、あまりにも極端な方針転換であった。

「貴様らが立て直せぬならば、朕が正してやろう。貴様ら等よりよほど頼りになる者も支えてくれるでな」
「日企連、でございますか」
「そうだ。損得がきちんとわかる者たちでな、貴様らなぞより帝国のために、彼の者たちの利益のために働いてくれる。
 これだけ伝えれば十分であろう」

ぽかんとする臣下を尻目に、立ち上がって出ていく君主。
そして、入り口のところで振り返りもせず言葉が発せられる。

「平和を望み、貴様らに期待した朕が愚かであったかよ……」

やがて、その言葉を理解した閣僚らは無言のままに膝をつくしかなかった。
岡田内閣が勅命によって解散・権限を一時返上したのは、その翌日の事であった。同時に戒厳令が全国に発布。
軍部にかわって日企連による治安維持が開始された。天皇親政の復活に、日本中が混乱に包まれた。

だが、これらがあくまで前座であり、一種の時間稼ぎであることを知る者は少ない。
日企連の元の世界の側での厄介な事情が存在し、それが片付くまで世間の視線をそらすためでもあった。

864 :弥次郎@帰省中:2016/07/24(日) 14:38:15
ウィン・D・ファンションにとって、辻堂という人間は苦手な部類に入る。
インテリオル・ユニオンの敵対企業の重役ということ以上に、人間として、何か、自分にとって致命的なところまで
見透かされているかのような気がするのだ。

「インテリオルを裏切れと?」
「ええ。近々、大きな騒ぎが起きます。間違いなく、リンクス戦争以来の大戦争になるでしょう」
「……わざわざ呼び出したうえで企業を裏切れと。豪胆すぎるな。ここから無事に返れるかも疑わしくなってきたぞ」
「ご心配なく。丁重にお送りさせていただきますよ?
 もし、もしあなたが企業連ではなく日企連についてくれるならば……我々は多くの人々に企業連以上のものを提供できる」
「それはなんだ?」

返答によっては、と鋭い目が語る。しかし辻堂は全く意に介さず、指を組み合わせながら言う。

「夢です」
「夢?」

左様、と辻堂は続ける。意外な返答に真鍮の乙女は目をしばたたかせる。

「この世界の行き先は、おおまかに3つしかない。世界の守護か、革命か、それとも……すべての破滅か。
 けれど、誰もが生きていけるだけの希望を、我々は示せる。
 こうあってほしいという願い。希望。夢。あるいは……そう、別の選択肢があってもよいのではという願望です。夢です。
 人はパンのみにて生きるにあらず、とかの聖人は言いました。食べ物や住居など、些細な物なのですよ。
 そのために、国家解体戦争も、リンクス戦争も、全てを動かしてきた」
「すべて、目的のためだと?」
「ええ。我々はこの地球で壊死することも、揺り籠の中で見る偽りの夢にも興味はない。あるとすれば、ほんのささやかな希望が欲しい」

ふん、と吐き捨てる。
夢、希望……そんな言葉が、日企連の裏のトップと言われる日企連財務部(事実上の財務省)のトップを務める辻堂の
口から出てくるなど、信じろと言われても信じ難い。

「パンドラの箱を開けてまでも、希望が欲しいのか」
「それこそが、これまで死んでいった全ての人々への慰めとなるでしょう。我々が死を売って歩いたのは、全てこの時の為」
「……」
「貴方のことだ、例えそれが企業の老人たちの為と知っても、クレイドルの人々を守るため戦うだろう。
 しかし、それはあまりにも惜しい」
「……だが、クレイドルが無くては人は生きていけないぞ」
「ああ確かに。しかし、クレイドルとてすべての人を救えてはいないでしょう?クレイドルに乗り込めるのもごく少数の人々で、
 企業とのつながりを持たなければ許されぬ揺り籠。それが地上のコジマ汚染を広げているのはご承知の通り。
 あなたが報酬と引き換えに多くの人々をクレイドルに居住させているのは私どももよく知っていますよ」
「……否定はしない。が、話がそれだけならば私は帰らせてもらおう」
「構いません」

