227 :弥次郎@帰省中:2016/08/04(木) 21:51:05
大日本企業連合が史実世界にログインしたようです 幕間 -大統領は動かない-

西暦1935年2月27日

ホワイトハウスの執務室には、夜にも拘らずフランクリン・D・ルーズベルト大統領を筆頭に、国務長官のコーデル・ハルや
陸海軍の参謀長らが集っている。誰もが日本で起こったクーデターの対応で急きょ招集され、今日は2日目だった。

「もう一度最初から確認していこう」

朝食を終えた彼らはコーヒーを手にして、急きょ運び込まれた巨大なボードには、多くの書類や報告書が画鋲で留められている。
いずれも、日本に関連するものばかりである。

「まず、ジャパンの軍部がクーデターを起こした。戦車まで動員され、襲撃が起こった」

口火を切ったのはルーズベルトだった。
時系列順に事態を整理したメモ書きを指さしながらゆっくりと読み上げる。

「そして、これにエンペラーの命令を受けた『企業』が鎮圧した」
「ラジオの情報によれば、『大日本企業連合』を名乗っていました」

コーデル・ハルがそれを捕捉する。
『大日本企業連合』、『THE LEAGUE OF JAPAN COMPANIES』、その文字は報告書に多く見られている。

「ハル、その『大日本企業連合』について何か判明したことは?」
「いえ、ラジオによって放送された以外のことは全く。問い合わせなども行っていますが無しの礫。
 企業名から関連すると思われる企業を洗い出していますが、どうにも話がかみ合いません」
「そしてロイヤルガードがその『日企連』の戦力と共に展開し、治安維持を行い始めた。
 明らかに素人ではなく訓練された軍人を師団規模で動員している。
 軍事会社でもない限り、そういった軍人を揃えることは不可能だ……」
「動員している戦力と装備からしても、正規軍に匹敵するでしょう」
「それは枝葉末節だよ。もっとシンプルにとらえよう。オッカムのようにね」

陸軍長官ハリー・ハインズ・ウッドリングの指摘をルーズベルトはイギリスの哲学者を引き合いに出して遮る。

228 :弥次郎@帰省中:2016/08/04(木) 21:52:09
「簡潔に言えば、企業がエンペラーと手を組みカウンタークーデターを実施して政権を打倒した。そういうことだね?」
「はい。企業(カンパニー)が国(ステイツ)に反抗するというのは……軍事行動まで行うというのは想像できませんが」
「報告書を呼んだかね?『日企連』は『人型』の兵器まで導入しているようだよ」

駐日米国大使館からはわずかだが情報が集められて送られてきている。
その報告書は逐次情報を更新しているが、その度毎に謎が深まるばかり。

「『人型』、企業、エンペラーのカウンター、そして打ち合わせでもしてあったかのような滑らかな体制の変化。
 おまけに国内のスパイの一斉摘発。まるで三文小説のような展開だよ」
「全くです。何もかもがうまく行き過ぎていて、むしろおかしさすら感じます」
「情報が不足している。『合衆国民の保護』のため、として介入できないかね?」
「先んじて手を打たれています。ジャパンの合衆国国民の所在についての情報が大使館にもたらされ、所在確認がされました。
 フィリピン近海に所属不明の潜水艦が活動しているとの報告もあります。明らかにフィリピンの動きを見張っているのでしょう」

海軍作戦本部長ウィリアム・リーヒ大将が答える。

「情報が不足していることは確かです。アジア艦隊を動かせば確実に牽制してくるでしょう。
 無理に艦隊を強行させるのも現在のアジア艦隊では不可能かと」
「まだ動かさないさ。必要なら動かす、一番いいタイミングでね」
「引き続き、情報収集に当たります」

何人かのスタッフが出入りして書類の受け渡しや指示が行き交う中で、大統領だけは静かに考え事をしていた。
日企連、クーデター、『人型』、エンペラー。それらとこれまでの国際情勢を鑑みる。そして、現状。

「なかなかに手ごわいな」
「は?」
「こちらは主導権が握れず、大使館からの情報に右往左往するしかない。しかも、あきらかに『教えても問題ない情報』だけを
 うまく大使館職員に掴ませている。『日企連』が日本の企業であるかさえ不明だが、ここまで翻弄されると逆に心地よいくらいさ」

何を言っているんだ、という表情のホワイトハウスの住人たちの中央で、大統領はひとしきり頷く。

「強敵だよ、日企連は」

困惑する長官らを差し置いて、ルーズベルトの目は地図上の日本列島をにらんでいた。
このクーデター終了後に日本がどのような対応をとって来るのか。
大きく変化するという予感が彼にはあった。そして、それが大きく国家間闘争に響くとも。
一人頷く大統領は、その脳細胞の働きを静かに高めていった。

229 :弥次郎@帰省中:2016/08/04(木) 21:53:12
以上です、wiki転載はご自由に。

アメリカが動き出しました。しかし、この時点ではまだ注意を持ち始めた段階です。
何にも分からない状況なので、さっぱりわかりません。

イギリスはどうしましょうかね……ダウニング街に吉田さんあたりを凸させますか。日企連の人間随伴で。
信じないと悪いので映像の世紀(ACfA世界版)も持ってって吉田さんに見せますかね。リンクス戦争の様子と
その影響についても見せつけましょうか(ゲス顔

次の話は、これだけは先行してやっておかないといけないことを一つやる話ですね。
歴史を先取りした大犯罪とも言いますけど。
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最終更新:2016年08月08日 18:48