立ち上がるウィン・D・ファンションの背に、辻堂の言葉がささる。

「人は確かに弱い。けれど、我々人類は、そこまで弱くはない」
「……」
「苦しければ這い上がろうとする。それがどれだけ無様であろうとね。良い返事を期待していますよ、少佐」
「……失礼する」

865 :弥次郎@帰省中:2016/07/24(日) 14:39:26
夢幻会、会合。
いよいよに迫ったORCAの蜂起を前に、日企連もいよいよ準備を整えつつあった。
史実世界へと干渉するというトラブルこそあったものの、それ以外は極めて順調だった。

「ウィン・D・ファンションはおそらくこちらに着くでしょう」
「リリウム・ウォルコットも同様にこちらになびくようですな。最も、あの老害の意思もあっての事でしょうが」
「ふん。あの老害さえも、史実世界までは予見できまい。ORCA旅団蜂起は、あくまでも序章に過ぎませんからな」
「史実側はどうなっていますか?」
「2.26事件が終結後、権限を多く獲得しました。暫くは情報を小出しにしつつ、こちらの後始末が終わるまで時間を稼ぐ必要があります。
 まあ、そこは何とでもなりますな。艦隊も通過可能なゲートが小笠原諸島近海とは、まぁまぁ良い立地ですし、
 精々盛大な観艦式にしてやりますよ」
「ORCA旅団には小笠原諸島で暫くバカンスをしてもらいましょうか……史実側の政治の方は?」
「畏れ多き方が国内産業の立て直しを命じられ、日企連がそれに答えて、という形で政府に食い込んでいる」
「まるで王政復古だな……政党政治を通り越して、絶対王政に逆戻りしたような感じだ」

史実を知るメンバーが驚愕する中で、何人かは頷いている。

「旧憲法においてはあくまで『天皇が主権者』で内閣や軍部は『輔弼』だからな。文言通りに解釈すれば、軍部や内閣は
天皇が決定したことに意見を述べることは許されても、覆したり、ましてや侵害は出来ませんからね」
「軍部はどうなっているんです?」
「2.26事件のことがどうやら応えたらしい。ハイエンドノーマルの120mm砲を受ければ死体すら残らんからな」
「撃ったのか?」
「まさか。戦車を引っ張ってきてデモンストレーションで打ち抜いただけですよ」

さもありなん、とメンバーが笑う。120mmという大口径砲は、本来人に向ける口径ではない。
勿論現場の兵が口径を測ったわけではないだろうが、戦車が一発で吹き飛べば馬鹿でも威力が分かるというものだ。

866 :弥次郎@帰省中:2016/07/24(日) 14:40:27
「こっちとあっちの技術差って酷いからなぁ……有澤謹製のZENIGAMEとか白目剥くんじゃないだろうか?」
「タンク型ノーマルだけで無双が出来ますからね……問題なのは国内インフラの脆弱性ですが」
「だからこそ日企連の土建屋の出番というわけだ。暫くは海上移動要塞と本土をピストン輸送して工事をしてもらおう」

夢幻会の会合は、徐々に史実側との折衝へと話題を移していた。

「あちら側には防疫用設備の拡張が順調に進んでいます。まもなく総力を展開可能になりますよ」
「必要なワクチンの製造も何とかなっております。クレイドル降下に備えて生産工場を増やしておいて正解でしたね」
「食料プラントについても検体を用いての検査が完了。あちらへの輸出も可能ですし、あちらからの輸入も順次開始されます」
「建造ドック内包型のAFもいつでも動かせます。あちらの艦艇の改修などは、技術指導も含めて何時でもいけます」
「第一次派遣団は既に防疫期間を経ています。どうやら感染症などの持ち込みもほぼ0と言えるでしょう」
「……ようやくこっちが片付いても、史実側が片付くのはどれだけ先になるやら」
「何を言うんです神崎さん。史実への介入は程よい経済活性になっていますし、天然物を多く手に入れられるのは
願ってもないことでしょう。ORCA旅団も士気が鰻登り。日企連の力は向上したくらいです」

会合のトップとして、会合をまとめる役目の神崎は深いため息をつく。

「あちらの世界とこちらの世界の双方に喧嘩を売って、しかも片方が非常にデリケートだというのに……」
「いいじゃないですか、神崎さん。何事も気楽にいかないと疲れてしまいますよ」
「簡単に言ってくれますね……」
「いえいえ、今回も、しっかり働いてもらいますから」

前世で嶋田繁太郎の中の人であった神崎はため息をつくと、今の議題へと意識を戻す。

「ひとまず、油断はせずに行きましょう」

そして、夢幻会の会合は今日も夜通し続いた。

867 :弥次郎@帰省中:2016/07/24(日) 14:42:04
そして、ACfAの世界において運命の7月が訪れた。
世界各地に点在するアルテリア施設に対してORCA旅団のネクストが同時に奇襲攻撃をかけてこれを制圧。
同時に、全世界にORCA旅団旅団長 マクシミリアン・テルミドールの名で短いメッセージが送られる。

『To nobles. Welcome to the earth.』

全企業に対する宣戦布告は、同時に、日企連に内通を約束した勢力への合図でもあった。
カラードランク2 ウィン・D・ファンションおよびランク20 エイ=プールがORCA旅団の決起と同時にインテリオルを
事実上出奔。同時にランク2 リリウム・ウォルコットもBFFを離脱。さらにGAの抱えるリンクスたちも多くが離反し、
企業連は戦略兵器たるネクストの大多数をいきなり失うことになった。

ORCAの蜂起と同時に各企業に対して宣戦布告した日企連は、その豊富な『資源』で各企業のランカーをあらかじめ篭絡しており、
自らの陣営に一企業が抱えるには過剰ともいえる戦力を集め、同時に各企業の戦略の根底を大きく覆した。
独立傭兵の多くも日企連の呼びかけに答えて企業連を見限って日企連の側に着いた。

後の第二次リンクス戦争と呼ばれたこの戦争は、リンクス戦力をアームズフォートの建造によって軽視していた各企業に
とって致命的な損失となり、同時にリンクスという戦力が如何にハードを超越したユニットであるかを企業に知らしめるという
何とも皮肉な結果となった。各地で蜂起したORCA旅団の通常戦力の対処にも苦労を重ねた企業は、その戦力を徐々にすりつぶされていく。もとより通常戦力を用いてネクストの撃破は極めて難しく、特殊な環境下、例えば砂嵐の中だとか
コジマ粒子を意図的に濃くした環境下でなければネクストを守るPA(プライマルアーマー)は破ることが難しく、通常兵器は
良い鴨にしかならないのであった。

オーメル・サイエンスは切り札であるアームズフォート『アンサラー』を投入。なりふり構わず、衛星軌道掃射砲
『エーレンベルグ』に残ったネクスト戦力とAFを叩きつけた。しかし、日企連が派遣した上位ランカーリンクスに
よって構成される精鋭部隊は、精鋭の名に恥じぬ働きを見せて企業連のネクスト部隊を撃退し、エーレンベルグの防衛を成功。
アンサラーに至っては、夢幻会に属するリアルドミナントがアルゼブラのとっつき一つという潔すぎる装備で突撃し、
これを破壊してのけた。いよいよ切り札が無くなったオーメル陣営をしり目に、日本企業連合はオーメル・サイエンス
及びインテリオル・ユニオンの本社にネクストも含む戦力を差し向け、これを降伏へと追い込んだ。

これによって第二次リンクス戦争が終結し、事実上世界の覇権は日企連へと移っていた。
クレイドルは順次地表へと降下。海洋上に設置された海上都市プラットフォーム『オノゴロ』へと接続され、そのまま
改装を受けて海上都市として定着した。コジマ粒子による発電ではなく海洋の満ち引きを利用した潮力発電や太陽光発電、
あるいは風力発電へと電源を移し、クレイドルという人々の安住の住処は破壊されることなく維持された。

868 :弥次郎@帰省中:2016/07/24(日) 14:43:17
そして、地上に降りてきた人々に提供されたのが、日企連が史実側の世界から取り寄せた空気や水、そして自然であった。
合成ではない天然ものの食料や、汚染されていない空気など、企業連のトップしか得られないようなものばかりだった。
地表に降り立ったクレイドルの中で、幼子が吸い込んだのは、希釈されながらも汚染がはるかに少ない空気。
こぼれたのは、自然な笑みであった。

こうして余剰電力を得た軌道掃射砲『エーレンベルグ』はアサルトセルの排除を開始。さらに日企連が開発していた
フロート脚部の衛星軌道対応型ネクストによってエーレンベルグが排除しそこなったアサルトセルを排除。また、衛星軌道上に
散らばるデプリもネクストや宇宙対応型のMTにより地道に排除されていく。こうして、地球を覆い尽くしていた傘はなくなった。
日企連は宇宙開発の再開を宣言。ORCA旅団は、今は亡きレイレナード社の、そして日企連の悲願である宇宙への進出の道を
切り開いた英雄として喧伝された。

また、日企連はネクスト戦力の開発の中断を宣言。というよりも、コジマ粒子に関わる技術の多くを危険技術として
扱いを禁じた。オーメル陣営およびインテリオルユニオンはこの指示に従わざるを得ず、多くの技術者が別の分野への
転向が命じられるか、あるいは日企連傘下での限定的なコジマ粒子に関する研究を続けることになった。

日企連はネクストACを禁止にする一方で、新たなアーマードコアとして『Vシリーズ』を公表。これまでのハイエンドノーマルACと並ぶ
ドル箱として売り出した。通常のACと異なり、搭乗者を選ばず運用コストの低さが高い評価を受けた。これまでのネクストと異なり、
数による戦略・戦術的運用が可能なVシリーズACは、その汎用性の高さから多くの傭兵に愛好された。その傭兵の中には、
企業から事実上解雇された元リンクスたちも多く混じっていた。

非人道的なAMS関連の実験を行っていたアスピナ機関は、AMSの本来の使い道、即ち神経と接続することで動かせる義肢などの開発へと
強制的に転換を命じられた。アスピナ機関が滅ぼされなかったのは同機関出身であるジョシュア・オブライエン及び
ジュリアス・エメリーの進言があったとされるのだが、定かではない。

ORCA旅団は、欠けた人員を日企連のリンクスとカラードから離脱したリンクスによって補い、対ネクスト専門の
対処組織となった。実質壊滅したカラードに代わるリンクスの取りまとめ機関となり、抵抗を続ける各企業の残党の
始末を行い続けた。しかし、その活動もそう長くはなかった。もとより企業並の資金や設備を必須とするネクスト戦力の
長期運用は単なるテロ組織にまで落ちた企業の残党には厳しく、そのネクスト関連の物資の統制が日企連に行われたことで
自然と日干しされたのだ。彼らはやがて、世界の表舞台から身を引き、それぞれの生活を作っていった。

斯くして、人類は、存在しないはずの世界を選んだ。
世界の維持でもなく、革命でもなく、人類の破滅でもない未来。
苦しくとも、未来に向かって生きていける希望が、人々にもたらされた世界。
正のエネルギーが、世界に満ちようとしていた。



だが、日企連の戦いは終わってなどいない。
異なる世界での、長く険しい戦いが待ち受けていた。

869 :弥次郎@帰省中:2016/07/24(日) 14:44:00
以上となります。wiki転載はご自由に。

とりあえずサクサク終わらせました。
むしろ本番は史実世界側ですからね。

ギガベースとか見せつけられたら、アメリカ海軍とか発狂寸前じゃないですかね……
日企連はアームズフォートを各企業からせしめてますんで、改造すればネクスト持ってこないと潰せないユニットとして
史実側に送り出せます。圧倒的ではないか、わが日企連わ(錯乱

なお、メンテがクソめんどくさい模様。何分史実のアメリカでもアームズフォートの運用は厳しいでしょうからね。
史実側が悪いんじゃなく、AF作った連中が悪いんだ(責任転嫁)。
最初に派遣するのは工作艦を兼ねた海上拠点型のAFですな。自己メンテできるAF持ってかないと時間経過で無力化されるんで……
というか、史実とACfA世界だと環境が違いすぎますんで、一定期間疫病とか感染症とか空気の綺麗さ/汚さに慣らさないと
いけないのがめんどくさいですねぇ…


史実世界では衝撃的すぎる未来を見せられた御上が覚悟完了状態。
君子は豹変すと言いますが、豹変しすぎですな。

因みに2.26事件の時、日企連は青年将校の反乱起こるよ、と警告して警備を配置してました。
そして、宮城に突入してきたところをノーマルACで盛大に歓迎。目の前で戦車をハチの巣にしました。
当然のようにこれには降伏せざるを得ず、となりまして。要人の所には日企連が警護を送ってまして、
容赦なく鎮圧しています。なので死傷者はほぼ0となっております。

ゲートの位置については小笠原諸島沖としました。
小笠原諸島は日企連の拠点があります。なお、迂闊に近寄ると防衛用に配置されたギガベースが迎撃します。
巡洋戦艦がフルで機関を飛ばしても大口径艦砲で偏差射撃してくれますよ。

諸外国の動静については次の話にしましょうかね…
ぶっちゃけネタなので、あんまり期待されると困ったり……

927 :弥次郎@帰省中:2016/07/24(日) 18:10:37
因みにフロート脚部ネクストは以下のようなのを考えてました

JPN-Hien-03
日企連の製造したフロート脚部型ネクスト。
クレイドルの飛行する高高度の防衛に適した一撃離脱型の戦闘スタイルに合わせ、武装を揃えている。
空力力学を踏まえた鋭角なボディはレイレナード社の技術者を招聘して設計したためと言われる。
クレイドル宙域での使用を前提としているためKP出力は低いが、PA減衰抵抗が極めて高く、欠点を補っている。
防御性はむしろ改善され、ジェネレーターの更新によって基礎性能も向上している。
元ネタは三式戦闘機飛燕。

JPN-Hien-H
空力力学を意識した鋭角的なデザインを持つ。
高負荷であるが、カメラ性能などは非常に高く一考の余地あり。

JPN-Hien-C
空気力学を意識した軽量型のコア。
防御性は若干犠牲になっているが内装関連は非常に優秀。

JPN-Hien-L
日企連製造の第二世代型フロート脚部。
高負荷なのは相変わらずだが、耐久性や旋回性の向上によってより扱いやすくなった。

JPN-Hien-A
軽量化を第一に射撃安定性を追求した腕部パーツ。
大火力の兵器を扱うことも可能な安定性を持つ。

JPN-Hien-AW01
軽量型の機関砲を内蔵した武器腕部パーツ。
弾丸には対PA徹甲弾を採用しており、集弾性に優れ、高速の機動戦をしながらでも高い命中率を期待できる。

JPN-Hien-AW02
スナイパーキャノンを内蔵した武器腕部パーツ。
サブアームを内蔵しているために、切替を行えば一部の携行武装を装備・使用可能である。

JPN-Hien-FCS
JPN-Hien-03に合わせてアップデートがなされたFCS。
ミサイルやスナイパーライフルに適合しており、高速戦闘状態にも適合する万能性を持ち合わせている。
ただし、負荷は非常に重い。
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最終更新:2016年08月08日 12:16